先日5月28日(土)に福岡PayPayドームで行われたオッズ・パーク株式会社の協賛試合プロ野球セ・パ交流戦「福岡ソフトバンクホークス VS 広島東洋カープ」にて、始球式をした小林優香選手(福岡106期)にお話を伺いました。始球式のことから、ガールズケイリン、競技のお話も伺っています。
山口:まずは始球式のことをお伺いします。今回で2回目の始球式でしたが、話が来た時はどんな気持ちでしたか?
小林:まさか自分が始球式を務めることになるとは思っていなかったので、このお話をいただいた時は素直に嬉しかったです。
山口:地元でしたもんね。お知り合いは見に来ていたんですか?
小林:はい。家族や友達が見に来てくれていました。
山口:当日のスケジュールを教えてください。
小林:会場に入ってからは、少しウォーミングアップをしてから始球式へ、という流れでした。
山口:たくさんのお客様が観戦している様子も記事で拝見しました。マウンドに立った時はどうでした?
小林:始球式をさせていただくのが2度目だったので「今回は楽しもう」と思っていました。前回は緊張感がありましたし、なにより、マウンドから見える景色に圧倒されたんです。なので2回目の今回は楽しめました。
山口:自分の投球はいかがでしたか?
小林:ストライクゾーンには入ったと思うんですが、手前で落ちてワンバウンドでした。それは悔しいです。
山口:始球式の後には、イニングの間にダンスで盛り上げるシーンもあったんですよね?
小林:そうですね。一緒にダンスなどさせていただきました。
山口:前回小林選手が始球式をされた時はお客様と触れ合えるガールズケイリンブースも出ていましたね。
小林:そうでしたね。あの時はたくさんのお客さんの前でガールズケイリンをPRしたんですが、今回はまだコロナ禍とうこともあり、イベントという形ではできなかったようです。私がガールズケイリン代表で始球式やパフォーマンスでしっかりPRしようと思っていました。
山口:試合は最後まで観戦できましたか?
小林:はい、全部見ました。ホークスが2回裏で7点を取って、11-1での大勝でした。すごい試合でした!
山口:子供の頃から今までで、野球などスポーツ観戦の経験はありますか?
小林:野球はすごく身近なものでした。小学校の時からずっとホークスのファンだったので、始球式はとても嬉しかったです。また選手も身近で見られたし、試合も勝ったので、本当に良い日でした。
山口:続いてガールズケイリンについてお伺いします。今年は月に1開催のペースで走られていますが、ここまではいかがですか?
小林:オッズパーク杯ガールズグランプリ2021が終わり今年に入ってガールズケイリンに関しては、試行錯誤が続いています。
直近の玉野では、決勝で着外でした。実は、走り終わってしばらく経ってから判明したんですが、ろっ骨を疲労骨折していたんです。苦しいなと思ってレースはしていたんですが、あまりにも苦しすぎて病院に行ったら骨折が見つかったんです。でももう怪我も治りましたし、次の平塚でのオールガールズ開催「ALL GIRL'S 10th Anniversary」へは万全の状態で向かいたいです。
山口:そうでしたか。予選を見ていると確かに決勝は、あれ?というレースでしたが、疲労骨折だったんですね。ずっと苦しかったんですか?
小林:2か月くらいはずっと苦しいなという違和感はありました。
山口:え?そんなにですか?
小林:はい(苦笑)。全然病院に行くことはなく、マッサー(マッサージャー)の方に治療してもらっていました。でもさすがに変かなと思って病院に行ったら判明しました。ろっ骨の骨折は安静にするしか治療法はないんですが、「トラックネーションズカップ(カナダ)」でもしっかり走れていたので問題はないと思います。
山口:トラックネーションズカップでも決勝で落車があったと伺いました。怪我の具合はいかがですか?
小林:決勝は好位をとれて優勝が狙えるところでした。前の選手に車輪をはらわれての落車だったので対応もできず、それが悔しいです。ただ骨折や体に怪我は少なかったのが幸いでした。
山口:予選では連勝で勝ち上がりだったんですね。
小林:そうですね。調子も良くて、決勝も良いメンバーが揃っていたんですが、自分からレースを動かせましたし周りが良く見えていました。落車以外の部分はポジティブにとらえて、次の「アジア自転車競技選手権大会(インド)」に備えたいです。
山口:ナショナルチームのガールズケイリンメンバーで短距離は4人ですが、今の雰囲気はいかがですか?
小林:特に以前と大きく変わったりはせず、パリに向けて時間のない中で戦っていかなくてはならないので、今はチームとして少しでもたくさんポイントを積み重ねたいというのは共通認識であると思います。私は東京オリンピックを経験して、ここからオリンピックまでの流れがとても慌ただしいとわかっているので、気を引き締めてやっています。
山口:スケジュールとしては、すぐにインドのアジア選手権へということですが、今の練習状況はいかがですか?
小林:今は調整の段階なのですが、コーチと話しながら個人にあった調整をしています。
山口:休みの日はありますか?
小林:今は国際大会のスケジュールに合わせて調整をしているので、体を休めたり本格的にトレーニングしたりは決まっています。でもアジア選手権が終わった後はすぐに平塚のオールガールズなので、そこは切り替えて頑張りたいです。
山口:東京オリンピックへの過密スケジュールの経験が糧になっていますか?
小林:はい。今までもポイントを取りに行くレースなどは、3か月海外で連戦なども経験をしました。それを経験している分、流れもわかっているし、対応もできていると思います。
山口:今後のガールズケイリンのスケジュールというのは、言える範囲ではどのような予定ですか?
小林:コーチと相談なのですが、私は1か月に1開催は走りたいと伝えています。しっかり走れれば良いですね。
山口:走るのを期待しています。続いて、ガールズケイリンのレースの流れについてです。私から見て、だんだんガールズケイリンも位置取り争いが熾烈になってきたり、強い選手を内側に包んで仕掛けにくいようにしたりという動きがあるような気がします。走っている小林選手はどう感じていますか?
小林:レース展開が早くなったり、時には1対6になるような、包まれてしまう傾向も見えます。でもその分私は、自分のスピードを活かせるように、位置取りや走り方を変えて対応していきたいです。
山口:確かにレースを見ていて、小林選手が最後方にいるレースはあまり見ないです。それは国際大会での動いて位置を取るレースが、ガールズケイリンに活かされていますか?
小林:そうですね。またガールズケイリン全体がレベルが上がったり、タイムも良くなってきています。自分自身の持ちタイムも上げなければならないですし、ガールズケイリンのギヤでどう戦うかは研究しています。
山口:ギヤ比はかなり違うんですか?
小林:ガールズケイリンの方がだいぶ軽いですね。全然踏んだ感触は違います。
山口:ガールズケイリンの自転車で普段は練習はまったくしていないと以前聞きましたが、今もそうですか?
小林:はい、前検日に行って、そこで乗って感触を確かめる感じです。
山口:話は変わりますが、同期の高木真備さんが引退されました。少しお話し聞かせてください。引退のニュースはどう感じましたか?
小林:真備は競輪学校(現日本競輪選手養成所)時代から「グランプリを優勝したらやめる」と言っていたんですよ。入学した18歳の時から言っていたので、去年のグランプリを一緒に走って優勝を見た時に「そう(引退に)なるのかな」と思いました。彼女との最後のレースになったのが3月宇都宮でのガールズケイリンコレクションですが、「もしかしたら」という気持ちがそこでもありました。
でも彼女はずっと言っていたことを叶えたし、しっかり次の道に進んだのは、誰もが出来ることではないですし、「凄いな、頑張って欲しいな」と思いました。
山口:長年目標にしていたことを達成されての引退だったんですね。
小林:それをしっかり達成してやめるっていうのは、とてもかっこいいですし、だからこそ自分も目標達成したいなと思います。
山口:素敵な話ありがとうございます。では平塚についてお伺いします。オールガールズの斡旋メンバーを見ていかがですか?
小林:動けるタイプの選手が多いし、レースの上手い選手もたくさんいますが、しっかり対応して勝ちに行きたいです。
山口:同じナショナルチームの梅川風子選手(東京112期)や、ガールズケイリンコレクションを優勝した柳原真緒選手(福井114期)もいます。柳原選手との対戦は近況ないですね。
小林:そうですね。もしかしたら一度くらい走っているかもしれないですが、近況は対戦していません。でも柳原選手もコレクションを一つ優勝したことで自信になって今の強さがあると思います。私は彼女の胸を借りるつもりで走りたいです。
山口:ガールズケイリンの10周年を記念してのレースですが、ガールズ3期生でデビューされてここまではいかがでしたか?
小林:デビューして8年目になりますが、先輩方が積み上げてきたものがこの10周年に繋がっていると思います。更にその先の20周年に向けて盛り上げていけるように、節目の年をレースでも盛り上げたいです。
山口:オッズパークもガールズケイリンのメインスポンサーとして盛り上げていると思いますが、それについてはいかがでしょうか?
小林:ガールズケイリンのメインスポンサーになっていただいていて、より新しいお客さんを呼び込んで来られるようにしたいですし、この平塚のレースもたくさんの方に見てほしいです。
山口:平塚は今年のガールズグランプリ開催地ですし、良い印象で終わりたいですよね。
小林:はい、グランプリ開催のバンクですから、もちろん年末へ向けてもやっていきたいです。私たちの期は卒業記念レースが平塚でした。初めてお客さんの前で走ったレースだったのでとても思い出もあるバンクです。
山口:今の目標は何ですか?
小林:ガールズケイリンとしては、再びグランプリの舞台で優勝したいです。そのレースが先行なのかまくりなのかはわかりませんが、2015年以来の優勝ができるように、もう一度頑張りたいです。
山口:ありがとうございます。では最後にオッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
小林:いつも応援ありがとうございます。もう少し競技中心の生活になると思うんですが、ガールズケイリン選手として走る時はしっかり車券に貢献できるように走りたいです。これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
2022年5月に和歌山競輪場で開催された『オッズパーク杯』で見事デビュー初優勝をされた青木美保選手(埼玉118期)。初優勝の喜びとレースの振り返り、またデビューからここまでなどを振り返っていただきました。
山口:まずは和歌山での初優勝、おめでとうございます。
青木:ありがとうございました。
山口:初優勝をした率直なお気持ちを教えてください。
青木:まさか優勝できるとは思ってはいませんでした。びっくりです。
山口:予選の2日間は振り返っていかがでしたか?
青木:自転車のスピードが出ていたので、調子は良いのかなと思っていました。
山口:続いて決勝を振り返っていきます。戦法としては前々を意識されているように思いますが、ご自身ではいかがでしょう。
青木:そうですね。前の方にはいられるように意識しています。後ろから一気に捲れる脚はまだないので、前々を心掛けています。
山口:では先行した石井貴子選手(東京104期)の2番手は良い位置でしたね。そこからはどう組み立てようと思いましたか?
青木:後ろの選手の仕掛けに合わせて出ていこうと思っていたんですが、石井選手の先行が強すぎて、最後なんとか差せた感じでした。
山口:そうでしたか。石井選手も2着でしたもんね。
青木:何とか抜きたい!と必死に踏みました。
山口:後方の選手とはかなり車間が空いていましたが、把握されていましたか?
青木:いいえ、それは気づいていませんでした。久米選手が日野選手をおさえているな、くらいでその後は全く見えていませんでした。なかなか捲りにこないなあとは思っていたんですが、最後は前だけを見ていました。
山口:これまで何度か決勝2着がありました。1月の大垣では写真判定タイヤ差で2着でしたね。
青木:そのレースはすごく悔しくてよく覚えています。
山口:接戦でした。
青木:はい、でも最後は差されたのがわかったので、思わず「あぁ~」と声が漏れてしまいました。
山口:初優勝、というのはどのあたりから意識していましたか?
青木:優勝したいとはずっと思っていましたが、「和歌山で今回こそ優勝するぞ!」という気持ちはありませんでした。まだ先だろうな、と。
山口:そうでしたか。優勝して周囲の皆さんの反応はいかがでしたか?
青木:いろんな方から「おめでとう」と言っていただけて、すごく嬉しいです!
山口:SNSでもいろんなガールズ選手が「初優勝おめでとう」と投稿しているのを拝見しましたよ。
青木:そうだったんですね!それは知らなかったので、嬉しいです。
山口:では、ここで選手を目指したきっかけなどもお伺いします。青木選手はお父様、お祖父様が選手だったんですね。
青木:はい。でも「普通よりは競輪を知っている」くらいで、選手になりたいとは思っていなかったです。
山口:きっかけは何だったんですか?
青木:ずっとバレーボールをしていたんですが、ガールズサマーキャンプ(自転車初心者でも気軽に参加できる夏合宿、プロ選手を何人も輩出)で初めて競技用の自転車に乗りました。その時に「楽しい!」と思ったのがきっかけです。
山口:初めて乗った時はいかがでしたか?
青木:自分の想像以上にスピードが出て、とても楽しかったです。そこから父に「ガールズケイリンをやってみたい」と話しました。最初は反対されたんですが、いつの間にか「適性試験受けてみたら?」と許可してくれて合格できました。
山口:師匠の茨木基成さん(元選手・東京所属)との出会いはどんな形でしたか?
青木:父の練習仲間で、その縁で面倒を見てもらうようになりました。
山口:師匠と同じく東京登録にしよう、とは考えていなかったんですか?
青木:それは全く思っていなかったです。父も埼玉でしたし、茨木さんは東京登録ですが西武園で練習をされていたんです。
山口:どんな師匠ですか?
青木:私が自転車初心者だったので、1から全部教えていただきました。すごく優しい師匠です。何もわからない私の面倒を見てくれて、茨木さんは引退されましたが、今でもバイク誘導など練習を見てもらっています。感謝しかないです。
山口:良い報告ができましたね。
青木:はい。「ありがとうございます、やっと優勝できました」とお伝えしたら喜んでくれました。
山口:適性出身ということですが、卒業記念レースでは決勝進出でした。養成所での手ごたえはいかがでしたか?
青木:結果は出ていたかもしれませんが「これからやっていけるな」という自信はなく、不安の方が大きかったです。同期で一緒にいた方も自転車経験のある選手が多く、自転車のいろんなことを聞いて教わり、入所時よりは成長できたなとは思いました。
山口:デビュー戦のルーキーシリーズ(広島)では連勝で決勝に勝ち上がりましたね。
青木:自分でもびっくりでした。思っていた以上に成績が出ました。決勝は7着でだめでしたけどね。
山口:ルーキーシリーズだと同期たちとのレースですから、デビュー初日に1着を取れる選手は限られている中での1着は素晴らしいと思います。
青木:同期たちだけだったので、「あの選手はこう組み立てるかな」という予想はつきやすかったのもあると思います。走りやすかったです。
山口:本デビューをして丸2年ですが、ここまでを振り返っていかがですか?
青木:もっともっと脚力をつけてパワーアップしたいですね。
山口:昨年は初めて後輩期もでてきましたが変化はありましたか?
青木:特に大きな変化は感じませんでした。私は相手が誰でも、特に戦法が大きく変わらないので、後輩が出てきても普段通りにレースができていると思います。
山口:その戦法を確立しだしたのはいつ頃ですか?
青木:最近です。
山口:そうなんですか。安定して決勝にのっているイメージがあるので意外です。
青木:以前のよくあるパターンが、初日は着が良くて2日目が悪く、成績が安定していませんでした。予選でも2日間、確定板にのれるようになったのは、本当にここ最近です。自分のやりたいことが徐々にできていると思います。
山口:競走得点も近況はずっと50点を超えていますが、意識はしていますか?
青木:もちろん高い方が良く、上がれば上がるほど良いですが、それよりも目の前の一走という気持ちの方が大きいです。
山口:118期の選手たちは、デビュー時から無観客のレースが多かったと思います。お客様の前で走るのはいかがですか?
青木:名前を呼んで応援をしてくれるのは、力になるし本当に嬉しいです。
山口:優勝インタビューもたくさんのご声援ありましたよね。
青木:慣れていなくて緊張したんですが、たくさんいらっしゃっていました。
山口:優勝を経験されて、次の目標は何ですか?
青木:もっと優勝を積み重ねていきたいです。
山口:今の強化するところはどこですか?
青木:ダッシュ力です。飛びつくレースもイメージはしているんですが、理想はもっと「スッ」といきたいんです。5月弥彦の初日は3番手にいたんですが、自分のスピードより後ろから捲る選手のスピードが速く前にはいけませんでした。
そんなレースを少なくしていきたいです。なのでトップスピードも上げたいです。
山口:狭いコースでも突っ込んでいくイメージがあります。それは大丈夫ですか?
青木:はい。全然怖くはないですね。道が空いていたら「空いてる!」とチャンスに感じるタイプです。
山口:それだけ他の選手の動きが見えているんですね。
青木:そうかもしれません、徐々に落ち着いて見えてきていますね。緊張もしているんですけどね。
山口:そうでしたか。では、選手になっての大きな目標は何ですか?
青木:最近は、競輪祭に出たいと思っています。決勝には進めるんですがそこでの着が大きいので、決勝でしっかり確定板にのれるようになりたいです。
山口:理想の選手はどなたかいらっしゃいますか?
青木:強い選手がたくさんいらっしゃるので、いろんな先輩方の良いところを見習っていきたいです。
山口:バレーボールを長くされていましたが、活かされている部分はありますか?
青木:メンタル面ですかね。小学校からバレーボールを始めたんですが、そこの指導が厳しかったので、メンタルを鍛えられました。プレッシャーがかかる部分でも折れなかったり、叱られた時にも「なにくそ!」と踏ん張れているのはバレーボールのおかげかなと思います。
山口:負けず嫌いなのは大切ですね。
ではここからは少しレースから離れた質問です。オフの日は何をされていますか?
青木:ほとんど家にいます。出かけたい気持ちもありますが、のんびりしているといつの間にか時間がなくなってしまいます(笑)。あとは猫を2匹飼っているので、遊んで癒されて、家でも充実しています。韓国ドラマを見るのも好きです。
山口:レースに持っていくものはありますか?
青木:ケアグッズとDVDは持っていきます。
山口:同期で仲良しはどなたですか?
青木:永塚祐子さん(神奈川)です。落ち着いたら一緒に遊びに行きたいです。
山口:ではまたガールズケイリンの話に戻します。練習はどのようにされていますか?
青木:レースの2日前から調整をするんですが、それまではしっかりと練習をしています。
山口:バンクの周長は気になりますか?
青木:33バンクは展開が早くて仕掛けを迷ったら遅れてしまうから特に注意しています。でも特に周長によって苦手なところはないですね。
山口:理想の戦法は?
青木:現状は前々にいて強い選手よりも先に動くのが成績の良いパターンですが、もっと脚力がついてきたら先行で勝てるようになりたいです。自分でレースを組み立てていけるように、ダッシュなどを磨いていきたいです。
山口:拝見できるのを楽しみにしています。それでは最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
青木:確定板に安定してのれるように頑張ります。応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
2022年5月いわき平競輪場で行われた『第76回日本選手権競輪(GI)』の3日目に『ガールズケイリンコレクション2022いわき平ステージ』が行われました。
柳原真緒選手(福井114期)が見事ビッグレースを初優勝!レースの振り返りを中心に、今の練習状況や今後の目標などをお伺いしました。
山口:『ガールズケイリンコレクション2022いわき平ステージ』優勝おめでとうございます!
柳原:ありがとうございます。
山口:優勝して少し時間が経ちましたが、現在のお気持ちはいかがですか?
柳原:優勝後、川崎のレースを走りましたが「負けられない」という気持ちが強かったです。
山口:そうでしたか。でも見事な完全優勝でしたね!ではコレクションについてお伺いしていきます。
今回補欠からの繰り上がりでしたが、繰り上がった時はどんな気持ちでしたか?
柳原:高木真備さんの引退の情報が出てから、自分が補欠なのはわかっていたので繰り上がるんだとは思っていました。率直な気持ちとしては「児玉(碧衣)さんと再び戦えるな」と嬉しかったです。
山口:四日市でのトライアルレース決勝3着でしたが、その開催はいかがでしたか?
柳原:決勝は自分の心の弱さが出ましたね。先行をしたんですが、バックストレッチで思い切り踏み込めず力を出し切る先行ではありませんでした。四日市競輪場は直線が長いので、着を意識しすぎてしまいました。
山口:もっと踏み込んでいれば、逃げ切る、もしくは2着までには残れたかなということですか?
柳原:はい。もし出し切れていたら、残れていたと思います。
山口:いわき平のバンクは2年前のガールズケイリンフェスティバル以来2回目でしたが、どんな印象を持っていましたか?
柳原:フェスティバルの2日目に追い込んで2着という記憶があったので、「そんなに焦って仕掛けなくても伸びるかもしれない」というイメージがありました。
山口:レースの想定などは前々からしましたか?
柳原:組み立てはレースに行く直前に考えました。それまでは、いわき平に自分のベストコンディションで臨めるように練習をしていました。
山口:言える範囲で、どのような調整をされましたか?
柳原:体調面ももちろん重視しました。練習面では、トップスピードを上げることを重視して今までずっと練習をしているので、それは変えずに練習をしました。
山口:単発レースはガールズフレッシュクイーンを含めると4回目ですが、単発レースはいかがですか?
柳原:好きな方だと思います。一走に向けてだけ集中できるので、自分はコンディション調整などもうまく持っていけると思います。
山口:最初のコレクション出場は2年前の伊東温泉でしたが、その経験は今回活かされましたか?
柳原:そうですね。初めてのコレクションでは、緊迫感や空気などコレクション独特のものを感じました。今回はその経験があった分、少し余裕がありました。前日に入った時もインタビュー収録なども緊張することなく終えられました。
山口:レースについてお話をお伺いします。7番手での周回でしたが、どう考えていましたか?
柳原:7番車だった時点で「良い位置は取れないだろうな」と想定はしていました。でも近くに児玉さんがいたので、「位置は悪くない、ここで良いな」と。児玉さんがきっとどこかで動くと思い、それにのって仕掛けようと考えて構えていました。
山口:打鐘が過ぎてもほぼ動きがありませんでしたが、焦りはなかったですか?
柳原:自分でもびっくりするくらい焦りはありませんでした。
山口:そうでしたか!児玉選手が2コーナーあたりから捲って行った時はいかがでしたか?
柳原:自分が「どこから仕掛けようか」と思う前に児玉さんの仕掛けがあり、自分の想定より早かったのでラッキーでした。
山口:児玉選手がまず捲りきって単独で先頭を走っていました。届くだろうというのはどのあたりで感じましたか?
柳原:自分はバックストレッチから思い切り踏んだんですが、まだ踏み込んだ時は児玉さんが遠くて届くかはわからなかったです。でも迷いなく思い切りいきました。
良い感じに4コーナーから吸い込まれ伸びていったので「とらえられるかも」と思い、抜いた時は本当に嬉しかったです。
山口:達成感があったんですね。優勝後、周囲の方の反応はどうでしたか?
柳原:一緒に走っていた選手たちからおめでとうと言ってもらえたのが、すごく嬉しかったです。
山口:ビッグレース初優勝を達成されて、気持ちの変化はありますか?
柳原:「やっと一つ優勝できた」というほっとした気持ちもありますが、それ以上にこれからのレースがプレッシャーのかかる負けられない戦いになるなと感じています。
山口:直後の川崎のレースを拝見して、構えたりはしていなかったように感じました。
柳原:いえ、そんなことはないんです。初日2日目はちょっと構えてしまいました。
山口:初日もなんですね。残り1周では仕掛けてBをつける捲りでしたが、それでも?
柳原:はい。もっと先行した選手の上を越えられるように、一気に仕掛けるレースが理想でした。
山口:そうでしたか。決勝は後ろを大きく離しての優勝でしたね。
柳原:予選2走の状態があまりよくなくて、最終日になんとか修正ができました。決勝は、自信を持って仕掛けての結果だなと思っています。
山口:ビッグレースを1つ優勝して、「もっと勝ちたい」など欲は出てきましたか?
柳原:はい!もっと勝ちたいし、勝ち続けたいと思います。
山口:柳原選手は競輪学校(現・日本競輪選手養成所)時代から好成績を残してこられました。ビッグレース優勝までのプレッシャーはありましたか?
柳原:114期で在校1位と卒記クイーンになり、デビューした直後は肩書きに見合った走り、結果を残さないといけないと感じていました。でもだんだん気にならなくなり、今は自分なりに淡々と練習して成長できているのかなと思います。
山口:戦法の変化もありましたよね。
柳原:そうですね。デビュー直後は先行にこだわっていましたが、師匠(元選手・市田佳寿浩さん)から「そんなに先行にこだわらなくてもいいんじゃない?」と言ってもらってからは、捲りなども増やしました。
山口:練習の変化も、戦法の変化に伴ってありましたか?
柳原:はい、ウェイトトレーニングを取り入れたり、いろいろ変えていきました。
山口:今の強化ポイントはどこですか?
柳原:ナショナルチームの選手たちのトップスピードがすごいので、まだまだトップスピードは強化したいです。
山口:賞金ランキングが取材時(5月半ば)では1位ですが、年末のオッズパーク杯ガールズグランプリのことは考えますか?
柳原:そうですね、まったく考えないことはないですが、それよりも11月の競輪祭までしっかり走りきらなきゃなという気持ちです。
山口:去年までのグランプリへの意識と、ビッグレースを優勝した今の意識は違いますか?
柳原:1月からしっかり賞金を積み重ねてグランプリに出場したいとは毎年思っていますが、今年は1つビッグレースを勝てたので去年までと比べて少しだけ出場が近づいているのかなと思います。
賞金の面で少しだけ余裕は持てていますが、さっきも言ったように怪我無く11月まで走りきりたいですね。
山口:今後の目標は何ですか?
柳原:毎年7月のガールズケイリンフェスティバルでなかなか結果が残せていないので、そこで良い成績を残したいです。そして今年はしっかりグランプリ出場を決めて、その後にグランプリに向けて対策していきたいです。
山口:レースについてお伺いします。レースの組み立てなどはいつ頃考えますか?
柳原:単発のレースだと組み立ては考えて行っていましたが、普通の3日間の開催だとある程度の想定だけです。後は初手の位置や他の選手の位置などで先行なのか捲りなのか組み立てています。
山口:組み立てがうまくいったベストレースはありますか?
柳原:まさに、いわき平のコレクションです。今までにないくらい、今思い出して自分でありえないと思うくらい、冷静に走れました(笑)。
山口:(笑)大事なところにピークが合わせられたんですね!
柳原:はい。気持ちのピークもうまく合わせられたと思います。
山口:普段は緊張するタイプですか?
柳原:はい、ものすごく緊張します。だからいわき平は「ありえないくらい緊張していなかった」のがびっくりでした。
山口:そうでしたか!普段はどうやって緊張をほぐしていますか?
柳原:自分はある程度の緊張とプレッシャーがある方が力を発揮できます。そのバランスの一番いい部分を、ガールズケイリンで4年間走ってきた中で調整して、ようやくわかってきたな、という感じです。
山口:良い意味での対処の仕方がわかってきたんですね。ではここからはレースから少し離れた質問です。オフの日は決めていますか?何をして過ごしますか?
柳原:はい、決めています。今年に入ってからは、グランプリが見えるような賞金ランキングの位置にいるので、オフの日はマッサージをしてダラダラして、と体を休めています。
山口:意識が変わったんですね。では、今年はそのような過ごし方が続きますね。
柳原:そうですね。しっかり休めてまた頑張りたいです。
山口:先ほど少しお話が出ましたが、師匠の市田さんから「弟子の練習メニューを考えている」という話を聞いたことがあります。柳原選手も練習メニューは考えてもらっているんですか?
柳原:いえ、基本的には自分で考えて、それを市田さんに確認、修正していただいています。
山口:どんな存在ですか?
柳原:父親のような存在で、公私ともにお世話になっています。
山口:コレクション優勝をご報告した時はどんな感じでしたか?
柳原:いわき平から直接、師匠のもとへ行き優勝を報告させていただきました。「よかったな」と言ってくださって嬉しかったです。
山口:そうですか。素敵なお話ありがとうございます。では最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
柳原:今回ビッグレースを一つ優勝することができましたが、これで満足はしていないので、もっと普通開催で1着をしっかりとり車券に貢献して、皆さんに信頼してもらえるような選手になろうと思います。また応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA