今年デビューした坂井瑛音騎手の初勝利をあげた。4月22日(月)、最終12Rでサンエイブレーヴに騎乗し、3番手キープから向こう正面で2番手に進出。3コーナー過ぎに早々と先頭に立ち、2着アダマスミノル、3着ミヤコプレジールの追撃をしのいで1着ゴール。騎乗26戦目で嬉しい初勝利を飾った。
坂井瑛音騎手「今までうまくいかなかったので(初勝利ができて)、こみあげてくるものがありました。向こう正面の手ごたえが良かったので、3コーナーで行けるかなと思いましたが、ちょっと仕掛けが早かった。サンエイブレーヴと同じく、自分もブリンカーがついていた(笑)ので、後ろの様子がわかりませんでしたが、何とか頑張ってくれました。今日のサンエイブレーヴは気合いが入っていたので、担当の(菅原)秀さんに伝えたらニコッと笑ってくれました。これからも一つ一つ依頼を受けた馬を全力で乗ることが大事だと思っています。まだまだ未熟ですが、師匠の菅原勲さんに少しでも近づきたいと言いましたから、今後も頑張りたいと思っています」
菅原勲調教師は騎手時代、地方競馬通算4127勝、JRAでも16勝をマークして岩手競馬の最高峰に君臨した。4127勝への道も、まずは1勝から。坂井瑛音騎手の活躍に期待してほしい。
29日メインはA級一組「桜花特別」(水沢1800m)。舞台が盛岡に替わると根幹レース・シアンモア記念が控えており、今回のメンバーからもエントリーするに違いない。
グローリーグローリは昨年3月、中央4勝・オープン、障害1勝から転入。2連勝で重賞・赤松杯を制し、シアンモア記念5着から重賞・あすなろ賞も制した。続く一條記念みちのく大賞典4着後、猛暑続きがこたえて夏負け。3ヵ月余りの休養を余儀なくされ、復帰後も2着1回のみにとどまった。
今季初戦も6着、赤松杯9着に敗退。脚元がパンとしないため思った乗り込みができなかったが、今回は意欲的に乗り込まれて気配上昇。8頭立ての少頭数、メンバーも緩和され、勝機をしっかりモノにしたいところ。
マイネルアストリアは昨年5勝2着2回3着2回。着外は一條記念みちのく大賞典10着、桐花賞8着のみ。ビッグレースでは自分の競馬ができず苦戦を強いられたが、自己条件できっちり結果を出してきた。
昨年は半年休養からあっさり快勝。好発進を決め、今季初戦も1番人気に支持されたが、早々と失速10着。マークが厳しかった。加えてマイルの忙しい競馬より、ゆったりと流れる1800m向き。ひと叩きされた変わり身と距離延長で巻き返しに転じる。
ステイオンザトップは一昨年、中央3勝クラス、障害を経て転入。2連勝を飾り、岩手伝統の一條記念みちのく大賞典を優勝した。続くレースも快勝して連勝を3に伸ばしたが、屈けん炎が発生。無念の戦列離脱で1年休養。昨年8月に復帰して4着を確保したが、またもや脚部不安のためリタイア。今回は8ヵ月ぶりの実戦となったが、能力上位。いきなり激走のシーンまで。
グリニッジシチーは中央ダート1800m2勝、高知5勝・B級から転入。近走は1400mが主要距離だったが、中央実績から1800mは歓迎のはず。
タイセイメガロスは中央芝1800m2勝、南関東B1、笠松2勝・A級から転入。初戦は休み明けで9着だったが、ひと叩きされて2着。これでメドが立った。
ゴールドギアは昨年の最優秀ターフホース。ダートも昨あすなろ賞2着と問題なく、1800m延長に活路を拓く。
◎(1)グローリーグローリ
〇(7)マイネルアストリア
▲(3)ステイオンザトップ
△(4)グリニッジシチー
△(2)タイセイメガロス
△(8)ゴールドギア
<お奨めの1頭>
1R ブルーローズ
南関東B3の地力を見せつけて転入戦を圧勝。同じ850m、同じC2級なら迷わず追いかける手
28日メインは水沢1400m重賞「第36回栗駒賞」。栗駒賞は元々がアラブ系による特別だったが、2000年からサラブレットの重賞へ格上げ。開催時期も冬からクラスターカップの前哨戦として6、7月に実施されたこともあったが、一昨年から4月へ移行。今後、栗駒賞からシアンモア記念、もしくは岩鷲賞、クラスターカップへ向かう馬たちが出てくる。
その筆頭が2連覇を狙うゴールデンヒーラー。昨年は栗駒賞から始動して完勝。幸先のいいスタートを切ったが、シアンモア記念6着、一條記念みちのく大賞典8着に凡走。「一時は引退、繁殖入りも考えた」(佐藤祐司調教師)ほどだったが、。一息入れて牝馬準重賞・フェアリーカップへ出走。ようやく闘争心に火がついて青藍賞2連覇も飾った。
