*31日(日)高知 第7R『黒潮スプリンターズカップ』 1300m 18:10発走*
地方全国交流戦で各地から遠征馬が6頭。
地元高知の強豪もいて本命馬をどの馬にするかかなり悩みましたが、兵庫からの遠征馬ドライヴナイトにしました。
JRAで6勝を挙げた実績馬。2019年以降は惨敗することが多かったですが、兵庫移籍初戦で勝利を飾ると、園田金盃4着、白銀争覇3着と重賞で上位争いをしています。
特に前走の白銀争覇に関しては、逃げたエイシンエンジョイを意識する形になって、早め先頭に立ちました。そこから踏ん張ってタイム差なしの3着。
負けたとはいえ、あの厳しい展開で粘ったことは実力の証だと考えます。
初めての高知ですが、8歳馬で遠征経験もあるので特に問題ないでしょう。
好位で流れに乗れる馬なので、大崩れはないのではないかと考えます。
対抗は高知のアイアンブルー。
前走の大高坂賞は初めての重賞挑戦でしたが、びっくりするような末脚を使って差し切りました。
スタートダッシュがあまり速くないので前目には行けないタイプですが、あの末脚があるのは大きな武器。
今回のメンバーは前々で競馬をしたい馬が多いですから、前がやり合う展開になればこの馬の持ち味が活きそうです。
エイシンエンジョイは前走の白銀争覇で早めに失速してしまいましたが、前は速い展開になって最後方にいたタイセイプレシャスが差し切る流れでした。
その前の笠松グランプリでは強豪相手に苦しい展開の中渋太く粘りましたから、力を付けていると感じます。
ここは仕切り直しの一戦。巻き返しも十分あると思います。
12歳になっても強いサクラレグナム、レース上手なスリラーインマニラ、前走強いレースをしたアースグロウまで。
◎3、ドライヴナイト
○6、アイアンブルー
▲4、エイシンエンジョイ
△7、サクラレグナム
△2、スリラーインマニラ
△8、アースグロウ
*28日(木)姫路 第11R『白鷺賞』 2000m 15:55発走*
姫路で行われる『白鷺賞』。
今年はジンギVS佐賀のアンバラージュVS高知のショートストーリーの3頭の戦いではないかと見ています。
ジンギは10月の姫山菊花賞では厩舎の先輩エイシンニシパに差し切られ、まだ一線級の先輩たちには敵わないのかな...という印象だったのですが、
その後58キロを背負ってA1クラスを圧勝。
少頭数だったとはいえ、控えたレースで勝ち切って、新たな一面を見せてくれました。
兵庫のグランプリレース園田金盃では、エイシンニシパを下しての1着。
2番手から直線突き抜ける強い競馬で、世代交代を印象付けました。
血統的にも早くから期待されて来た馬で、繊細なところもあるということですが、陣営が工夫を重ねて成長して来ました。
5歳になった今年はいよいよ本格化といっていいですし、姫路で勝った経験もあるのでコースも問題なし。
兵庫の代表として強い競馬を期待しています。
対抗は佐賀のアンバラージュ。
昨年は遠征を重ねてどんどんパワーアップして行きました。
最近はダッシュ力も増し、佐賀のグランプリである中島記念は逃げ切り勝ち。
今回は絶好枠に入ったので、逃げる競馬をするのか注目です。
初めての姫路ですが、遠征経験豊富なのでまったく心配していません。
地方競馬通算5000勝を達成したキングシャークこと鮫島克也騎手とのコンビで、どんなレースを見せてくれるか楽しみです。
高知のショートストーリーはJRAで4勝を挙げた実績馬。
高知に移籍しての3連勝は下級クラスだったので、その実力のほどを計りかねていたのですが、川崎の報知オールスターカップではストライクイーグルに先着して5着に入りました。
長くいい脚が使える馬で、前でアンバラージュとジンギが意識し合うような展開になれば、差し切りまであるのではないかと考えます。
新春賞2着のナムラヘラクレス、重賞2勝を挙げているタガノジーニアスまで。
◎5、ジンギ
○1、アンバラージュ
▲8、ショートストーリー
△3、ナムラヘラクレス
△2、タガノジーニアス
*26日(火)名古屋 第11R『梅桜賞』 1800m 16:15発走*
3歳牝馬の戦い梅桜賞。
北陸、東海、近畿地区交流戦で、今年は兵庫からスマイルジャスパーが遠征して来ました。
初の遠征、初の名古屋コースということになりますが、この馬を本命にします。
全馬初めての1800m戦ということが大きなポイントで、その点スマイルジャスパーは1700m戦を2度走って1勝3着1回と好成績を挙げています。
