浜松所属の32期。全国屈指のスタート巧者。大きな舞台でも得意のスタートを決めレースを盛り上げている。そんな鈴木選手が伊勢崎、浜松と2節連続完全Vを飾った。意外なのが約4年ぶりの優勝になったということ。車はどんな状態だったのか、今後の課題、目標などもお話ししていただきました。
(取材日:2022年3月1日)
インタビュー / AKI
AKI:伊勢崎、浜松と2節連続完全V!おめでとうございます!
鈴木:ありがとうございます!
AKI:まずは、伊勢崎についてですがエンジンは何か扱われていたんですか?
鈴木:実は何もしてなくって。伊勢崎の前の節も晴れに関しては良かったと思います。ただ、足回りに関してはセッティングを変えて凄く乗りやすくなっていました。というのも、年末にやっしー(伊勢崎32期:松本やすし選手)がフォークのダンパーにダメなパーツがあることを見つけてくれて。そのパーツを年末の川口の開催中に替えて優出することができました。そこから、新しいパーツで少しずつセッティングを合わせていって今にいたる感じです。
AKI:ダンパーはどのようによくない状態だったんですか?
鈴木:全然気付かなかったんですが壊れてたみたいで。けど、やっしーの言葉は今でも信じてません(笑)
AKI:けど、松本選手の言葉で乗りやすくなったんですよね?(笑)
鈴木:はい。かなり乗りやすくなりました(笑)
AKI:鈴木選手はハネ持ちですが、フォークの不具合が見つかってからはだいぶ良くなったということですか?
鈴木:タイヤを選べば、ですね。今までの状態からするとかなり乗りやすくはなっています。
AKI:そうなると、エンジン自体はかなり良い状態だったんですね!
鈴木:そうですね。エンジンはほとんど扱わず良い状態が続いていました。足回りがしっくりきて良くなった感じです。
AKI:前検日の動き、手応えいかがでしたか?
鈴木:日中の練習では少し違うというか、暑いと合っていないかなという感じ。物足りない感じでした。なので、レースは夜で良かったと思います。昼間とは全く違う動きをしてくれました。試走も上がりも良いタイムが出ました。
AKI:試走から本当に良いタイムが出ていましたよね!優勝戦では試走3.26というタイムでした!
鈴木:試走3.26はベストタイムだったみたいです。ただ、感触はもっと出てると思ってました(笑)それに3.26がベストと思っていなかったので、もっと出したことあるものだと思っていました(笑)
AKI:体感はかなり良かったということですね!
鈴木:かなり良かったです。ここ最近で1番手応えはありました。
AKI:スタートには定評がある鈴木選手ですが、伊勢崎ではしっかり連日0台のスタートでした。タイミングからバッチリという感じでしたか?
鈴木:実はタイミングを普段から気にしていなくて。みんなには理解してもらえないんですが(笑)3秒前から自分のリズムで切っています。みんなは「時計の三角に針が入ったら切る」と言いますが自分は見ていません。時計は3秒前まで見て、その後は自分でカウントして切ります。フライングを持ってる時は3秒前の少し前からカウントします。
AKI:凄い感覚ですね!タイミングが揃ってると言うことは感覚バッチリ!
鈴木:なのかな?浜松もLEDの時計に変わったけど特に違和感はないです。浜松の時計は他のレース場よりも少しタイミングが遅くなると言われていますが、その感じも変わりませんし問題はないです。なので、早く切りたい時はそのリズムを自分の中で早くするだけです。なんて言うのかな、吹かし方のリズムですね。
AKI:その自分の中でのリズムでスタートを切った後、勢いよく伸びていきますが近況の切れはいかがですか?
鈴木:少しムラがありましたね。今でも若干あるかな?伊勢崎と浜松の優勝戦では切れたけど、練習では切れなかったり。ただ、浜松に関してはスタートの感触は良かったですね。
AKI:伊勢崎での優勝が意外にも2018年3月以来の優勝ということで約4年ぶりの優勝でした。そのあたりのお気持ちはいかがですか?
鈴木:ずっと優勝できてないのが嫌で。本当に優勝できなかったから。足回りの弱さですね。初日良くても、タイヤを交換したらガクッと崩れるというのが多かった。それが、年末のパーツ交換からセッティングが合ってきて優勝できました。優勝できたことにびっくりしましたし、めちゃくちゃ嬉しかったです。
AKI:その後、地元浜松に戻っても勢いは止まりませんでしたね!
