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眞杉 匠選手

2022年。躍進が光る眞杉匠選手(栃木・113期)。今年2度目の記念制覇、そしてオールスター競輪に向けてのお話を伺いました。

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大津:小松島記念(GIII)優勝おめでとうございます。

眞杉:ありがとうございます。

大津:二度目の記念制覇となりましたがお気持ちはいかがですか。

眞杉:嬉しいです。高松宮記念杯競輪(GI)くらいからあまり調子が良くなくて、ちょっと連日悩みながら自分の競走が出来ない中での優勝だったので、その状態の中で勝てたというのは大きいですね。

大津:シリーズをのぞむにあたって理想の状態ではなかったということですか。

眞杉:初日特選で先行したんですが、最終バックも取れずに捲られてしまいましたし、2日目、3日目もカマシに行っても出切れないような感じで状態は良くなかったです。

大津:勝ち上がりの段階で最終バックを取れないレースは今年なかったですもんね。

眞杉:そうですね。季節の変わり目で体調が合わなくて・・・なんですかね。
なんか急に暑くなって体調が悪いというか夏バテ気味というか。他の選手も条件は一緒なので、そこに対応しないといけないんですけどね。

大津:私たち一般人からしても、この暑さは堪えます。

眞杉:もうアップの段階から暑すぎて大変です。小松島競輪場はアップする場所が外なので灼熱の中、海風を浴びながらアップしてました。
控室はクーラーが効いていて涼しいんですが、そことの寒暖差でも疲れてしまいました。

大津:先ほど高松宮記念杯競輪でも状態が良くなかったと仰ってましたが、宮記念杯では存在感を示していたように感じました。

眞杉:宮記念杯は自転車に乗ってる感じが凄い悪かったんですけど、タイムは良いし、2次予選で敗けてはしまいましたが着も悪くなかったんですが、なんだろう回せない感じだったんです。
いつもの自分のパターンに持ち込んで出切ったとしても脚を上手く回せず、踏みつけてしまっちゃってたんですよね。いつもレースの前後にマッサージに行くのですが、宮記念杯終わって身体を見てもらったら先生にいつもと全然違う身体の張り方をしているって言われました。

大津:今までも同じような感覚に陥ったことはあったのでしょうか。

眞杉:けっこうあります。波のあるタイプなので。小松島記念で先行はしましたが、絶対持たないなって感じでした。
感覚としては宮記念杯での先行と一緒だったんです。岸和田では先行して11.3秒くらい出ていたのでタイムは悪くなかったんです。でも小松島ではタイムも出ないし、いつもと全然違いました。

大津:シリーズの中で修正が出来そうな感じはありましたか。

眞杉:いや、なかったですね。気持ちの面でも悪い方向に進んでしまい、勝てるビジョンも見えなかったですし余裕もなかったです。

大津:話を聞いていると名古屋記念(GIII)を取った時とは雲泥の差ですね。

眞杉:名古屋記念の時は練習の感じはいつも通りだったんですが、走ってみたらめちゃくちゃ良かったんですよね。そこに向けて仕上げていたとかではないんですけど、たまたまそこで調子が良かったというか。
僕今まで調整ってしたことなかったんです。名古屋記念取って、その後の地元のウィナーズに向けてがっつり練習したらオーバーワークになってしまい、レースで全然力が入りませんでした。そこから調整してみようと思って、ダービーに向けて調整をしてみたんです。

大津:調整というのは具体的にどのようなことをされたのでしょうか。

眞杉:練習量を減らしました。これにより感覚としては良くなってはきたんですが、練習量を減らしたことによって自分の中で強くなっているかといえばそうではなく、疲れが抜けているだけだったんですよね。
それに気づいたので今は練習量を戻している状況です。

大津:その辺りは先輩方にも相談したりするんですか。

眞杉:そうですね、けっこう色々話を聞いてます。マッサージだったり、休みの頻度だったり、練習量だったりとヒントをもらっています。まだ手探りです。

大津:その中での小松島記念だったんですね。

眞杉:練習量を戻している段階で、まだ若干疲れが抜け切れてない状態でした。

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大津:決勝戦はどんなレース展開をイメージされてましたか。

眞杉:最終的に先行するのは四国勢だと思っていたので、そこに付いて行って道中捲れればって思ってました。
ただ、実際は勝負所で高久保さん(高久保雄介選手・京都100期)がカマシそうな雰囲気があったのでそこで頭を切り替えて上手く追走が出来ました。

大津:高久保選手の後位から2角付近ではすかさず捲っていきました。

眞杉:あっ、3番手だと思い、そこに入ろうとしたんですが、ここで3番手もキープしててもしょうがないないなと思い自分で仕掛けました。

大津:3番手というのは絶好の位置に思えるんですが。

眞杉:僕の調子が良くなかったですからね。そこでジッとしてて後ろから捲りが飛んできた時に、内で詰まって何もできないまま終わってしまうよりかは、仕掛けてダメならダメでと思い踏んでみました。
状態は悪かったですけど、その中でも出し切って終わりたかったです。

大津:踏んだ手応えはいかがでしたか。

眞杉:連日最悪だったんですが最終日は若干良い時に近い感覚に戻ってて良い感じでした。踏んだ距離がいつもより短かったというのもあるかもしれません。
単騎だったので、気楽にというと誤解を招くかもしれませんがリラックスして走れました。

大津:ゴール前は志智選手(志智俊夫選手・岐阜70期)との接戦でしたね。

眞杉:出切ってからは前しか見てなくて4角を先頭で回ってきたときに「これはあるぞ」と思ってたんですが、最後志智さんが横まで来てたんで最後まで分からなかったです。

大津:押し切った感覚はなかったんですか。

眞杉:3着までには残ってんだろうなぁとは思いました。先行してると分かんないんですよ、後ろからスピード良く来られるんで。
実際に自分が残ってる時でも抜かれちゃったかなぁって思うことはよくあるんです。

大津:序盤にも触れていただきましたが、調子が上がらない中での優勝というのは改めていかがでしょうか。

眞杉:本当に自信になりますよね。調子が悪いと捲れるイメージもないし逃げ切れるビジョンも見えないし、決勝に上がれたってだけでも大きかったんですよ。
だっていつもの自分の負けパターンばかりでしたもん。出切れずに外で浮いてしまい終わってしまうっていう。

大津:先ほど単騎のお話が出ましたが単騎でも本当に強いですよね。

眞杉:過去にも何度かありますけど良いですね。後ろがいないから気楽に走ってるからですかね。焦らず自分のタイミングで行けてるというか。

大津:対戦相手からすると逃げても強い、単騎でも強いというのはかなり厄介だと思うのですが。

眞杉:単騎はたまたまですよ。単騎で走る前は余裕も自身も全くないですから。今回だって調子が悪い中で決勝に上がれただけでも良かったなって感じで、決勝戦も一人でも多く抜けたら良いなって思ってたくらいですから。

大津:今年のGIでは全て最終BKを取っていますが、この辺りは意識しているんですか。

眞杉:そうなんですか、全部BKを取ってるのは知りませんでした。特別意識はしてないです。
去年のダービーの決勝戦で何もできずに終わってしまって、そこから自分の得意パターンに持ち込めなくても勝てるようにって思いながら走ってたんです。だけど、それが全然思うようにいかず逆にやらかすレースが増えてきたんです。

大津:と言いますと。

眞杉:例えば先行ではなくて、今日のレースは捲りでいこうと最初から決めて走ると捲れずに外で浮いてしまったりと、自分の中では上手く立ち回りたいと思えば思うほど悪い方向にいってしまい、やらかしちゃうって感じでした。
僕、不器用だからそういうのは考えちゃダメなんだ。上手く走るんじゃなくて、とりあえず全部先行しようって思い意識を変えてレースにのぞんだら内容も良くなって点数も上がってきたって感じですかね。
なのでGIだけ先行という感じじゃなくてレースグレードに関係なく前々に攻めるようにしています。

大津:その結果、現在賞金ランキング13位で競走得点も114点台に上がっています。

眞杉:去年よりは成長出来ているかなとは思います。前回の宮記念杯は2次予選で敗けてしまったんですがGIの決勝には常に乗れるようになりたいです。

大津:眞杉さんは敗けたとしても、後ろに付いた選手は勝ち上がるというレースも多いですよね。

眞杉:そうですね、なんか自分が勝とうと思うと結果敗けるパターンが多いので、ラインで勝てるように走っていると自分も残れることが多くなって、点数も上がってきたイメージですね。

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大津:そして8月に行われるオールスター競輪(GI)では17位に選出されオリオン賞からのスタートとなりました。

眞杉:いやぁ、嬉しいの一言です。去年は恐らく27位か28位くらいでしたので。

大津:ファンは眞杉選手のどんな所に魅力を感じて投票してくれたのだと思いますか。

眞杉:うーん、どうでしょう・・・。去年よりやらかすことが減ってきたからじゃないですか(笑)。

大津:先行力じゃないんですか(笑)選んでいただいたファンにどんな姿を見せたいですか。

眞杉:自分のスタイルを変えずに積極的に動いていきたいです。

大津:オールスターが行われる西武園競輪は平原選手(平原康多選手・埼玉87期)のホームバンクにもなります。

眞杉:勝ち上がりの段階で連携する可能性はありますから自分の調子が悪いなぁって感覚では大会に挑みたくはないですね。そこに向けて自分の状態をしっかり持っていけられるように頑張ります。

大津:西武園競輪場との相性はいかがでしょうか。

眞杉:FIで2回くらい走ってますかね。前回走った時に決勝でやらかしてますね(笑)捲れなかったです。

大津:ではオールスターでは先行して、ですね。

眞杉:そうですね、自分のスタイルを崩さずに前々に攻めてラインで決めたいです。

大津:最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いします。

眞杉:自分のレースをして、先行で決勝戦まで勝ち上がりたいです。応援よろしくお願いします。

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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

2022/07/25

北津留 翼選手

先日、地元の久留米記念で見事優勝を飾った北津留翼選手(福岡90期)。
37歳にしてまだまだ衰えることのない自力の秘密、そしていつも温厚な翼スマイルの中に、どんなものが秘められているのか?じっくりと迫ってみました。

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橋本:先日の久留米記念は優勝おめでとうございます!

北津留:はい、ありがとうございます~。

橋本:地元地区での記念優勝、喜びもひとしおだったんじゃないですか?

北津留:嬉しかったですね~。ほんとにいい位置、勝てる位置を回らせてもらったのが良かったと思います。

橋本:いやぁ、ほんとにあのシリーズは九州の若手選手が頑張ってくれました。

北津留:そうですね。今はほんとに若くて強い選手がどんどん出てくるので頼もしいですね。実際、シリーズに入る前は僕は福岡といってもホームは小倉なので、久留米の選手を引っ張るつもりで臨んだんですが、でもやっぱり嬉しいですね。

橋本:決勝戦の並びはどのようにして決まったんですか?

北津留:いや、僕はほんと何も言ってなくて待ってただけです・・・笑
若いみんなで色々話して『北津留さん3番手回ってください』と言うもんですから、じゃあ、って感じです~笑

橋本:全く何も意見は・・・

北津留:はい、何も言ってません!笑

橋本:その頑張りの結果優勝しました。やはり、そのあたりは、昨年の熊本記念で嘉永選手(嘉永泰斗選手・熊本113期)や瓜生選手(瓜生崇智選手・熊本109期)を引っ張って優勝に導いた、あの北津留さんの男気があったからではないかと思いますが・・・

北津留:いやいや・・・そんなそんな・・・(とにかく照れる)

橋本:北津留さんって欲がないですよね~。それが癒やし系レーサーの要因かな?とも思うのですが・・・

北津留:いやぁ、欲張って勝てるものでもないですからね。そこは・・・まぁ・・・ほどほどに・・・

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橋本:先日は高松宮記念杯競輪で九州三選手(山田庸平選手・佐賀94期、荒井崇博選手・佐賀82期、園田匠選手・福岡87期)が決勝戦に進みました。
今、すごく九州地区盛り上がってるんじゃないか?と感じるのですが、北津留さんから見てはどうですか?

北津留:はい、熊本を中心に若手選手がどんどん出てきてて活気があるように思います。

橋本:今、北津留さんから見て、この選手は強くなるだろうなぁという九州の若手選手を一人挙げるとすれば誰でしょう?

北津留:そんなそんな、一人なんてとても選べないです・・・笑
もう、とにかくみんな強いです・・・上手いし、強いし・・・みんなです!笑

橋本:北津留選手と若手選手の関係性はすごくいいんでしょうね。

北津留:もう、とにかく仲良くやりたいですから~笑

橋本:わかります!平和が一番ですからね~。ところで、北津留さんは今後もずっとやはり自力中心でという思いなんでしょうか?

北津留:とにかく、レースの流れを見て、ということが苦手なので・・・笑
これからもいけるところまでは、このスタイルになるでしょうね。

橋本:そこも平和が一番ですね。いやぁ、実にホッコリします。

北津留:いやいや・・・(照れる)

橋本:家庭もいつも円満のようで。

北津留:はい、何とか・・・

橋本:円満の秘訣も教えて頂けますか?

北津留:どうでしょう?うちは家族で自転車に乗ってレースに行ったりすることが結構あるので、そういうところが円満に繋がってるのかも知れませんね。

橋本:息子さん、パパみたいになりたいって言いませんか?

北津留:言いますね。特に下の子はほんとに小さい頃から競輪選手になるんだ、とそう言ってます。

橋本:それについてパパの立場からどうでしょう?

北津留:はぁ、そうなんだ、なるんだ~という感じです~笑笑

橋本:別段、心配とか嬉しいとかそういうのはないですか?

北津留:ですね。もうほんとに小さい頃から言ってるので。あまりそういう感情はないですね~。

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橋本:そうですか。とはいえパパもまだまだ頑張らないとですね。
ところで、以前北津留選手は9車より7車の方がやりやすい、というお話をされていましたが、詳しく教えて頂けますか?

北津留:もうちょい展開が読めて、流れに乗れたらいいんですけど、何せそういうタイプではないもので・・・

橋本:でも、以前、内を突いて位置を取って、みたいなレースも何度か見たことあるのですが・・・ああいうのは??

北津留:防府ですかね・・・とにかく、そういうのはタマタマです!笑
別に狙ってとかではなく、タマタマそうなっただけのことです~笑

橋本:そうですか・・・笑
ということは、まだまだ基本は自力ですね。

北津留:そうですね。でも、若い選手も出てきてるので、その時によって、色々ですね。

橋本:これからの目標みたいなのはありますか?

北津留:とにかく目の前のことを一生懸命って感じです~。

橋本:大きいレースもこのあとも控えていますからね。

北津留:はい、皆さんに迷惑をかけることもあるんですが、オールスターもありますし、一生懸命走りたいと思ってます。

橋本:では最後に、このコラムをご覧の皆様に一言、お願いいたします。

北津留:いつも応援ありがとうございます~。
これからもしっかり頑張りますので、応援よろしくお願いいたします~。

橋本:ありがとうございました!

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※インタビュー / 橋本悠督(はしもとゆうすけ)
1972年5月17日生。関西・名古屋などでFMのDJを経て、競輪の実況アナウンサーへ。
実況歴は18年。最近はミッドナイト競輪in小倉を中心に活動中。
番組内では「芸術的なデス目予想」といういいのか悪いのかよく分からない評価を視聴者の方から頂いている。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

2022/07/20

古性 優作選手

先日の高松宮記念杯競輪で見事、地元での優勝を飾った古性優作選手(大阪100期)。昨年後半から破竹の勢いで勝ち続け、今年既にGI2勝。その勝負強さの理由に迫りました。

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橋本:改めて、高松宮記念杯競輪優勝おめでとうございます。地元での開催、注目度の高い中、ご自身で何か期待するものはありましたか?

古性:そうですね。いつも地元のレースではプレッシャーに押しつぶされているなと思っていたので、今回は本当に堂々とリラックスして、しっかりと力を出し切ろう、という感じでした。

橋本:リラックスして臨もうと思えた理由は何でしょう?

古性:経験ですかね。もう空気パンパンに入れても仕方ないな、という感じで、今回は力抜いていこうかな、と思っていました。

橋本:過去の失敗から、良い精神状態で迎えられたわけですね。そして、今節に関しては脇本選手(脇本雄太選手・福井94期)が不在の中、やはり近畿勢はちょっと厳しいんじゃないかという見立ても一部にはあったと思いますが、そのあたりはどうでしたか。

古性:GIの参加メンバーの近畿勢を見た時に、やはり自分も思いましたし、今回は苦しい戦いになるかなと思いましたね。脇本さんがいないだけでも、近畿という層がかなり薄くなると思いました。

橋本:確かに近畿ラインという総合力で考えると、一番そのラインの総合力を上げる選手ではありますもんね。ただ、その脇本選手の穴を埋めて余りある、野原選手(野原雅也選手・福井103期)や岡崎選手(岡崎智哉選手・大阪96期)の頑張りがありました。

古性:いや~、本当にもう雅也(野原選手)と岡崎さんのおかげだなと思いますね。

橋本:走る前から今回はやってやるぞ、今日はやってやるぞ、というような気迫のようなものを野原選手や岡崎選手から感じましたか。

古性:びっしびし感じましたね!(笑)レースで3日間番手戦だったんですけど、3日間めちゃくちゃきつかったですね。前が頑張りすぎなぐらい頑張ってくれたんで、もう自分もしんどかったです。

橋本:正直な話、これ競輪のレースでいいかどうかってのはあるんですけど、特に野原選手は残ろうという気持ちがあまり感じられなかったというか。(笑)

古性:もう本当に番手が僕、ということで、その中で頑張ってくれたかなと思いますね。

橋本:初日のメンバーを見た時に、並びに関しても野原選手から「俺が前でやります!」みたいな感じだったんですか。

古性:「前でやりたいです!」って言ってきてくれたので、僕はもう東口(東口善朋選手・和歌山85期)さんと相談して、番手回らせてもらいます、というような話をしました。

橋本:そして岡崎選手と連係したのは2日目の白虎賞から準決勝ですけれども、岡崎選手も今回は男をあげましたね。

古性:そうですね。本当にめちゃくちゃ後ろ付いててキツかったですし、あんないいレースを4日間したんですけど、結局ラップの人みたいな感じになってしまいましたね(笑)ラップが上回ったっす。(笑)

橋本:あのラップは検車場や選手間でも話題になったんじゃないですか。

古性:いや、映像は流れてるんですけど、音は消えていることが多くてほとんど知らない選手が多かったですね。ただ、ツイッターとかで知った選手は多いと思います。 なので、中にいる選手よりも外にいた選手の方がみんな知ってると思います。

橋本:いや~でも才能がありますね。岡崎選手。

古性:レースの反省点はなかったみたいなんですけど、ラップの反省点はあるらしいです。(笑)もっとこうしておけば良かった、と風呂場で話していて、韻の踏み方をもっとこうしたらクールでかっこよかったみたいなことを言っていて、新しく作ったやつをまた聞かせてくれました。(笑)

橋本:彼はどこを目指すんでしょう。(笑)ただ、ああいうインパクトのある特別選手紹介というのは、お客さんの心にも、これからずっと残るとは思います。そして白虎賞だけではなく準決勝も一緒になりました。

古性:そうですね。

橋本:正直、白虎賞は別にしても、準決勝に関してはやはり、古性さんとワンツーが決まるように、という意識で仕掛けるのかなと思ってたんですけど、全く迷いなかったですね。

古性:打鐘からは、白虎賞よりもマイペースで行っていたんですが、やはり最初のスタートでちょっと牽制入ったのであれでかなり脚が削られたんだろうなと思いますね。明らかに白虎賞と駆け方が違いましたし、残るように駆けてくれてるなという感じだったので、自分が出来るだけ援護したいなと思っていました。

橋本:そして決勝戦、単騎になりましたが、北日本が強力なシフトで九州も2段駆けがあるかもしれないという雰囲気でした。そんな中、どんな事に気を付けようと考えていましたか?

古性:正直、展開が読めなかったのでちょっと難しかったです。

橋本:もうその辺はもう流れに応じてということですね。そしてその決勝戦、手応えのようなものはありましたか。

古性:捲っていった時に、感触的には悪かったし、ちょっとやばいなと思って、絶対後ろの選手には差されるな、よくて2着か3着かなって感じだったんです。直前怪我したのもあるんですけど、ちゃんとした練習もできていなかったし、あまり良くなかったですね。

橋本:そんな状況の中でも後ろに抜かれることなく、地元でタイトルを取ったというのは、やはり古性さんの持ってるものによるところが大きいと思います。もちろん、努力があっての話だと思いますが、GIタイトルなどになってくると努力だけではない要素というのもあるのではないかと思います。

古性:練習はやっていたつもりですけど、どうなんですかね。真面目にはやってるつもりではいます。でも日本一練習してるかと言われればそういうわけでもないですし、日本一考えているかと言われても違いますし・・・うーんちょっと分かんないですね。

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橋本:普段から思うんですけど、古性選手って自分をすごく客観視する能力に長けてるというか。走っている時も、上で別の自分が自分を見てるんじゃないかなというふうに感じることがあるんですけど、その辺どうでしょうか。自分自身で分析するというのはちょっと難しいところもあると思うんですけど。

古性:BMXの時からの経験で、競輪を知らない素人の人に意見を聞くのも大事だと思います。やはり競輪選手でいってしまうと、競輪選手としての感覚をもとにしてしまう。素人の人は世間一般の感覚で話してくれるので、そういう面で何かをつかんで、普段からちゃんと客観視できるようにと思っています。
グランプリの時は特にセッティングをいろいろ変えていて、妻にいつのレースのセッティングが良いのかを聞いて、そのセッティングでグランプリに行きましたからね。 自分の感覚は捨てるというか、自分の感覚を抜きにしてやる方が結果が出るのかなと思うので、本当に常に客観的にいるように意識していますし、レースでもゲームみたいな感覚でいれたらいいかなと思いますね。

橋本:奥さんに聞いたセッティングでグランプリに!ちなみに奥様は自転車競技は素人ですよね。そのセッティングを選んだ理由とかも言ってくれるんですか。

古性:いえ、乗り方がこっちの方が良かった気がするみたいな感じですよ。(笑)
適当と言うか、この時の方が綺麗に乗ってる気がするといいますか。グランプリ前に3つぐらい候補はあったんですが、どれがいいと言ったら、これ、って言ったんで、そのセッティングでいったってことです。(笑)

橋本:人によっては、分からんくせに、男の仕事の話に口出しするなみたいなのあるじゃないですか。そのあたり、レースもそうですが、古性さんは柔軟ですよね。

古性:そうなんですかね。あんまり自分の感覚を信じてないっていうか、殻に閉じこもらないようにしてますけどね。自分が思っている感覚と他の人が見て思う感覚が絶対違うので、そこのズレはできるだけない方が絶対いいと思っています。

橋本:他のスポーツ選手との交流とかもあったりしますか。

古性:僕は特にないです。もう家から飲みに行ったり全くしないですね。家にしかいないです。(笑)閉じこもってますね。

橋本:家でゆっくりして、あまりそのあたりは興味がないのですね。他の競技をやってる人と接したりすると、人によっては参考になる部分もあると思うんですがそのあたりはいかがでしょうか。

古性:もちろん興味はあるんですけど、そういう機会もあまりないですね。それこそ先日、長谷川穂積さん(元プロボクサー)と対談する機会があって、お話させてもらったんですけど、こう言うのもいいなと思いました。でも自分は本当に付き合いがよくないのであんまりいないですね。(笑)

橋本:機会があったらというか、お誘いがあればちょっと行ってみようかな、くらいの感じなのですね。私は古性さんとは、もうデビューの時からずっとレースも見ていて、お話もさせてもらっていますけど、自然体ですよね。気負わないし。

古性:最初の頃は全然違っていたかなと思いますね。デビューした当初はもっと欲もありましたし、良い車乗りたいとか、良い物身につけたいとか色々欲があったんですけどね。今はあまり、なくなりました。

橋本:なんか「がつがつ」という感じがなくなったっていう感じですかね。

古性:良くも悪くもそうかもしれないですね。なんかがっついてる感じはなくなりましたね。

橋本:もうそれがなくなって、逆にちょっとこう哲学的な思考の方になったというか。

古性:まさしくそうです。前まではもっとこう、どんと物事捉えてたんですね。練習しとけばいいやろって(笑)。

橋本:そうなってくると、やはり怒りの感情が沸き上がってくるっていうことが減ってくると言うか、インタビューの受け答えとか聞いていても柔和になったなっていうのはありますか。

古性:そうですね。これまでは、やはり未熟だなと思うことが自分の中でも多々あって、例えば今年だったら一番車のユニフォームを着ているのに期待に応えられなかったとすると、感情的になりそうで、そこは自分の中でちゃんとやらなあかんな、と思うんですけど、でもやっぱりお客さんの期待に応えられないとなったら、悔しいなってピリピリしてしまいますね。

橋本:やはり勝負の世界に身を置いていると、結果に繋がらないとなかなか。

古性:もう本当に、普通の勝負の集まりだったらいいですけどね。でもお客さんのお金がかかってることなんで、ヘラヘラしてられない、と思いますね。

橋本:古性選手は「浪速の暴れん坊」というキャッチフレーズが付いていて、先にインを切って、後ろから来て、引けないと見たら飛びついて番手を力ずくでもぎ取って、そこからタテに踏むようなレースを数年ぐらい前までは頻繁に見てきたんですけど、最近は減りましたよね?

古性:減りましたね。やはりタテでシンプルに勝負できるのは、一番ラインで決まる確率が高いし、そのようなレースをしたほうがタイトルに繋がってくるんじゃないかなと思って、もっとタテでしっかり頑張りたいなと思いましたね。

橋本:意識的に自分の中でスタイルはちょっと変えてみようかなと思ったのはどういった理由ですか?シンプルにタテの方が良いっていうのは脇本選手の存在もありますか。

古性:それもそうですし、やはり近畿の先輩方に信頼してもらえるためには、ちゃんとラインで引いて、ゴタゴタするより・・・と思ったりもしますね。だけど、やはりGIとかになってくると、引けないところも出てきたりするので。

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橋本:もちろんまだまだ強くなっていくっていうのが古性選手の中では一番の目標だと思うのですが、何か明確なものはありますか。

古性:競輪学校の時にグランドスラムという夢を掲げたんですけど、滝澤校長(滝澤正光・日本競輪選手養成所第23代所長)にダブルグランドスラムにしろって言って変えられたんですよ。(笑)

橋本:滝澤さんの無茶振りですね。(笑)

古性:でも僕の感覚でいうと、グランドスラムを目標に設定すると、グランドスラムってできないんですね。ただダブルグランドスラムを目標にするとグランドスラムはできる気はするんです。大概今までの経験上目標を下回ってきたので、もうどでかい目標にして、それを下回って、グランドスラムぐらいで。(笑)その理論でいえばダブルグランドスラムしようと本気で思ってたらトリプルグランドスラムとかですね。(笑)

橋本:道のりはまだまだですね。

古性:まだまだですけど、マイペースにしっかり頑張っていけたらいいかなと思っています。

橋本:そうですね。これからも大きい戦いが続きますけども、体には気をつけて。 また暑い時期になってきますからね。

古性:ちょっと今年やばいっす(笑)。まだ6月で。これは8月どうなるのかなって怖いですね。

橋本:本当に体調だけは崩さずに、ご活躍を期待しております。では最後にメッセージを一言お願いします。

古性:そうですね。目の前の一戦一戦を頑張って、皆さんに応援してもらい、また頑張りたいなと思います。

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※インタビュー / 橋本悠督(はしもとゆうすけ)
1972年5月17日生。関西・名古屋などでFMのDJを経て、競輪の実況アナウンサーへ。
実況歴は18年。最近はミッドナイト競輪in小倉を中心に活動中。
番組内では「芸術的なデス目予想」といういいのか悪いのかよく分からない評価を視聴者の方から頂いている。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

2022/07/13

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