特に前走の3歳特別では新たな一面を見せてくれました。
好スタートを決めて初めて逃げる形になりましたが、前半は落ち着いた流れでしっかり折り合い、勝負所で並ばれましたが、直線を向いてもうひと伸び。
スタートが上手で前々で運べることも心強いですし、距離が延びた2戦はとても上手に競馬をしていて、あと100m延びてもこなしてくれるのではないでしょうか。
初コースですが鞍上は地元名古屋の村上弘樹騎手。
ここは重賞制覇のチャンスです。
対抗は岡部誠騎手騎乗のオーゴンノキズナにしました。
2走前には宮下瞳騎手とのコンビで2歳1組を勝利。
好位内を追走から、直線外に出すとしっかりと伸びて差し切りました。
前走の新春ペガサスカップは7着に敗れましたが、メンバー的に今回の方が手薄になる印象です。
初の1800mですが、ローズキングダム産駒ですからこなしてくれると思います。
3番手評価にしたのはルナエマーブル。
前走12月9日の2歳1組ではオーゴンノキズナに先着して2着。
前が速い流れになって展開がハマった印象もありますが、最後の伸び脚は素晴らしかったです。
距離が延びて決め脚勝負の展開になれば、この馬の持ち味が活きるのでは。
門別からの移籍後2連対中のオーロファーストにも注目。
前走1番人気で2着に負けたとはいえ、かなり厳しい展開の中、よく2着に踏ん張ったなという印象。
スタートも速いし距離さえこなせれば、上位争いもあると思います。
ハーピーマロンは新馬戦の1勝のみですが、初のマイル戦だったセレクトゴールドで8番人気4着と好走。
距離が延びることがプラスに働くのではないかと期待します。
◎3、スマイルジャスパー
○5、オーゴンノキズナ
▲7、ルナエマーブル
△8、オーロファースト
△10、ハーピーマロン
サブノタマヒメ(金沢プリンセスカップ、兼六園ジュニアカップ)、アイバンホー(金沢ヤングチャンピオン)、アイアンブルー(大高坂賞)など最近も産駒が活躍しているプリサイスエンド。受胎率の低さなどもあり、昨年残念ながら種牡馬を引退したそうです。現在は北海道新冠のノーザンレイクで第3の馬生を過ごしています。最近の様子をノーザンレイクの佐々木祥恵さんに伺いました。
赤見:プリサイスエンドが牧場にやって来たのはいつ頃ですか?
佐々木:昨年の10月20日にこちらに来ました。去勢をしたせいか、最初からとても落ち着いていましたね。ただ去勢してから痩せてしまったと聞いていて、実際腰骨なども浮き出ている様子でした。左後肢のフレグモーネが慢性化していて、そのケアがかなり大変ですね。
赤見:ノーザンレイクには他の馬たちもいると思いますが、他の馬たちとの交流はあるんですか?
佐々木:他の馬たちは3頭とも牝馬なので、別の放牧地に放しているんです。プリサイスエンドは落ち着いているんですが、女の子たちがソワソワしてしまって(笑)。最初に馬運車が到着した時から気にしていて、プリサイスエンドを別の放牧地に放したら、3頭ともプリサイスエンドが見えるところにバタバタと走って来て、大騒ぎしていました(笑)。
【到着してすぐの頃は小さめの放牧地で放牧。牝馬たちの熱い視線と猫ちゃんに見守られて】
赤見:キャッキャしている女子たちを想像すると微笑ましいです。プリサイスエンドは種牡馬だったことを考えると興奮しそうですが、あんまり気にしてないんですね。
佐々木:そうなんですよ。すぐに放牧地の草を食べだして、女子たちのことはまったく気にしていない様子でした(笑)。放牧地でまどろみながらウトウトしたり、大きな口をあけてあくびをしたり。体も少しずつ戻ってきていますし、今はのんびりと過ごしています。
赤見:写真を見たら、猫ちゃんとは仲良くしているみたいですね。
佐々木:メトという猫なんですけど、勝手に馬房に入ったり、洗い場ではいつの間にか背中に乗っていました。次の日も背中に乗っていたんですけど、しばらくしてプリさんが「この猫なんとかしてくれないかな」みたいに訴えて来て。直接猫に怒らないところが優しいですよね。
【洗い場で猫ちゃんが背中に乗っている図】
赤見:プリさんて呼んでるんですね。
佐々木:放牧地から帰る時、「プリさ~ん」て呼ぶと鳴いて返事をしてくれます。ちょっとハスキーな声なんですよ。去勢前はどういう感じだったのかわからないですけど、今はとても穏やかですね。ただ気に入ったエサが来ないと耳を絞って怒ってますけど(笑)。
赤見:気に入ったエサって何ですか?