続いてマイルチャンピオンシップ南部杯へ挑戦。レモンポップが逃げ切って圧勝し、ゴールデンヒーラーは流れも合わず7着。一昨年5着より下回ったが、マズマズの結果を出した。しかしJpnIII・クイーン賞8着、桐花賞5着。総合的に見れば不本意に終わった1年だった。
以上のことを受けて陣営はクラシックディスタンス(2000m)ではなく、マイル以下を使う方針に決定。手始めに白嶺賞を完勝し、予定どおり栗駒賞へ駒を進めてきた。
唯一の不安点は休み明け2戦目は勝っていないこと。3歳時はあやめ賞1着→ダイヤモンドカップ2着。4歳時はA1戦1着→シアンモア記念3着。そして昨年は栗駒賞1着→シアンモア記念6着。ゴールデンヒーラーには嫌なデータだが、今年こそ春2連勝を飾りたいところだろう。
ゲンパチプライドは中山ダート1200m1勝、東京ダート1400m1勝。今年2月、2勝クラスでも4着を確保した現役ばりばり。転入戦。白嶺賞は小回り水沢対応がネックだったが、コースロスなくレースを進めて2着確保。収穫多い一戦となった。地方ダートが問題ないことを証明し、さらに気配アップも確実。
タイセイアベニールは中央芝1200mのスペシャリストで鳴らし、一昨年、GIII・函館スプリントステークスでも3着の実績を誇る。ダート戦でも3歳時に端午ステークスで2着。また転入前にもダート3戦を使ってマズマズのタイムをマークした。9歳の年齢が若干気になるが、格でいきなり勝ち負けまで。
ドルズプライスレスは一昨年、中央未勝利から転入して覚醒。これまで7勝をあげ、昨最終戦も快勝。逃げ一辺倒だが、自分の競馬に持ち込むと強じんな粘りを発揮する。前走・白嶺賞は4ヵ月半ぶりの実戦でプラス7キロ。太め残りだったが、3着に粘った。水沢1400m5戦4勝3着1回。ベストの舞台で金星を狙う。
フジラプンツェルは昨年、中央から里帰り。馬体重が大幅に減っていたため4ヵ月休養から復帰。当初は本来のシャープさを取り戻せなかったが、昨年12月の水沢1400m戦を快勝。これで復活のメドが立った。今季初戦2着から白嶺賞へエントリーしたが、出走取り消し。赤松杯はしんがり負けだったが、1400m短縮なら軽視できない。
キモンリッキーは昨年、南関東C1から再転入後、8勝を荒稼ぎ。中央へトレードされたが、4戦着外に終わって里帰り。初戦で豪快なまくりを決めた。今度はメンバーが大幅に強化されたが、岩手の水が合う。
◎⑧ゴールデンヒーラー
〇①ゲンパチプライド
▲②タイセイアベニール
△⑤ドルズプライスレス
△③フジラプンツェル
△⑥キモンリッキー
<お奨めの1頭>
3R ラブショック
転入戦2着は久々の実戦に加え、前半で置かれたのが痛かった。叩き2戦目で首位を奪取する
4月21日に行われた3歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『留守杯日高賞』は川崎から遠征のエレノーラが優勝。デビューから3戦目、それを3戦3勝で重賞制覇を達成しました。
スタートで少し躓いたのが見えたエレノーラでしたが「うまく起き上がってくれたし、その後もしっかり進んでくれて、理想の位置が獲れました」と野畑騎手。その後も周りの馬たちを上回る手応えで進みつつ「4コーナーあたりで勝ったなと」(野畑騎手)。
最後は軽く流す形でゴールした分、後続との差は2馬身に止まりまりましたが、その差は縮まりそうにない、はっきりとした差。これが3戦3勝で重賞を勝つだけの素質だということを見せつける勝利でした。
今日4月23日のメインレースは11レースです。B1級ダート1400m『桜並木賞』。桜並木賞という名前なんですけども残念ながら水沢競馬場の向こう正面の桜並木はもうすっかり新緑の景色になりました。年々、だんだん桜が咲く時期が早くなっているせいか、このレースのような"桜"を冠するレース名がちょっと間に合わなかったりすることが多くなっているんですけども、その新緑を背景にしながらのレースを楽しんでいただければと思います。
さて予想に行きましょう。本命は(11)オンザブロッサムです。
JRA時代はレースぶりにちょっと難しいところがある、前に行って最後止まってしまったりするようなところを見せていたこの馬ですが、転入初戦の前走は逃げてそのまま後続を押さえきりました。それもB1級上位組の安定勢力をしっかり封じ込めての勝利でしたから、その本来の力は確かなものがあると考えていいと思います。
今回、相手関係の歯ごたえというのは決して楽ではないとは思いますが、前走で見せた強さを素直に評価して、また距離短縮になる点もこの馬にとっては悪い材料ではないということも踏まえての本命としたいと思います。
対抗は(2)トチノヒーロー。 この春の三戦、2着→2着→1着と形通りの良化を見せています。しかも内容も、その時その時の強豪を相手に僅差の戦いを演じてきているのですから地力もしっかりしていると見ていいはず。先行、そして前走のような差しと脚質も幅広いですし、少々展開がもつれてもうまく対応してくれる一頭という評価で良いはず。カギは58kgのハンデ。自身初の斤量負担をどう乗り切るか。
三番手は(10)リスレツィオを狙ってみます。3歳春はクラシック路線を意識して長めの距離にも挑んでいましたが持ち味はどちらかといえば短距離で活きる馬。今回の1400mは手頃、力を出せる距離だと思います。まだ春2戦目ですのでより数を使われてきたライバルに対してはまだハンデがあるのかもしれませんが、あえて狙ってみる価値はあるでしょう。
以下、まず(4)コリコは着順の数字だけを見ればちょっと上下がありますが勝ち馬とのタイム差は1秒以内で、つまり非常に安定した戦いを続けてきて。言い方を変えればちょっと勝ち味に遅いということになるんでしょうけども、ただ、昨年の夏に水沢で圧勝した時の距離は1400m。1600mにも対応していますがこれぐらいの距離が戦いやすい可能性は念頭に置いておきたいもの。
もう一頭は(7)サトノマッスル。ちょっと読みづらいところがあって好走直後に凡走、凡走後に一転好走という事がある馬ですが、現級上位で崩れていない点、その地力は軽視できないもの。最近は極端な差しの形ですから今の馬場傾向には合わないかもしれませんけども、昨年は先行好位で戦っていた馬ですし、その辺も含めて一変、変身があっておかしくないのでは。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(11)=(2)、(11)=(10)、(10)=(2)、(11)→(4)、(11)→(7)
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22日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)。4歳馬は南関東B3から再転入ボルドーグリフォン1頭のみで、ほかはすべて5歳以上。今後、重賞へ向かうと言うより、A級とB1級を行き来するメンバー構成と見ていいだろう。
アダマスミノルは中央未勝利に終わったが、ダート1700m~1900mで2着3回3着2回。昨年10月から南関東へ移籍して4戦目のB3級・浦和1400mで待望の初勝利をあげた。以降は頭打ちのレースが続き、4着1回が最高。岩手へ新天地を求めてきた。初戦は勝ったアンコールゲランが抜けた存在。7馬身差でぶっち切ったが、2着確保なら上々の滑り出し。いい脚を長く使えるのが持ち味。その分、勝ち味に遅い印象だが、軸の見方で筆頭となる。
リリーアローは昨年、2勝2着5回3着3回。着外は3度のみと堅実さを発揮。B1級の安定勢力として定評がある。今季もスタートはA級二組戦だったが、そこでも0秒4差4着に食い込んだ。前走は出走取り消ししたが、大事には至らず早々と乗り込みを再開。さほど影響がないと判断して差し支えない。アダマスミノルと同様、勝ち切れないのがネックだが、一連の安定度から上位評価が妥当。
サンエイブレーヴは2歳時から重賞路線に乗ったが、いまだタイトルなし。また3歳4月以降、ずっと白星から遠ざかっていたが、昨年8月、クラス再編成で最下級Cへ降格。4勝をマークした。これで弾みついたかと思ったが、勝ち切れないレースの連続。昨年終盤から4戦連続で4着にとどまった。しかし前走は出遅れながらも3着と一歩前進。鞍上・坂井瑛音騎手も今度で2度目の騎乗。久々の首位奪取なるか。
エスペルトは中央ダート1勝、南関東2勝・B3級から転入。3勝2着2回と連対パーフェクトを続けたが、2連勝後に脚部不安が発生。半年の休養を余儀なくされ、今年3月に復帰。まだ本調子を取り戻していないが、徐々に復調ムード。
マルケイアローは岩手生え抜きで7勝マーク。実戦を使われながら着実に地力アップ。昨年はA級まで出世し、現在はB1級に在籍。今季初戦は体重が減っていたのが気になったが、それでも3着を確保。馬体回復すればさらに上を望める。
ホワイトパスは昨年、高知から再転入。3戦目から5連勝を飾った。好調時にまとめて走るタイプ。キッカケをつかめばあっさりまで。
◎(8)アダマスミノル
〇(10)リリーアロー
▲(5)サンエイブレーヴ
△(9)エスペルト
△(6)マルケイアロー
△(7)ホワイトパス
<お奨めの1頭>
1R エムオーリボン
前走4着は内に包まれて自分の競馬ができなかったのが敗因。今回の枠なら巻き返し必至
21日メイン、「第24回留守杯日高賞」(水沢1600m)が"GRANDAME-JAPAN2024"3歳シーズンへ昇格したのが2010年。過去、川崎代表3勝、大井2勝、北海道2勝、岩手2勝。あとは船橋、浦和、金沢、名古屋、笠松がそれぞれ1勝と各地区からまんべんなく優勝馬が出ている。
ただ今年の遠征馬は3頭。18日、門別で「ネクストスター北日本」、翌週25日には大井・東京プリンセス賞があり、留守杯日高賞は間(はざま)。その影響も少なからずあると思うが、それでも遠征馬優位は変わらない。
ファーマティアーズはデビュー2戦目、大井1400m戦を5馬身差で圧勝。続く2戦5、4着から佐賀・フォーマルハウト賞へ遠征。2番人気ながら後方2番手からロングスパートを決めて完勝。地区レベル差をまざまざと見せつけた。その後、2ヵ月半ほど休養して南関東3歳牝馬クラシック路線へ乗ってユングフラウ賞7着、桜花賞6着。東京プリンセス賞の選択肢ももちろんあったが、水沢遠征は確勝を期してのこと。昨年優勝ワイズゴールドはユングフラウ賞4着、桜花賞4着から留守杯日高賞を0秒7差で完勝。大井勢2連覇に王手をかけた。
リトルカリッジはデビュー2連勝を飾り、若鮎賞へエントリー。しかし初芝にとまどって8着に沈んだが、ダートに戻ってビギナーズカップ2着。フジユージーン相手に0秒4差に粘った。以降は順調さを欠いたが、終盤2戦を連勝。重賞・金杯を制した。しかも逃げ一辺倒から脚質転換に成功。控える競馬で2連勝を飾り、ひと皮むけた。当初、トライアル・あやめ賞の登録があったが、間に合わずスキップ。スプリングカップから始動して4着に終わった。当初予定よりレース間隔は詰まったが、ひと叩きされて上昇確実。2017年、ダンストンレガーメ以来の地元優勝の期待がかかる。
エレノーラは今年3月にデビュー。あっさり2連勝を飾り、前走は破格タイムで逃げ切って圧勝した。キャリア僅か2戦、初の右回り、初距離、長距離輸送などクリアーしなければならない課題は多いが、絶対能力でカバー。今回、賞金を加算ができれば今後の選択肢も増えるだけに陣営も力が入っているに違いない。
レッドオパールは門別4戦1勝から転入。年をまたいで3連勝を飾り、2歳重賞・寒菊賞、新設の3歳準重賞・奥州弥生賞を完勝した。気になるのは前走・あやめ賞3着。道中の手応えから直線で交わせる印象だったが、伸び切れなかった。相手強化か、連闘策がこたえたか。今回が真価を問われる一戦となった。
ミヤギシリウスはデビュー戦の芝4着だったが、2戦目の水沢1300mを圧勝。若駒賞でもミヤギヴァリアントの2着に健闘した。金杯5着後、テンコートレセンに移動。坂路で鍛え直し、あやめ賞を快勝。成長確かなことをアピールした。仮に重賞2連勝を飾ることができれば、牝馬路線の主役に躍り出る。
カリフィアは盛岡芝1000m・新馬戦を圧勝。重賞・ネクストスター盛岡で3着を確保した。以降は逃げ一杯のレースが続いたが、昨最終戦となった阿久利黒特別を快勝。今季初戦のあやめ賞でも渋太く粘って2着を確保した。同タイプがそろって展開がカギを握るが、すんなりなら残り目一考。
◎⑦ファーマティアーズ
〇⑧リトルカリッジ
▲⑩エレノーラ
△④レッドオパール
△⑤ミヤギシリウス
△⑨カリフィア
<お奨めの1頭>
5R ライヴマスタード
昨年8月以来の実戦を問題にせず、転入初戦を完勝。地力の違いを見せつけた。ひと叩きされ、さらに信頼度が増す