10月10日、東京競馬場で『南部杯』が行われました。
大きな震災を乗り越えて、前に進んでいる岩手に向けて、競馬ファンの心がひとつになって熱い気持ちを送りました。
当日はたくさんの岩手関連の催しがありましたよ!
チャグチャグ馬コの披露や...
岩手のアイドル・ふじポンが駆け付け...
東京競馬場内の岩手場外で、たくさんのファンの方と盛り上がっていました!
レースは【エスポワールシチー】がロケットスタートを決めてハナ、外から【トランセンド】が押しながら2番手に続きます。
直線に入った時には【エスポワールシチー】が押し切るかに見えましたが、好位にいた【ダノンカモン】がグイグイ伸びて先頭、その内で【トランセンド】も踏ん張って、大外からは【シルクフォーチュン】が豪快に伸びて来ました。
ゴール前に【トランセンド】が内から差し返してアタマ差で1着!
2着は一度先頭に立った【ダノンカモン】、3着は後方から追い上げた【シルクフォーチュン】でした。
1着【トランセンド】
藤田伸二騎手
「岩手の支援に繋がるレースで、期待に応えられて本当に嬉しいです。
今日は休み明けのせいか、いつもより落ち着いていました。スタートは出たけど、そこから行き脚がつかなかったですね。
この馬はもともとおっとりしていて、どっちかというと走るのそんなに好きじゃないみたいで(笑)、道中は遊びながら走ってました。
だから、余力が残ってるのはわかってたし、馬がバテてないので人間がバテないよう気を付けました。
最後は世界で戦った力を見せてくれましたね。
この後は距離も伸びるし、次のレースは今日より気合いが乗って乗りやすいと思います。
道中遊びながら走ってこのメンバーで勝つんだから、まだまだ可能性を秘めていると思いますよ」
安田隆行調教師
「直線に入って、今日は3着か...と思った所からまた頑張ってくれました。かなり力が入ったので、ゴールした後はどっと疲れましたよ(笑)。
ドバイ以来のレースだったけど、仕上がりは良かったし、追い切り本数も十分で息は出来ていました。それでも1倍台の人気になったのでちょっと怖かったですね...
今日はエスポワールがいるし、トランセンドよりも内枠に入ったので、行くようなら2番手でと相談していました。今後のためにも、控えるレースを教えたかったので。味のある勝ち方をしてくれましたね。
この後、最大目標は『ジャパンカップダート』を連覇することです!
ジョッキーも話していましたが、ちょっと落ち着き過ぎる所があるので、馬の体調次第ですが『JBCクラシック』にも登録します」
トランセンド、本当に味のある勝ち方を見せてくれましたね。
馬券を持っていた方はハラハラしたんじゃないでしょうか?
道中遊びながら、しかも直線に入ってからもなかなか本来のエンジンが掛からなかった中で、ゴール前きっちり交わす...
本当に強いと感じました。
パドックに現れた【トランセンド】は、本当にリラックスしていて、サラサラのタテガミをなびかせながら、同じペースで歩いていました。
周回を重ねるごとに気合いが乗って入れ込みが見られる馬が多い中、何周回っても変わることなくずっと同じペースで軽やかに歩いている姿からは、精神的な余裕と芯の強さを感じました。
順調に行けば、来年またドバイに挑戦したいというお話もありました!
この先の夢が大きく広がりますね♪
2着はいったん先頭に立った【ダノンカモン】
福永祐一騎手
「最後ソラ使ってしまいました...
先頭に立つとフワッとするのはわかってたけど、相手も強いし加減出来るような手ごたえじゃなかったんで、思いのほか早めに先頭に立ってしまいました。
悔しいけど...、馬はよく頑張ってくれたので。
今日はスムーズに3番手が取れたのが大きかったですね」
後方からすごい追い上げを見せた【シルクフォーチュン】が3着
藤岡康太騎手
「やったと思ったんだけど...
スタートも出たし、無理せずいいポジションが取れました。直線もすごく良く反応してくれましたね。
ただ、道中掛かってはいないけど、少しハミを銜えてるんで、最後はその分かな。
本質的には1400がベストです。
でもこの距離でこの相手で、本当に頑張ってくれましたね」
4着は逃げた【エスポワールシチー】
松岡正海騎手
「行ったと思ったんだけど...、申し訳ないです。
佐藤哲三騎手とも相談して、今のエスポにはきっかけが欲しいということになって、一番の薬は圧勝だ!と思って、早めに追い出す積極的なレースをしました。
帝王賞の時より具合は良くなってると思うし、今日もすごく頑張ってくれました。
まだ良くなりますよ」
ここ2戦、頂点に輝いたエスポワールにしては物足りないレースが続いていました。
毎回佐藤哲三騎手や陣営が、一生懸命にケアしていますが、今回その想いを託された松岡騎手。
「また哲三さんと話してきます」と、競馬場を後にしました。
今回のパドックでは、最初に現れた時は少し覇気がないのかなと思ったんですが、よく見るとかなり目つきが鋭く、内に秘める闘志を感じました。
松岡騎手が騎乗してリップチェーンが外されると、さらに目力が強くなっていました。
今回着順は4着でしたが、内容的にはすごく濃かったし、強いレースを見せてくれましたね。
鳥肌が立つほど強いエスポワールが、もうすぐ帰ってくると信じています。