浜松所属の29期。SG全日本選抜オートレースとSGオートレースグランプリで優勝経験のあるSGタイトルホルダー。浜松を代表する選手です。今年も、年末のスーパースター王座決定戦のトライアル戦への出場を決めました。しかし、ここ数年スーパースターでは不運が続き苦い経験ばかり。その不運を断ち切るためにも今年は今までとは気持ちを変えて、強気で走る事を決意。スーパースターへの想いをお聞きしてきました。そして、オッズパークさんのCMにも出演中の金子選手。CMについてもお聞きしてきました。
インタビュー / AKI
AKI:今年のスーパースタートライアル戦の出場が決まりました。お気持ちはいかがですか?
金子:んー、正直いうと出れても出れなくてもどっちでも良いなって。一回休憩という気持ちがありました。ここ数年流れも悪いし。一回SS(スーパースター)を外から見て、また来年出れるように目指していくでも良いなと思っていたんです。今年の全日本選抜くらいまではポイントもなくて。周りに「お前大丈夫なの?ポイントないんじゃないの?」と言われていて僕は「どっちでも良いんです。」と言っていたんですが、結果優勝戦に乗れちゃってSS出場が来ましたね。
AKI:ここ数年SSでは何かしらハプニングが起きていましたよね?
金子:そうなんです。最初はレース中にプラグが飛んで足にあたって。何とかゴールしたんですが怪我をしてしまいました。次の年は、最終日の王座決定戦での落車。複数落車で、見た感じは自分が一番危なくない落ち方だったんです。けど、靭帯を切って結果一番大怪我を負ってしまいました。たまたま良い先生にあたって。手術をせずに治すことが出来て、今は違和感無く走れています。そして、3度目は王座決定戦のスタート直前にメインジェットの整備不良が見つかり欠車。4度目は落車。
AKI:魔物が住んでますね。
金子:魔物というか、いつもの自分と違うんでしょうね。精神的に。中村さん(川口28期・中村雅人選手)も3年連続で落車しているんですが、中村さんは凄く上手い選手なんです。本当に。僕と違って精神的にも変な感じで臨んではいないと思う。それでも何かが起こる。何かが起こるって事は...
AKI:何かがあるんでしょうね。
金子:うん。なので、今年は乗れなくても...という考えがあったんです。
AKI:けど、最後の1人。ポイントギリギリで乗る事が出来ました!
金子:そうなんすよ、吸い寄せられるように(笑)
AKI:そういう風になってるんですよ!きっと!(笑)
金子:出ると決まる前までは出れなくても、と思っていたんですが。けど、1つだけ。有吉さん(飯塚25期・有吉辰也選手)が出たいとずっと言っていて。特に今年は調子も良かったし。けど、全日本選抜の優勝戦で落車されて。「最後のチャンス、日本選手権があるじゃないですか!」という話をしたんです。けど、準決で僕と同じレースになって、僕が優出を決めました。なので、有吉さんが出たかった分も責任を持って。中途半端な気持ちでは走れない。その責任だけはキッチリ果たします。
AKI:有吉選手、このインタビューでもSSへの想いをお話しされていました。
金子:そうなんですよ。昨年からSSに出たいという話をしていて。僕も有吉さんの復活が嬉しくて。
AKI:有吉選手とは結構交流があるんですか?
金子:はい。プライベートで家族旅行に行ったり、よくしてもらっています。それに、有吉さんの気持ちが凄く分かった。乗れていた人が大怪我で乗れなくなって。辞めたくなる気持ちも分かったし。プライドもあるし。自分に対して歯がゆい気持ちもあったと思います。復帰後もたくさん落車をされていて、その度に僕も心が痛んでいました。怪我をされる前の有吉さんは本当に無敵でした。本当に凄い。レースも上手いし速いし。本当に天才だと思いますよ。だからこそ、あんな大怪我をしても今は乗れている。普通の人だったら乗れないですよ。あとは、頭の柔らかさもありますよね。みんなと同じ競走車だと乗れないからサドルの高さを変えたりとか。そういうチャレンジ精神もあるし。硬い人だったら出来てないですよ。そういう有吉さんを身近に見ているからこそ、自分がSSに出るからには!ですね。
AKI:何か今までとは違う気持ちで、という感じですか?
金子:4年前からいろんな事がSSで起きていたの、昨年は着云々ではなくしっかり走り切ろうと。ゴールしようという思いで走っていました。そしたら、2日連続で落車。1回目の落車の時は「今年もかー」と思った。ただ、その時点では勝ち上がりもあったし、周りも手伝ってくれたし頑張ろうと。けど、次の日の落車では首とか体が痛くて。そして、心も複雑骨折ですよね。結局それで帰って後日検査したらあばらが折れていました。去年は身も心も粉砕されました(苦笑)
AKI:なるほど。今年は気持ちを変えて!ということですね。
金子:はい。同期の山浦(浜松29期・山浦博幸選手)と年末の話をした時に「去年は無事ゴールと思って走ってあんな結果になった。元々自分は弱気な性格じゃない。今年は常にゴリゴリ行ってやる!」と言いました。そしたら山浦は「うん!それで良いんだよ!」と多分他人事でした(笑)けど、去年と同じ気持ちでは絶対ダメだと思うので、気持ちは変えていきます。僕は守りに入るとダメだと思うので。初日からゴリるつもりです!!
AKI:前向きになっている感じですね!
金子:そうですね。気持ちをしっかり持ってゴリゴリ行きます!
あとは、2年前のSS王座決定戦の時。メインジェットの時ですね。肩を落として帰ってきたら、永井さんに「お前走らなくて正解だったよ。俺も昔試走で落ちたことがあって。その時知り合いに言われたのが、「神様が助けてくれたんだぞ。レースはしってたらなにか物凄いことが起こってここにいるか分からない。大きな事を避けられたんだよ。」と言われた。だから、お前も後ろ向きにならなくて良いんだよ。走らなくて良かったよ。」と言われて。ウルウルきちゃいました。今でも考えるとウルっときちゃうんですけど、当時はその言葉に助けられました。そう考えるとマイナスではなくって、プラスというか。もしかしたらレースに出ていたら死んでたかもしれないし、選手生命を絶たれてたかもしれないし、良かったと思えた。なので、前向きに!変な気持ちではいきません。ゴリゴリいきます。
AKI:近況のエンジンはどうですか?今年はSSの舞台川口オートでは初めての優勝を飾りましたが。
金子:そうなんです。やっと川口で優勝する事が出来ました。なぜか、川口はなんかダメなんですよね~。
AKI:何が原因だと思いますか?
金子:まずは走りづらい。景色というか、ひらけているレース場の方が好きです。川口だけなんか違う。距離感とかバンクの傾斜とか...なにか違和感を感じます。エンジンが合わせづらい感じもあるんですが、ただ走りづらい。上手く走れないです。
AKI:優勝回数が物語っていますよね。
そうなんです。なので、この前優勝できた時は「よっしゃー!!!これで、全場制覇!!!!」ととても嬉しかったです(笑)選手15年目で川口では初優勝。いやー、本当に嬉しかったです!
AKI:SSは川口での開催ですもんね。
金子:そうなんです。なので、別の場での開催もあってほしいです。けど、今年はゴリゴリ。克服できるかは分からないですが、一般開催では優勝もできたしゴリゴリ行きます!!
AKI:改めて、今年を振り返るとどうですか?
金子:去年のSSで2回落ちてから、今年は引きずりましたね。2回落ちると気持ち的にも成績も上がってこないんです。色々噛み合わなくなるというか。周回誤認もしてしまいましたし。今年の低迷は本当に長かったです。そういう時期というか、上手くいかない時期なのかもですね。
AKI:けど、川口での優勝で少しは盛り返してきましたか?
金子:そうですね。少しだけ良くなりました。春夏は良くなく、秋冬は良くなってきて。エンジンは周りと比較しても凄く劣ってはいないし、点数的には80点くらいですかね。本当に良い人と比べるとまだ足りてないですが。後は、川口に行ってどれだけ合わせられるかです。
AKI:スタートに関しては?
金子:今年はいつもよりはいいかな?例年よりは?色々セッティングを扱ってそれがいい方向に向いてきました。ミスをする事が減りましたね。
AKI:松本選手(伊勢崎32期・松本やすし選手)が重量級なのにエンジンを仕上げる金子さんは凄い!とこのインタビューでお話ししていましたが?
金子:実は僕、エンジンそこまで出せないんです(笑)整備は上手くないので。周りの人には「本当にエンジン出てないね。」と言われるくらい。なんとか気持ちで乗り切っているだけです。ここ最近で一番出ていたエンジンは、昨年の飯塚でグレード獲った時。東小野選手(飯塚25期・東小野正道選手)にも「かねごん久々にエンジン出てたねー!(笑)」と言われました。後は、経験値。どこに車を持って行けばいいのか。毎回同じレースはないので同じところを走って勝てる訳ではないし、その時のエンジンでどう走れば勝てるのか、人を抜けるのかを早めに判断して。ダメなエンジンなりにも着を獲るっていうのは経験だと思います。
AKI:考える力が必要ですね。
金子:そうですね。なので、試走を終えた段階でスタート後の展開、位置取りを考えて行くのが大事。そして、スタート後の2コーナー立ち上がりでいかにスピードを乗せれるのか。ここが重要です。これは、練習からどこまで突っ込めるかを知るのも大切だと思います。荒尾さん(飯塚27期・荒尾聡選手)や永井(川口25期・永井大介選手)さんはこの部分が速いです。この辺の意識は大切です。後は、エンジンが出てない時の負け方も大事で、出てない時にただ負けるのか。それとも考えぬいて試行錯誤をして負けるのか。エンジンが出ている時の3着と出ていない時の3着は全く価値が違います。エンジンが出てる時に勝つのは当たり前、出ている時は絶対負けない!という気持ちで走っています。
AKI:となると、金子さんの課題は?
金子:エンジンを作る事ですね。まじで上手くないので。昨年の飯塚開設記念からエンジンが仕上がったという感じは無いですね。圭一郎(浜松32期・鈴木圭一郎選手)はエンジンを作る事に関してはピカイチです。凄いです。認めてます。整備力は抜けていますよ。
AKI:選手になって15年でも整備は難しいんですね。
金子:本当に難しい。僕のエンジン偏差値40くらいです(笑)圭一郎は大学でいうと東大くらいの偏差値(笑)課題はやっぱり整備力です。
AKI:目標はあるんですか?
金子:ここ何年か納得いく年がなかったので、1年を通して波を少なくし、また良い舞台でレースが出来るようにする事ですね!
AKI:獲りたいタイトルとかはありますか?
金子:良くない状態が続いているので、いきなり優勝とかは考えていません。今はとにかくもっと日の当たる場所で走る回数を多くしていきたい。エンジンさえ整えば良いところで走れる自信があるので、結局はエンジンの安定が重要です。
AKI:話は変わりますが、金子選手と言えばオッズパークさんのCM出てますよね!
金子:なんで僕なんですかね?もっとしっかりした顔の選手もいるじゃないですか!なんで僕なんですかね?(笑)
AKI:面白いからじゃないですか?
金子:面白くないですよー(笑)誰でも出来ると思うんですよ!
AKI:けど、メイキングも面白かったですよ!
金子:やって!て言われるんですよ!帰ろうとしたら止められて、ここで監督みたいにして下さいて言われて!
AKI:やっちゃうんじゃないですか!(笑)さすが金子さん!ファンからの評判良いです!良い動きって!
金子:(爆笑)なんですか!良い動きって!同期から凄くいじられるんですから!(笑)
AKI:そう考えると金子選手っていじられキャラですよね?
金子:うーん、一部の後輩?圭一郎とか青山周平(伊勢崎31期)とか。仲良くなるといじられますね。優しいんですよ。優しさ偏差値55くらいです(笑)
AKI:その優しさはオッズパークさんにもバレていますね!(笑)
金子:そうなんですよ!絶対バレてるんですよ!(笑)
AKI:またCM撮影あれば起用されるかもですね!
金子:いや、僕はもう良いんですよ。こう言うのは、若手にどんどんさせるべきです。僕のを見ても誰も喜ばないですよ!
AKI:そんなことないと思いますけどね~(笑)
それでは、最後に。オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
金子:えっと...レースをしっかり走って、またCMに出れる様に頑張ります!!(笑)
...て、CM出たいんかーい(笑)
最後はノリツッコミ!金子選手らしく締めていただきました!(笑)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
怪我を乗り越えてカネハルがオーバルに戻って来た。
夢に向かって突き進む。女子ナンバー1になる為に!
インタビュー / 内野久照
内野:お帰りなさい。怪我はどういう状況ですか?
金田:2019年1月19日1級車に乗り替わって2節目でした。
スタート事故です。左足の指三本が粉々になっていました。
手術は2回行いました・入院を2ヶ月程しました。リハビリが痛くて辛かったです。
現在は可動域が狭くて広がらない状態です。
レースをしながらになりますが元に戻るようにリハビリは続けて行く中、今度は10月5日川口の練習で落車してしまいました。今度は右足の一部を骨折しましたがレースをする事、走る事には影響ないとお医者さんから判断して頂き直ぐの復帰を選択しました。
また休んで走れなくなる事が怖いので治療に専念するのではなく走る事を決意しました。
怪我をして休んでいる時にファンの方から励ましの手紙やSNSにてメッセージを頂き勇気づけられました。復帰を早めた理由はファンの皆様の後押しもあったからです。
ファンの皆様の存在が大きかったですね。ありがたかったです。
内野:12月27日に行われるスーパースターガールズ王座決定戦について御聞かせ下さい。
金田:ガールズ王座は意識しています。
怪我をしたので予選が2回しか出られなかった。
他の女子より回数が少ない中でしたが伊勢崎ステージで1着が獲れました。
あの時は凄く嬉しかったです。
内野:今の目標は?
金田:新人王決定戦以外ではまだ優勝戦進出が無いので優勝戦に進む事が目標の一つです。
これまでチャンスはあったのに上手く乗れなかったり落車したりとリズムが悪くプレッシャーに弱いのが原因でしょうか?メンタルですかね(笑)
なかなか準決勝戦にも進出出来ていないのでまずはそこからです。
内野:オート界最軽量と言われていますが...。
金田:そうなのですね...。体重は41kgで身長は158cmです。
太らない努力をしていますよ。42kg43kgがベストです。
沢山食べるのですが自分では消化が早いと思っています。
食べる時間帯は気にしています。
結構ガッツリ食べますが夜遅くには絶対に食べません...。
運動もしていますよ(笑)歩いたりしています。
内野:沢山食べるという事ですが、何が好きですか?
金田:焼肉です。
内野:何から食べますか?
金田:タンが大好きです。牛タンのネギ塩を2・3人前ペロッと食べます。
それと石焼きビビンバを最後の締めではなく途中で挟みます。これが美味しいのですよ。
内野:御菓子は何が好きですか?
金田:カラムーチョが大好きです。でも次の日に息が臭くなるのでレース場では食べません。(笑)
内野:レース場に必ず持って行く物は
金田:サプリメント・青汁です。美容系の物です。1日1杯は飲んでいます。
それと持ち歩き用のグミやハイチュウです。
ぶどう味・グレープが好きですね。
内野:これまでスポーツは何をされていたのですか?
金田:3歳から15歳まで水泳一筋でした。全国大会には行きました。
前職は水泳のインストラクターです。
内野:オートレーサーを目指したきかっけは?
金田:高校生の時に生でオートレースを観戦しました。
今でも覚えているのですが5号車の浜松24期伊藤信夫選手が勝ったレースです。
それから信夫選手のファンになって応援していました。
信夫選手は成績が悪くても試走が出ていなくてもどんな時も一生懸命ファンの為に走ります。その走る姿が好きになりました。
内野:試験は何回受けたのですか?
金田:試験は1回で合格しました。オートの試験を受ける前はしっかりと準備をしました。
体力勝負の所もあると思いトライアスロンの練習に参加させてもらいました。
体力強化に挑んだのです。
受験後は合格通知が届いているのかもしれないと毎日ポストを確認していました。
後日通知が届いていて合格した時は凄く嬉しかったです。
両親も喜んでくれました。
姉二人も凄く喜んでくれました。
今まで何かを目指した事がある訳ではなく目標もなかったしちゃらんぽらんだったので、家族皆が応援してくれています。
内野:養成所はどんな所でしたか?
金田:全部が嫌いだった。全てに付いて行けなかった。何回も帰りたいと思った。もちろん帰れないけど早く卒業したかった。
人が出来る事が自分は出来なかった。理解できていなかった。教官から何回も『帰れ!』と言われた。
本当に何も分からないまま10ヶ月が過ぎました。
またデビュー前にはグループの皆さんの指導の下、一からやり直しました。腰回りやハンドルと乗り方まで全部が変わりました。
内野:デビュー戦の事は覚えていますか?
金田:デビュー戦は8着です。シリーズ最終日にデビュー初勝利となりました。
まぐれです。1着を獲った実感はなかったです。ぽかんっとあけらっかんの状態でした。
内野:勝ち星は同期の中でも上位で女子の中では断トツで近況1着量産していますが?
金田:整備もまだまだ理解できていない中やってもらった事、教えて頂いた事がたまたま上手く行ったときに結果が出ただけです。
内野:その中で思い出に残っているレースは?
金田:思い出のレースは新人王の3日目です。ハンデがあって前に人がいる状況で勝てた事が初めてだったので嬉しかった。黒ちゃん(同期の黒川京介選手 川口・33期)が居なかったから勝てたのかも...。
内野:今のハンデ位置はどう思われますか?
金田:現在のハンデが40m前です。2級車の時のハンデと変わっていません。
悔しいですね。認めてもらえない。初日から勝ち上がれない。中々準決勝戦に進めない事もハンデが下がらない原因になっていると思います。
内野:モットーは?
金田:『明るく元気に笑顔で』でしょうか?
内野:あこがれの選手はいますか?
金田:岡谷美由紀選手(浜松・32期)があこがれの選手です。レース場や宿舎で人として尊敬できる方です。
居るだけで凄いというか存在感があります。
それと静かな感じが好きです。
アドバイスもくれるし相談にのってくれますね。
内野:グループの皆様の存在はいかがですか?
金田:指導を受けて泣いたことは何度もあります。ただ引きずらない性格ですし切り替えが早い方です。だから自分は勝負の世界に向いているのだと思っています。
グループの皆には良くしてもらっています。感謝しかないですね。
内野:レース以外の質問になりますが好きな動物は?
金田:動物ですか...? ひょう・虎・ライオンです。強くて格好いいからです。
内野:好みの男性は?
金田:優しい人です。
内野:芸能人でいうと?
金田:反町隆史です。 イケメン好きですかね...。顔を1番に見ますが性格が大切です。(笑)
内野:趣味は?
金田:旅行ですね。ドライブも良いですね。
内野:車は何を乗っていますか?
金田:車はトヨタC-HRを買いました。賞金で買った一番高い物になります。
内野:休みが1ヶ月あればどこに行きたいですか?
金田:ハワイかオーストラリアに行きたいです。
内野:料理はされますか?
金田:料理はしますがセンスがありません。才能無しです。ただハンバーグは美味しいと言われました。浜松には『さわやかハンバーグ』という有名店がありそこの牛100%のハンバーグが美味しくてマネして作ったけど上手く行きませんでした(笑)
内野:車名の由来を教えて下さい。
金田:ファイナリーは安室ちゃんの歌です。安室ちゃんは格好よくて綺麗で可愛い。全部が揃っています。女性として大好きです。
内野:安室ちゃんを目指している意識はしていますか?
金田:目指しているのかな...うふふ(笑)
内野:男性と混合で走る事が多いオートレース。レース直前ピットではどんな感じですか?
金田:ピットの中では目を閉じています。誰とも目は合わせません。
内野:レースではどこでスイッチが入りますか?
金田:青灯・青ランプの点滅から気持ちが入り始め、針が動いているときはすでに集中しています。
ただスタートで落車したのでまだ躊躇しているというか切れるまで時間が必要です。
内野:宿舎での過ごし方も教えて下さい。
金田:女子選手一人の斡旋の時がありました。ゆっくりできるし一人は意外と良いのかもしれないと思いました。
お風呂も次の人を気にしなくて良いですし時間をかけてゆっくり入れます。
部屋ではくつろいでいます。TVを見ていますよ。
内野:自分自身はどんな性格だと思いますか?
金田:負けず嫌い。人から良く言われる。負けるのが好きな人はいないと思う。
人並に負けず嫌いなのかもしれない。
落車してから自分は変わったと思う。気持ちの変化がありました。
レース場に入る前から緊張するようになった。
レース場に向かう車中でも気持ちが入りますね。(笑)
練習もそうレースでも落車する前とは気持ちに変化が出ています。
この緊張感が良い方向にレースに繋がれば結果が出ると思うし成長できるのかなとも思います。
内野:ファンの皆様からは何と呼ばれていますか?
金田:一番多いのは『カネハル』です。
内野:女子選手が増えてきて女子戦も行われる様になりましたが?
金田:女子が増えていますが戦えるというか捌いて勝っている選手が私もそうですが少ないと思います。女子レーサーは厳しいですけど『捌いて勝つ』をテーマに頑張って行きたいです。その為にもハンデが重化・下がる様にならないといけないですね。
内野:デビューしてから整備面はいかがですか?変わったなと思う事はありますか?
金田:最近エンジンの音を聞くようになりました。これまではわからなかった音の違いは分かる様になりました。
まだ何を扱えばどう変わるというのは難しいですが乗りながら1個ずつ確認しながらやって行っています。分からなくてもエンジンの音を聞く事で次に繋がるというアドバイスからそうする様にしました。
私はドドド・タイヤの跳ねを持っているので練習はほとんど跳ねた状態です。エンジンよりも足回りの調整やタイヤ探しに追われている事が多いです。
内野:レース場での過ごし方。朝起きて1番に何をしますか?
金田:ロッカーの掃除と車体掃除から始まります。
内野:ルーティンはありますか?
金田:レースに向かう時は全ての行動を左側から行います。
つなぎを着る時ブーツを履く時はもちろんですが左手左足と左側から行動を開始しています。
それと走る前と後で必ず競走車に一礼します。心から凄くお礼をするというか感謝の気持ちを伝えます。
無事にレースを終えられるのもそうですし勝っても負けても車に助けてもらっているので必ず一礼します。
怪我をしてからレースへの思いや感情が変わったと思います。
整備も練習ももちろんレースに対しても自分自身が変わっていくのが分かります。
仕事に対する姿勢が変わったのは事実です。
内野:まだ優勝がありませんが?
金田:初優勝はしたいですよ。でも今はそこを考えていない。プレッシャーになる。
プレッシャーには弱いのかな...。
内野:改めて12月27日10Rガールズ王座決定戦への思い意気込みを聞かせて下さい。
金田:飯塚のミッドでの女子戦は展開が向きたまたま私が勝ちましたが本当に誰にでもチャンスがあると思います。もちろん負けたくないですが深く考えず一走一走女子戦に向けて頑張ります。
内野:最後にファンの皆様へのメッセージをお願いします。
金田:今は復帰してまだ思い通りの走りが出来ていませんが佐藤摩弥選手(川口・31期)の様に強くて速くて格好良い選手になりたいです。
その為にコツコツ練習してレースに向かって行き経験を積んで結果を求めて行きたいです。
必ず結果を残しますのでこれからも応援宜しくお願いします。
また試走が出ないというか試走が下手なのでご迷惑をお掛けしていますが、沢山練習して試走から出る様にし、お客様に車券を買って頂ける様になりたいです。
車券貢献ですね。恩返しがしたいです。
内野:オッズパークを御覧の皆様へも一言お願いします。
金田:これからも車券を沢山買ってオートレースを楽しんで下さい。これからも宜しく御願いします。
内野:また一人応援して行きたい女子選手が増えました。これからの活躍を期待しています。
金田:ありがとうございました。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。
選手生活9年目に入った鐘ヶ江将平選手に2019年ここまでを振り返ってもらった。大好きだった父親との別れ。辛い思いを乗り越えて待望のSGファイナルに出場。筑豊の若武者が更なるステージに向かい夢を追い戦い続けます。
インタビュー / 内野久照
内野:今年も残り少なくなってきましたがここまでを振り返って頂きたいです。
鐘ヶ江:はい。色々ありましたがSG優勝戦に乗ったことは一番の収穫でした。
内野:では始めにSG初優出を決めた10月に開催された川口SG全日本選抜を振り返って頂きます。
鐘ヶ江:SG初優出を決めた時は嬉しかったですが意外に落ち着いていました。
8周回の準決勝は雨でしたがスタートでハナを奪って8周回気持ちに余裕を持つ事が出来ました。
『全力で行くとタイヤが持たない。このコーナーではタイヤを使わない様にグリップを操作する』等考えながら走る事が出来ました。
内野:初めての10周戦SGの優勝戦はいかがでしたか?
鐘ヶ江:優勝戦10周戦の試走タイムは3.37秒の7番時計で正味のタイムでした。正直いっぱいいっぱいでした。晴れのエンジンは他メンバーと比較になりませんでした。
凄く長く感じたレースでした。初めての10周回は苦い思い出となりました。
ただ今後のレーサー人生で絶対に役に立つ経験をさせてもらいました。
SGの優勝戦SGの10周戦は特別だと感じました。
内野:11月に行われた地元飯塚のSG日本選手権はどうでしたか?
鐘ヶ江:あの時は地元飯塚の選手権で年末のスーパースタートライアル進出へのチャンスがある開催でした。ポイント(SGポイント5点)を持っていないと経験出来ない事です。『出たいな~出られたら良いな~』と思う事が出来る当事者に初めてなれたし、楽しみにしていたシリーズでした。
内野:5日間どんな動きでしたか?
鐘ヶ江:初日は試走3.38秒での惨敗からのスタートでした。悪すぎて少し焦りがありました。
選手権はSG全日本選抜から続いた連続のSG開催でSG初優出を決めた後の開催でしたが、2日目は1回リセットする事を決意しました。SGで優勝戦に出場した事は忘れて一からエンジン調整を始める事にしました。
その2日目は大幅にセッティングを扱って挑みましたがエンジンの限界を感じました。
前回のSG準決勝戦は雨で勝ち上がれただけで晴れの動きはずっと動いていなかったのです。3日目は細かいパーツを交換する流れでしたが年末出場の可能性がまだあったので『よしっ!何かやって行こう』と決意しクランクケースを交換しました。悪ければ原因が分かるし変化が出れば次にどこを扱うか決められると思いました。エンジンは整備の効果もあり多少上向きになりました。
8周戦の準決勝戦は晴れ良走路でした。
晴れで結果が出ていなくて今までが悪すぎる状況だったので急に晴れのコンディションで強豪が揃うSG選手権の準決勝戦では勝つ事は厳しかったです。結果は7着でした。
最終日はトップスタートからレースを作ったけど抜かれて2着になりエンジン的にはもう一つできつかったですね。
結果年末の大舞台には出られない事が確定しましたがそれはそれで新たな目標となり来年はSGのステージで活躍し年末へのポイントを稼ぐ事を決意しました。
内野:2019年前半はいかがでしたか?
鐘ヶ江:今、思えば凄く苦しかった。道中の成績の落ち込み方は酷かったです。
今年はパーツ交換もいつも以上にやりました。でも何も残っていません。やり尽くしました。(笑)半分自暴自棄になり俺なんかと思う事もありました。
ただ過去を振り返る事が自分は大嫌いです。終わった事を振り返っても引きずるだけで意味がない。失敗した事終わった事を教訓にする事だと思いました。
内野:レース以外のお話もお願いします。御出身は?
鐘ヶ江:出身が福岡県直方(のおがた)市です。
内野:野球少年だったと聞きましたが?
鐘ヶ江:小学校3年生から高校生まで野球一筋です。
高校は飯塚の近大付属です。サードで4番でした。福岡県大会まで出場する事が出来ました。高校の監督さんが凄い人で恩師になりますが野球の上達よりも人としての成長を大事にされている人でした。
高校生の頭では理解出来ない事を言っている監督でした。(笑)
今、分からなくても後々分かって行くからという指導方針でした。
当時は何を言っているのか分かりませんでしたが言っている意味が今だからこそ分かる気がします。今思えば凄く監督に感謝しています。
内野:ご自分の性格は?
鐘ヶ江:適当な人間ですがやる時はやります。(笑)
もちろん負けず嫌いです。
デビューしてから何年間はカッとなったりムカついたりする気持ちはしょっちゅうありました。
でもそれはミスに繋がるし無駄な落車が起こります。感情を入れても勝てないです。
誰しもが良い時も悪い時もある。だから悪い時こそ冷静にならないと事故を起こす事、事故をもらう事に繋がると考えています。今冷静になれるのは過去の失敗があるからです。
内野:ルーティンはありますか?
鐘ヶ江:決め事はありません。自分の場合それをしない事、決めない事がルーティンです。決めていてそれで大きな事故が起きてしまうと後悔に繋がる。
『特に何も考えない事』がルーティンですかね(笑)
内野:好きな言葉は?
鐘ヶ江:『楽しんだ者勝ち!』です。
今年亡くなった父の口癖でした。父は『何をするにも楽しんだ者が勝ち。苦しい時や辛い時は誰にでもある。そんな時でも何か一つ楽しい事を見つけて生きて行く奴が強い。』と言っていました。
父は自分よりもすぐ熱くなる人でした。父とはいつも一緒で仲が良かったので亡くなった時はボロボロになるまで号泣しました。死ぬ前まで一切弱音を吐く事がない凄く強い人でした。
その後落ち込んでレースの結果にも出ていました。
『あいつも色々あったので大変だから成績が悪い。』『成績が悪いのは親父のせいだ』と思われたくないので引きずる事は止め切り替えて7連勝する事が出来ました。天国の親父の応援があったからだと思いました。
内野:オートレースとの出会いは?
鐘ヶ江:中学2年生の時初めて飯塚オートでレースを観戦しました。
スピードが凄くて迫力あってカッコよかったです。
いつの時かあれが(オートレース)仕事になったら良いなと思いました。
高校2年生の時に進路指導で『将来はオートレーサー』と書きました。
担任の先生の父親がオートレーサーでした。毎年選手募集が行われていない事は先生が知っていたので『オートレースも進路の一つに入れておきましょう。』と言われた程度で本気にはされなかったです。
高校3年生から実家の近くでアルバイトを始め卒業してからは正社員として雇って頂きました。オートレースの試験があるまで約2年間働きました。働きながら試験を待ちました。
高校3年生の時に72kgあった体重は試験に向けて落としました。-17kgです。
母は反対の様でしたが父は勧めてくれました。
母はストイックに追い込んで痩せて行く自分を見て本気度が伝わり心から協力してくれる様になりました。食事面等でサポートしてくれる様になったのです。選手になりたい自分を応援してくれた一人です。
一度目の試験は30期でした。合否通知がJKAから届いたのですが封筒が薄くペラペラだった。部厚かったら次の案内資料が入っていると思うので落ちた事が解りました。
二度目の試験は31期。封筒が分厚く受かった事を確信しました。
母は泣いて喜びました。自分も夢が叶うという所まで来て凄く嬉しかったです。
内野:養成所はどんな所でしたか?
鐘ヶ江:養成所はきつかったです。悔しい思いも沢山しました。教練は朝早くて冬は寒くて嫌でした。養成所には戻りたくないですね(笑)
内野:デビュー戦はいかがでしたか?
鐘ヶ江:デビュー戦は鮮明に覚えています。
めちゃくちゃに緊張してスタートがものすごく遅かったです。タイミングが0mから0.30だったと思います。スタート後1・2コーナーで並ばれて4周粘りましたが結果6着でした。悔しかったですね。
内野:師匠の越智選手(飯塚25期越智尚寿選手)はどんな方ですか?
鐘ヶ江:厳しいですよ。自分でやって覚えろという考え方の下指導を受けています。
8年経った今でも厳しいです。高校の監督と同じです。
基本ノーアドバイスです。何をやれとかは言いません。
人として間違っていると凄く怒られます。
人として成長させて頂いています。
内野:鐘ヶ江将平の売りは?レースではどこを見たら良いですか?
鐘ヶ江:試走です。試走が出ていないとマシンの状態は良くないです。
今年は悪い時期が長かったので試走が出ない事が多かったですね。
まずは試走を見て下さい。
内野:2019年残り少しです。どう過ごしましょうか?
鐘ヶ江:自分は普段通りいつも通りです。自然体です。本当に変わらないです。
内野:オッズパークを御覧の皆様へメッセージをお願いします。
鐘ヶ江:オートレースをこれからも楽しんで下さい。もっともっとオートレースを宜しく御願いします。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。
飯塚所属32期。佐藤裕児選手もバイク経験者の1人。子供の頃に仮面ライダーに憧れたことからバイクに興味を持ち5歳からバイク人生が始まる。バイクと共に歩んできた人生。オートレースの難しさと楽しさ。そして、同期への思い。プライベートの事までお話しして頂きました。
インタビュー / AKI
AKI:バイクとの出会いはいつなんですか?
