飯塚所属29期。2022年5月9日の飯塚ナイターで悲願の初優勝を飾った。初優勝への思い。2004年デビュー以来からここまでどんな18年だったのか。いろんなお話をして頂きました。
(取材日:2022年5月12日)
インタビュー / AKI
AKI:デビュー初優勝おめでとうございます!お気持ちいかがですか?
田中:ありがとうございます!達成感がありますね。
AKI:ゴール戦ではどんな気持ちでしたか?
田中:本当に最後の最後に変わったんで「あれ?今俺優勝した?」という感じで(笑)実感はなかったですね。けど、嬉しくて達成感のようなものはありました。
AKI:取材をしていく中で、車の状態は良いところで推移していたように感じていたんですが、実際はいかがですか?
田中:んー。波はあるんですが、優勝する前の前くらいの節にキャブのセットを変えたら自分的にはガラリと変化して乗りやすくなりました。パーツ交換はたまにという感じで基本的にはセッティングを煮詰めていくタイプです。けど、今年は新品クランクを入れてからエンジンが良くなった気はしますね。なので、優勝した節のエンジンの感触は良かったです。
AKI:優勝した節はスタートも切れてましたが、何か扱っていたんですか?
田中:セッティングではなくクラッチレバーの握り方を変えていました。たまたまなんですけど、「やってみよう。」と思って準決の前の練習で試してみたら切れて。「お、良いな」という感触はありました。準決は内に高林さん(飯塚27期:高林亮選手)、外は牧瀬(飯塚29期:牧瀬嘉葵選手)で、今までのレースでは勝ててるイメージがあったので気持ちは楽にいけましたし、スタートも練習どおり上手く切れました。ただ、優勝戦は0m6車並びでスタートは行かれるだろうと思っていました。元々0mの位置が苦手で、0mからスタートが切れる人は本当にスタート巧者のイメージです。なんていうか、10m、20mだと角度のほかにも傾斜があって前に進む感じなんですが、0mはほぼ平で綺麗にスタートを切らないとブレるイメージがあるんです。なので、苦手意識があったんですが、優勝戦では良いスタートが切れましたね。
AKI:スタート切って前には吉松選手(飯塚33期:吉松優輝選手)がいました。
田中:同じロッカーグループのかわいい後輩がいましたね(笑)優輝はスピードがあるのでとりあえず着いていこうと思っていました。最初はなかなか詰まらなかったですね。序盤は直線でも離されるし、自分も無理してグリップを開けようとして滑りそうになったり。けど、優輝の走りはずっと見てて「序盤は早くても後半はタイヤが滑り出すぞ」と頭の中にあったんです。なので、なるべく離されないように走っていました。
AKI:最周回ではかなりコーナーで詰めていましたよね。
田中:そうですね。最周回の2コーナーで車を内に向けたんですが滑っちゃって。「きついなぁ。」と思ったので最後は外に突っ込んでゴール戦でちょい差しでも出来たらなという気持ちだったんですが、優輝が丁度良いところでフロントを滑らせて。「あれ?...いけー!!」という感じ。なのでゴール後は「勝ったよね??」という感じで気づいたらゴールでした(笑)
AKI:ゴール後一度ロッカーに戻って胴上げされていませんでしたか??
田中:そうなんです(笑)初優勝というのもあっていろんな方が出迎えてくれました。嬉しかったです。胴上げは野球の監督の気持ちが分かりました(笑)
AKI:ウイニングランも行いましたがお客さんの声援は聞こえましたか?
田中:はい!聞こえましたし、手を振って下さったりよくテレビで見る光景でした(笑)気持ち良かったです。表彰式ではまだ実感なく。篠原さん(飯塚26期:篠原睦選手)が見ててくれてたみたいなんですが「緊張しすぎやろ(笑)」と言われました(笑)緊張しましたし、何を話したらいいか分かりませんでしたね。けど、最後のコメントはもっと大きな声を出そうと思ってコメントをしました。
AKI:悲願の初優勝。ここまでどんな18年でしたか?
田中:そうですね。んー。嫌なことの方が多かったですかね。上手くいかないことの方が。けど、結果楽しかったです。長いけど、あっという間な18年でした。何度も優出して周りの方にも優勝してこいよ!と声をかけてもらっていましたが、プレッシャーにはそこまでならず。もちろん勝ちたいとはいつも思っているんですけど、本当に速い人と比べたらプレッシャーは少ないと思いますよ。ただ、緊張はします。緊張しいだし熱くなりますね。熱くなるのは若い頃に比べたら落ち着いてきましたが、緊張はどんなレースでもします。優勝戦も"優勝するぞ"とかそんな感じではなく。相手がいる競技なので"まずは自分ができることをやろう"という気持ちを心がけて走りました。
AKI:"初優勝"という一つの目標をクリアしたわけですが、今後の目標は考えていますか?
田中:デビュー当初から"最高ハンになりたい"と思っていて、ようやく優勝して最高ハンにおいてもらっているのでこの位置でもう一回優勝したいですね。今はエンジンも良いので頑張りたいです。
AKI:ご自身の整備面はいかがですか?
田中:整備に関して自信はないですね。音とかも良くわからないし。それに音痴なんで(笑)関係あると思うんですよね。稲原さん(山陽28期:稲原良太郎選手)は絶対音感の持ち主らしく整備も上手いと聞きます。確か「ソのシャープが良い」とか言ってました(笑)それが分かったら良いですよね。けど、自分は分からないので、音を聞くというよりは乗って確認するタイプです。
AKI:今の1番の課題はなんですか?
田中:んー。体重かな?(笑)ガタイが良い方なのでダイエットまではいかないですが、日頃から運動をして増えないようにはしています。デビュー当時が62~3キロで今が65キロなので大きく増えてはないですがこれ以上増えないように。本当は60キロくらいにはしたいんですがそこまでいくと体がきついので。なので、体重を増やさないのが課題です。
AKI:雨に関してはいかがですか?
田中:飯塚の雨は良いですね。けど、他のレース場は滑るし違います。そう考えると斑の方が良いですね。走路改修前の飯塚斑走路にだいぶ鍛えられたので恐怖心とかもないです。他のレース場の斑も大丈夫です。良い修行になりました。
AKI:捌きに関してはいかがですか?
田中:やっぱ最高ハンで走っている人は捌きもうまいですよね。エンジンで勝てても隙があると入ってこられてしまいます。本当に一瞬です。そこも勉強ですね。後輩にも負けないように。
AKI:消音マフラーに関してはいかがですか?
田中:特に苦手意識もないですね。ブレーキが効くんで止まりが良くより突っ込める感じです。そこはプラス要因ですね。ただ、スタートは普通のマフラーよりも吹かさないといけないので切りづらいですね。消音の方がムラです。
AKI:いろんなお話を聞いていきましたが、ここまで18年選手になって良かったですか?
田中:それはもうずっと良かったと思っています。元々は伊勢崎に引っ越して高校卒業くらいからオートレースを見るようになって。その頃から漠然とオートレースが好きだなと思っていました。その後は社会人サッカーをして、サッカーが落ち着いてから試験を受けた感じです。サッカーをしてる時もオートをずっと見ていました。28期も受けたんですが落ちて。29期の時は結構勉強して受けましたね。試験に受かって、養成所に入って、配属されたのが飯塚。ロッカーを居住地の近くに戻すというのもあったんですが、その頃には結婚していて住所も移していたので移動する理由もなかったですし、何よりも選択権がありませんでした(笑)何も聞かれませんでしたね(笑)それに、今のロッカーが最高です。自分がなりたい職業に就けるってなかなかないですね。なので、選手になれて良かったという気持ちはずっとありますね。
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
田中:一走一走諦めず走ります!これからも応援よろしくお願いします!
(写真は飯塚オートFacebookより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。2013年4月~2018年3月まで飯塚オートイメージガール3代目「勝利の女神」として活動した後、レポーターを経て、現在は飯塚オートCS放送、ネット放送のメインMCを担当。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベントやYouTube配信などに出演中。