障害飛越のデモンストレーションのあとは、金沢所属調教師&騎手によるトークショー。
当初は「4,5人くらいが登場する」という超あいまいな感じだったんですけど、当日になっても誰が参加してくれるのかわからず...
わたしと麗ちゃんはハラハラドキドキしながら進行し、
「続いては金沢所属調教師&騎手によるトークショーです!一体どなたが参加してくれるのでしょうか」
と振ったところ、なんとたくさんのジョッキーズが壇上へ上がって来てくれました。
左から、加藤和義調教師、青柳正義騎手、藤田弘治騎手、松戸政也騎手、池田敦騎手、服部大地騎手、沖静男騎手、栗原大河騎手、葛山晃平騎手、鈴木太一騎手、田知弘久騎手、期間限定騎乗中の拜原靖之騎手、そして写真には写っていないけれど、平瀬城久騎手と吉原寛人騎手。
総勢14名!!
こんなにたくさんのジョッキーが来てくれるとは思わず、ファンの方々もびっくりしながら喜んでいましたよ♪
藤田騎手と吉原騎手はケガで騎乗をお休みしていましたから、笑顔で参加してくれてホッとしました。
普段はなかなか聞けないお話をお聞きしつつ、お互いに突っ込みを入れつつ、終始和やかな雰囲気でした。
わたしの個人的な見解では、藤田騎手はピースの又吉さんに、葛山騎手は「とくダネ!」のあまたつさんに似ていると思うのですが、いかがでしょう?
この写真だとよくわからないと思うので、今度競馬場に行ったらぜひチェックしてみて下さいね☆
トークショーのあとは、子供たちによるポニーレースです!
ポニーは大きさや実力に差があるため、距離ハンデを付けて戦います。
今回は出場するポニーもジョッキーも、そうそうたるメンバーが集まりました。
ジョッキーベイビース九州代表の実力者・吉永彩乃ちゃんや、ジョッキーベイビーズ優勝経験がある小林勝太くんなど、ジョッキーベイビーズを目指して乗馬に励んでいる子供たちばかり。
さらに、とっても小さいポニーのコテツとアムタンには、金沢の現役ジョッキーである柴田勇真騎手(今年デビュー)と中島龍也騎手(デビュー2年目)が騎乗。
距離ハンデのためゲートは使わずに、スターターの合図でいっせいにスタートすると、今回がレース経験2度目となる吉永梨乃ちゃん(スケスケランラン騎乗)が残念ながら落馬...さいわいにもケガがなくてよかったです。
レースは最もハンデの軽い(160m)アムタン&中島騎手が、かなり小刻みなリズムを刻みながら逃げ切り勝ち。
ハンデ285mだったダイドウ&松本大輝くん、260mだった小次郎&小林勝太くんがよく追い込んで2着3着に入りました。
前列左から、3着・小林勝太くん、1着・中島龍也騎手、2着・松本大輝くん。
優勝した中島騎手には、「大人げない!」「空気を読め!」というヤジも飛んでいましたが(笑)、ジョッキーズからは、「あの小さいポニーを乗りこなしたのがすごい!」と拍手を送られていました。
電撃の約2ハロンのポニーレースは、今回も白熱した戦いになりました!
ここでお昼休憩をはさみ、午後からのプログラムスタート。
まずは引退馬たちによる草競馬です。
草競馬とは、全国各地の地域で行われている競馬で、JRAや地方競馬のようにお金を賭けるのではなく、その地域、町のプライドを賭けて争われるのです!
ポニーレースに出場したポニーもそうですが、今回集まった引退馬たちも全国各地からこのレースのためにやってきました。
馬も人も本気のレースなのです。
騎乗するのは、金沢の現役ジョッキーである青柳騎手と平瀬騎手、鈴木正也調教師と加藤和義調教師。
さらに、元ジョッキーだった古川文貴さん(高知・ハルウララの主戦ジョッキーです)や越智誠さん(福山)といったほとんどプロの方たち。
そして、草競馬の番人と呼ばれるブルードラゴンさん、おとなしんやさん、成田くんといった大人たちに加え、午前中に障害飛越を見せてくれた辻加武斗くんも参戦。
騎乗馬たちは現役時代とは名前が変わっていたものの、ハッピースプリントの兄スズカマジェスタ、JRAのオープンまでいったアーリーデイズなど、バラエティに富んだメンバーが集結しました。
このレースでは、お客さんから「どの馬が一番になるか」の予想を投票していただき、予想が当たった方の中から抽選で15名の方に記念品が贈られるという趣向。
みなさんが1番人気に推したのは、最強馬の呼び声高いゴーエムプレスト(旧ビットプレスト)。騎乗するのは、ジャングルスマイルでお馴染みの現役ジョッキー、平瀬騎手ですから、1番人気に支持されるのも当然と言えるでしょう。
しかし。
スタートすると、平瀬騎手&ゴーエムプレストは終始馬群の中で見せ場を作ることができず...
レースは加武斗くん&アイエスデイズ(旧アーリーデイズ)と、ハルウララの主戦だった古川さん&ミナミノスター(旧ショウナンマイケル)の1騎打ちとなり、見事加武斗くんが優勝したのでした。
大人たちをやっつけた加武斗くん!
本当にカッコ良かったです。
本物のレースと同じように迫力あるバトルが展開され、ファンの皆さんも応援に熱が入っていました。
やっぱりレースは盛り上がりますね♪
続いては、サンクスホースデイズの発起人、角居勝彦調教師のトークショー。
ウオッカやヴィクトワールピサといったこれまでの名馬のお話から、サンビスタやトーセンビクトリーといった現在の活躍馬のお話もお聞きすることができました。
お話の中心は、もちろんこのサンクスホースデイズ。
なぜこのイベントを始めたのか、じっくりとお聞きしました。
「厩務員の時から、勝てなかった馬はどうなっていくのかとずっと思っていました。積まれて行く馬運車によって、これは厳しいところに行くんだろうなって。でも使われてる立場の時に、そんなことを言葉にしたらいけないと思ってました。ようやくリーディングに近くなって、馬のために何かしてあげられる立場になったのかなと。そういうことを改めて形にする、行動に移せる時期に来たんじゃないかと思いました。
勝てなかった馬たち、競走馬としては優秀となれなかった馬たちに、セカンドキャリアになるような受け皿がないかと考えた時、障がい者乗馬の存在を知ったんです。障がい者乗馬の馬たちは、速く走ることを求められないんです。逆に性格が大人しく、動きが緩慢であればあるほどいいということで、サラブレッドと真逆だなと。それこそ、競馬で活躍出来なかった馬こそ活かされる可能性がある。そういう救い方があるかもしれないと思って、じゃあ自分に何が出来るか考えた時、何かイベント的なことが出来ないかと考えたんです」
その後は、~その①~でご紹介した福留さんと共に二人三脚で進んで来ました。
オーナーや競馬関係者、乗馬関係者にも共感する人たちが増え、回を重ねるごとに参加者が増えていきました。
「サンクスは告知力は高いんですけど、単発のイベントなのでこれだけでは先に進めないということがわかりました。現状の障がい者乗馬やホースセラピーは、各乗馬クラブの好意だったり、ボランティア的に手弁当で行われているんです。でもそれでは広がらないですから、なんとか行政とタイアップを進めていきたいです。
理想としているのは、身近に馬のいる風景を作ることです。馬のいる場所に人が集う、子供であれ、高齢者であれ、障がい者であれ、健常者であれ、みんなで集うことが出来る場所を作りたいんです。障がいを持っている人は長い距離を移動出来ないんですよ。高齢者の方もそうですし、より身近なところに馬がいる風景を作っていかないと。そういう場所がたくさん出来れば、抹消される馬たちの居場所にもなるし、雇用も生み出せる。今は行政とどう連携出来るか、収益構造をどう作れるかという段階です。モデルスタイルが出来上がれば、それを追随する人も出てくると思います」
角居先生の想いを伺って、ご来場いただいたみなさんも熱い眼差しで真剣に聞き入っていました。
この日の最後のプログラムは、乗馬によるリハビリテーションの公開授業。
地元金沢の専門学校、金沢リハビリテーションセンターの生徒たちも多数訪れて、実際に障がいを持った方がデモンストレーションで騎乗を見せてくれました。
ポニーに乗って少しすると、硬直していた筋肉が徐々にほぐれていくのです。
短期間での劇的な変化には心底びっくりしました。
心に障がいを持った方にとっても、乗馬をすることで自然と笑顔が生まれていて、馬の力って本当にすごいなと思いました。
今は、「障がい者乗馬」という言葉を使って「乗馬」と分けていますが、基本的には「障がい者乗馬」も「乗馬」も同じ。
サンクスホースデイズを通して、馬たちのパワーを改めて感じた1日でした!
ご来場いただいたみなさま、ご協力してくれたみなさま、本当にありがとうございました。