19日メインは今シーズンの盛岡フィナーレを飾る岩手競馬の最長距離戦「第45回北上川大賞典」(盛岡ダート2600m)。一昨年まで2500mで行われていたが、昨年から2600mへ延長。昨年優勝したジェイケイブラックの2分49秒7が基準タイムとなるが、当初登録があったジェイケイブラックは出走を見送り。ファンが多いだけに残念な限りだが、名うてのステイヤーがずらり顔をそろえた。
ノーブルサターンは中央ダート1800mで2勝をマークしてJpnII・兵庫チャンピオンシップ2着、JpnI・ジャパンダートダービー5着。さらに2勝を積み重ねて2019年、JpnIII・マーキュリーカップではグリムの2着。その後、南関東へ移籍して梅見月杯オープン(名古屋)1勝をあげたが、以降は勝ち星をあげることができず昨年12月、岩手入り。いきなりトウケイニセイ記念、桐花賞と重賞2連勝を飾った。
今季始動戦の赤松杯は4着だったが、2戦目にシアンモア記念を完勝。9歳を迎えても衰えなしをアピールしたが、一條記念みちのく大賞典7着、マーキュリーカップ10着。3ヵ月の休養に入り、10月に復帰。大幅な体重減も影響したのか5着止まりに終わった。
当初、東海菊花賞へ出走申し込みをしたが、残念ながら抽選モレ。急きょ、矛先を北上川大賞典へ変えた。最大ネックは未知の2600mだが、マーキュリーカップ2着、桐花賞1着(いずれも2000m)なら問題なし。またGI・東京大賞典にも2度挑戦した格上馬。格を前面に重賞5勝目へまい進する。
フレイムウィングスは中央ダート2勝2着2回3着2回から南関東1勝・B1を経て転入。シアンモア記念4着、一條記念みちのく大賞典3着。JpnIII・マーキュリーカップでは地方最先着6着に健闘した。以降も準重賞・すずらん賞3着、JRA交流・けやき賞でも3着を確保したが、いまだ岩手未勝利。詰めの甘さが付きまとったが、今度は2600mが舞台。じり脚タイプなら長丁場は大歓迎だろう。
スズカゴウケツは中央ダート1600m2勝、ダート1800m1勝をあげて3勝クラスへ在籍して昨年10月に転入。初戦を快勝して2戦目・OROカップ7着から名古屋へ転籍。6戦1勝から再び岩手入りしてシアンモア記念2着、一條記念みちのく大賞典2着に健闘し、高配当を演出した。続くマーキュリーカップ9着から2ヵ月半休養したがひと叩きされた前回快勝した。距離対応がネックだが、大舞台で強さを発揮。加えてスロー必至なだけに、先行力あるのが最大の武器となる。
マイネルアンファンは中央ダート1800m2勝、ダート2100m1勝。南関東でも2勝をあげ、B1クラスに在籍して転入。格付けにも恵まれて5勝2着2回3着1回。着外が一度もなしと抜群の安定感を誇っている。不安は重賞・青藍賞でしんがり負けを喫したことだが、前回快勝で軌道修正。東京ダート2100m1勝、大井2000m1勝と距離延長は望むところ。
レールガンは中央2戦0勝から転入。東北優駿(岩手ダービー 2000m)3着、やまびこ賞3着。また北上川大賞典にも2年連続で挑戦して一昨年はエンパイアペガサスの2着、昨年はジェイケイブラックの3着。岩手で素質が開花した。得意の長距離戦で悲願の重賞制覇を狙う。
ゴールドギアは芝2000m以上<3.3.2.19>。中央オープン・芝2400m(メトロポリタンS)、芝2600m(札幌日経オープン)2着。岩手でもせきれい賞で2着を確保した。ダート替わりも重賞・あすなろ賞(1800m)2着なら問題ないはず。
◎①ノーブルサターン
〇④フレイムウィングス
▲⑩スズカゴウケツ
△⑪マイネルアンファン
△⑤レールガン
△⑦ゴールドギア
<お奨めの1頭>
2R カガロケット
転入2戦目で2着に1秒5差の大差をつけて圧勝。地力の違いを見せつけた。相手強化だが、2連勝濃厚
文/松尾庫司
11月12日に行われた2歳馬の地方競馬全国交流重賞『南部駒賞』は地元のフジユージーンが1番人気に応えて快勝。自身は無敗の5連勝を飾ると共に、このレースとしては6年ぶりとなる地元馬制覇を果たしました。