佐藤:5歳の時にポケバイに乗ってからバイク人生がスタートしました。キッカケは、叔父が車のレースをしていたんですが、その応援に行った時にバイクが展示してあって。当時の僕は、仮面ライダーが大好きで仮面ライダーばかり見ていました。「仮面ライダーはバイク乗りよるな。」から「バイク乗りたいな。」になって。けど、実はそのバイクに乗りたいは「レースしたいな。」ではなく、「仮面ライダーのお兄さん、芸能人になりたいな。」だったと思うんです(笑)けど、父親にバイクに乗りたいと言ったら父親の気持ちに火が付いて「バイクに乗るか!!」となりました。それが分岐点でしたね。その時、「このバイクじゃない、おもちゃ屋さんのバイクで良い!」なんて言ってたらまた違った人生になっていたかもしれないですね(笑)
AKI:まずは父親の火が付いたんですね!(笑)
佐藤:はい。そこからは父親とマンツーマンで。けど、すぐに自分自身も火が付きました。バイクに乗っている同世代もいっぱいいたし楽しかったですね。学校の友達よりもレース場で会う友達の方が多かったし、レースのあと皆んなで遊んだりしてすごく楽しかったです。皆んなが学校終わりに部活をするみたいな感じだと思います。
火が付いてからは、ロードのプロになりたいと思っていたし、世界大会には行けなかったけど全日本は9年くらい回りました。25歳の時にやり切ったと思いました。
AKI:オートレースへの道はどの様に決めたんですか?
佐藤:渡辺篤さん(浜松31期)ですね。篤さんは浜松に住んでいたんですが、自分もロード時代はヤマハのチームで走っていて浜松に住んでいました。ロードのレース場でも篤さんに会ったりはしていて。食事もしたり。そこがキッカケですね。後は、オートレースの試験のタイミングでヤマハとの契約が切れて。サッカー選手みたいな感じでロードも1年契約なんです。契約が切れても自分でお金を出せば走れるので、2年間はお金を持ち込んで走りました。大きなバイクショップがスポンサーについてくれて走っていたんですがやっぱり厳しくて。当時はバイト生活でしたね。25歳の時にロードはここまでかなと。オートレースの道以外に、アライヘルメットにもスポンサーになってもらっていたんで、ヘルメットのデザインがしたいと思いアライヘルメットに就職も考えました。けど、5歳からバイクに乗ってきてバイクにも育てられて、まだまだバイクに乗っていきたいと思いました。そのタイミングでオートの試験があったので受けることにしました。
AKI:近況の成績など振り返っていかがですか?
佐藤:近況はスタートを良くするためにクラッチをずっと扱っているんですが戸惑っています。今までみたいに切れればいいんですが、波がありすぎますね。ただ、前のセッティングに戻せば切れ具合も戻すのは簡単です。けど、今は普通に切れるよりもよく切れる所が欲しい。良いスタートをモノにするためにセッティングを探している状況です。
AKI:元々はスタートは早い方だと思いますが、何か気になることがあったんですか?
佐藤:10月に行われたSG日本選手権の時に補充で走って思うことがありました。オープン戦でも通用するスタートを見つけないと、と思ったんです。それから、色々やってはいるんですがやり過ぎてムラにはなってる感じ。けど、悪いことではないと思っていて。やらないと成長はしないし、ハンデも後ろに下がりたい。そして、SGにも出たい。2年前くらいはSGやプレミアムカップにも出て最高ハンにもなっていました。けど、去年の夏場が全然ダメで。熱走路にやられました。一般戦の初日に7、8着ばかり。そんな状況が続いて。その年の10月の終わりに師匠の東小野選手(飯塚25期東小野正道選手)のクランクを頂いて、それを入れたとたん上向いて優出2着。今年の夏はなんとかしよう思い、去年の冬に腰回りや乗り方など色々研究。今年の夏はグレードの裏開催を走って、去年よりは毎回準決勝に乗れる様になってマシになりました。けど、乗り方に関してはやっぱりロードレースのクセが抜けづらく難しく感じますね。僕がやっていた競技は肘を擦りながらバイクに乗っていたので、オートレースとは真逆。今でもロードレースの乗り方をしろと言われたらすぐ出来ると思います。けど、オートレースではロードレースの乗り方は通用しない。全く違う競技。オートレースは人間がバイクに合わせる感じなんですが、ロードレースはバイクが人間に合わせるんです。メカニックがいてタイヤ、ブレーキ、エンジン、さらにはデータを取る人。その分、メカニックに伝えるというスキルは必要ですが、オートレースは練習して、タイヤ替えて整備して。自分で感じて自分で全てしないといけません。どちらも違う難しさがありますが、オートレースの方が確実に難しい。けど、妥協した状態ではレースに行きたくない。もうちょっとやれたんじゃないかなという状態では行きたくないですね。
AKI:やはり、バイク経験者ならではの悩みがあるんですね。けど、少しずつ上向いてきているんですね。
佐藤:そうですね。去年の夏は思いっきり走っても試走3.4台しか出ず、乗れている感じはありませんでした。けど、今年は3.3台が出ていたので去年よりは良いです。
AKI:なにかキッカケはあったんですか?
エンジンのセッティングの方向性で周平くん(伊勢崎31期青山周平選手)からアドバイスをもらう事があって。周平くんも同じロードで同い年で誕生日も1日違い(笑)9、10歳位からはミニバイクに乗っていたんですが、全国大会でも一緒に走っていました。ロード時代はメーカーが違う事もあって当時すごく喋ることは出来なかったんですが、昔からの仲もあり今はアドバイスをもらったりしています。去年の冬に、僕からは何も言ってないのに「裕児のセッティングってこうでしょ?」とピンポイントで当てられて。「それじゃあ絶対大きなコース走れないし、夏場とか厳しいと思うよ。」と言われ。そのアドバイスからセッティングの方向性をガラリと替えて、今年の夏は動いてくれました。スタイルが似てると言ったら失礼かもしれないんですが、同じロード出身でオートレースにきて、最初抱えてた腰回りの問題とかも似ていたし、周平くんからのアドバイスで動いてくれたのもありましたね。ロードの名残でタイヤを滑らせて走ってしまう。滑ることに関して恐怖心なども全くないんですが、バイクが進んでいかない。なので、人に抜かれてしまいます。これではダメだなと思った。ちょっとでもエンジンとタイヤがズレると滑らす感じが出てしまう。オートレースの乗り方が出来ないといけません。大変ですね。
AKI:現在の課題はなんだと思いますか?
佐藤:乗り方やセッティングの出し方。バイクの操作もちゃんと出来るようになりたいです。
師匠の東小野選手は自由にやりたいようにさせてくれていたんですが、自分のやりやすいというのはやっぱりロードレースの乗り方で。2級車の間の腰回りはロードの感じのまま乗っていたと思います。今もまだまだですが、2級車の時の乗り方は本当に酷かった。同期はバイクに乗り出したばっかりだし、自分はバイク自体はそこそこ乗れていた。けど、結局今は同期の皆がオートレースを上手く乗れるようになってきて。自分は1級に乗り替わってすぐに優勝はできたけど、その後同期も早くなってきて皆最高ハンにもなって。気付けば「あれ?」という感じ。やっぱり悔しいですね。もうちょっとやれるんやないかなと今でも思っています。
AKI:「まだやれる。」という気持ち、大切ですよね。
佐藤:うん、そのために仕事量を減らさない、むしろ増えていっています。仕事スピードが上がっている分。
AKI:目標は何ですか?
佐藤:まず1番の目標は最高ハンになること。そして、全てのSGに出れるように。記念で優出したことがないので優出したいです。
AKI:オートレーサーになって7年経ちましたが、どんな7年間でしたか?
佐藤:あっという間。1年が早いです。ロードをやってた時よりも早いですし、オートの方がやる事もめっちゃくちゃ多い。けど、選手であり続けられる事は最高です。ロードよりオートレースの方が好きですし、毎日がむちゃくちゃ面白いです。だから、あとは自分が結果を取りに行くしかない。同期がSGに出ているのに自分は出れてないのが悔しい。それはもちろん自分の責任なんで、まずは気持ちが大事。自分は優しすぎると言われます。そこを、もっとレースで負けん気を出すスタイルを築き上げて、あと一皮剥ければ。なにかキッカケが欲しいですね。
AKI:それにしても32期は皆さん同期を思う気持ちが強いと思いますが。
佐藤:32期は仲が良すぎると言われている期。僕は同期皆を家族だと思っています。なので、何かあれば駆けつけるし、レースの場の外でも集まります。同期の活躍は悔しさ半分...いや、悔しさしかないです(笑)と言うのは冗談で、同期がSG取ったりする事は嬉しいし刺激にもなります。けど、もちろん悔しさもありますね。心の底からおめでとうだし、心の底から刺激になっています。だからこそ、仕事に熱が入る。同期にナンバーワンがいる事も特別ですね。何を聞いても答えてくれるし何を聞かれても答えるし。レースもプライベートも隠しごとは全くありません。本当に家族ですね。最高の同期。これから一生付き合って行く仲間です。
AKI:家族と言えば、御結婚されたんですよね!
佐藤:はい!今年の1月に結婚したんですが、奥さんは結婚する前から毎レース見てくれています。凄く応援してくれています。特に義理のお父さんが、僕がオートレースの選手という事を知ってからオートを見てくれていて、今ではめちゃくちゃ詳しくなっています(笑)凄いです。僕が出ていないレースも見ています。結婚してメリハリができましたね。良い方向にいっていると思っています。良い流れを持ってこれるように頑張りたいですね。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
佐藤:優しさを封印して、勝気のスタイルを出すんで応援して下さい。そして、32期ファミリーもより一層注目して下さい!
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
2019年は当たり年。『鈴木選抜』を制し最強鈴木の称号を手にした苦節26年の苦労人・鈴木清選手が記念初制覇を地元川口(5月12日)で飾り、飯塚の夜王(ミッドナイト優勝・5月23日)にも輝きました。絶好調・清選手に少し早いですが今年を振り返って頂きました。もちろん12月4日から始まる地元川口GI開設記念への意気込みもお伺いしております。
インタビュー / 内野久照
内野:選手権お疲れ様でした。どんな開催でしたか?(10月31日から11月4日飯塚開催)
鈴木:自分なりには悪くなかったです。今の自分のレベルで勝つ様な甘い大会ではなかったですね。選手権のレベルの中で勝ち負けを競い合い戦う事は厳しかったです。
スタートだけは何とか残して行きたいと挑んだがそれが不発に終わると最終日の様な結果(8着)になってしまいます。
3日目の準々決勝戦(3着までが準決勝戦進出)は一瞬の判断ミスでした。最終コーナーでインコースから捌かれ4着になり準決勝戦進出を逃しました。悔しさが残るレースになりました。
ただ4日目は1着を獲る事が出来ましたので次に繋げて行きたいです。
内野:浜松オートで行われた『鈴木選抜』で最強鈴木に輝いた清選手ですがその時の事も教えて下さい。
鈴木:初日の12Rに『鈴木選抜』がある事は前の日に知らされました。
もちろん8番の鈴木圭一郎選手(浜松32期)が来るのだと自分も思っていたので2着には入れる様に頑張ろうと思って挑みました。
『鈴木選抜』はこれで3回目。過去に伊勢崎で2回ありました。結果は1着と2着でした。
今回は相手が相手だけにまったく気負いはありませんでした。いつものレースだという気持ちで特別な事ではないと気楽な思いで走りました。
レースは皆が外を走っていたので自分のコースが空いていました。インコースを走り抜け出す事が出来て自分のレース展開になったので先頭に立ちたいなと思いました。
走り出す前と走り出してからではテンションが違いました。
「よしっ!良い展開になった。1着でゴールするぞ」とあの時は通常モードから上昇モードに切り替わりましたね(笑)
『鈴木選抜』がTVに取り上げられて周りの人からはもちろんですがオートレースを知らない人からも声を掛けて頂きました。
オートレースを知らない人がオートレースを知るきかっけにもなったと思うし『鈴木選抜』は良かったですね。
埼玉県川口出身の鈴木ですが『最強鈴木!』になれて嬉しかったです。
色んな方に注目されていつもと違う一ヶ月間を過ごさせて頂きました。
僕のオートレース人生の中での良き思い出になりました。
内野:苦節26年。地元の川口記念でGII初優勝を成し遂げましたがその時の事も教えて下さい。
鈴木:ゴールした瞬間は「獲っちゃった。自分が優勝した」とすぐこみ上げて来てウィニングランに入る前から目頭が熱くなりました。ウィニングランでは地元川口のお客様の声援が凄すぎて涙が溢れ出ました。
準決勝戦からお話しますとゴール前競る展開になり差しでの2着で優勝戦を決めました。
明日は母の日でもあり他にも色々と思いがあったので優出したいなと思っていました。
優勝戦の前夜に宿舎の同じ部屋で準決勝戦を競り合った地元の先輩で22期の掛川和人さんから「負けて悔しかった。明日は頑張ってよ。」と言われ無駄には出来ないと思いました。
優勝戦の当日朝練習を泉田修佑選手(川口33期)に後ろから見てもらい「全然ついて行けません」と言ってもらった。
タイヤも掛川さんから「初乗りは跳ねが来たら危険なので今回使って結果が出ている物を使った方が良い」とアドバイス頂きました。
2人の助言のもと迷わず3日目の感触良かったタイヤで行こうと決めました。
準決勝戦が満足いく結果だったので優勝戦は無欲で臨めました。
優勝戦は6号車でした。プレッシャーは無く当然7番8番が来ると思っていました。
優勝戦レースはスタートタイミング0.05から好位置に付くことが出来ていつも通りのインコースを走っていました。先頭に立ってからは気が気ではありませんでした。必ず2人が来ると確信していました。
自分の中での100%走りをしよう。
いつもの自分のスタイルで良い走りをすると決めていました。
いつもは川口では大型ビジョンを走りながら見れるのにその時はビジョンを見る余裕などありませんでした。視界に入って来なかったのです。
7周回1コーナーで入られた時はやっぱり来たかと半分あきらめていました。
ただ曲がれていないとまだやられていないと思い切り返す体制を作り突っ張って行きました。
強引でえげつない事をしてしまい、ごめんと思いながら最終周回に備えました。
8周回1コーナーでまた入られても絶対に回れない様にコースを閉めて走りました。
今度は落ち着いて差し返す事が出来ました。
今思えば浜松のオールスターで下回りエンジンをばらして組み直した事が要因だったと思います。
オールスターの4日目5日目は手応えがありました。そこからエンジンが良くなり結果が出たのだと思います。
令和一発目の記念で優勝しミッドナイトでも優勝出来て嬉しかったですがこのまま死んじゃうのではないかと思うくらい結果が良すぎて怖かったです。
記念優勝をした事を自分だけではなく周りの皆が喜んでくれたので本当に良かったです。
内野:レース以外の質問もさせて頂きます。清選手はどんな性格ですか?
鈴木:自分の性格は『負けず嫌い・頑固』です。
内野:どんなところがですか?
鈴木:朝は掃除から始めます。几帳面というかこれも頑固なのでしょう。
綺麗好きではないが持って生まれた性分ですかね。(笑)
何をやるにしてもなるべく余裕を持ってしたいです。
この仕事は率先して周りが手伝うのですがバタバタしたくない。自分のペースでやらせて欲しいなと思う事があります。自分のスタイルを崩したくない。
一人でも寂しいとは思わない人間ですし自分の時間を大切にしたいタイプです。
内野:怪我を乗り越えた時期があったと聞きましたが?
鈴木:1級車に乗り替わったデビュー節に落車。手首の関節の中の骨を骨折しました。
手術をしたのですが経過が良くなくて骨がくっつかなかったのです。
たまたま実家の寿司屋に来ていた整形外科の先生が診てくれてこのまま放っておくと大変な事になると言われ直ぐに再手術を行いました。
凄く痛かったしリハビリが大変できつかったです。
今も思うとあの時に手術してくれた先生に出会っていなければ復帰は無かったのかもしれません。手術をしてくれた先生に凄く感謝しています。
復帰まで8ヶ月程かかりました。その間同期が活躍していたので悔しい思いがありましたが本当に復帰できて良かったと思いました。
内野:整備で必ずやる事は?
鈴木:上回りの整備は日課ですね。毎日ヘッドカバーは開けます。
整備でも自分で思ったことはやるタイプです。
内野:好きなレース場は?
鈴木:好きなレース場はもちろん地元川口です。川口バンクは自分向きで突っ込み勝負な走路です。走り慣れているし声援が好き。友達や知り合いも応援に来てくれるしその中で走れるので気持ちが良いですね。
内野:日中開催・ナイター開催・ミッドナイトとどの開催が好きですか?
鈴木:好きな時間帯はミッドナイトです。消音マフラーも好きというのもありますが時間があるので自分がやりたい事にその時間を使える事です。
内野:鈴木選手の持ち味でもあるインからインの走りについて教えて下さい。
鈴木:若い時は懐を取って立ち上がるを基本にしていましたが、当時川口四天王と言われていた阿部光雄さん、且元滋紀さん、広瀬登喜夫さんからバンバンインコースから捌かれていてインコースに入らせない様に対応していたら今のようなインからインの走りになりました。(笑)
内野:鈴木選手のどこを見ると調子が分かりますか?
鈴木:試走タイムは他の選手より出ないですが2コーナーの立ち上がりが上手く回っていれば良い状態です。コースを外したりもたもたしていたら良くないと判断して下さい。
内野:好きな言葉は?
鈴木:好きな言葉・大切にしている事は『継続は力なり』です。
小さい事でも続ける事。続けていれば必ず結果はついてくるという事です。
続ける事に意味があります。
26年経った今でも同期(23期)の頑張りが僕の原動力です。
浦田信輔選手(飯塚23期)の努力と比べるとやっている仕事の量から違う。比べても勝てない。ただ自分の出来る事を諦めずやり続ける事です。絶対に諦めない事です。
気持ちも身体も意識して心がけて行きます。
極力妥協しない様にして気になる事はやろう。ダメだったら戻ろう。またひらめいたらチャレンジします。50歳まではその意識をもって手を抜かず頑張って行きたいです。
内野:体のケアはされていますか?
鈴木:最近ですが2ヶ月程前から食事に気を付ける様になりました。
あまり年齢を考えず夜もガッツリ食べていたのですが翌朝身体が重い事が多くなり考えて食事をとる様にしました。
年齢的に体を気にする様になってきたのでストレッチを意識してやる様にしています。
内野:車名のウィンザーの由来は?
鈴木:学生時代は世界地理が好きでした。イギリスとアメリカにウィンザーという都市がある事を知りました。また飯塚将光さんがフジの時代絶好調だった時の車名でもありますしWIN(ウィン)と付くので勝利・勝つという意味も込めて『ウィンザー』にしました。
この車は約2年前師匠の清水右也元選手から譲り受けたエンジンです。
当時落車が続き何をやってもエンジンが良くならず成績も悪かった時期に乗ってみるか言って頂き今年の結果に繋がっています。
内野:年齢を感じる時はありますか?
鈴木:少し前までは若いなと思っていたのですがアラフィフです。業界でも中堅と思っていたらいつの間にかベテランになっていました。
試走行く前の待機部屋で出走表を見ると自分がメンバー中最年長のレースが多くなっています。(笑)
若い選手にはスピードでは勝てない。テクニック・技でレースを作りたい。簡単に捲らせないしやられない様にしたい。
内野:地元川口のGI開設記念(12月4日から8日開催)がありますが?
鈴木:GIもSGもメンバー的には変わらないし獲れないと思っていたGII記念が獲れたので次は自ずとGIを獲りたい気持ちが芽生えてきています。
地元のGIですしより一層気持ちも入る。一走一走悔いの残らない様に走り準決勝戦・優勝戦と進んで行きたいです。
内野:オッズパークを御覧の皆様へメッセージをお願いします。
鈴木:モニター越しTVの画面越しにも気迫が伝わる様に、一走一走全力でレースに臨んで行きますので応援宜しくお願いします。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。