佐世保記念(GIII)を制し、記念競輪初優勝を飾った佐賀の山田庸平選手(佐賀・94期)にお話を伺いました。
大津:佐世保記念優勝おめでとうございます。
山田:ありがとうございます。
大津:GIII初優勝です。お気持ちはいかがですか。
山田:自分の中では通過点としてやってきたのでホッとしています。
大津:「よっしゃー!やったー!」っていうような感じではないですか。
山田:そうですね、言葉に表すのは非常に難しいんですが、決勝戦も自力ではなく先輩のおかげですし、上手く言えないんですけど嬉しさもありますが、そこまでって感じです。
僕みたいな大した選手じゃない人間がいうのもアレなんですけど、GIでどれだけ勝負できるかっていうので日々練習しているので。
大津:Twitterでもファンの方たちからGIを獲ってほしいっていう声がたくさん届いてましたもんね。
山田:今年からTwitterを始めてみて、思った以上に応援してくれる人たちが多くてビックリしています。
大津:何故今年からTwitterをやろうと思ったのですか。
山田:最近競輪が盛り上がってきてますし、その中で競輪を知らない人たちに競輪のことを知ってもらいたくて始めてみました。
大津:実際やってみてどうですか。
山田:ファンの方々のコメントが参考になってます。細かいところまで見てくれる人が本当に多いんですよね。選手より分析してるんじゃないかって人もいますしね。
大津:ファンからのコメントも全部目を通しているんですね。
山田:はい、全部読んでます。
今年の平塚記念が終わった後に投稿した記事に、決勝戦で平原さん(平原康多選手・埼玉87期)の先行について触れられている方がいたんです。その人が僕に足りないのは平原さんが見せた気迫と2車でも先行する勇気じゃないか、って言ってくれたんです。
だから、もっと先行を増やしてみようとか参考になりました。けっこう細かいことを言ってくれるんで本当にありがたいです。
大津:練習仲間とかではなくて、お客さんからのアドバイスも取り入れるなんてとても柔軟なことですよね。
山田:今までなかった視点からの指摘もされるので、そういった意味でもTwitterを始めたことがプラスになってます。
大津:武雄と佐世保は距離も近く、解説の方々は佐賀-長崎は同県みたいなものだと仰るんですが山田さんもそのような意識をお持ちですか。
山田:高校生まで長崎県の五島列島で育ったんで地元なのかなって意識で走っています。
大津:今回のシリーズを迎えるにあたって状態面はいかがでしたか。
山田:サマーナイトフェスティバルから期間があまりなく詰まってたのでけっこう練習をやってきました。
大津:詰まっていると練習をしないほうが良いのかと思いました。
山田:自分は練習をしないと調子を落としてしまうので、ギリギリまで追い込んできました。調子はいつも通りでした。最近ムラがないんですよね、良くもなく悪くもなくっていう状態で走ってるので良かったかどうかは正直分からないです。
大津:成績だけ見ると調子は良いように感じてしまいました。
山田:うーん、これも上手く言葉にしづらいのですが普通っちゃ普通なんです。
絶好調とかがなくて、でもその中で毎回練習でやっている力を出せているって感じなんですよね。
大津:ムラがなくなったのはどうしてなんですか。
山田:元々めちゃくちゃ成績にムラがあるタイプだったんです。
気持ちのムラがまずあったので、そこを直していって、後は練習をしない時があると成績にもムラが出てしまうので直前まで練習で追い込んだりしていった結果ですかね。この二つをしっかりと高い位置まで上げてやれることが大きいと思います。
大津:それはレースグレード関係なくですか。
山田:関係ないですね。自分はFI戦だからとかGI戦だからとか関係なく毎回やっています。だからこそ安定に繋がってきたのかなと思います。
大津:以前オッズパークのインタビューで兄の英明さん(山田英明選手・佐賀89期)にお話を伺った際も、目の前の一戦一戦を戦っていきたいと仰っていました。
山田:僕や兄も最初から抜けた脚力があった訳ではなく、デビュー当初から強かったという訳ではありませんでしたから。コツコツと目の前の戦いで結果を出して積み上げてきたタイプだから、一日一日が本当に大切なんです。
大津:佐世保記念の初日特選では九州勢は山田-井上(井上昌己選手・長崎86期)-中川(中川誠一郎選手・熊本85期)での並びとなりましたが、どういう経緯であの並びになったんですか。
山田:昌己さんが最初3番手回るって最初にコメント出してたんですが、昌己さんも地元だし、そこは俺が3番手回るよって誠一郎さんが言ってくれて、それで僕が先頭になって走ることになりました。
大津:初日は新田さん(新田祐大選手・福島90期)の巻き返しが早かったですね。
山田:正直あそこで巻き返してくるとは思ってなかったです。初日特選だし新田さんも試したかったってのもあったと思うんですよね。
でも、そこを読み切れませんでした。僕自身もしっかり先行出来ればと思い踏んだのですが、新田さんには対応できなかったです。
レース後に誠一郎さんとかが「新田さんが出ようと思って踏んできたら、どう頑張っても俺らは出られちゃうよ。仕方ないよ。」って励ましてくれました。
大津:レース後は悔しいというお言葉もありましたが2日目以降は3連勝と立て直したイメージがあります。
山田:2日目も金ヶ江君(金ヶ江勇気選手・佐賀111期)と連携外してしまったのが反省点です。3日目はしっかりと走れました。
大津:2日目は連携外されましたが、そこからもう一度捌いて車間を空けて援護してという動きが光ったように感じたのですが。
山田:落ち着いてはいました。内でも外でも追い上げて、流れの中でもう一度金ヶ江君の後ろは必ず取るぞって。
大津:準決勝戦は本当にこれぞ山田選手っていう動きでしたよね。
山田:周回中は思ってた位置ではなくてヤバイなって感じでした。あの並びだと自分がジャンからカマシて先行する流れで志田君(志田龍星選手・岐阜119期)ともがき合わないといけないですから。
気づいたら自然と体が動いて、先に切って良い位置を取れました。最近そういう動きが自分の中で増えてきました。
大津:体が良いように反応してくれてるってことですか。
山田:そうですね、考える前に体が動いてるってレースが多くなってきました。練習もそうですし、さっきのTwitterのコメントもそうですし、細かい修正をしての積み重ねかと思ってます。
大津:山田さんは緻密にレース前は作戦を考えるタイプですか。
山田:いや、僕は考えないです。番組が出た時に大体の流れは分かるんですが敢えて考えないようにしています。考えちゃうと寝れなくなっちゃうんで。アップ中に考えるくらいです。
大津:その考えを先輩に伝えてって感じですか。
山田:どちらかと言えば聞きに行くことが多いですね。どうしたら良いですかって、先輩に任せることが多いです。
大津:逆だと思ってました。
山田:それこそ最近は昌己さんと連携するときは、昌己さんのいうことを聞いてその通りに走ってます。めちゃくちゃ的確に教えてくれるんです。僕の脚力や、その時の調子も踏まえて作戦を考えてくれるので。
大津:山田さんの中で九州の名参謀は誰なんですか。
山田:それこそ昌己さんですよね。当たるんです、昌己さんの言うことって。「この選手はこうするよ。」って動きが。
後は兄貴に聞いたり、同級生の中本匠栄(中本匠栄選手・熊本97期)とかもよく話しますね。
大津:決勝戦は九州勢の並びが中川-山田-井上と特選とは変わりましたね。どう並ぶんだろうって僕らもとても気になってたんです。
山田:初日も元々昌己さんが3番手って言ってたし、ラインとして誠一郎さん、自分、昌己さんで並ぶのが一番強くなるんじゃないかと思いその並びになりました。
大津:この位置は山田さんとしてもかなり気合いの入る位置だったんじゃないですか。
山田:そうですね、でも走る直前の表情見てると誠一郎さんが一番気合い入ってましたね。もちろん自分も番手を回してもらったので精一杯という思いはありました。
大津:郡司選手(郡司浩平選手・神奈川99期)が当日欠場によりレース展開がガラリと変わったように思います。
山田:これは全選手が感じてたと思うのですが走りづらかったです。九州勢としても郡司選手が居なくなったことで、僕らのラインの2番手3番手に絡んでくる選手も出てくるだろうなって思いました。
大津:流れの中では分断に来られるぞって思ってたんですね。
山田:はい、早い段階から来るんだろうなとは覚悟してました。ただ、そうはならず強い二人が4番手で併走をしてくれたので、九州勢に展開が向いたように思います。
大津:あそこ和田健太郎選手(千葉87期)も守澤選手(守澤太志選手・秋田96期)も引きませんでしたもんね。
山田:同じメンバーで戦うことは滅多にないんですが、似たようなメンバーで戦う時に楽しみですよね。ああいう動きを見せてくれると。
自分も含めてなんですが、「あっ、この選手はこうなった時に引くかな、引かないかな」っていう駆け引きが出来るんで。
守澤さんも和田健さんもああいう場面では引かないって分かったので、それも今後に向けて勉強になりました。
大津:このレースだけではないってことですもんね。
山田:そうですね。例えば僕があの位置に居たら絶対引いてくれないだろうっていうのも分かりましたし、あれがGIの決勝だったらもっとどうなってたんだろうとかって先々のレースにも繋がりますからね。
大津:そういう意味でも実りのある決勝戦になったんですね。
山田:はい。でも、今でも思うんですが反省してるのは昌己さんとワンツーを決めることが出来なかったことです。
自分の中では誠一郎さんが保つかなって感じてて、僕が早く番手から出すぎてもいけないし出なかったら守澤さんと絡まれるとは分かってはいたんですが、その判断が難しくて・・・。
絡まれない位置でいったんですが、やっぱり絡まれてしまってラインで決められなかったっていう反省点があって、終わってからもモヤモヤしながらずっと過ごしてました。
大津:自分は勝ったから、それで良いってわけではないですもんね。
山田:だから今日の最初に優勝した気持ちを聞かれた時にも素直に嬉しいっていう気持ちを伝えられなかったんです。それこそ佐世保記念終わった後のTwitterにも色々書かれてましたから。
先輩が先行して、僕が早めに出て行って後ろの選手とワンツーを決めればファンからしたら信頼はあるでしょうけど、まだ前の選手が踏めてるって思ってる中で、僕が番手から早めに踏むと選手からの信頼はどうかなとか考えてしまいますしね・・・。
もちろん、その逆もあります。選手からすれば良い走りでも車券も買ってるファンからすると良い走りじゃないって思われることもありますから。色んなことを考えながら走っています。
大津:本当に葛藤のあるレースだったんですね。
山田:元々横が好きで追い込み選手になりたかったんです。だけど、番組によっては前を走ることもあるので前も走るんですが。そういった意味で今回の決勝戦は番手を回って、先輩が先行してくれたのに番手で仕事をするっていうことが出来なくて・・・。自分としては横できっちり止めてラインで決めたいっていうのがありましたから。だからこそモヤモヤしちゃってるのかもしれないですね。
大津:ただ、ご自身の成績に目を向けると現在賞金ランキング7位と高い位置にきてますね。
山田:高松宮記念杯競輪で2着に入ったのでたまたまかなって思ってますけど。今年は賞金ランキングの争いに参加出来るようにってやってました。
大津:現実味が帯びてきましたか。
山田:うーん、まぁでも本当に一戦一戦ずっとやっていくって感じなので、どうなるか分からないですが頑張ります。
大津:それでは後半戦に向けてオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いいたします。
山田:一戦一戦頑張るのみです。応援よろしくお願いいたします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
史上初、サマーナイトフェスティバルの連覇を達成し、二年連続の夜王に輝いた松浦悠士選手(広島98期)に喜びの声、そして後半戦に向けての抱負を伺いました。
大津:サマーナイトフェスティバル優勝おめでとうございます。
松浦:ありがとうございます。
大津:史上初の大会連覇となりましたがお気持ちはいかがでしょうか。
松浦:率直にといいますかうれしいですよね。
大津:連覇への意識はありましたか。
松浦:まあ、そんなにはなかったですね。そこはもう、自然体でっていうような感じです。
大津:今回の舞台は玉野競輪場でした。
松浦:やっぱり距離も近いですし、コンディション調整ももちろんしやすいというのが大きかったのと、やっぱり地元地区なんでね。
応援してもらえるし、自分の気持ちもいつもよりスムーズに入ったなっていう感じですね。
大津:移動距離が近いとメリットも生まれるんですね。
松浦:関東とか北日本で行われる特別競輪よりは移動距離が少ないですからね。
そういう調整に対してのストレスがないんで、うん。まあ、それで比較的リラックスして入れたって感じです。
大津:連日ファンの方の声援も凄かったのではないですか。
松浦:本当に温かくて僕だけじゃなくて連携する仲間にも応援してくれたりとかはありました。
決勝戦なんかは犬伏くん(犬伏湧也選手・徳島119期)のことをすごい褒めてくれるお客さんも結構いたので、それがすごいよかったなと思います。
大津:今回は福井記念から中4日での参戦となりましたが状態面はいかがでしたか。
松浦:小松島で感じたことを福井記念でしっかり試せてかなり手応えあったので、中4日とかっていうのは全然気にならなくて。福井記念を追加で走ったことによって、サマーナイトがさらに楽しみになったなっていう感じです。
大津:決勝戦は初日や準決勝戦と比べて足の感触や気持ちの面などに何か違うというのはありましたか。
松浦:自分自身はそこまで変わってなかったんですけど、準決勝の犬伏くんの走りを見て彼の強さっていうのを改めて体感したことによって、決勝戦はすごい安心感を得ることが出来ました。
このメンバーだったら間違いなく、しっかりバックは先頭を通過してくれるなっていう感じだったので、準決勝を終えた時点で犬伏くんと決勝戦に連携できるっていうところがかなりいい精神状態で臨めたかなと思います。
大津:小松島記念でも犬伏選手とは連携がありましたが、その時と比べて犬伏選手はいかがでしたか。
松浦:小松島記念のときは距離が長かったのか、このサマーナイトに比べると、ちょっと僕と連携した日だけコンディションが良くなかったのかなっていう感じがあったので、今回の準決勝でしっかり強さを体感してという形ですかね。
小松島記念、そして今回の準決勝戦と連携したことによって踏み方とかペースみたいなところがちょっとわかったなというのが大きいです。
大津:レース前にアドバイスはされたのでしょうか。
松浦:小松島記念のときにちょっといろいろ言い過ぎたかなっていうところがあったんで、準決勝と決勝戦では作戦のことはあんまり言わずに、フォームとか踏み方をしっかり意識して走ろうねってところを伝えました。
大津:スタートですが、中四国勢は少し自重するようなシーンがありましたね。
松浦:前から2番目か3番目っていう形で思ってました。
スタートは待つから、あとはもう僕が取ったところからあんまり考えずにって言ったらあれですけど、難しく考えずに取れたところからしっかり仕掛けようねっていうところだけでしたね。
大津:前受けを嫌った理由はなんだったんでしょう。
松浦:雨の走路だったのでやっぱり前受けをして、勝負所で後ろに下がってしまった時にけん制なんかされたときには、やっぱり巻き返しが難しくなってきたりするんで。
なので前から2番目、3番目で前の動きを見極めてから行こうっていう感じでしたね。
大津:赤板周回辺りからレースが動くのですが、犬伏選手の動きはいかがでしたか。
松浦:他の選手が動き出した瞬間に、犬伏君も動きそうになって一回落ち着いてくれって思ったのですが、山田さんの動き見る形になったんですごいいい動きしてくれたなと思いました。
ただ、道中から森田君(森田優弥選手・埼玉113期)の後ろにいたのは気付いたんで隙を見せたら、ちょっと怖いなっていうのは感じていました。
大津:ジャン辺りからの犬伏選手の仕掛けはどうでした。
松浦:ホームのかかりは抜群によくて、まあもうこれは他のラインは来れないなっていう感じでした。
準決勝よりも距離が短かったんで、しっかりゴールまで残るなっていう感触は持ってたんですけど、ちょっとホームで踏みすぎたのかバック辺りから垂れてきたので、もうちょっと我慢してくれっていう感じでしたね。
大津:中団から山田選手(山田英明選手・佐賀89期)も仕掛けてきましたが、どのように感じでらっしゃいましたか。
松浦:これは流石に山田さんもいけないだろうと思って、ちょっとこう振ったら止まってくれました。
大津:場合によっては、併せて縦に踏む準備もしていたのですか。
松浦:あそこでは基本的になかったですね。
新田さん(新田祐大選手・福島90期)が僕の後ろだったら行かなきゃいけないかなとは思ってたんですけど、山田さんはあの飛び付くときにやっぱり脚力を消耗しているんで振ったら止まるなという感じのかかりだったので。あとはしっかり後の様子を見極めてっていう形です。
大津:最後は岩本選手(岩本俊介選手・千葉94期)も物凄い勢いで伸びてきましたね。
松浦:ちょっと飲み込まれるかもっていう感じでしたけど、何とか寄せて勝ったって感じですね。
大津:ゴール後、犬伏選手と手を取り合って喜ぶ姿が印象的でした。
松浦:2コーナー辺りで、「とったすか!?」って言われて、「とったよ。ありがとう」って言ったら犬伏くんがヨッシャーって喜んでくれたんですよね。
それがすごいうれしかったですね。こういう舞台でこういう結果を出させてくれたといいますか。犬伏君の力があってからこそなので、そこがすごい大物というか。
彼自身初めてのGIIの決勝戦でやっぱり自分が勝ちたいっていう思いで、ちょっと仕掛けが遅くなったりするもんなのですが、しっかり力を出し切ろうっていう気持ちがすごい伝わって、僕がもうちょっとうまくやれたらワンツーできたかなって思う部分もありました。
大津:ゴール後のファンの声援も大きかったですね。
松浦:雨の中だったんですけど、皆さん本当にすごい応援してくれて、雨も気にならなかったですね。表彰式の時も本当にたくさんの方に残っていただいてとても嬉しかったです。
大津:今回の犬伏選手をはじめ、町田選手(町田太我選手・広島117期)や石原選手(石原颯選手・香川117期)といった若手の活躍はどのように感じてらっしゃいますか。
松浦:本当にすごい頼もしいなっていうところが一番大きいですし、連携するのがすごい楽しみですね。走るごとに成長していて、それがすごい試合で感心するっていうか。連携する度にわくわくします。
大津:サマーナイトフェスティバルが今年の特別競輪初タイトルとなりました。