佐々木:ルーサンとかが好きですね。やっぱり種牡馬だったので濃いエサを食べて来ていると思うんですよ。でも今はフレグモーネが悪化した時に抗生剤を使ったなごりなのか、お腹を下しやすくて。なので好みのものをあげたい気持ちもあるんですけど、チモシーなどをあげてます。そうすると「ルーサンくれくれ」みたいな感じで、耳を絞って歯をカチカチさせてます。だからと言って噛みつくわけではないですけどね。
赤見:プリサイスエンド産駒というと、活躍馬が多いですが一癖あるとも聞きます。
佐々木:よく聞くのはゲートにちょっと難があると言われていますよね。プリさんが来てからは中央も地方も産駒を探して注目しています。サブノタマヒメは重賞を勝ってくれましたし、サブノタマヒメを初めて負かしたアイバンホーもプリサイスエンド産駒でしたね。
赤見:アイバンホーは全日本2歳優駿の時にゲートで立ち上がってしまって...。ゲート難の一端を見せていましたね。
佐々木:そうでしたね。高知の大高坂賞を勝ったアイアンブルーも後ろから行く馬ですもんね。何か一癖あるんでしょうけど、気持ちも強いから活躍馬が多いのかもしれません。
【12月初旬からは広い放牧地へ】
赤見:種牡馬としては残念ながら引退となりましたが、これからは余生をゆっくりと過ごして欲しいです。
佐々木:活躍馬をたくさん出してくれましたし、日本で走ったわけではないですがファンの多い馬ですよね。うちに来てからも青草や野菜を送ってくれたファンの方がいらっしゃいました。ニンジンやリンゴが大好きなので、喜んで食べていましたよ。今は引退馬協会の所有馬ということで、うちは引退馬協会からの預託で預かっています。引退馬協会への寄付で預託料が賄われているので、寄付をしてくれた方々に感謝しています。これまで頑張ってくれた馬ですから、日々のケアをしっかりして、プリさんが少しでも気分良く過ごせるように尽力していきます。
認定NPO法人引退馬協会
14日(木)名古屋競馬場で行われたマイル争覇は、2番人気だったカツゲキキトキトが勝利。
長期休養明け後の初勝利であり、平地重賞最多勝となる20個目のタイトルを獲得しました。
長年パートナーを務める大畑雅章騎手に喜びの声を伺いました。
赤見:マイル争覇での勝利、おめでとうございます!カツゲキキトキトの復活劇に感動しましたし、大畑騎手の涙も印象的でした。
大畑:ありがとうございます。
僕自身も感動しました。いろいろ苦労したことが報われたなと。
一時はもう無理かもしれないと心が折れそうな時もあったのですが、よくここまで復活してくれて、重賞を勝ってくれました。
あと1つで記録が掛かっているのは分かっていましたから、プレッシャーもありましたが、勝ってくれて本当に嬉しいですし、改めてすごい馬だなと実感しています。
頑張ってくれたキトキトに心から感謝していますし、オーナーはじめ周りの方々にもとても感謝しています。
ずっと見守って応援してくれたファンの方々にも、ありがとうございますと伝えたいですね。
赤見:ご苦労されたというのは、長期で休養された時期や、復帰してからですか?
大畑:そうですね。脚部不安で2019年9月から2020年の9月まで1年間休養していましたが、牧場で休養していたわけではなくて、厩舎でずっと調整していたんです。
調教にも乗っていて、いろいろ工夫したんですが、なかなか良くならなくて...。
1年休んでこれならという状態になって、昨年9月のオープン特別に出走したわけですが、まったく走れず9着に惨敗してしまいました。
あの時はさすがにもう無理かもしれないと、心が折れそうになりましたね。
赤見:でもそこから使うごとにだんだんと良くなって来て、前走の名古屋記念では見せ場十分の2着になりました。
大畑:これがキトキトのすごいところなんですよね。使うごとに着実に良くなっていく。
デビューした2歳の頃も、ここまで走るとは思っていなかったんですけど、使いつつどんどん強くなっていって、重賞を何個も勝ってくれました。
今回も着実に良くなっていくので、本当にすごい馬だなと。
こういう馬には二度と出会えないだろうなと思っています。
赤見:20個のタイトルを獲ったわけですが、その中でも想い入れの強いレースを挙げるとしたらどのレースですか?
大畑:やっぱり今回ですね。また重賞を勝ってくれるとは想像出来ない時期がありましたから、そこから復活しての勝利なので。
全盛期の走りとは違いますが、今回が一番想い入れが強いレースになりました。
赤見:たくさんのファンの方が応援している馬です。ぜひメッセージをお願い致します。
大畑:ずっとキトキトを応援していただき、本当にありがとうございます。
時間が掛かってしまいましたが、また強いキトキトの姿をお見せすることが出来て、僕も嬉しいです。
今後は怪我なく、引退する日まで無事にいって欲しいです。
これからも応援よろしくお願いします。