飯塚所属の34期。消防士からオートレーサーに転向。デビュー当初はなかなか結果が出ずかなり苦戦を強いられる。そんな中、デビューから約3年、2022年5月20日にデビュー初優出を決めるとそのまま初優勝を決めました。その時のお話、課題や目標などお聞きしました。
(取材日:2022年5月31日)
インタビュー / AKI
AKI:デビュー初優勝おめでとうございます!初優勝決めたお気持ちはいかがですか?
道智:自分的には一つ勝利を重ねただけな感じ。なんともないというか。よっしゃ!ってなるかと思ったんですがそうでもなくって。こんなもんなんだなぁと思いました。思いのほか優勝できたのが早かったからかもしれましせんね。優勝戦もなかなか乗れないのに、さらに優勝なんてと思っていたんで。なので、優出が決まった時もまずは優勝戦に乗れたことで充分というか。それなのにそのまま優勝してしまって、「あれ?」って。同期もほとんどが優勝戦に乗ってるけどなかなか優勝出来ないわけで。なので、自分もそう簡単には優勝はできないだろうなぁと思っていたんです。けど、周りの人たちが喜んでくれたり祝ってくれたりして、そのことに関しては本当に良かったなぁと思います。
AKI:エンジンの状態はかなり良かったんじゃないですか?
道智:すごく良かったです。5月に入って飯塚の開催が始まってから新品のシリンダーを入れました。それが良かったんでしょうね。遠征続きの後半は特に良くなかったんですが、シリンダーを交換してからはそこそこ戻ってきたかなぁという感じ。ただ、まさか優勝戦に乗るまで行くとは思ってもいませんでした。練習でも感じは悪くないけどレースでこんなに結果が出るなんて。本当に「あれ?」でした。まずは優出が目標だったのが一回で優勝までしてしまって。なので、優勝してもふわっとしています。
AKI:デビューして3年、2級車の時は特に苦労している印象でしたが振り返っていかがですか?
道智:大変でしたね。自分は大概遅くって少し良くなったと思ったら周りの同期はもっと良くなっていて。そういうのも見ていたら"自分が優勝なんてできるのかな?"と思っていました。"優勝"を目標に上げるところまで自分のレベルがいってないと。なので、今回の優勝はいろんなことがハマった感じですね。自分の技量でどうにかなったわけではなく、環境がつれていってくれただけな感じ。タイヤも凄く良かったです。
AKI:ただ、優勝戦は前の井上選手(飯塚29期:井上智詞選手)の内に上手く入り込みましたよね!
道智:内から捌くことは練習でも試したりしていて。その辺の意識がレースでもでた感じです。それでも、エンジンが連れて行ってくれたというのが本当に大きいです。自分の実力で勝ち取ったという感じはなかったです。そういうところが「やった!!」とならなかったのかもしれませんね。
AKI:良い逃げをすることが増えました、スピードに関してはどうですか?
道智:そこに関しても自信があるわけではないですね。タイムが出た時はエンジン、タイヤが良かったかなぁと感じることが多いです。元々滑らすタイプなんですが、それが減ってきたというのがあります。3~4コーナーを膨らませてしまうのが減った感じですね。そこぐらいですかね、まともに見れるようになったのは。なので、乗り方もまだまだ。エンジン、タイヤが良くても自分がちゃんと走れるか分からないというのはあります。状態が良い分自分もミスなく行けてる感じです。
AKI:レースでは緊張されるんですか?
道智:緊張はしますね。けど、優勝戦よりも雨の方が緊張します。晴れより雨の方が評判が良いですし、周りの選手からも雨が降ると「いけるぞ」と言われたりして、「行かないといけない」という空気が出て緊張します。今の自分は雨は乗れるけど明日は乗れるか分からない。雨の方がチャンスはあるだろうなと思うけど、そのチャンスを今日の自分は活かせるのかどうかと考えてしまいます。なので、雨で勝てたら「よしっ!」よりも「良かった~!」と安心します。優勝戦だからどうこうではありませんね。優勝戦は見たことない景色で緊張するのかなと思っていたんですが、そんなこともなくいつも通りの気持ちで臨めました。優勝できると思ってなかったので"取りにいこう!"という感じもなかったですし、いけるところまでいってダメなら仕方ないという感じ。逆にそれが良かったのかもしれませんね。
AKI:スタートに関して、しっかり枠なりを決めるイメージがあるのですが、ご自身ではいかがですか?
道智:んー。周りには速い方だと言われるんですが、僕自身は特に速いと思っていません。2級車の時はエンジンのパワーが弱くて持って行ってくれなかったんですが、1級車はパワーがある分誤魔化せてる感じです。ただ、変な失敗はしないと思います。一度全く切れなくなった時があって、その時に色々探して試して。その積み重ねもあるかもしれませんね。突き抜けて速いわけではないけど、自分のそれなりのスタートは出来上がってると思います。
AKI:整備に関してはどうですか?
道智:基本的に整備は自分で考えて行っています。迷子になったら周りがアドバイスをくれたりするんですが割と自由にさせてもらっていて。そういう部分は自分に合っていてありがたいです。新人の時は何をしたら良いのか、何も分からず上手く話せなかったですが、今は自分が話したい事を話せる人が増えてきて、いろんな話を出来る様になってレース場が過ごしやすくなってきました。それが1番良い変化ですね。ロッカーグループを超えて話せる人も増えてきましたし。最近では司さん(飯塚29期:丹村司選手)と仲良くしてもらっています。デビュー当時から司さんと同じロッカーグループの室田さん(飯塚24期:室田泰利選手)によく見てもらっていて。その流れで司さんと話すようになって、今ではめちゃくちゃ仲良くなりました(笑)最初は走ればドベで、レースが終わったら色々言われて。レース場に来るのが怖かったです。楽しいことは何もなかったですね。けど、今はレース場の生活が楽しくなってきて、レースでも連に絡むことが増えて、働いて帰ってきたなという達成感も出てきました。
AKI:"優出""優勝"という目標一度に達成した訳ですが、次の目標は考えていますか?
道智:普通にいけば"お客さんの目の前で優勝する"になると思うんですが、自分としてはまだ定まっていません。けど、もう10、20mハンデが下がった位置で勝ち負けできるようになりたいですね。下がって惨敗続きだったら意味がないので。下がってもそれなりに戦えるようになれればなぁと思っています。徐々にレベルを上げていけるように頑張りたいです。
AKI:デビュー前からTVで話題になりました。ご自身ではどう感じていたんですか?
道智:面白かったと言ってくれる人は多かったんですけど、僕はそれどころではなく面白くしようと思ってもいませんでした(笑)ギリギリな感じでした色々と。そこから考えると立ち直ったなぁという感じですね。自分は体格がしっかりしてる方なので減量はデビュー前から本当に苦労していましたし、これからもずっと向き合わなきゃいけないことですね。養成所を出た時に反動で太ってしまって。今は元に戻っていますが、もう少し体重を落としたいと思っています。食べすぎないように、筋トレも重い物はせずに時間ができたら走路を歩いたりするようにして。ちょっとずつ減ってきてるとは思います。
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
道智:いつも通り頑張って走ります。良かったら応援してください!
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。2013年4月~2018年3月まで飯塚オートイメージガール3代目「勝利の女神」として活動した後、レポーターを経て、現在は飯塚オートCS放送、ネット放送のメインMCを担当。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベントやYouTube配信などに出演中。
飯塚所属29期。2022年5月9日の飯塚ナイターで悲願の初優勝を飾った。初優勝への思い。2004年デビュー以来からここまでどんな18年だったのか。いろんなお話をして頂きました。
(取材日:2022年5月12日)
インタビュー / AKI
AKI:デビュー初優勝おめでとうございます!お気持ちいかがですか?
田中:ありがとうございます!達成感がありますね。
AKI:ゴール戦ではどんな気持ちでしたか?
田中:本当に最後の最後に変わったんで「あれ?今俺優勝した?」という感じで(笑)実感はなかったですね。けど、嬉しくて達成感のようなものはありました。
AKI:取材をしていく中で、車の状態は良いところで推移していたように感じていたんですが、実際はいかがですか?
田中:んー。波はあるんですが、優勝する前の前くらいの節にキャブのセットを変えたら自分的にはガラリと変化して乗りやすくなりました。パーツ交換はたまにという感じで基本的にはセッティングを煮詰めていくタイプです。けど、今年は新品クランクを入れてからエンジンが良くなった気はしますね。なので、優勝した節のエンジンの感触は良かったです。
AKI:優勝した節はスタートも切れてましたが、何か扱っていたんですか?
田中:セッティングではなくクラッチレバーの握り方を変えていました。たまたまなんですけど、「やってみよう。」と思って準決の前の練習で試してみたら切れて。「お、良いな」という感触はありました。準決は内に高林さん(飯塚27期:高林亮選手)、外は牧瀬(飯塚29期:牧瀬嘉葵選手)で、今までのレースでは勝ててるイメージがあったので気持ちは楽にいけましたし、スタートも練習どおり上手く切れました。ただ、優勝戦は0m6車並びでスタートは行かれるだろうと思っていました。元々0mの位置が苦手で、0mからスタートが切れる人は本当にスタート巧者のイメージです。なんていうか、10m、20mだと角度のほかにも傾斜があって前に進む感じなんですが、0mはほぼ平で綺麗にスタートを切らないとブレるイメージがあるんです。なので、苦手意識があったんですが、優勝戦では良いスタートが切れましたね。
AKI:スタート切って前には吉松選手(飯塚33期:吉松優輝選手)がいました。
田中:同じロッカーグループのかわいい後輩がいましたね(笑)優輝はスピードがあるのでとりあえず着いていこうと思っていました。最初はなかなか詰まらなかったですね。序盤は直線でも離されるし、自分も無理してグリップを開けようとして滑りそうになったり。けど、優輝の走りはずっと見てて「序盤は早くても後半はタイヤが滑り出すぞ」と頭の中にあったんです。なので、なるべく離されないように走っていました。
AKI:最周回ではかなりコーナーで詰めていましたよね。
田中:そうですね。最周回の2コーナーで車を内に向けたんですが滑っちゃって。「きついなぁ。」と思ったので最後は外に突っ込んでゴール戦でちょい差しでも出来たらなという気持ちだったんですが、優輝が丁度良いところでフロントを滑らせて。「あれ?...いけー!!」という感じ。なのでゴール後は「勝ったよね??」という感じで気づいたらゴールでした(笑)
AKI:ゴール後一度ロッカーに戻って胴上げされていませんでしたか??
田中:そうなんです(笑)初優勝というのもあっていろんな方が出迎えてくれました。嬉しかったです。胴上げは野球の監督の気持ちが分かりました(笑)
AKI:ウイニングランも行いましたがお客さんの声援は聞こえましたか?
田中:はい!聞こえましたし、手を振って下さったりよくテレビで見る光景でした(笑)気持ち良かったです。表彰式ではまだ実感なく。篠原さん(飯塚26期:篠原睦選手)が見ててくれてたみたいなんですが「緊張しすぎやろ(笑)」と言われました(笑)緊張しましたし、何を話したらいいか分かりませんでしたね。けど、最後のコメントはもっと大きな声を出そうと思ってコメントをしました。
AKI:悲願の初優勝。ここまでどんな18年でしたか?
田中:そうですね。んー。嫌なことの方が多かったですかね。上手くいかないことの方が。けど、結果楽しかったです。長いけど、あっという間な18年でした。何度も優出して周りの方にも優勝してこいよ!と声をかけてもらっていましたが、プレッシャーにはそこまでならず。もちろん勝ちたいとはいつも思っているんですけど、本当に速い人と比べたらプレッシャーは少ないと思いますよ。ただ、緊張はします。緊張しいだし熱くなりますね。熱くなるのは若い頃に比べたら落ち着いてきましたが、緊張はどんなレースでもします。優勝戦も"優勝するぞ"とかそんな感じではなく。相手がいる競技なので"まずは自分ができることをやろう"という気持ちを心がけて走りました。
AKI:"初優勝"という一つの目標をクリアしたわけですが、今後の目標は考えていますか?
田中:デビュー当初から"最高ハンになりたい"と思っていて、ようやく優勝して最高ハンにおいてもらっているのでこの位置でもう一回優勝したいですね。今はエンジンも良いので頑張りたいです。
AKI:ご自身の整備面はいかがですか?
田中:整備に関して自信はないですね。音とかも良くわからないし。それに音痴なんで(笑)関係あると思うんですよね。稲原さん(山陽28期:稲原良太郎選手)は絶対音感の持ち主らしく整備も上手いと聞きます。確か「ソのシャープが良い」とか言ってました(笑)それが分かったら良いですよね。けど、自分は分からないので、音を聞くというよりは乗って確認するタイプです。
AKI:今の1番の課題はなんですか?
田中:んー。体重かな?(笑)ガタイが良い方なのでダイエットまではいかないですが、日頃から運動をして増えないようにはしています。デビュー当時が62~3キロで今が65キロなので大きく増えてはないですがこれ以上増えないように。本当は60キロくらいにはしたいんですがそこまでいくと体がきついので。なので、体重を増やさないのが課題です。
AKI:雨に関してはいかがですか?
田中:飯塚の雨は良いですね。けど、他のレース場は滑るし違います。そう考えると斑の方が良いですね。走路改修前の飯塚斑走路にだいぶ鍛えられたので恐怖心とかもないです。他のレース場の斑も大丈夫です。良い修行になりました。
AKI:捌きに関してはいかがですか?
田中:やっぱ最高ハンで走っている人は捌きもうまいですよね。エンジンで勝てても隙があると入ってこられてしまいます。本当に一瞬です。そこも勉強ですね。後輩にも負けないように。
AKI:消音マフラーに関してはいかがですか?
田中:特に苦手意識もないですね。ブレーキが効くんで止まりが良くより突っ込める感じです。そこはプラス要因ですね。ただ、スタートは普通のマフラーよりも吹かさないといけないので切りづらいですね。消音の方がムラです。
AKI:いろんなお話を聞いていきましたが、ここまで18年選手になって良かったですか?
田中:それはもうずっと良かったと思っています。元々は伊勢崎に引っ越して高校卒業くらいからオートレースを見るようになって。その頃から漠然とオートレースが好きだなと思っていました。その後は社会人サッカーをして、サッカーが落ち着いてから試験を受けた感じです。サッカーをしてる時もオートをずっと見ていました。28期も受けたんですが落ちて。29期の時は結構勉強して受けましたね。試験に受かって、養成所に入って、配属されたのが飯塚。ロッカーを居住地の近くに戻すというのもあったんですが、その頃には結婚していて住所も移していたので移動する理由もなかったですし、何よりも選択権がありませんでした(笑)何も聞かれませんでしたね(笑)それに、今のロッカーが最高です。自分がなりたい職業に就けるってなかなかないですね。なので、選手になれて良かったという気持ちはずっとありますね。
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
田中:一走一走諦めず走ります!これからも応援よろしくお願いします!
(写真は飯塚オートFacebookより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。2013年4月~2018年3月まで飯塚オートイメージガール3代目「勝利の女神」として活動した後、レポーターを経て、現在は飯塚オートCS放送、ネット放送のメインMCを担当。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベントやYouTube配信などに出演中。