松浦:個人的にはやっぱりGIIなので、しっかりGIで結果を出したいっていうところがすごいあるんですけど、GII優勝できるってことはGIでもというところもかなり見えてくると思うんで、後半戦が楽しみになったなというのが率直な感想です。
大津:8月9日からは、西武園でのオールスターが行われます。ファン投票2位に選ばれました。
松浦:去年から今年の前半戦のことを考えると、こんなに票を入れてもらえてうれしいなっていうのがすごい素直な気持ちです。
1位の平原さん(平原康多選手・埼玉87期)との差ももう少しでしたけど、今年賞金王になって、来年一位に選んでもらうぞっていう気持ちに改めてさせてもらえました。
大津:後半戦に向けて松浦選手自身、課題はなにかあるのでしょうか。
松浦:自力が強い選手に対して、自分が自力で戦う時にどうしていくかっていうことがテーマかなと思います。縦脚が必須になってきますね。
大津:それでは最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いいたします。
松浦:たくさん応援していただいているんですけど、今年はちょっと優勝回数が少なくて、ようやくGIIを勝つことができました。
ここからしっかり賞金王に向けてGIタイトルも獲りたいですし、これからもたくさん応援していたたく中で、その応援の期待に応えられるような走りをしていきたいと思ってます。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
平塚競輪場で行われたガールズケイリン10周年を記念したレース『オッズパーク杯ALL GIRL'S 10th Anniversary』。マキバオー賞を同着で優勝した児玉碧衣選手(福岡108期)にレースの振り返りをお伺いしました。
また6年連続『ガールズケイリン総選挙』で1位に輝きガールズドリームレースを走ります。そちらへの意気込みもお伺いしました。
山口:平塚での『ALL GIRL'S 10th Anniversary』優勝おめでとうございます。
児玉:ありがとうございます。
山口:参加した率直なお気持ちはいかがですか?
児玉:今まで12レース全部が女子のレースというのはなかったので、かなり賑やかな開催でした。
山口:前検日からセレモニーもありましたね。
児玉:運動会が始まるのかな、と思うような楽しい雰囲気でスタートましたね(笑)このままの雰囲気でレースも行われるのかな、と想像もありましたが、やっぱりレースは勝負なのでメリハリはきっちりあって良かったです。
1期、2期、3期が作り上げてきてくれたガールズケイリンが今まで続いているからこそ、今回のような女子だけのレースができるんだなと思うと、凄く嬉しかったですし感謝です。
山口:1期生に向けて感謝を伝えられたと記事で拝見しました。
児玉:そうですね。少しですがみんなで感謝を伝えさせてもらいました。同期の佐藤亜貴子さん(神奈川108期)が声を上げてくれて、みんなで協力してやりました。
山口:「全員で良いレースを見せるぞ」というような良い雰囲気だったようですね。
児玉:そうですね、意識は高かったと思います。後は売り上げ金額への意識も強かったです。目標が3日間で10億円だと聞いていたので、みんな毎日、毎レース売り上げをチェックしていました。
山口:今まで売り上げを意識してレースを走った事はありましたか?
児玉:意識したことはなかったです。女子だけでなんとか成功したい!という気持ちがみんなにありましたね。
普段の開催だと「男子のレースの中に2レースだけあるおまけ」「集客目的だけのレース」のようなイメージだったので、女子が要望を言っても「女子のワガママ」と思われてしまう状況があるなと感じていました。今回女子だけでも成功させたい、という気持ちがかなり強かったです。
山口:売り上げ目標は大きく上回り実績も作りましたね。
児玉:はい!それを聞いた時は嬉しかったです。
山口:これから女子の意見も通りやすくなると良いですね。
児玉:そうですね、私たち女子だけでも成功させることができたので、次に繋がると思います。
山口:ではレースも振り返ります。予選は早めの仕掛けでしたね。
児玉:初日、2日目は上りタイムが連日良かったですね。決勝はかなり良いメンバーがそろっていました。
山口:コレクションにも出場経験がある選手たちも多かったですね。
児玉:そうですね。その中でも佐藤水菜選手(神奈川114期)は直前に国際大会で金メダルを獲得してきていたので、国内の選手がどれだけナショナルチームに対抗できるか、なんとか勝ちたかったんですが同着でした。でも金メダリストと同着、というのは自信を持っていいのかなと思います。
山口:悔しい思いもありましたか?
児玉:そうですね。私が先着して「国内で走っていても強いんだぞ」というのを日本代表に見せたかったです。ナショナルチームは最先端のトレーニングを取り入れているし、佐藤選手はナショナルチームに参加して格段に脚力をつけています。
でも国内で頑張っている選手もたくさんいます。少しトゲがあるかもしれませんが、1年間国内で休みなしに頑張っている選手は、ナショナルチームメンバーが大きいレースだけガールズケイリンを走るのに負けたくないと思うし、実際私もそういう気持ちです。なので同着で悔しい部分はあります。
山口:展開は佐藤選手を後方においての先捲りでしたね。
児玉:その展開しかないなと思っていました。連日の佐藤選手の走りを見ると、そういう形じゃないと勝負できないと思っていたので、想定した通りに走れました。
山口:あとは佐藤選手がどこまで迫ってくるか、だったんですね。
児玉:そうですね。
山口:表彰式のシャンパンファイトでは、掛け合うシーンもあり楽しそうでしたね。
児玉:絶対佐藤選手にかけてやろうと思っていました(笑)ゴール直後、佐藤選手が、まだ決着がわからないのにガッツポーズをして注目が全部彼女にいきました。それが気に食わなくて、やり返すのはここだ!と思っていました(笑)
山口:その後、佐藤選手が柳原選手に掛けたことで、より盛り上がりました。
児玉:はい。佐藤選手が私に「(柳原)真緒さんにもかけていいと思いますか?」とこそっと聞いてきたので「いけいけ!」と言いました(笑)
山口:そうだったんですね。楽しい表彰式を見せてもらいました(笑)
では続いて7月玉野のガールズケイリンフェスティバルを振り返ります。まずは3日間振り返っていかがでしたか?