9頭立てとなった南部駒賞、フジユージーンはスタートで若干遅れるところを見せたもののすぐに巻き返すとその後は余力十分の手応えで追走。勝負所でしっかり反応するとライバルを置き去りにしてゴール。強力遠征勢との戦いも難なくクリアしました。
同馬はこれでデビューから5連勝、重賞は3連勝。このあとは休養に出、来春の再始動まで英気を養う予定です。
11月14日のメインレースは9Rになります。JRA条件交流の『カシオペア賞』、岩手はB1級以下・JRAは1勝クラスのダート1600m戦です。今季の盛岡開催もあと一週間を残すのみ。JRAとの条件交流戦もこれが今季ラストとなります。JRAの若手ジョッキー対岩手のベテランジョッキーという構図にも注目の一戦。
なお5枠5番テーオーアマゾンが出走取消となって8頭立てになっております。ご注意ください。
このレースの本命は(4)ルパルテールを採りました。
昨年の同条件戦に出走してその時は僅差の2着。その後は勝ち星を増やせずにはいるものの1勝クラスで勝ち馬から1秒圏内の戦いができているのなら地力は十分にあると判断して良いでしょう。どちらかといえば1200~1400mの範囲が主戦場ですが、コーナーが少ない形態の条件なら距離にも対応できるのは昨年の経験が示しています。仕上がり早のタイプのようですしひと息後でも大きな割引はないでしょう。
対抗は(6)サンエイコンドルでどうでしょうか。強気の競馬がハマり始めてここに来て2連勝。パワーある走りが今の馬場傾向に合っているように見えますし、盛岡コースへの対応ももはや問題ないと見て良いでしょう。あとは展開ひとつ。
三番手は(9)アーバンキッド。10歳も冬になりましたが近二走の走りを見て分かるとおりまだまだ力量を保っています。芝とは言えJRA時代にはオープンで戦っていた馬。1勝クラスが相手なら・・・という期待も可能。
(8)キングレガリアは中5日の強行軍が気になりますがここは予定通りの模様。それなりに好走してきているとはいえ中央場所の1勝クラスで好走している馬が相手ではどこまで・・・な評価は否めないところでここは押さえまで。(1)ルージュフェリークも使い込まれている割には大きな変化がない今年。距離経験の豊富さを活かせれば。(横川典視)
●9Rの買い目
馬単(4)=(6)、(4)=(9)、(4)=(8)、(6)→(9)、(4)→(1)
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13日メインはB2級馬による特別「ノベンバーカップ」(盛岡ダート1400m)。このレースのポイントは距離1400m。前走、同距離を使ってきた馬が不在。1200m組、1600m組が激突し、どう対応できるかがカギとなる。
ペインティトブルーは中央未勝利から転入。3歳C2スタートにも恵まれて5戦4勝。3走前に2着に敗れたが、9頭立て9番枠に入り、先手を取れず2番手からの競馬だったのが敗因。しかも勝ったサンエイウルフは元B1級の格上馬では仕方なし。それでも1分26秒1の好タイムをマークした。
以降は軌道修正に成功。マイル未経験だったが、あっさり2連勝。いずれも完勝の内容だった。このケースは少なくない。中央時代は自分の競馬をさせてもらえずデビュー戦の芝1200m5着が最高だったが、岩手で素質開花。少頭数に加え、落ち着いてレースができるようになったのが幸いした。さらに願ってもない絶好の1番枠。3連勝のおぜん立てが整った。
フューチャーアゲンは中央ダート1000m3、4、5着それぞれ1回から転入。ダート1600m戦は未経験だったが、鮮やかな直線抜け出しを決めて2連勝を飾った。ペインティトブルーと同様、岩手の水が合った。
前走の走破タイム比較で対抗扱いとなったが、1400m短縮は望むところ。仮にペインティトブルーに競りかける馬がいれば、なおさら歓迎。終いの脚がしっかりしたタイプで逆転3連勝まで十分考えられる。
エイシンハルニレは全国を渡り歩いて今年8月、園田B1級から転入。初戦のA級戦は6着に終わったが、格付け再編成で最下級C2級へ一気に降格。3勝3着1回と底力の違いを見せつけた。
今回は生きのいい若駒が相手だが、3歳時にオパールカップ(ダート変更)、ハヤテスプリントと交流重賞を2連勝。格と経験を前面に、2頭をまとめて負かすシーンまで。
ギャレットは2歳時に芝重賞・若鮎賞を制し、芝交流・ジュニアグランプリ2着。以降はスランプに陥り、3歳時は不振だったが、ようやく復調。B1芝で久々の白星をあげ、続くA級ダート1600m戦でも2着をマークした。ベストは芝だが、ダートでも首位争い必至。
トーセンジンライムは大井2勝から転入後、2勝2着2回。着外は前々走の芝9着一度のみ。前走はハイペースにも恵まれたが、鮮やかなまくりを決めた。ペース次第では再現まで可能。
エターナルルビーは南関東C2級から転入後、6戦連続で馬券対象。前走7着で途切れてしまったが、一戦のみで見限るのは早計。
◎(1)ペインティトブルー
〇(2)フューチャーアゲン
▲(4)エイシンハルニレ
△(6)ギャレット
△(7)トーセンジンライム
△(9)エターナルルビー
<お奨めの1頭>
5R アマギール
前走2着に敗れたが、タイム差なし。ここでは2戦の走破タイムが抜けており、首位を奪回する
12日メインは今シーズンの地方競馬全国交流フィナーレを飾る「第50回南部駒賞」(2歳 盛岡ダート1600m)。今年の南部駒賞はちょうど区切りの50回目。2歳伝統の重賞にふさわしく好メンバーがずらり。地元で無敗4連勝中フジユージーンの実力を試す意味でも非常に興味深い一戦となった。
フジユージーンはデビュー戦の水沢850mで2着に2秒2差をつけて圧勝。早くも大物誕生と噂され、2戦目も1秒3差で圧勝。後に若駒賞を圧勝したミヤギヴァリアントを子供扱いにした。
3戦目の重賞・ビギナーズカップは陣営が戦前から考えていた5番手に控える競馬。差しに戦法を変えても問題なかったが、結果2着リトルカリッジに0秒4差と正直、物足りない内容だった。理由は輸送のない地元競馬。加えて猛暑続きの夏を考慮してプラス9キロ。大事にしすぎて太め残りの印象だった。しかし前走・ネクストスター盛岡は中間、意欲的に乗り込まれて気配もアップ。出遅れを喫しながらも2着に1秒9差。スケールの違いをまざまざと見せつけた。
ネクストスター盛岡から南部駒賞へ直行は当初の予定どおり。今年の2歳交流はJBC2歳優駿(優勝はフォーエバーヤング)以外は北海道所属馬がほぼ総なめ。強烈な旋風を吹き起こしている。仮に負ければ今後の糧になればいいし、このメンバー相手に勝てれば全国挑戦の道も拓けるはず。フジユージーンの現在位置を知る格好な舞台となった。
キタノヒーローは門別1100m・新馬戦ハナ差2着。以降は1700m戦へシフトして3戦2勝。一度5着に敗れたのは終始、内に包まれて戦意喪失。平和賞も2番枠に入り、同様に3番手インからの競馬を強いられたが、じっと我慢して直線で外強襲。優勝カプセルに0秒1差まで肉薄し、収穫の多い一戦となった。
何よりも心強いのは左回りを船橋で経験済みで実際に結果を出していること。また遠征も問題ないことを証明した。激戦区・南関東の経験を生かして逆転首位を狙う。
カイコウはデビュー3戦目の門別1200mを勝ち上がり、重賞・サッポロクラシック3着からJRA札幌・クローバー賞へ挑戦して0秒2差2着に健闘。GIII・札幌2歳ステークスは8着に終わったが、帰郷戦を完勝。プラス12キロ増だったが、中央挑戦のダメージはまったくなかった。その一戦を叩かれてさらに良化は確実。初の左回りをクリアーできればアッサリまで十分。
オスカーブレインは典型的な逃げ馬。門別1100m・新馬戦(2着はトワイライトウェイ)を逃げ切り勝ち。続く2戦は直線失速6着に沈んだが、サッポロクラシックを逃げ切って初タイトルを獲得した。ここ2戦も逃げ一杯に終わり、距離経験が1200mまで。マイル延長も不安だが、願ってもない1番枠。好スタートを決めてマイペースの逃げに持ち込む。