鈴木:ですね。伊勢崎もですが、車が扱いやすくなった分ハネもなく行きたいところに行ける様になっていました。車は完璧に近い状態でしたね。浜松では日中でも冷え込んでくれたのが良かったですし、伊勢崎より感じは良かったかもしれません。伊勢崎は寒いのに少し滑る感じがあったんですが、浜松は暖かい割には滑りもなく乗りやすいなぁと言う感じでした。
AKI:その浜松でも上がり3.357という好タイムが出ましたね。
鈴木:そうですね。凄く良い流れで2節連続完全Vをする事が出来ました。6連勝というのも初めてのことなので嬉しいです。後は、1着を早く沢山取りたかったので。
AKI:というのは何か目標があるんですか?
鈴木:自分のライバルは友和(浜松32期:中村友和選手)で。今まで全部負けてるんですよ。初勝利、初優勝、最重ハンデになったのも友和が先。1着回数、100回、200回に先に達成したのも友和が先。ちょっと前に友和が200回超えてそれを追いかけていたんですが、やっと1着回数を超えることが出来たんです。一つ越えました。後は優勝回数が友和が7回で、自分が4回、ここも意識しています。
AKI:凄く良い勝負してますね!ただ、スタートは勝ってませんか?
鈴木:そうなんですけど、スタートした後が遅いんでしょうね(笑)けど、お互いにスタートのことを聞かれたら教えたり、レース道中のことを聞かれたら教えてもらったり、切磋琢磨しています。
AKI:1着回数で前に出ましたが、次はどこを狙っていきたいですか?
鈴木:優勝回数と、グレードですよね。まだ二人とも記念を取れてないから。まだ記念を取れるほど仕上げ切れない実力なんでしょうね。
AKI:その記念優勝に向けて足りない部分、課題というのはどのあたりにあると思いますか?
鈴木:今まではハネが全くない状態で記念の優勝戦に乗れたことがありませんでした。なので、今の状態で乗ってみたいのもあるし勝負できる気がします。後は、天気ですよね(苦笑)やっぱり雨は苦手意識があります。なんでみんなアクセルを開けれるのかわかりません。なんで滑らないの?と。多分車の押さえ方なのかなんなのか。毎回違うセットでは行くようにはしているんですがなかなか上手くいかないですね。ただ、斑走路は割と得意意識があります。少しでも白い部分が見えてくれてた方がいいです。全部が濡れてる方が滑りが気になります。
AKI:雨の心配はありますが今の状態でのグレードレースが楽しみということで、間も無く山陽の特別GIプレミアムカップがありますね!
鈴木:晴れなら楽しみなんですけどね(笑)どこまで戦えるか、頑張りたいです。
AKI:課題のお話をお聞きしましたが、明確な目標は?
鈴木:やっぱり記念の優勝です。瑞季(川口32期:小林瑞季選手)も記念を2本目獲ったし。言い方が悪いけど養成所から考えると「瑞季が取れるんなら自分も。」という気持ちはあります。GI、SGとタイトルを取れる様になりたいです。それに、師匠(浜松21期:馬場雄二選手)がGIを取っていていつも言われるんですよね。早く取れと(笑)なので、GIと師匠の通算優勝回数6回を超える事が目標です。
AKI:去年はSGオールスターで優出もありました。SG準決の壁は感じますか?
鈴木:やっぱり壁はあると思います。けど、気持ち的にはそこまでなくって。僕は短ハンデの方が得意なので、人が前にずらっといるよりはグレードの方が良いです。だからこそ、今年の足回りでグレードレースをいっぱい走りたいなぁと思っています。年末の王座決定戦にも出てみたいですし。昨年末は身近で見ていて悔しい気持ちがありました。ポイントも持っていたし完全に手の届かない場所ではないと思ったので余計に悔しかったですね。なので、今年は年末も視野に頑張りたいです!
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
鈴木:スタートは今まで以上に切れるように、桁違いのスタート見せれるように。そして、ハネが直ったのでレース道中ではたれず信用してもらえる様なレースをしたいです。そして、オートレースは捌いていくところが見てて1番面白いと思うので、そんなレースが出来る様に頑張ります!!これからも、応援よろしくお願いします。
(写真は伊勢崎オート、浜松オートFacebookより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
伊勢崎所属の31期。2021年のスーパースター王座決定戦で優勝、3連覇を決めた。2021年にはグランドスラムも決め充実の2021年となった。今年に入っても勢いは変わらず、今年最初のGIでも強さを見せつけ優勝。良い流れを作り、すでに今年3度の優勝(2022年2月16日時点)を飾っている。去年、今年と青山選手自身はどう思っているのか。お話をうかがいました。
(取材日:2022年2月16日)
インタビュー / AKI
AKI:まずは年末スーパースター王座決定戦、優勝おめでとうございます!3連覇!好相性の大会ですね!
青山:なぜか分からないけどSGで1番優勝している大会です。相性はあんまり考えたことはないですが。
AKI:今回の大会は、決定戦は3番目の選択順で1枠が空いてました。
青山:そうなんです。予選道中で苦しんでいたので少しでも内枠がいいなぁとは思っていました。けど、まさか1枠が取れるとは思ってなかったので良かったです。
AKI:苦しんだ予選ということは、良い状態という感じではなかったんですか?
青山:そうですね。初日1着で良かったんですが、2日目以降がスタート行ってやられるというのが多くて。なので、4日目終わってセッティングを大きく振って夕方練習に行ってみました。すると、感触が良くなっていて。11Rを走ることが多かったので、王座決定戦のレース前も半信半疑な感じでした。こんなんじゃダメかな?とも思ったけど練習が良かったのでその感触を信じていきました。
AKI:そんな中、臨んだレースは黒川選手がトップスタートを切ってそれに続くかたちとなりました。あの辺りの気持ちはいかがでしたか?
青山:クロちゃん(川口33期:黒川京介選手)のスタートは想定内でした。行かれちゃうかなと思っていたし、上手くいけばトップスタート、という気持ちでした。スタート行ければ抜かれないだろうとも思っていたので、そこまで深くは考えていませんでした。どちらにしろ、王座決定戦のメンバーでスタートは行かないと!とは思っていたので、まずは自分のスタートを切ろうという気持ちです。
AKI:スタート後すぐに黒川選手を捉えて先頭に立ちましたね!
青山:なんとなくクロちゃんが跳ねていて。一度体勢作ってと考えていたんですが上手く行けちゃって。5日間の中では乗りやすさがありましたね。けど、結構周回が残っていたので耐えられる自信はありませんでした。最初周回盤見た時は確か「8」だったんですが、捌いたのも早い段階だったし感覚的にも「ですよね」と思いましたね(笑)そこから、滑らさないように、自分のペースというか。千切って勝つという展開はなかったし、12Rになってエンジンがどうなるか分からなかったので、コースを外さないように自分の走りに集中して走るようにしていました。
AKI:青山選手は抜かせない走り、選手の方の抜きづらいと言いますが、青山選手自身は抜かせないという技術に関しては向上しているなと感じますか?
青山:それは、、、あまり?(笑)抜かれちゃうこともあるし。抜かれないように一生懸命走ってるだけです。本当は先頭に立ってペースを上げて走れたら良いんですけど。なので、自分的にはスピード戦で勝てたらいいなぁと思っています。
AKI:昨年はグランドスラムもデビュー最短で達成されました!改めて2021年振り返っていかがですか?
青山:成績だけでいうと、グレードの優勝や記録を作ることができたけど、一昨年の方がエンジンが良くて思ったようにレースが出来た印象です。調整で悩む時間が去年の方が多かった。パーツ交換も結構したし、下回りもしました。一昨年は2回くらいしかしていないんですよね。スーパーハンデでも戦えたくらい良い状態だったんですけど、そこから考えると2021年は少しエンジン状態を崩しやすい、少し状態を落としてしまったなぁという1年でした。ベースの状態としては良いんですけどね。2020年がとにかく良かったのでそこの比較ではという感じです。やっぱ上を求めてしまいます。
AKI:ただ、今年最初のグレードのGIシルクカップでも優勝を決めましたよね!
青山:そうですね。昨年から変わらない感じで来れてます。
AKI:優勝戦ではすごいスタートも決まりました!
青山:そうでしたね。スタートがめちゃくちゃ切れました。シルクのようなスタートが切れたら誰にも負けないくらいのスタートは持ってると思っています。けど、あそこまで良いスタートはなかなか切れなくって。なんであの優勝戦で出たんだろうと思うくらいたまたま出ました。超抜スタートが出る頻度は今も昔も変わらないんですけど、少し安定してきたかなぁとは思います。以前は、少し切れなくなると欲をかいてセッティングを変えてみたりしてたんですが、今は切れた時のセッティングのまま大きく扱わないようにしています。ムラの幅は小さくなっていると思いますよ。
AKI:今年すでに3回の優勝をしていますが、ご自身ではどう感じますか?
青山:そうですね。3回も優勝出来ていますし、流れは最高ですね。
AKI:5期連続のNo. 1というのも決まりました。以前はNo. 1のプレッシャーを感じるというお話もありましたが、現在はどうですか?
