ガールズケイリン1期生としてデビューし、今も上位で戦っている中川 諒子選手(熊本102期)。笑顔が素敵な中川選手に近況をお伺いしました。
山口:近況はご自身ではいかがですか?
中川:凄く良いというわけではないですね。1着がなかなか取れないので、もう少し増やしていきたいです。
山口:戦法は何か変わってきましたか?
中川:基本的には変わっていないと思います。自力を持ちつつも臨機応変に走るスタイルが重要かなと。
山口:練習面ではいかがですか?
中川:ガールズケイリンは単騎戦なのでどうしても自力は必要です。なので練習は自力の練習を中心にしています。バンクと街道とバランス良くを心掛けていますね。
山口:デビュー時は新潟所属でしたが、出身地の熊本へ戻ってこられて環境は変わりましたか?
中川:デビューから数年経ち、これからも長く選手を続けられるようにと思って戻ってきたんですが、新潟の方がガールズの選手数は多いのでそういう面では練習の幅は狭いかもしれません。
でも環境は変わらないですね。バイク誘導をしてもらったり、男子選手の練習に混ぜでもらったり、新潟でも熊本でも良い環境で練習させてもらっています。
新潟所属の時にも、冬季移動などでたまに熊本にも帰ってきていたので、特に環境の大きな変化は感じないですね。
山口:どんどん新しい期が出てきています。中川選手はどう感じでいますか?
中川:強い子がどんどん増えていくなぁ、と思いますね。その分レースでも動ける選手が多くなるので、位置取りも重要だし。ただ最終的には脚力がないとダメなのかなと。
山口:ガールズケイリンコレクション平塚ステージへのトライアルレース(1/19~21・奈良)はいかがでしたか?
中川:ああいう風にコレクションへ繋がるレースが行われるというのは私にとってはモチベーションになるし、チャンスも増えるので楽しみな部分もあるんですけど、今回は自分の思ったようなスタンスでは走れませんでした。
山口:それは動ける選手も多かったから、ということですか?
中川:そうですね。動ける選手とか強い選手がいると、その選手をアテにしてしまうという自分の弱い部分も出たのかなと思いました。参加するときやレースを走る前はそのような走りをするつもりは無かったんですが、いざ走ってみると自分から仕掛けるのではなく「あの選手が強いからその人の後ろについていようかな」とか消極的な部分が出た3日間だったと感じました。それだけじゃ勝てないんだな、と。
山口:先ほども仰っていたように、大きいレースへのチャンスが増えるのは良いことですよね。
中川:そうですね。近い目標になるのは大きいです。気合も入りますし、入るときは凄く意気込んでいました。コレクションに繋がるから勝ち上がりも大事になると思っていたので良い緊張感ではいられたかなと思います。
山口:昨年はアルテミス賞レース(いわき平オールスター競輪にて)も走られましたが、ビッグレースの経験も活かされましたか?
中川:レース自体はそのときの展開で動きが違うのですが、いい緊張感を持って走るなど、気持ちの面では活かされたと思います。アルテミス賞もGⅠの中でのレースでしたしお客さんも多い。「大きなレースで走っていたいな」という楽しさや誇らしさは思い出していましたね。私はしばらくビッグレースは走れていなかったので、「やっぱり大きいレースは常に走っていたい」という思いは強くなりました。
山口:近い目標は何ですか?
中川:次の大きなレースとしてはサマーナイトフェスティバルが、まだ走れるチャンスがあるのでそこを目標にしています。あと今年は競輪祭もガールズ選手が走れるように変わったので、大きなレースに繋がるレースには常に出ていたいなと思います。 ただそれに出るためには、普段のレースが大切になるのでそこで1着を取れる状態にはしていきたいです。今年に入って(2月24日現在)予選での1着もまだなんですよね。早く今年の1勝目をしたいですね。
山口:ご声援も力に変えていきたいですね。
中川:そうですね。自分が知らない地域でも、名前を呼んでもらっているのが聞こえると頑張ろうと思うので、本当に力になります。たくさんでも一人でも!
山口:熊本競輪も先日、再開が決まりました。嬉しいニュースですね。
中川:それは本当に嬉しいです!自分は熊本地震の後に帰ってきたので、新潟所属の時には走ったことがあるんですが、熊本所属になって走っていないんです。そういう意味でも、所属になってからレースを走れるのは楽しみです。
それまでにはしっかりと優勝を狙えるところにはいたいですね!
山口:再開して最初のレースには走って盛り上げたいですね。
中川:そうですね。今の熊本のガールズ選手は私と田仲 敦子選手(104期)の二人だけなんですが、今年卒業の子一人と、今年競輪学校に入る子もいるのでこれから熊本もガールズが増えて盛り上がっていきそうです。
人数が多いとレースに近い、動きがある練習ができたりするのでそういう面でも多い方がいいと思います。
山口:これからも楽しみですね!それでは最後にオッズパーク会員の方にメッセージをお願いします。
中川:いつもあたたかい応援をいただいていて、それが力になるのでこれからも応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA
福岡・久留米で姉弟子や同期と切磋琢磨をし上を目指す内村 舞織選手(福岡112期)。デビューして約半年。近況や今後の目標についてお伺いしました。
山口:内村選手はお父様が選手(内村 豪さん・鹿児島67期・引退)でしたね。選手になったきっかけもお父様だったんですか?
内村:父は全然関係ないですね。もともと陸上をしていたんです。種目は違ったんですが姉も陸上をしていて、姉の方がいつも成績が良かったのが悔しくて。何か姉より強くなれるものを、と思っていたら母が「自転車乗ってみれば?」と勧めてくれました。でも父には反対をされてしまいました。やっぱり危険も知っていたからだと思います。「日本一を取りたい」と訴えて説得したら最終的に応援してくれました。
山口:そこからはサポートしてくださったんですね。高校時代も短距離(ケイリンを含むトラック競技)をしていたんですか?
内村:最初は長距離のスクラッチという種目をしていましたが、高校2年生の冬の大会で初めてケイリンに出場したんです。そうしたら予選からずっと1着で優勝したんです!それでもうガールズケイリンだな、と思いました。
山口:ケイリンが合っていたんですね。
内村:初めてのケイリン出場でも、結構直感で動けてそれがいい結果に結びついたので、合っていたんでしょうね。
山口:デビュー戦は同期から少し遅れてでしたね。
内村:そうなんです。デビュー前の練習中に落車して入院をしていました。なので同期のデビュー戦は病院のベッドで見ていたんです。めちゃくちゃ焦りましたよ。早く走りたい!って。
山口:退院してのデビュー戦(8月30日・広島)はいかがでしたか?
内村:師匠の藤田 剣次さん(福岡85期)と一緒だったので不安も焦りもなかったです。ここからやるしかない!と思っていました。それこそデビュー戦も直感で走りましたよ(笑)
山口:そこで決勝にのりました。戦っていけるという手応えはありましたか?
内村:そういう感情よりも、楽しかったですね!いつもレースを見ていた奥井 迪さん(東京106期)とかが横で走ってくれているので。この世界で本当に自分も走れるんだなぁと思いました。
山口:近況は連続して決勝にのっていますね。
内村:結果だけ見ればまとまった成績は残せていると思います。ただレース内容としては流れ込みというのも多いので、しっかり自分からアクションをおこしてレースを作っていきたいですね。
山口:先ほどの直感で動くというお話ですが、体が瞬時に反応するということですか?
内村:仕掛けのタイミングはここだ!とかですかね。今は考えてもいますが、直感で動くことも多いです。ただその直感が裏目に出る時もあるんですけどね...。割とレース中は冷静だと思います。
他の強い選手たちの動きを見つつ動くというイメージですね。脚力だとまだ勝てないので、どの位置からだと自分が1着を取れるかを考えて仕掛けます。
ガールズコレクション平塚ステージへのトライアルレース(奈良)も師匠には「直感で行きます」と言っていたんです。
山口:奈良のトライアルレースはまた普段とは雰囲気が違いましたか?
内村:そうですね。全員が強い選手たちだったので不安でした。7着ばかりなんじゃないか、自分でこのメンバーと戦えるのかと。入るまでは不安でした。 でも走るからには勝ちたい気持ちがあったので、頑張ろうと思いました。
山口:同期同門の大久保 花梨選手(福岡112期)も一緒だったのは心強かったんじゃないですか?
内村:奈良へは別々で行ったんですが、入ってからは同県だから宿舎の部屋も一緒だしとても心強かったですね。いつも久留米でいるような感覚になれたのは大きかったです。花梨と私は今、同じ韓流ドラマにハマっていてその話をしたり(笑)かなり部屋ではリラックスしていました。
山口:奈良のトライアルレースは決勝3着。他の競輪場の結果待ちでしたが、どんな気持ちでしたか?
内村:どうかお願いします!って思っていました。でも最後の松戸のトライアルレースは見ていてすごく感動したんです。同期の梅川さん(梅川 風子選手・東京112期)と奥井さんの先行争いとか!凄いなと思って見ていました。 でも決まった7選手を見ていると全然かなわないなと思います。いざ自分が出るとなった時にはまた考えると思うんですけどね。
山口:近い目標は何ですか?
内村:今は今年の競輪祭への出場権を取ることですね。地元開催ですし、ガールズも初めて出られるので!あとは着外を少しでも減らして安定した成績を残していきたいです。まだ優勝もしていないのでしたいんですけど、出来るかなという時に決勝2着だったり...。なのでチャンスを作って優勝も狙いたいです。 来月は地元・小倉も入っているしそれも頑張りたいですね。
山口:地元戦はいつも以上に気合が入りますか?
内村:私は地元めっちゃ気合が入るタイプです。久留米もそうなんですが、小倉もですね。他の競輪場でも名前を呼んで応援をして欲しいタイプです!これアピールしていいですか?(笑)
山口:(しっかり記事にさせていただきました^^) 最後にオッズパーク会員の皆さんへメッセージをお願いします。
内村:どんな戦法でも戦える選手になりたいです。失敗する時もあるかもしれませんが、気持ちでは負けないように頑張るので、応援お願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA
小柄ながらパワフルな走りでファンを引き付ける杉沢 毛伊子選手(静岡104期)に近況、そして今後の目標についてお伺いしました。
山口:近況は決勝にも進んでいますが、ご自身ではいかがですか?
杉沢:決勝へ上がるというのは常に目標にはしているんです。でもやりたかったことが出せるときとそうじゃない時があるので、そこが課題ですね。少し練習を変えたので、それをレースで出せればいいんですけど。 あと、今はレース間が詰まっているので、しっかりと練習をやり込めないままレースへ行くんです。そういう中では成績はまとまっている方だと思います。
山口:練習を変えたというのは具体的にどういうことですか?
杉沢:何でもやっていかないと今は勝てないので。もう一度優勝するためにはいろんな戦法をしていかないと。具体的に先行とかまくりとか追い込みとかの練習、というよりも、流れの中で自分がどう動いていくかの練習ですね。 それが今は満足するまでできていないので、一つ一つ積み重ねている感じです。「今回はここまでしたから、ここまではレースで出せるように走ろう」という。
山口:新しい期の選手たちもどんどん入ってきていますもんね。
杉沢:そうですね。今までの自分だと先がないので。層も厚くなってきていますし、全体的にレベルが上がっているのは感じます。その中で上を見据えてやっているので、今は点数もまだないですが挑んでいけるようにまず練習をしっかりとしていますね。
山口:レースも展開などが変わってきていますか?
杉沢:自分は元々3.57くらいの軽いギヤが好きだったんです。だから3.77のギヤが主流になってきても頑なに変えなかったんですが(笑)、オッズパーク杯ガールズグランプリを走る上位の選手はほとんど大きいギヤで走っているのを見ると、時代に対応していかないといけないと感じますね。軽いギヤで勝てていたら対応しようとは思わなかったですが、そうではないということは強い人がしていることをしないと、と。
山口:杉沢選手といえば太ももが大きい(66cm。男子選手でもなかなかいない大きさ)イメージです。筋肉がある選手は大きいギヤが合うというのかな、という素人考えなんですが...。
杉沢:そうなんですよね!同期とかにも冗談で「それだけ太ももが大きかったら4.00踏めるよ!」と言われたんですが、今までは全然踏めなかったんです。だけど大ギヤを使い続けて、実は体つきもだんだん変わってきたので続けてみようと思っています。力だけじゃなくて、体全体を使って踏むというのも気づいた部分の一つです。チャレンジして良かったですね。
山口:静岡はガールズの後輩たちも勢いがありますね。
杉沢:そうなんです!みんな強いので本当に刺激になりますね。吉村 早耶香(112期)とは街道練習をたまにするんですけど、めっちゃ強くて!後輩の存在は大きいですね。 みんなすごく練習をしっかりする子たちだし、結果も出しているから刺激しかない、ありがたい存在です。
山口:近い目標はなんですか?
杉沢:やっぱり優勝ですね。今まで優勝は2回あるんですけど、展開に恵まれたり繰り上がりだったりで「優勝した!」という実感は薄かったんです。 なので優勝するぞという気持ちで走って、ガッツポーズが出るような優勝をしたいです。
山口:篠崎 新純 選手(千葉102期)とは今も一緒に練習をしているんですか?
杉沢:はい、一緒にさせてもらっています。今はレースの入れ違いが多いんですが、アドバイスは常にしてくれています。私よりも2~3倍くらい考えて走っていらっしゃるので参考になります。 ガールズケイリンは単騎戦なのでみんなライバル。心からのアドバイスというのは少ないと思うんですが、篠崎さんは損得なく言ってくれていると感じるのでありがたいです。身近な目標ですね。
山口:ガールズコレクション平塚ステージへのトライアルレース(高松)はいかがでした?
杉沢:特別な調整とかはなくいつも通り走ったんですが、今の力がそのまま出たんだなという感じです。メンバーも強い選手ばかりだったので、ガールズ内での今の自分の位置を思い知らされた戦いでした。ただチャンスは広くなったし、一戦一戦の積み重ねが大事だなと思いました。 自分はちょっとのんびりしているので、それが出ているから勝ちきれないんだと思ったんです。「優勝したいな」ではなく「優勝するぞ、とるぞ!」という思いで走るのは大きな違いです。そういう部分では以前とは変わってきていますね。
山口:それは篠崎選手や後輩選手の刺激もあってですか?
杉沢:それもですが、同期の活躍も大きいです。昨年のガールズグランプリは同期で同い年の寛子(石井 寛子選手・東京104期)が優勝したので、この年でも頑張れるっていうの凄いなと思いますし、努力をしていたのは学校時代から見ていたので、自分も負けていられないな、と。
山口:では、最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
杉沢:いつもたくさんの応援、本当に力になりますし気合も入ります。感謝しています!ただ今はなかなか車券に貢献できていないので、申し訳ない気持ちです。車券に貢献してこそプロだと思うので。 なのでそういう思いでしっかりと練習をしていくので、これからもよろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA