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松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。佐藤到 1969年宮城県出身。97年のテシオ創刊とともに競馬撮影を始めた『メイセイオペラ世代』。

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岩手の温泉郷

 ゴールデンウィークも終了。お休みだったみなさまは野に山に、そして競馬場へと行楽に出掛けたのでしょうか?わたくしはと申しますと、情報誌や観光ガイド誌の撮影の仕事をいただきまして、競馬のほうと調整をとりながら岩手県内を駆け回っておりました。
 撮影対象は麺類を中心とした食べ物と温泉宿でどちらも大変おもしろい撮影となったのですが、特に各地の温泉は興味深かったです。
ひとくちに温泉と言うなら、火山で成り立っている日本列島ですから深く掘りさえすれば東京のど真ん中でも温泉は出るのですが、やはり温泉に浸かるなら味のある温泉街や景色の良い山奥なんかがいいですよね。その点、我が岩手県は全面積の87%が山というだけあって、いい感じの温泉がものすごーく沢山あります。
 盛岡競馬場から近いところでいうと、市街の反対側になりますが『盛岡の奥座敷』といわれる繋温泉、そしてさらに奥まった鶯宿温泉があります。繋温泉は御所湖のほとりに位置し、湖の向こうに岩手山を望むこともできて春夏秋冬それぞれの景色が美しいところ。また鶯宿温泉は、その昔、怪我をしたウグイスが源泉に浸かって傷を癒したという伝説が語られています。どちらも中〜大型の温泉ホテルが中心で、清潔なお風呂に入ってのんびりホテルライフを楽しみたい方も満足出来そう。
 一方、私のように鄙びた温泉宿で静かにくつろぎたいという向きには、八幡平ふもとの松川温泉や、水沢競馬場から比較的近い花巻の花巻南温泉郷や台温泉がおすすめ。昭和あるいはもっとずっと昔の香りが立ちこめる、趣あるたたずまいの中に身を置くと、なんだか心がじーんとしてきてとても落ち着いた気持ちになります。施設は古いところもありますが、アットホームなおもてなしの心は高級ホテルに見劣りすることはないと思います。
 さらにもうひとつ挙げたいのは、ワイルド派にご紹介したい網張温泉仙女の湯というところ。江戸時代の山岳信仰により入浴が禁止され、周囲に網を張った、というのが名の由来となっている網張温泉は、現在は「休暇村岩手網張温泉」という立派な公共の宿が建っていますが(ここは内湯も眺めが良く食事も美味しいオススメの宿です)、仙女の湯は建物から3分ほど山道を歩いたところにある秘湯。昨年まで雪崩の被害で崩壊し入れなかったのですが、現在は谷川のそばに立派な脱衣所と湯船がつくられ、流れ落ちる滝を望みながら野趣あふれる温泉気分を満喫することも出来ます。もちろん源泉掛け流し。混浴ですが、女性には休暇村で湯着を貸し出しているそうです。原生林に囲まれて、谷川の流れと野鳥の声を聞きながらぼーっと湯に浸かるのは最高の気分ですよ。

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(左:台温泉の風景 右:仙女の湯)

 ほかにも岩手には大小の温泉が数え切れないほどあるのですが、残念なのは競馬場に密着した温泉宿が無いこと。水沢郊外にある温泉のいくつかは競馬場から近いですが、せっかく岩手なのだから、かつての上山競馬場のように温泉郷に泊まって競馬三昧、競馬で儲かったお金を持って温泉でドンチャン騒ぎ、という雰囲気があれば良かったのにと思います。

(文/写真・佐藤到)

2008/05/06
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