青山:今は何もないです。最初の頃はちょこっとあったけど今は特になし!(笑)って言ったら変だけど。いつかは抜かれるものなので、1番でも2番でも、3番でも一緒かなと思います。たまたま半期の成績が良かっただけで、何位でもやることは変わらない。負けたくない気持ちはもちろんありますけど、No.1にこだわらず、No.1だからこれをしなきゃというのはないです。記録にもこだわるタイプでもないですし。頑張った先に記録があるだけです。けど、負けず嫌いは間違いないです!
AKI:2020年、2021年とお話をいただきましたが、今年はどんな1年にしたいですか?
青山:毎年"去年以上に今年は上を目指す"という気持ちで走ってはいます。ただ、2020年と2021年の比較だと難しいですね。毎年SSを区切りに走っていますが、オートレースはシーズンオフがある訳でもなく次の年のレースもすぐにきてしまいます。選手でいる限りはこの生活を続けなければいけないので、毎年の目標とかは難しいですね。ただ、1着を取っても100点のレースってのは自分の中でなくって。イコール反省点はある。エンジンに関しても、走りに関しても、ああしとけば良かったなというところが出てくる。そう言った意味で一個一個消化していくことを続けていって確実に少しずつでも成長していきたいと思っています。
AKI:青山選手のレベルまでいくと高いところのさらに上のレベル、かなり大変な作業ですよね。
青山:そうですね。もうここまでくると下がる一方になってくる。これは自覚していることで、いつ崩れ落ちるか分からないと思っています。自分自身が崩れる場合もあるし、クロちゃんみたいな下からの突き上げもある。自分がデビューした当時の一線級の選手より、今は自分が外で走れている、追われる立場になっているということ。いつかは抜かれてしまいます。そうならないように今は頑張るしかない。若さには勝てないと思うので、それに対抗できる努力、先輩の真似をして、自分のできる限りのことをして。諦めるのは簡単なので、5、10年後に繋がっていくよう、目の前にあるチャンスを掴めるように、日頃から頑張って少しでも成長していきたいと思います。自分は1着だけがズゴイ事ではないと思っていて。No. 1以外にもすごい選手はいっぱいいるし、いろんなことを感じて走ってる選手はいっぱいいる。自分だけが大変じゃないですし、これからもいろんな先輩の姿をしっかり見ていきたいと思います。
AKI:以前もモチベーションを保つことの大変さをお話しされていました。現在もモチベーションを保つことは大変ですか?
青山:やっぱり大変ですね。なので、レースが終わるごとに切り変えて、休みの時は仕事のことはなるべく考えずに、休みを満喫するようにしています。家族との時間を大切にしています。ただ、子供も少しずつ大きくなってきて、親と遊ばなくなるから少し寂しいですね(笑)なので、しっかり家族との時間を大切にして。後は、コロナもまだまだ落ち着いていないので、走れる有難みを忘れずに頑張りたいです。後は、選手みんなに言えることだと思うんですが、オートレース、競走が好きなので今はそれがモチベーションですね。
AKI:青山選手はSNSでファンの方の応援コメントにお返事をされたりしてますよね!
青山:自分ができることはしたいなぁと思っていますし、応援の言葉は本当に有難いです。この世の中、皆さん大変な訳じゃないですか。その中で車券を買って、頑張って下さいと言われると励みになりますし嬉しいです。今はお客さんがレース場で楽しめるから良いんですが、去年は見れない期間もあって。なんかのグレードレースを優勝した時が無観客ですごく寂しかったのを覚えています。全然雰囲気が違いましたね。正直、見られてるプレッシャーもあるんですが、いざ無観客でレースをしてみると応援してもらえる有難みをすごく感じました。声援でレースを盛り上げてもらっている、お客さんの存在は本当に有難いです。改めて大切さに気付かされました。
AKI:話は変わりますが、来年度もオッズパークとのスポンサー契約が決まったんですね!
青山:はい!おかげさまで2年目もスポンサー契約をして頂けることになりました。今はイベントが出来ないのが残念ですが、コロナが落ち着いた時はイベントもどんどんしていきたいですね。なので、イベントが出来ない分良いレースを見せていけるように頑張ります!
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
青山:まだまだ、コロナ禍でファンの方との交流は出来ないんですが、走りと車券、今出来ることでの貢献を。そして、またイベントなどができるようになったら、皆さんと交流出来るように、オッズパークさんを盛り上げていけるよう頑張ります!これからも、よろしくお願いします。
(写真は川口オート、伊勢崎オート提供)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。