昨年の雪辱を果たし、悲願のばんえい記念制覇を成し遂げたキタノタイショウ☆
コンビを組む大河原和雄騎手に、喜びの声をお聞きしました。
赤見:ばんえい記念制覇、おめでとうございます!感動しました!!!
大河原:ありがとうございます。本当に嬉しかったですね。去年のことがあって、借りは返さなければ...と思っていたので、目標達成出来て、すごく嬉しいです。
赤見:去年は1番人気で迎えたばんえい記念でしたが、5着という結果でしたし、大河原騎手自身お怪我で騎乗が出来ないという...。とても残念な結果でした。
大河原:ずっと目標にやって来たので、本当に悔しかったですね。
長年コンビを組ませてもらって、若い頃から頑張ってくれていた馬で。ずっとばんえい記念を大目標にして来て、去年やっと手が届くところまで来たと思ったんですけど。
僕も悔しかったけど、ファンの方も悔しかったと思います。ファンの多い馬ですからね。今回勝って、自分たちよりもファンの方の方が泣いていましたよ。有難いことです。
赤見:では、具体的に振り返っていただきたいのですが、今シーズンはそこまで調子がいいという感じでもなかったように思うのですが。
大河原:そうですね、絶好調という感じではなかったです。ただ、成績的には上がっていなかったけど、年が明けてからはだんだん状態が上がって来ていましたね。
赤見:ばんえい記念に向けての調整というのは?
大河原:いつもと同じようにしました。大一番を前に急に変わったことしても仕方ないですから。人間の気持ちが強くなりすぎないように、いつもと同じように接していました。
赤見:レースは例年通り、小刻みに進んで行く展開に。第2障害の手前までは先頭でたどり着きましたが、そこからタメましたね。
大河原:普通の重賞と違って、第2障害を一気に越える馬はいませんから、慌てなくても大丈夫だと心の中で思っていました。
いっせいに仕掛けて、外のフジダイビクトリーが上がって、ニュータカラコマとインフィニティーが上がって。自分が下りた時には、フジダイビクトリーはいっぱいになるだろうなという感じだったけど、インフィニティーとニュータカラコマはいい脚でした。
どこでギアチェンジしようか、と思いながら直線を進んでいました。手応えは楽ではないけれど、どこでもギアチェンジ出来る力は残っていましたから。ただ、余力が無くなると止まってしまいますから、「まだ早い、まだ早い」と自分に言い聞かせていました。
直線で2回目に止まった時に、フルパワーにしました。VTRで見てもわかると思いますよ。追い方が変わってますから。
赤見:ファンの方からのすごい声援がありましたけど、聞こえてましたか?
大河原:聞こえますよ。本当に有難いですよね。レースに乗ってて、本当に楽しかったです。
赤見:キタノタイショウはこれでばんえい競馬の頂点に立ちましたね。
大河原:まさに名前の通り、北の大将になりましたね(笑)。
でもねぇ、この馬は普段は臆病なんですよ。何かあると、自分の馬房から出てこなくなっちゃうから。調教が終わってからも、早く自分の部屋に帰りたくて仕方ないんですよね。
そういう臆病なところがレースにいってマイナスになる時もあるんです。本当に繊細な馬でね。小さいことを気にしちゃうんですよ。でも、すごく頭のいい馬で、いろいろなことを理解しているんです。
レース後も大きな疲れはなくて、今はリラックスして過ごしていますよ。体調と相談しながら、来シーズンも頑張って欲しいです!
今年の2月にNARグランプリの表彰があったでしょう。僕は特別賞をいただいて、ばんえい最優秀馬に選ばれたインフィニティー陣営と一緒だったんですけど、
「来年はここに(キタノタイショウの)服部調教師を連れて来ますよ」って宣言したんです。
ばんえい記念を勝つことが出来たし、その目標に向けて大きな一歩を踏み出せましたからね。次のシーズンも引き続き頑張ります!!