児玉:去年の函館が、決勝にも乗れてなかったし3日間1着もとれない開催だったので、それに比べると今年は上出来かなと思います。初日に関しては、あのメンバーで逃げ切れたのは自信にもなりました。
予選2は勝負所で内側に封じ込められてしまい、最終ホームでバックを踏んで脚を使わされてしまいました。そこから自分でスピードを上げての捲りで2着でした。
それだけ消耗しての2着だったので、「打鐘ですんなり位置を下げて、前の選手を目標にしての捲りなら1着はあったのかな」とも思いました。
でも勝負所で位置を下げてしまうと「児玉は内側に封じ込めたら、すぐ下げてくれる」というイメージを他の選手に持たれてしまいます。
それは嫌だったんです。そういう葛藤がありました。今後、いろんな考えを持って対処しないといけないなと思いました。
山口:普段の開催でもそういう場面が多く見られる気がしますが、変化は感じますか?
児玉:前からもちょくちょくはあったので、最近は特に、というのはないです。どうしても女子は横に当たれないので、封じ込められてしまうと対処が難しい部分はあります。 でもさっきも言いましたが、すんなり下げるというイメージをつけたくないので、そこは他の選手にアドバイスをもらいながら力をつけていきたいです。
山口:外で封じ込めようとする選手も、それで脚力をロスしてしまうんじゃないかと素人の私は思ってしまいます。
児玉:作戦はいろいろですよね。自分自身で言えることとして、私は横に並ばれるのが嫌なので、その苦手意識はなくしていかないとなと思っています。
山口:今までなかった部分での挑戦ですね。
児玉:そうですね。
山口:決勝は佐藤水菜選手の後ろに飛びつく形でしたね。
児玉:自分の真後ろに佐藤選手がいて、私と佐藤選手との車間があいていたので「かましてくるかな」と想定はしていました。彼女の後ろに飛びつこうと構えて反応はできたんですが、私のすぐ前にいた尾方真生選手も反応していて、それを見ちゃったのが一番の反省点でした。
去年のオッズパーク杯ガールズグランプリと同じミスをしちゃったんです。尾方選手を気にせず、私が自分で佐藤選手の真後ろに飛びつければ、すんなり追走しゴール勝負もできたかもしれません。でも他人の仕掛けをあてにした結果、負けてしまいました。反省が多い決勝でした。
山口:最終バックストレッチ付近の捲りを乗り越えられない、というより、その前が勝負だったんですね。
児玉:そうですね。尾方選手が佐藤選手に飛びつく動きよりも先に、私の方が反応できていたので、そのまま前に出て仕掛けていれば良かったです。「尾方選手が踏むだろうな」と気にしちゃって、自分が思い切り踏めなかったです。
山口:「児玉選手自身が」飛びつくレースというのは今まであまり見たことがないんですが、ご自身ではどうですか?
児玉:そうですね、あまりないですが、今は若い選手たちがどんどん力をつけているので、頭を使って考えてレースをしないと脚力だけでは勝てません。いろんなことをできるようにしないとな、と思います。
山口:ここまでビッグレースをすっきり勝ちきれない現状ですが、モチベーション維持はいかがですか?
児玉:今年の目標は具体的にどのレースを勝ちたいなどは決めていなくて「目の前のレースを走りきる」なんです。なのでモチベーションが下がることはないです。
今まではコレクションを勝ちたい、フェスティバルを勝ちたい、グランプリを勝ちたい、と具体的な目標を立てて、それを達成した時にモチベーションが下がってしまうことがありました。
でも今年の目標は「目の前のレース」なので、だからこそビッグレースを勝てていないのかもしれませんが、モチベーションは高いまま維持できています。
山口:今の練習状況はいかがですか?
児玉:先ほどのいろんなことをできるようになりたい、という話も含めて師匠と相談しながらですが、今後いろんな戦法ができるように練習にも取り入れていきたいです。
山口:次回のビッグレースは、ガールズドリームレースです。6年連続のファン投票1位おめでとうございます。
児玉:ありがとうございます。本当にびっくりしています。今年も1位に選ばれるとは思っていなかったです。でもファンの方が期待してくれている証拠なのでなんとか応えたいです。
もう少し時間はあるので、焦らずに自分の課題をクリアしていきたいです。優勝することが恩返しだと思うので、去年もドリームレースは勝っているし、連覇目指して頑張りたいです。
山口:直近で負けている、佐藤水菜選手、後は日野未来選手も繰り上がりました。その意識はいかがですか?
児玉:そこは全く気にしていないです。自分らしく走れば大丈夫と思うタイプなので、そういう気持ちのまま走りたいです。
山口:今年も半分終わりまして、後半戦へ向けてはいかがですか?
児玉:今後も大きな怪我をせずにグランプリまで走り切りたいです。あとは普通の開催でも完全優勝を積み重ねていきたいです。
山口:ありがとうございます。では最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
児玉:いつもたくさんの応援ありがとうございます。ガールズケイリンフェスティバル決勝でのゴール後落車の怪我も癒え、しっかり自分の力を発揮できるように練習しているのでこれからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
6月松戸競輪でのナイターGIIIで行われた4日制トーナメントで2度目の優勝を飾り、その後、平塚競輪場で行われたガールズケイリン10周年を記念したレース『オッズパーク杯ALL GIRL'S 10th Anniversary』にも出場。その前にはYouTube動画にも出演しガールズケイリンをPRされていました。その時のレースやYouTube撮影の振り返りと、初めてのビッグレースへ向けた意気込みを日野未来選手(奈良114期)にお伺いしました。
山口:松戸4日制の優勝おめでとうございます!
日野:ありがとうございます。
山口:4日制は今まで経験はありましたか?
日野:デビュー直後に川崎で経験しました。ものすごく長く感じましたね。
山口:そうでしたか。今回参加する前はいかがでしたか?
日野:松戸は333バンクなので緊張感がありましたね。4日制よりもそちらの方が気になっていました。333バンクは前々にいないと厳しくなるので、スタンディングが遅い私はスタートに苦手意識があります。
なのでそういう不安が大きかったです。相手ももちろん強い選手が多かったですけど、そこは自分らしくどう戦おうか、くらいでした。
山口:予選の2走は圧倒的な人気に応えての連勝でしたね。
日野:自分で捲っていけて1着が取れたのが良かったです。
山口:準決勝では児玉碧衣選手(福岡108期)との対戦がありましたね。
日野:ラスト1周なら児玉選手は絶対仕掛けるだろうなと、前をとって待つ形になりました。飛びついた時に踏んだ感じが良くなく3着になってしまいました。
良いとは言えないけど決勝には乗るためには、と考えていたので作戦通りではありました。
山口:では決勝を振り返ります。想定はどうでしたか?
日野:スタートで前をとると準決勝と同じようになるなと思ったので、初手は中団あたりが理想でした。打鐘で誘導退避からみんなが一気に仕掛けていったので「え!早い!」と意外でした。
児玉選手の仕掛けた後姿が見えた時に「遅れてしまった」と思ったんですが、その後ろに誰も追走していなかったので、その背中を思い切り追いかけました。
山口:児玉選手を追って、前の飯田風音選手(埼玉120期)、奥井迪選手(東京106期)の一番外を捲っていきました。乗り越える時はいかがでしたか?
日野:「乗り越える時に内側の選手を意識しちゃうとスピードを合わされてしまい捲れない」というのを同期の佐藤水菜選手(神奈川114期)に聞いたことがあったので、なるべく他の選手は見ずに外を捲る!と決めていきました。
他の選手を意識しちゃうと捲れないと頭で思っちゃうので。
山口:最後は児玉選手をとらえましたが、その時の心境はいかがでしたか?
日野:一つ目の山(飯田選手、奥井選手)を乗り越えた後に、「残るは児玉選手だけだ、抜いたら優勝だ。333バンクの直線は短いけど何とか伸びてくれ!」と思いました(笑)
山口:すごいスピードでしたね!
日野:ありがとうございます。良かったです。
山口:初めて児玉選手に先着でしたね。
日野:そうですね。いつもついていくのに必死でしたから。
山口:4日間を振り返っていかがでしたか?
日野:GIIIを走った経験もあまりなかったので、「グレードレースはこんなにたくさんのお客さんが見に来てくれるんだ」と思いました。
私はビッグレースを走った事がないので、こんなに名前を呼んで応援してもらえるのは縁のある松戸だったからかなと思います。(日野選手は、選手になる前に松戸競輪場で競輪番組にレギュラー出演していました)
なのでまずは決勝に乗れて良かったし、お客さんの声援のおかげで優勝できました。
山口:ありがとうございます。では続いて平塚の『ALL GIRL'S 10th Anniversary』へ向けてLazy Lie Crazy【レイクレ】さんのYouTube撮影に参加されました。その時のお話を伺います。まずは参加された感想はいかがでしたか?
日野:テレビみたいにカチっと決まったものではなく、和気あいあいと撮影が行われて結構素を出せて楽しかったです。レイクレさんは自転車や競輪に詳しくないけど、撮影の時にはたくさん質問してくれました。ルールの事なども事前に調べてきてくれたようで、すごいなと思いました。
山口:松戸GIIIも動画の中で日野選手を軸で買って的中してましたね。
日野:そうみたいですね。私を1着で買ってくれて当たったみたいで嬉しかったです。当ててもらえた方が競輪を好きになってもらえると思います。
山口:良い感触で撮影もできましたか?
日野:はい、レイクレの皆さんの競輪を知りたいという気持ちがたくさん伝わりましたし、嬉しかったです。
山口:そのYouTube撮影が平塚『ALL GIRL'S 10th Anniversary』に繋がっていました。平塚は斡旋が来たときはいかがでしたか?
日野:正直に言うと嫌だな、と思いました(笑)10周年の記念のレースで全員がガールズというのは嬉しいんですが、メンバーがとにかく厳しい!レース以外は楽しみだったけど、レースは「どうやって戦おう」と他の選手のレースを焦って見てました。
山口:そうでしたか(笑)全検日にセレモニーもありましたが、楽しめましたか?
日野:はい!レースはレースで分けて、他の交流やイベントはすごく楽しめました!
山口:雰囲気はどんな感じでしたか?
日野:男子選手がいると時間の決まりがキッチリあるんですが、女子だけだったのでゆったりできました。でもギャーギャー騒ぐわけでもなく、やることはしっかりやって、先輩たちと交流したりしましたね。
山口:情報交換などは、勉強になった点はありましたか?
日野:こんなに女子が集まる機会はなかなかないので、他の選手の自転車をたくさん見ました。セッティングなどでタイムも違ってくるし、「この選手はこんな捲り方するんだ」とか、アップの仕方とか、こそこそ観察していました。
山口:自分との違いで今後にも生きてくる部分はありそうですね。
日野:参加してすごく良かったです!最初は嫌だったけど(笑)、斡旋してもらって良かったです。
山口:ではレースの内容も振り返ります。予選は2着でしたが、準決勝は惜しくも4着でしたね。
日野:準決勝はみんな決勝を目指しているのでかなりシビアなレースでした。捲る柳原真緒選手(福井114期)の後ろに飛びついたんですが、私が内側、梅川風子選手(東京112期)が外側で併走になりました。
そのままマークしていきたかったのですが、重なってしまい梅川選手に負けて私は追走できずにおいていかれてしまいました。あそこで追走できたらゴール勝負もできたと思います。ちょっとでもひるんだ自分を反省して、少しでも次に繋げていきたいです。
山口:ビッグレースを何度も経験している梅川選手の「圧」みたいなものはありましたか?
日野:脚もそうですけど、気持ちの面でも強いなと思いました。でも私も負けたくないと思います。
山口:同期(114期)の柳原真緒選手、佐藤水菜選手が優勝でした。それは刺激になりましたか?
日野:すごくなりました!最近は初優勝する子も多いし、学校時代を一緒にすごした同期の活躍は刺激になりますね。平塚でのダブル優勝は、私も現場にいたし「私もそこにいきたい!」と思いました。柳原選手はビッグレースを優勝して以降は、更に強くなったと思います。私も諦めずに頑張りたいです。
山口:ご自身初めてのビッグレースが決まりましたね!(『ガールズケイリン総選挙2022』で10位。インタビュー時はアルテミス賞出走予定でしたが、その後ガールズドリームレースに繰り上がりました)
日野:はい!ファン投票で選んでもらって初めてのビッグレースを走れることになりました。
山口:ファンの方に選んでもらって走れるレース、というのはいかがですか?
