伊勢崎所属の31期。今年度の前期からNo. 1に返り咲いた。そして、2期連続で全国No.1、年末のスーパースター王座決定戦を連覇、先日のGIシルクカップでは完全優勝と強さを見せつけた。まだまだ進化し続ける青山選手。シルクカップ、スーパースター王座決定戦を振り返って頂きました。(取材日:2021年1月13日)
インタビュー / AKI
AKI:シルクカップ完全優勝おめでとうございます!!圧倒的な強さでした!車の状態、改めて振り返るといかがですか?
青山:車は優勝戦前にリングを交換したくらいで、あとはセッティングだけでした。状態は凄く良かったです。
AKI:シルクカップ優勝戦は試走タイム3.22。凄いタイムですよね!
青山:試走3.22は自分自身も凄くビックリしたし、優勝戦に一緒に乗っていたメンバーにも「自己ベスト?」と聞かれるくらい周りもびっくりしていたと思います。
AKI:試走の体感はどうだったんですか?
青山:体感的には全然出てる感じじゃなく。多分、コンディション的にタイムが出たんじゃないかな、と思います。別のレースで浦田さん(飯塚23期:浦田信輔選手)が3.23や清太郎さん(伊勢崎29期:早川清太郎選手)、信夫さん(浜松24期:伊藤信夫選手)が3.24とか出していたので。全体的にタイムが出やすかったんだと思います。連日の試走も思っていた以上にタイムが出ていて「体感と違うけど大丈夫かな?」と思っていたんですが、上がりタイムも良かったし「状態は凄く良いんだな。」と思っていました。後は、近況タイヤも良いのが当たってくれていてより安定してる感じですね。
AKI:スタートのキレに関しては"ムラ"というコメントも多いと思うんですが、シルクカップのスタートを振り返るとどうですか?
青山:優勝戦が1番良いスタートが切れました。けど、予選道中はそれなりには切れてるけど、自分の感覚とクラッチの繋がる感じがなかなか合わなくて。ムラが激しい感じでした。年末もそんな感じだったんですが0mのオープン戦はなんとか誤魔化して切っていて。シルクはハンデ戦で時計も0mより見辛くってタイミングも取りずらいし。スタートに関して、ハンデ戦は得意じゃないんです。
AKI:そうなんですね!!少し不安がある中、シルクの優勝戦はバシッとスタートが決まったんですね!
青山:優勝戦の前にクラッチのパーツを交換して、朝練から感じよく切れていたのでそれを信じて切りました。近況の中ではかなり切れた方ですね。スーパースターよりも良いスタートが切れたんじゃないかなと思うくらい、予想以上のスタートでした。
AKI:スタート切って3番手くらいでしたよね!?かなり展開が楽になりました!
青山:そうですね。実はスタート前は他力な感じで(笑)先行できたらラッキー、隣の荒尾さん(飯塚27期:荒尾聡選手)に乗っかって、と考えていました。最悪8番手スタートも覚悟して。まずは、自分なりの一生懸命なスタートを切ってみようと思っていました。そしたら、凄く切れました。
AKI:前には2車のみ。レース道中は丁寧に捌いている印象だったんですが、振り返っていかがですか?
青山:んー。今ってレースのペースが全体的に速く、優勝戦も決して余裕があったわけではなかったんです。宏和(浜松32期:鈴木宏和選手)を抜く時もペースが速かったのでワンテンポおいて捌いて。先頭を走る三浦さん(伊勢崎28期:三浦康平選手)の引っ張りも速かったんで、冷静に慎重に、慌ててミスをしないようにいきました。先頭に立ってからペースを上げていきたかったんですが、自分自身が固くなったというか上手くペースを上げれませんでした。みんながみんな速いので、スタート行けないと厳しいと思っていましたし、スタート行けても独走にはならないと思っていました。けど、エンジンもタイヤも状態は節間1番良かったと思います。スタートもよく全部がマッチした感じでしたね。
AKI:シルクカップ優勝で地元伊勢崎GI初優勝、GI全場制覇となりました。
青山:その事も全然意識する事なく。変な話し、いつか取れるんじゃないかな?と。絶対取りにいくぞ!と思うと良い事ないので。ガツガツし過ぎないように「いつも通りレースして結果が出ればいいな〜」くらいで。去年一昨年、伊勢崎で何度も優勝出来ましたし、SGとGIIは優勝出来ていたんでチャンスがあればGIも優勝出来るだろうという気持ちでいました。
AKI:伊勢崎に移籍した当初は地元で優勝出来ず苦手意識も、なんてお話もありましたが?
青山:伊勢崎の苦手意識はいつのまにかなくなりました!
AKI:少し話しは戻りますが、年末のスーパースター王座決定戦は昨年に続いての連覇。後ろに目がついているんじゃないかと思わせるような走りでした!
青山:(スーパースター王座)決定戦は本当に必死で。今までのレースの中でもかなり必死なレースでした。試走の段階でドドドがきていると思って。試走はなんとか誤魔化しながら走ったけど、レースは誤魔化せないという感触があったので逆に緊張する事もなく。半分諦めというか。スタート行けたら抑えるレースになってしまうな、とは思っていました。
AKI:結果的に抑えきっての優勝。凄い熱いレースになったと思います!
青山:結果的に優勝出来たことは、優勝よりも上の成績がないので良いことなんですが、もっとスピード感のある抜きつ抜かれつのレースが出来れば1番良かったなっと。優勝しながらもその反面、反省でもありますね。トライアル戦では決定戦以上の上がりタイムも出ていましたし。最終日はレース1走目のタイヤで行ったんですが、最終日だけハネちゃいました。試走終わってから「タイヤ交換させて下さい!」て言いたいくらい後悔しましたね(笑)練習でハネがなかったタイヤを自分で選んだんでしょうがないんですが。レースで使った確実にハネないタイヤでいけばああいう風にはならなかったなと、欲張り過ぎたんだと思います。
AKI:レースもハネながらということですよね?
青山:そうですね。突っ込みすぎるとハネるのでペースも上げられず。大混戦のレースになってしまいました。
AKI:けど、レースを見ている側はハラハラドキドキの面白いレースでしたよ!
青山:見てる側が面白いレースだと思うんですけど、走ってる側、2番手以降は「お前何やってんだよ。」て心境だったと思います(笑)その気持ちが分かるから、もうちょっとペースを上げたかったですね。
AKI:以前、このインタビューをお願いした時もペースを上げて走ることが課題というお話しが上がっていました。それから、1年半。自分の中で成長できたと思う箇所はありますか?
青山:んー、特にはないんですけどー(笑)No. 1になって何度かスーパーハンデを走って、グレードレースでも経験したっていうのは大きかったですね。みんなができることではないですしね、それだけ評価してもらえている。今まで以上の努力をしないと勝てないというところが違うかなと思います。
AKI:スーパーハンデで戦って何かやる事に変化はあったんですか?
青山:エンジンの整備自体、セッティングがどうとか得意な方ではないのであんまり変わらないんですが、レースをスタートしてからの展開、判断力が変わったと思います。今までは、一回待ってから行こうというところも躊躇わずにいかないと間に合わない。その辺の判断の仕方は変わりました。なので、最初スーパーハンデになった時は荒々しいレースになって張っちゃったりとか、判断ミスして迷惑かける事もありました。けど、経験と共に修正出来たかなと思います。スーパーハンデは早めにペースに乗らないと。行ける時に行って確実に回っていかないと。そういう点では成長できたと思います。
AKI:改めてエンジンを振り返って、いつくらいから安定していますか?
青山:前のクランクは2019年のスーパースターまで乗っていたんですがその時にはもう傷が入っていて。大きな開催が続いてなかなか交換できず。年が明けて、去年のシルクカップの時にクランクを乗り換えました。最初は「どうなのかな?」という感じだったんですが、乗っていくうちに良くなって、セッティングも合いはじめて。ただ単に部品に当たったって感じですね(笑)
AKI:いやいや!部品だけじゃないですよ!(笑)という事は、丸1年同じクランクなんですね。
青山:そうですね。なので、もうそろそろ新しいクランクを探さないとという気持ちもあるんですが、自分は部品が当たったら壊れるとか傷が入るまで乗り続けるタイプ。なので、良いのに当たれば良いんですが、当たらなければ伸び悩む感じ。今回はたまたま2回連続良いのに当たった。いつかダメになる事を覚悟しながら走っています。
AKI:という事は、壊れそうになってから部品を交換するというタイプなんですね!
青山:そうですね。ストックはあるんですが、整備に対してそこまで自信がない中で、予備の良い部品を探したりするのは時間と労力が必要になる。なので、無駄に他のエンジンには乗らずに、今乗ってるエンジンを良いところを出していけるように、1台集中な感じです。それが良いのか上位で戦えてるのかなという感じです。なので、クランクをポンポン変えるタイプ、例えば圭一郎(浜松32期:鈴木圭一郎選手)とか「また替えるの?よくレースまでに間に合うな。凄いな。」と思っています。
AKI:青山さんは圭一郎選手を見て「整備力が凄いな~」という風にご覧になってるんですか?
青山:整備力の面もありますし、新品パーツのうまみ?というかパンチ力、新品のハマった時の良さもあると思うんですよね。圭一郎って凄くスピードがあるじゃないですか。他の選手も速いけどその中でもスピードは抜けてると思うんです。もちろん、圭一郎の乗り方や努力もあると思います。けど、僕が同じ事をしても速く走れないと思う。それはセッティング能力もあると思うんです。
AKI:整備についの課題を良くお話しされますが、今でも課題なんですね。
青山:そうですね。今でも課題ですし他力です(笑)
AKI:言い切っちゃいましたね(笑)
青山:はい(笑)迷ったら、先輩や同期に聞いて選択していく感じなんで。自分の中だけで決めていくわけではなく、周りのサポートのおかげで今の自分がいます。とても有り難いです。迷った時に頼れる仲間がいます。
AKI:それは強みですよね!!
青山:強みですね。なので、変なプライドを持たず、今で言えばNo. 1だからと言って変なプライドは持たず助けてもらって、自分が助けられるところは助けて、という感じやっています。その辺の気持ちや人との繋がりを大切にしてきたいという想いは強くなりました。昔は自分の中で処理したり、人の話を聞いているようで聞いていない事もあった。今は固定概念を捨てて。これは、先輩たちを見て思いました。素敵な関係というか、仕事がやりやすい環境になりましたね。
AKI:No. 1に返り咲いてまもなく1年。改めて振り返るといかがですか?
青山:No.1になった当初はなんとなく緊張したんですけど、1走してからはなにも変わらず普通に走れてます。気負ってもないです。ただ、常に8号車でハンデがきついので気は抜けないですね。大変は大変だけど、評価してもらっているという事だし、ファンの方も見てくださっているのでしっかりしようと思います。そう考えると、貢さん(伊勢崎22期:高橋貢選手)は本当に凄いです。半端じゃないなと常々思います。No. 1というポジションで走り続け、僕よりも一回り以上歳上にも関わらず未だに第一線で走られていて...いや〜本当鉄人だな、と思います。自分が貢さんと同じ年齢になった時に同じようなレースが出来るかっていたらそこまでのモチベーションでいられない気が今はしますし。そういう経験をしてきた選手を間近で見られるのも自分にとっても凄くプラスになります。
AKI:以前は目標を立てず、自分のモチベーションを高いところで保つ事と仰っていましたが、今はどうですか?
青山:それは今でも変わらずですね。あの記念が欲しいというのはなく、目の前のレースを一生懸命走る事。オートはシーズンオフがないので、大きな目標というよりは目の前のレースをしっかり走って、同じミスはしないように、少しでも成長できる様にしていきたいです。今だったら整備をしっかり覚えていきたいですね。一つ一つレースの反省をして、良いモチベーションを保てる様に。あとは、若い子がどんどん出てくるので、新たしい時代のことも吸収出来るように。若い子たちの良いところも、先輩の良いところも吸収出来るように、固定概念は持たない様にしたいです。言うのか簡単ですけど難しいですね。よく頑固って言われるんで(笑)
AKI:シルクカップ優勝から始まった2021年。今年はどんな1年にしたいですか?
青山:毎年、"前年を越えれる様に"と考えています。去年は越えられないと思っていたけど、SGの優勝回数以外は越えられたので。今年は2020年を越えていける様に、一走一走頑張りたいです。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
青山:オッズパーク杯の相性はいまだに良いと思っています(笑)。昨年から、ネット投票、オッズパークを通して車券を買われる方が増えたと思います。オッズパークからオートを知ったという方もいると思います。少しでも"青山周平" の名前を覚えてもらって買いやすい選手になれる様に頑張ります!よろしくお願いいします!