トワイライトウェイは門別1100m・新馬戦で1番人気に支持されたが、オスカーブレインを捕らえ切れず2着。3戦目で初勝利を飾り、続く一戦2着に敗れたが、芝交流・ジュニアグランプリを完勝。芝で反応が一変した。今度は盛岡ダートが舞台だが、軽い走路は歓迎。交流重賞2連勝に王手をかけた。
グラッシーズマンは船橋1500m・新馬戦を逃げ切り、2戦目の新設重賞・若武者賞も快勝。キャリア浅いが、その分だけ伸びしろも十分。輸送がカギだが、底を見せていない。
◎(3)フジユージーン
〇(6)キタノヒーロー
▲(4)カイコウ
△(1)オスカーブレイン
△(8)トワイライトウェイ
△(9)グラッシーズマン
<お奨めの1頭>
2R ブレガーロード
デビュー戦6着から2戦目で2番人気に支持された期待馬。岩手最下級では能力が違いすぎる
11月5日に行われた古馬スプリントの重賞『絆カップ』は1番人気に推されたキラットダイヤが6馬身差で快勝。自身10個目の重賞タイトルを獲得するとともにこのレース3連覇を達成しました。
これまでのレース同様、二の脚の加速でライバル達を引き離したキラットダイヤ。適度に後続を引きつけつつも最後まで影すら踏ませぬ逃走劇を演じきって6馬身差でゴール。今季の重賞3勝目、自身としては10個目の重賞制覇。絆カップとしても一昨年から3連覇を達成しました。
そして同馬はこのレースをもって引退する事がレース後に陣営から発表されました。3シーズンにわたって短距離戦線の主役であり続けた同馬の、見事なラストランとなりました。
11月7日のメインレースは12Rの『スプリント特別』、OP級のダート1200m戦になります。
暦は11月に入りましたが、気温が高い日が続きますね。先の3日には大井競馬場に行っていたのですが、皆さんもご存じの通り11月としては異例の夏日で、日中は半袖でちょうどというくらいでした。盛岡でも上着無しで大丈夫なくらいですし、この時期としてはあり得ないくらいに暖かかったですよね。
とはいえ今週末頃からは平年並みの気温になるようです。季節の急変で体調崩さないようお気を付けください。
さてこのレースの本命は(5)セイシークエンスです。
今回のメンバーは概ね10月24日の同条件『スプリント特別』からの転戦馬。本馬はその時の2着でした。結果的には勝ったマイグレーションが強い競馬を見せたのですが、本馬も2着はしっかり確保する悪くない内容。そのマイグレーションが絆カップで5着に食い込んだ点も合わせて考えれば本馬の力量も低くないと言える事は間違いないでしょう。
(6)アップテンペストが対抗。その10月24日のスプリント特別では1番人気に支持されましたが結果は5着。前半戦の勢いが感じられないのは確かに気がかりな点ですが、前走の上位馬、特に同型の先行タイプの数が減ったのは戦いやすくなる材料になるはず。
(2)リスレツィオが三番手。こちらも同じ前回のスプリント特別では4着。最後は伸びてきているものの道中の感じだと1200mはちょっと忙しい印象がありました。とはいえ初の古馬戦、それもオープン特別でそれくらい戦えたのなら注目度が上がって当然というものです。
以下、前回の位置頓挫の影響がどうか?ですが、この距離でも先行力を発揮できる(8)ハナレイ、今季はやや苦戦気味も昨年の夏頃の戦いぶりが戻れば・・・の(7)ルチルクォーツが押さえ。
盛岡競馬場は昨夜半から朝にかけて強めの雨が降っており馬場状態も大きく変わっています。傾向の変化には十分に注意を。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(5)=(6)、(5)=(2)、(6)=(2)、(5)→(8)、(5)→(7)
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