日野:私は数年前には競走得点が低すぎてエントリーすらできない時期がありました。なのでまずはエントリーされたことが嬉しいですし、タイミングよく初優勝などもあったから選んでくれたのかなと思います。
積み重ねて頑張ってきて良かったかなと思いました。少しでも私に投票したいと思ってくれる人がいるということなので、嬉しいです。
山口:どんなレースを見せたいですか?
日野:見せ場を作りたいというのはありますが、やっぱり一番は車券に貢献することだと思っています。選んでもらったからには、私の長所を出して1着を狙いたいと思います。
山口:緊張感はどうですか?
日野:まだないですが、当日その場に行ったら緊張すると思います。それまでは練習を頑張りたいです。
山口:平塚の後も前橋を完全優勝されました。前橋苦手だったと伺いました。
日野:そうなんです、2場所連続で(7、7、7)という成績で苦手でした。ドームバンクは独特でカントや重力のかかり方が他のバンクと違う気がします。
今回は追加斡旋だったんですが、競輪祭に出場するためには少しでも賞金を上積みしたいと思い参加しました。「どうやったら勝てるのか」を研究して参加して、完全優勝できたので、諦めないことというのは大切なんだなと思いました。
山口:少し苦手意識はなくなりましたか?
日野:はい、今回は全然走りにくくはなかったので、もう大丈夫だと思います。良いイメージで終われました。
山口:今後の目標は何ですか?
日野:今は、8月末の選考で競輪祭でのオッズパーク杯ガールズグランプリトライアルレースに出場することです。
山口:先ほどのお話でもありましたが、賞金の積み重ねですね。今は20位以内にいますね。
日野:はい、まだまだしっかり走りたいです。一番大きい目標は、やっぱりガールズグランプリに出場して優勝することです。大きく言うことにしています。
山口:そこへ向けて、今の強化ポイントはどこですか?
日野:末脚がないので、捲っても差されることが多いんです。なので後ろを離すようなダッシュ力と、最後まで粘れるように、踏める距離をどんどん長くして脚をつけたいです。
山口:それでは最後にオッズパーク会員の方にメッセージをお願いします。
日野:いつもレースを見てくれて、大事な100円を投票してくれてありがとうございます。これからも夢は大きくガールズグランプリ出場、優勝を目指すので、長く見守って応援してくれたら嬉しいです!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
6月29日から平塚競輪場で行われたガールズケイリン10周年を記念したレース『オッズパーク杯ALL GIRL'S 10th Anniversary』。
マキバオー賞を優勝したのは佐藤水菜選手(神奈川114期)でした。レースの振り返りと、ナショナルチームでの活躍などお話を伺いました。
山口:平塚での『ALL GIRL'S 10th Anniversary』完全優勝おめでとうございます。
佐藤:ありがとうございます。
山口:児玉碧衣選手との同着の優勝でしたね。
佐藤:最終バックストレッチでは「前まで少し遠いかな」と感じたんですが、2センターでは届くと思いました。
自分としては差して1着かなと感じていたので、写真判定中はヒヤヒヤしていました。同着でしたね。
山口:決勝は、佐藤選手が仕掛けようという所でスピードがあがったように見えたのですがいかがでしたか?
佐藤:そうですね。児玉選手の後ろにいくか、そのまま鈴木美教選手の後ろにいるかはずっと迷っていました。
前のスピードがあがるのは想定しており、児玉選手も遅くてもバックストレッチからは仕掛けると思っていたので、私は何も考えず大外の捲りかなと考えていました。
山口:想定通りだったんですね!
佐藤:そうですね。余計な事はあまり考えてなかったです。感覚で走っていました。
山口:では3日間を振り返っていきます。アジア自転車競技選手権大会が終わってインドから帰国直後のレースでしたが、コンディションはどうでしたか?
佐藤:もちろん疲労はありましたね。なので、とにかく早く寝て、レース前までは体を休めることを何よりも考えて行動していました。
山口:ナイターでしたから、休める時間も昼間の開催よりは多くありましたよね。
佐藤:そうですね。後は暑さも心配していたんです、インドもとても暑かったので。なので気持ちの面でも、ナイターで良かったですし、後半のレースだったのも良かったですね。
山口:地元での開催でしたが、お客様の雰囲気はいかがでした?
佐藤:すごく声援が多かったです。名前をたくさん呼んでもらいました。久しぶりのガールズケイリンのレースでしたが、地元を走れて嬉しかったです。
山口:前検日からオープニングセレモニーもありましたね。参加選手全員が女子という雰囲気はいかがでしたか?
佐藤:全員が女子だったので和気あいあいと楽しかったです。レース以外は本当に楽しい開催でした。
普段は控え室や宿舎など男子と一緒なので、時間も制限がある部分が多く肩身が狭く感じますが、お風呂も自由な時間に入れたり、とストレスフリーでしたね。
今後もオールガールズ開催が増えていったら良いなと本当に思いました。
山口:今回は売上や集客でも目標を上回りました。選手もそれを意識されていたと伺いました。
佐藤:そうですね、私たちもかなり意識していました。売上目標を1億円も上回ったのは本当にすごい事ですし、女子だけのレースでこれだけ売れるんだと知ってもらえる良い機会になったと思います。
ファンの方もたくさん来てくださっていたので、施行者さん、選手、ファンの皆さんと三方良しの大会だったのではないでしょうか。
山口:開催後には選手の皆さんが、「レースの売上金額も日に日に意識して、良いレースをしたらもっと買ってもらえるからみんなで盛り上げようと思っていた」とSNSで発信されているのを見ました。佐藤選手もそうでしたか?
佐藤:はい、意識していました。走り終わった後にすぐ売上がわかる状態だったので、1レース毎にチェックしていました。
でも、その場で私たち選手ができることは「自分の走りをして良いレースを見せること」なので、その後はもうお客さん頼みでしたね。
山口:どのレースも白熱したレースでした!
