山陽所属の34期。小さい頃から憧れていたオートレースの世界。同期が優勝してく中で焦りもありながらも掴んだデビュー初優勝!優勝を決めた時の様子、目標や課題などお話していただきました。
(取材日:2023年3月13日)
インタビュー / AKI
AKI:デビュー初優勝おめでとうございます。お気持ちいかがですか?
山本:ほっとしました。同期がみんな優勝していたんで焦りがありましたし、いろんなところで優出していたんですが、いつも2、3着であと一歩というところ。いつも後ろの選手にやられてしまいました。このまま優勝できないのかなぁという思いもありました。なので、ほっとしたというのが率直な気持ちです。
AKI:初優勝する前の節にも優出していましたが、車の状態はいかがでしたか?
山本:初優勝の3節前の最終日にスタートでチェンジを入れたままスタートを切ってしまって。50mくらいちぎられてのスタートになってしまいました。半ば心が折れかかっていたんですが、何かいつもと違うことを意識して乗ってみようと思って、立ち上がりの部分を意識してみたんです。そしたら、前とどんどん近づいていって。「これか?」っとなりました。レースの時に感覚というか、車の押さえ方、乗り方がいつもと違うなぁという感じがあったんです。次の節でその感覚を意識して乗ってみたら上手く走れちゃって。乗り手の問題が大きかったですね。スタートのミスからだったんですが、それを機に変わりました。車の押さえ方、立ち上がりの押さえ方ですね。ちょっとしたキッカケで上がりタイムも5、6個よくなりました。エンジンが元々良くて乗り方に気付けたのか、エンジンが良くなったのか分からないですけど、感覚が1番大きな変化でしたね。すぐに結果につながったのでびっくりしています。
AKI:乗り方、車の押さえ方で大きく変わったんですね!エンジンは扱ってなかったんですか?
山本:その時は何も扱ってなかったです。試走タイムは出ていたのでエンジン自体は悪くなかったと思います。ただ、試走だとしっかり座りたい位置に座って走れるんですが、レースはスタートしてから座るので乗るところが少し違うと全然乗れないんです。そういうところも意識して座る時のミスも少なくなっていたと思います。なので、こういうのがキッカケで速くなっていくんだろうなと思いました。エンジンもそうですけど、乗り方もちょっとしたことで大きく変わるんだと思いました。失敗から得られるものがありました。
AKI:優勝した節の初日は雨で1着でしたが、湿走路の印象はどうですか?
山本:雨は速い人と比べると足りないですね。ただ、斑や不安定なコンディションだと好きですね。初日はそういう不安定な走路で気合いで走れました。
AKI:2日目は良走路2着で優出。優出を決めた時はいかがでしたか?
山本:準決でスタート遅れてしまって。1番後ろからの追い上げになったんですけど、そこから2着まで追い上げていけたので「めちゃくちゃエンジン良いぞ!!」となりました。優勝戦も「スタート決められたら行けるんじゃない?」という感覚はありました。逆にここで優勝できなかったらこの先もできんな!と自分でも思いましたしみんなからも言われました(笑)優出するたびに言われてはいたんですが、今回はエンジンも乗り手も良く、準決も不利な展開から追い上げての優出。「もうここしかないな」と自分でも思っていました。今まで優出した中で1番手応えがあるというか、優勝できそうな感覚がありました。初優勝した前の節も同じ感覚だったんですが雨が降ってしまって。苦手意識とかはないんですが、その時の雨は何か感覚がいつもと違って、インコースが効かなくって試走の段階で厳しいなと思っていました。そしたら、すぐにまたチャンスがきて次の節に優勝することが出来ました。本当によかったです。
AKI:実際優勝戦、スタートラインに立った時はどんな思いでしたか?
山本:とりあえず自分が出来ることをやろうと思っていましたし、スタートも張り込む気満々でいきました。"スタート行ったら優勝!"と思っていましたね。ただ、試走タイムは出しに行った割には3.29で、気持ち的には3.27くらい出して心の余裕が欲しかったです。なので、試走を見た時は「3.29なら戦えるか。」という感じでした。自分は人より試走が出てないと良くないので、試走タイムは意識していました。
AKI:そんな中でのスタート、レースは振り返っていかがですか?
山本:完璧ですね!(笑)これ以上ない展開を作ることができました。レース道中は1度張ってしまった時があったんですけど、バラけたレース体形だったのが救いでしたね。なんとか後ろの追走をしのげましたし、混戦になるよりもバラける展開の方が良いと思っていたので展開も最高でした。3台とか重なっちゃうと厳しいので結果良い展開でした。先頭に立ってからはとにかく全力でグリップを開けて走りました。それが上がりタイム3.375に繋がったと思います。捌く展開だったと考えると良いタイムだったと思います。ゴールした瞬間は感無量でしたね。確定盤に表示が出た時はほっとしました。
AKI:レース後は初のウイニングランもありましたがいかがでしたか?
山本:気持ちよかったですね。やっぱり、目の前にお客さんがいるのといないのは違います。ウイニングランができてよかったです。後、かなり緊張してしまうタイプでノミの心臓なんです。みんなにも豆腐メンタルと言われます(笑)見た目はそうでもないと思うんですけどギャップが凄くて。自分で言うのもなんですけど(笑)けど、今回の優勝で木綿豆腐から絹豆腐くらいには成長したと思います。
AKI:一つ具切りの初優勝を決めましたが、今後の目標は考えていますか?
山本:今はS級になることですね。優勝してハンデが下がったので、ハンデ位置が戻らないように今の位置をキープしたいです。ただ、次のランクがB-185でめちゃくちゃ悪いんです。最重ハンデでこんなランクの人いる!?と言う感じ。不甲斐ないですね。なので、次のランクはもっと上げていけるように、S級に上がれるように頑張りたいですね。
AKI:課題はなんですか?
山本:整備力ですね。整備が下手で。感性がなさすぎます。エンジンの音を聞いてめちゃくちゃ良い時は分かるんですが、乗ってみてどうかな?という時の音の区別がつかなくって。良いかな?と思って師匠の浜野さん(山陽24期:浜野淳選手)に聞いてもらうんですけど、全然だめと言われたりして。あれ!?となります。そういうところの感性がなくって。最近は消音マフラーも多いので尚更難しいですね。消音に関しては乗ってみないと分からないですね。音を聞き分けられるようになって整備の幅を広げるのが課題ですね。 まだまだ根本的に知らないことが多いので、同期とか先輩に聞いて成長したいですね。鈴木圭一郎さん(浜松32期:鈴木圭一郎選手)てすごくて、消音マフラーでも音で分かっちゃうんです。整備が上手い人って消音でもほんの少しの音の違いで良し悪しを見つけてくるから、そういうところをもっと勉強していきたいですね。なので、消音でも良いところの音を見つけたいですね。
AKI:スタートに関してはどうですか?
山本:1級車に乗り換えたばかりの時はすごく切れていたんです。黒川さん(川口33期:黒川京介選手)とそんなに変わらなかったんです。けど、乗れば乗るほど遅くなっていって。なので、いろんな切り方をして模索しているところです。スタートは重視している派なので、切り方、セッティングなどスタートが速い人に聞いたりしています。そこから自分でアレンジしてみたり。まだまだ探しているところですね。めちゃくちゃ切れるところを見つけたいです。スタートは誰よりも行きたいと思っているタイプ。今は特にスタート命、スタート切ったらそこまで差はないと思っています。なので、スタートで差をつけないといけないと考えています。今のレベルじゃS級は程遠いと思います。
AKI:山本選手はオートレースを観てきて、憧れて入った世界ですが選手になってどうですか?
山本:自分の中では天職だと思っています。小さい頃からオートレースを観てきて、16歳から試験を受けてきました。4回目で受かりました。なので、選手になれて本当に嬉しいです。選手になりたての時は怒られてばかりで大変でした。けど、今はめちゃくちゃ楽しいです。
AKI:それでは最後に読んで下さった皆様にメッセージをお願いします。
山本:これから、最重ハンデで戦えるように、車券に絡めるように頑張りますので応援よろしくお願いします。
(写真は山陽オートSNSより。)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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