名古屋所属のピッチシフターが、引退して繁殖入りすることになりました。
ピッチシフターは2012年に門別でデビュー。
エーデルワイス賞で2着という成績を引っ下げて名古屋に移籍すると、
2歳でいきなり古馬混合戦の「展望プラス 澤ブー賞」を完勝!
競馬展望プラスの冠レースを勝ってくれたため、その後も追いかけてきたわけですが、
ライデンリーダー記念、園田クイーンセレクションと連勝し、阪神のチューリップ賞にも出走。
金沢のMRO金賞、秋桜賞2連覇、東海桜花賞、名港盃と、数々の重賞制覇を成し遂げました。
ダートグレードでも、サマーチャンピオン2着、2年連続かきつばた記念4着と、強豪相手にがんばってくれた馬。
3年連続のJBCレディスクラシック出走を目指していた矢先、脚元の不安で引退を選択することになってしまったのは本当に残念ですが、
管理して来た川西毅調教師に、ピッチシフターの想い出をお聞きしました。
「本当に長い間がんばってくれた馬なので、想い出のレースを一つあげるというのは難しいですけど、そうですね、去年の勢いはすごかったですよね。かきつばた記念で見せ場十分の4着、サマーチャンピオンも2着で、秋のレディスプレリュードは5着でした。とにかく状態が良くて、強い馬たちと戦っても見ごたえのあるレースをしてくれて。
地元の重賞や、地方牝馬同士だと勝って当たり前の存在になってしまったので、勝った時よりも、負けても強かったレースの方が想い入れが強いです。
ダートグレードを獲りたかったけど、獲れなかったのは悔しいですね。
それに、グランダム・ジャパンも獲れなかったのは心残りで...。なまじ強いので、グランダムを獲りに行くローテではなく、サマーチャンピオンに出走する方を選んだので。こういう強い馬は、ローテでも本当に悩まされました。
この馬は我が強いところがあって、調教でも気分が乗らない時は進んで行かなかったり、けっこう難しい面もあったんです。でもレースに行くと本当に一生懸命走ってくれて...。長く厩舎に居ましたから、僕自身も淋しいですけど、ずっと近くにいた厩務員さんが一番淋しいと思います。
これまで、攻めの調教をしてきて結果を出して来たので、ここにきて脚元に不安を抱えて攻めきれなくなってしまったのは大きいです。出れば人気になる馬だし、今までの調教ができない状態で走らせるわけにはいかないなと。本当はJBCまでと思いましたけど、ここで決断しました。
この後は生まれ故郷に戻ってお母さんになるという大仕事がありますから、無事に引退させられて、ホッとしている部分はあります。次はこの馬の子供を育ててみたいです!」
本当に長い間がんばってくれたピッチシフターに、心から感謝しています。
父スズカマンボですから、お相手はどの種牡馬になるのでしょうか♪
二世の誕生が待ち遠しいです!