佐藤:トーナメント制なのも大きいと思います。初日は誰にでもチャンスがあるし、普通のポイント制よりは気合いが入ります。
上位選手はプレッシャーもかかるかもしれませんが、競走得点が低くても一発のチャンスはありますしね。
山口:仲良しの柳原真緒選手も優勝でしたね。
佐藤:シャンパンファイトの時にあまりにも自分の顔面にかかるので、「私が失敗して顔にかかったのかな」と思っていたんです。そうしたら児玉選手が私の顔にかけていたのを後で知りました(笑)私はそれを知らずに、柳原さんにシャンパンをかけたんですが、それは「正しい選択をしてたんだ」と胸を張って言えますね!(笑)
山口:そうでしたか(笑)表彰式の柳原選手の笑顔もとても楽しそうでした!
佐藤:いつも走る前や、こういうダブルトーナメントの時などはお互いの組が違ったのを確認して「今回違う組で良かった。お互い優勝して114期のアベック優勝を目指して頑張ろうね」と自然と言い合うんです。なので今回お互いが優勝して良かったです。
山口:柳原選手はガールズケイリンコレクションを優勝してどんどんパワーアップしている印象ですが、刺激は受けますか?
佐藤:そうですね。でも対戦するときは仲良しだからと言って手加減はせず、ガンガン力勝負をしたいです!
山口:平塚の開催前には共同記者会見がありました。雰囲気はいかがでしたか?
佐藤:お客さんの前でのイベント等は参加させてもらったことはありますが、共同記者会見は機会があまりありませんでした。場所もすごかったし、気持ちが引き締まりました。でも和やかな雰囲気でした。
山口:では続いてアジア選手権のお話もお伺いします。初めての国際大会での金メダル、おめでとうございます。
佐藤:ありがとうございます。
山口:金メダルを獲得したのは、一つ区切りになりますか?
佐藤:はい。タイトルホルダーになれたのは大きな変化ですし自信になりました。
山口:日本勢が大活躍だったみたいですね。
佐藤:そうですね。実は行く前から「金メダルを獲得するのは大前提で、それ以上のものを持って帰ってこよう」と言われていました。なので金メダル獲得は嬉しいですが、それ以上の気持ちで参戦しました。みんな緊張感はありましたね。
山口:何かつかんだことはありますか?
佐藤:ガールズケイリンの開催は、発走予定時刻がきっちり決まっておりほとんど変更はありませんが、競技は発走の時間が変更になることはしょっちゅうあり、完璧に時間を見てウォーミングアップをすることはできません。
でもそれに対して、焦りや苛つきなどマイナスの方向に気持ちが行かないようにコントロールができました。他には、私は去年の5月から国際大会を経験していますが、ずっと冬のシーズンで暑い時期に走るのは今回のインドが初めてでした。暑さへの対処の仕方はできました。
山口:暑いインドで体調も整えて、しかも結果を出すのは素晴らしいです!
佐藤:ありがとうございます。気温にはどうしても左右されるので、その中でコンスタントに結果を出していかなくてはならない難しさは今回経験できました。
山口:次の大会は決まってますか?
佐藤:7月末に伊豆のベロドロームで大会があります。そこにも出場する予定です。
山口:ガールズケイリンを走るのが、今回の平塚までに約2か月空きました。レース勘などの不安はありましたか?
佐藤:「ハイレベルなアジア選手権を経験したから大丈夫だ」と自分に言い聞かせていました。正直に言うと、毎レースかなり緊張はしていますね。
でも3日間で、決勝に向けてだんだん感覚や気持ちなどを調整していくというのは、ナショナルチームに入ってからの課題でしたし、初日は気合いで乗り切りました。
山口:次のガールズケイリンの予定はガールズケイリンフェスティバルです。またポイント制に変わりますが、そこへ向けてはいかがですか?
佐藤:目指すのは優勝だけなので、リラックスしてやれることをやるだけです。平塚では同着優勝だったので、今度は私単独で優勝したいです。
山口:その後はオールスター競輪で行われるガールズドリームレースに選出されました。初めてのドリームレースに選ばれたお気持ちはいかがですか?
佐藤:とても嬉しかったです。去年は周りの方が「あなたならドリームレース走れるよ」と言っていただけていたんですが、アルテミス賞レースでした。走れる14人に選ばれただけで嬉しいんですが、正直悔しさもありました。
でも去年は「アルテミス賞は勝ったことないから、絶対勝つ!」と思って走り勝てたので、今年もドリームレースで勝ってタイトルを増やしたいです。
山口:ドリームレースではナショナルチームからも小林優香選手、太田りゆ選手が選出されましたが、意識しますか?
佐藤:いつもビッグレースになるとナショナルチームのメンバーはいます。手の内がお互いわかっているという面で戦いにくさはありますが、自分の出せる力を最大限に発揮して正々堂々と頑張りたいです。
山口:現在の練習状況はどのような感じですか?
佐藤:ナショナルチームでパリオリンピックへ向けて練習しています。ウェイトトレーニングも重要視しており、毎日筋肉痛になっています。良い刺激が入りまくってます(笑)
山口:休日はどれくらいの間隔でありますか?
佐藤:ほぼ休み無し、と言ってもいいかもしれません。インドから帰ってきて平塚に参加し、と連戦している感覚です。
山口:気持ちの切り替えはどのようにしていますか?
佐藤:ガールズケイリンの開催が心の休養だと思っています。そこでしっかり気持ちを切り替えようと言い聞かせて、なんとか毎日頑張っています。
山口:以前お話を伺ったときは「時間をきっちり管理されてトレーニングする方が向いている」と仰っていましたが、今も変わりませんか?
佐藤:はい、変わりません。自分一人だと規則正しい生活ができないと思うんです。練習時間が毎日決まっており「明日は●時に練習スタートだから、今夜は●時までに寝よう」と練習の時間を中心にして、その日の生活を組み立てています。
そのおかげでインドからの時差ボケもないですし、整って生活できて充実しすぎているくらいです(笑)
山口:結果も伴ってきていますよね。
佐藤:それが一番嬉しいです。頑張って努力したことが報われます。
山口:このあと国際大会もですが、ガールズケイリンでもビッグレースが続きますね。
佐藤:はい、優勝だけを見て頑張ります。
山口:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
佐藤:ガールズケイリンを走れる機会は今年もあとわずかになると思います。
その中でファンの皆さんとお会いできるのは凄く楽しみですし、皆さんもそう思っていただけたら嬉しいです。また有観客のレースの時は名前を呼んでいただけると2倍頑張れるので、これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA