さきの11月17日、調教師試験合格が発表された木村暁騎手。調教師免許交付は12月1日づけですので騎手としての騎乗は今日11月28日がラストとなります。
木村暁騎手は2002年の春デビューで今年が22年目のシーズン。運悪く怪我が多かったために必ずしも順調な時ばかりではなかったこの間ですが、いよいよ28日12Rの騎乗をもって騎手としてはムチを置く事になります。
木村暁騎手(昨年のシアンモア記念優勝時)
岩手競馬のシーズン末での厩舎開業となるので調教師としての本格始動は来春からになる予定。"木村暁厩舎"の活躍は来シーズンのお楽しみ・・・ですね。
なお、来週の12月3日の水沢競馬場において同騎手の引退セレモニーが行われる予定です。現地においでになる皆さまはぜひご参加ください。
予想に行きましょう。11月28日のメインレースは12RのB2級四組ダート1600m『夢・希望未来へ前進』です。
金曜夜から降った早めの雪が残った状態で始まった冬の水沢開催。その後は気温が高めで雪はすっかり溶けたものの、今日の28日は1日雨の予報になっております。昨日までとは同じ不良でもまた別の傾向になる可能性があり、馬場傾向の変化には十分に警戒をしておいてください。
このレースの本命は(8)コンバットアンジュを狙います。
今シーズンはここまで2勝、どちらかといえば大きめの着順が多いように見える今季のこの馬の成績ですが、崩れ気味とすれば重賞か芝。一般戦を自己条件というならば、古馬編入後も含め5月1日に勝って以降は掲示板を外していない・・・という評価が可能です。古馬編入後のここ3戦にしても同型との折り合いに慣れつつ徐々に対応してきているという印象。すんなり流れに乗る形に持ち込めれば前走以上の結果も期待していいはず。
あとは馬場傾向がカギですね。日曜日は前残り傾向が強めに見えましたが月曜日はペースが上がって決め手勝負の形が目だったようにも感じます。雨が降った事でどんな状況になっているか?そこもポイントになるでしょう。
対抗は(5)エイシンヌチマシヌです。4月に勝ってから勝ち星を増やせずにいるのですが、今季は盛岡・水沢どちらも差し馬不利の傾向が多かった影響も受けているでしょう。高速すぎる決着だと苦戦しがちなのでこの馬にとっても馬場状態・馬場傾向はカギになるのですが、月曜のようなハイペースからの差し決着になるなら勝機が増して良いはず。
(2)トウカイイグニスが三番手。二走前に11着に敗れていたりしてまだ過信はできませんが、そんな近走にしても徐々に岩手の水に慣れてきているし調子も上げている印象。そして夏の水沢開催で連続好走しているように現状では右回りの方が良い可能性も。穴とすれば面白そうです。
連下となると月曜の結果を見ると正直"その他全部"と言いたくなるのですが、ここは(6)ナムラバンザイ、(1)ジェイエルトランスを。前者は元々勝っても負けても僅差が多いタイプですから勝ち切れないまでも上位に食い込んできているのは好調の証とも。水沢マイルも苦手な条件ではない印象。後者は現時点では距離が課題という事になりますがJRA時代の戦績からすればこの辺で通用する力はあるはず。それよりは馬場傾向的に最内枠が好枠になるかどうか?味方かどうかがカギになりそう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(8)=(5)、(8)=(2)、(5)=(2)、(8)→(6)、(8)→(1)
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27日メインは2歳「太夫黒(たゆうぐろ)特別」(水沢1600m)。12月10日(日)に2歳重賞「第22回寒菊賞」、12月30日(土)に「第48回金杯」が控えており、2重賞を目指すメンバーが顔をそろえた。
セイバイラックはデビューから一貫して芝路線を歩み、重賞・若鮎賞2着、交流・ジュニアグランプリ4着。勝ち星をあげることはできなかったが、毎回上位入線を果たしてきた。
前々走、10月16日・フューチャー競走も当初、芝1600mの予定だったが、走路悪化のためダート変更。セイバイラックはダート未経験だったが、1秒3差で圧勝。待望の初勝利を飾り、牝馬交流・プリンセスカップへ挑戦して4着。岩手最先着を果たした。水沢は今回が初めてだが、走り慣れた地元コースなら心配なし。メンバーも大幅に甘くなって勝機をがっちりとつかむ。
コンバットスプーンはデビュー戦の盛岡ダート1000mで出遅れながらも1秒2差で逃げ切り勝ち。続いて重賞・ビギナーズカップへ挑戦して3着。前々走は1着賞金1000万円重賞・ネクストスター盛岡でも2着を死守した。
前走・プリンセスカップは強豪遠征馬がそろって2番手から早々と失速10着に沈んだが、流れも合わず仕方なしの結果。初のマイル戦だが、レース運びのうまさに定評があり、持ち味をフルに発揮する。
リトルカリッジはデビュー2連勝。3戦目の若鮎賞は初芝が合わず8着に終わったが、ダートに戻ってビギナーズカップ2着。コンバットスプーンに先着した。2ヵ月ぶりの実戦・プリンセスカップは12着だったが、久々と自分の競馬ができなかったのも敗因。ひと叩きされた変わり身、相手も緩和されて巻き返しに転じる。
タカマキスリーは盛岡芝2着1回だが、ダートでは4着最高。それに対し、水沢2戦1勝2着1回。相手関係も大きかったと思うが、バンケット盛岡より平坦向き。その意味でコースが替わって一変の可能性がある。
オフビートはデビュー戦を快勝。その後は足踏みが続いているが、一戦ごとに良化を見せて前走2着。現在6勝マークのボサノヴァの妹で走る素地は十分。
ロイエはデビュー2戦目を快勝して1勝2着2回。その後、遠野馬の里へ移動して1ヵ月半後に帰郷。プリンセスカップ9着だったが、相手以上に久々もこたえた。叩かれた変わり身を見込める。
◎①セイバイラック
〇⑥コンバットスプーン
▲④リトルカリッジ
△⑤タカマキスリー
△⑪オフビート
△⑩ロイエ
<お奨めの1頭>
3R アスマスティーブ
前走は3ヵ月半ぶりの実戦だったが、2着確保。B1から降格し、格上ぶりを発揮した。ひと叩きされて今度は首位を奪取する
今週26日(日)から戦いの舞台は水沢競馬場へ替わり、12月31日(日)までの1ヵ月あまりの冬競馬に突入する。毎回、記すことだが、開催替わりは荒れるので定評がある。盛岡=ダート1周1600m左回りバンケットコースに対し、水沢=1周1200m右回りフラットコース。盛岡とは真逆のコース形態といっても過言ではない。
さらに氷点下が続くと馬場凍結対策として融雪剤がコースに撒かれ、ネバっぽい砂に変わる。特徴は芝コース巧者の活躍するケースが多いこと。馬場情報にはさらに確認してほしい。
発走時刻も変更する。26日(日)の第1R発走は10時30分で、最終第12Rの発走は16時45分。翌日27日(月)は第1Rが10時40分で、最終12Rは17時00分。28日(火)は第1R10時50分、第12Rは17時05分と若干変更するのでお間違えのないよう、お願いします。
26日メインはB1級馬による特別「ひいらぎ賞」(水沢1400m)。開催替わりに加え、前走で1400mを使った馬が不在。距離対応と水沢適性が重要なファクターとなる。
キモンリッキーは今年5月、南関東C1から再転入後、8戦5勝3着2回。馬券対象から外れたのは夏負けの影響が大きかったB1特別・秋桜賞11着のみ。直後に2ヵ月近く休養し、復帰戦3着から目下2連勝中。完全復活をとげた。
姉は通算18勝をあげ、南関東の短距離重賞で活躍中のキモンルビー(父コパノリチャード)。すぐ下の弟キモンリッキーもここにきて本格化を迎えた。今度の水沢1400mも3戦2勝と得意とする条件。決して楽なメンバー構成ではないが、コース適性と勢いを重視した。
サイタブラウンは中央未勝利に終わったが、ダート2着5回3着2回の好成績を収めた。岩手初戦はA級戦で2着にまとめ、この一戦を使ってB1へ降格。あっさり抜け出しを決めて2着に0秒6差をつけて完勝した。
ネックは初の水沢コースだが、ダート1400m戦は着外が一度もなく2着4回3着2回。中央時代、最も得意とする距離。小回りコースで武器となるのが先行力。好位キープから直線抜け出しを決め、2連勝を飾る。
ルチルクォーツは南関東B2から転入して昨クラスターカップで6着に健闘した。昨年9月以降は短距離を専門に使われ、今季2勝2着1回。2ヵ月ぶりの前走オープン・スプリント特別を完勝して今回はB1馬が相手。
水沢は850mの1勝のみだが、2走前、3走前に水沢1400m戦で連続4着。決して苦手としている訳ではなく、巡り合わせ。前回快勝で弾みがつき、2頭をまとめて負かすシーンまで。
リリーアローは相手なりに駆ける堅実さが身上。今季2勝2着4回3着2回。毎回上位争いを演じている。水沢1400mも過去1戦1勝とまったく問題ない。
コリコは南関東C2から転入後、すべて3着以上。3勝2着3回3着1回に加えて前回快勝。5戦ぶりの勝利を手にして勢いがついた。
セイオーキッドは前々走・盛岡1200m戦でメンバー最速の上がりを駆使して3着。追い込み脚質のため成績は安定しないが、ハイペースになれば一気に台頭。
◎⑨キモンリッキー
〇⑦サイタブラウン
▲②ルチルクォーツ
△③リリーアロー
△⑧コリコ
△⑤セイオーキッド
<お奨めの1頭>
3R ロイヤルワラント
転入初戦はスタートダッシュがつかなかったが、直線で鋭く伸びて2着。ひと叩きされてさらに良化確実
文/松尾庫司
11月19日に行われた岩手最長距離ダート2600mで行われた重賞『北上川大賞典』。盛岡のダートコースを一周半した戦いはノーブルサターンに軍配が上がりました。
最内枠からハナに立ったノーブルサターンはその後もレースの主導権を握り続け、終盤の勝負所からも手応えには余裕十分。直線最後こそフレイムウィングスが迫ってきましたがそれも1馬身と1/4の差を付けてゴールする余裕あり。今年はシアンモア記念に続いて2つめ、岩手では4つめの重賞タイトルを獲得して桐花賞連覇に向け大きく前進しました。
11月21日のメインレースは12Rです。A級一組ダート1600mの『2023盛岡ファイナル特別』。
今年は4月下旬からスタートした盛岡開催でしたがいよいよ今日21日が今季の最終日となります。
今日は地方競馬の女性騎手が競う『レディースジョッキーズシリーズ』も行われます。今年は比較的穏やかな、しかし夜は冷え込みそうな天候の1日になりそう。
夏は猛暑、秋に入ってもいつまでも暑かった・・・と思えばいきなり寒くなったりとよく分からない天候が続いた印象の今年の盛岡開催でしたけども、ラスト1日、ごゆっくりお楽しみいただければ。
さてメインレース。本命は(2)フジラプンツェルに期待をかけます。
昨年の2歳時は世代ナンバーワンとして活躍した同馬は、冬期間のJRAでの激戦の影響が残っていたのか岩手に戻ってもなかなか本来の走りができずにいた印象。しかしそれも夏を過ぎたあたりから大幅に上昇気配を見せていて、この馬らしい走りも戻ってきている印象です。
好調時であってもマイルは少し長いかというイメージがありますし、今回も古馬A級のマイル路線の相手とすれば歯ごたえがある顔ぶれ。決して楽ではないかとは思いますが、ここはこの馬の地力発揮に期待しての◎。
対抗は(1)ゼットセントラル。A級上位やOP級のみならず重賞でも好走している実力馬。脚質的にどうしても前残り傾向が強い馬場の影響を受けてしまうのですが、それでも上位に食い込んでくる高い地力はやはり軽視できないものです。
三番手は(5)マツリダワールドを。2着だった前走ですがそれは初めての古馬との対戦。それでレールガン、北上川大賞典3年連続入着のこの馬を相手にしての2着なら及第点以上の内容と言えるはず。徹底先行を挑んでくれば怖い存在に。
以下、同型が多い分と外枠という点で狙いを下げざるをえなかった(10)ドルズプライスレスですが先行しきれるかどうかがカギの馬だけに一概に軽視は禁物。(7)セイヴァリアントは秋の復帰後の2戦がまだこの馬らしくないのは確かですが、いわゆる休み明け3戦目に加えて例年冬場に調子を上げる馬、一応の警戒を。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(1)、(2)=(5)、(1)=(5)、(2)→(10)、(2)→(7)
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20日メインは「スプリント特別」(盛岡ダート1000m)。オープン馬のスプリンターがずらり顔をそろえたが、勝敗のカギは1000m対応。距離適性が大きなファクターとなった。
アップテンペストは重賞3勝。いずれも1800m戦だった。今年6月、笠松から里帰りして初戦の早池峰スーパースプリント(水沢850m)でキラットダイヤの2着を確保した。その後も1勝2着2回の成績をあげているが、凡走するケースも多々。自分の競馬ができないとモロさを出してしまう。
それを裏付けるのが再転入後の1勝は850m戦。1200m戦は<0.1.1.4>。過去に1勝をあげているが、最後の粘りが甘くなってしまう。ただ、クラスターカップで逃げたドンフランキーに3コーナー手前まで食い下がっていたように、JRAでも引けを取らないスピードを持っている。
対して盛岡1000m戦は一度使ってアヴェントゥリストの2着。行った切りで決着したが、2番手キープから粘りを発揮した。その時の59秒1はダイセンメイト、カタナと同じ持ちタイム。2番枠にダイセンメイトは逃げがベストだからアップテンペストは2番手に控えれば共存共栄。ダイセンメイトは残り100mで脚が上がるケースが多く、きっちり差し切れる計算ができる。
ダイセンメイトは金沢2勝、名古屋1戦を使って転入。1400m2戦とも着外に沈み、陣営はスーパースプリント路線へシフト。それがズバリはまって水沢850m7戦7勝。盛岡ダート1000m戦は4戦2勝。合計9勝を荒稼ぎし、前々走・ハーベストカップは初の芝だったが、守備範囲の1000m戦で2着に粘った。
続いてOROターフスプリントへ駒を進めたが、走路悪化のためダート変更。ダイセンメイトには好都合だったが、よりによって12頭立て12番枠。大外に入った上、スタートで出遅れ。しんがり負け12着も仕方なしだった。
ダイセンメイトの1000m戦をレースリプレイをチェックしてほしい。900mまでは快調に飛ばすが、最後100mでは脚が上がってしまう。それでもセーフティリードがある分で2勝しているが、気持ち長いのは事実。今回は絶好の2番枠を引き当て、先手を主張する可能性大。あとは楽に逃げることができるか否かが好走の分かれ目となる。
セイシークエンスは昨年6月、大井1勝から転入。昨年は2勝2着2回。今シーズンも3勝2着4回3着2回。着外2度のみと安定した成績を残している。差しタイプで展開不問。軸の味方では筆頭と見てもいいが、9着に敗れたのが今回と同じ盛岡1000m戦。過去に1勝2着1回の実績があるが、本質的に1000m向きではないはず。よって単穴候補に落ち着く。
カミノコは昨クラスターカップ5着に象徴されるように1200mがベスト距離。強烈なまくり脚を披露するが、前半で置かれるのがネック。前崩れになるのが好走条件となる。
カルーナブルガリスは5走前、盛岡芝1000mのコースレコードを更新。ダート1000m戦でも1勝をマークしたが、理想が逃げの手。展開がカギを握る。
カタナは早池峰SS3着後、休養を余儀なくされて5ヶ月後に復帰したが、マイナス21キロ。急激な体重減も影響した絆カップ10着に終わった。馬体回復なら侮れない。
◎③アップテンペスト
〇②ダイセンメイト
▲①セイシークエンス
△⑥カミノコ
△⑧カルーナブルガリス
△④カタナ
<お奨めの1頭>
6R ヤカンヒコウ
前走、マイペースの逃げに持ち込んで1秒4差で圧勝。待望の初勝利をマークした。距離延長も突破の構え
文/松尾庫司