23日(水)、金沢競馬場でサンクスホースデイズが行われました!
サンクスホースデイズとは、JRAの角居勝彦調教師が中心となって行われているイベントで、
競馬・乗馬・障害者乗馬・ホースセラピーなど、日本の馬文化が一堂に会し、たくさんの人たちが馬と触れ合える貴重な時間として、"馬に感謝する日々"と名付けられました。
第10回を迎えた今回は、初の金沢開催。
角居先生は金沢市出身ということもあり、
「故郷に錦を飾るじゃないですけれども、自分の地元で開催できてとても嬉しいです」
と仰っていました。
開会宣言は、サンクスホースデイズ実行委員長である福留健一さん。
ここで少し、福留さんの経歴についてご紹介します。
福留さんはもともとは栗東で調教助手をしていました。
坂口正大厩舎の助手として、キングヘイローやデュランダルといった馬たちの背中を任されて来た、みんなが憧れる馬乗りだったのです。
落馬事故により下半身不随となった時には、現実をなかなか受け入れられなかったそう。
「最初は本当にショックでした。救急車で運ばれて、気づいた時には肺にかなり血が溜まっていて、このままでは手術出来ませんて...。運よく状態が安定して、手術をすることが出来ましたが、その後は下半身が動かなくなりました。20年馬乗りをしていて、急に乗れなくなったので、その気持ちの切り替えが難しかったです」
もう二度と馬に乗れない...
そう思っていた福留さんに声を掛けたのが、角居先生でした。
「退院しても仕事はまったくないし、コンビニに行くにも小さな段差で動けなくなってしまうんです。自分が障がい者になってみて、外に出てみると、本当に狭い世界だなって実感しました。そんな時に角居調教師に声を掛けてもらって。障がい者乗馬っていうのがあって、ホースセラピーの活動に関心を持ってるから、一緒にやらないかって。本当に有難かったです」
角居厩舎の事務員として働きながら、障がい者乗馬・ホースセラピーについて調べる日々が始まりました。
そして、もう二度と乗れないと思っていた馬の背中に、もう一度乗ることができたそう。
「二度と乗れないと思っていたので、本当に感動しました。もう涙が出ましたね。障がい者乗馬の馬たちは本当に大人しくて、下半身不随でも乗ることが出来て脚を使わなくても動かすことが出来るんです。もちろん健常者の方も、小さいお子さんでもお年寄りでも、どんな人も乗せてくれます。馬たちは本当に優さしくて、どんな人でも受け入れてくれるんです」
障がい者乗馬やホースセラピーを知れば知るほど、圧倒的に情報が少なく、また、横の繋がりがまったくないことを痛感したと言います。
そこで、まずはたくさんの方に認知してもらおうということで始まったのが、このサンクスホースデイズです。
これまでさまざまな試行錯誤があったそうですが、少しずつ形を変え、共感してくれる方も増え、今回は記念の10回開催。
角居先生の地元ということも重なって、さらに注目度も上がりました。
この日のスケジュールは、
・国体出場選手などによる、障害飛越のデモンストレーション
・金沢競馬所属調教師&騎手によるトークショー
・子供たちによるポニーレース
・引退馬レース(草競馬)
・角居勝彦調教師トークショー
・リハビリテーション公開講座
とてんこ盛り!
わたしは矢作麗ちゃん(グリーンチャンネル・関西パドックキャスターなどでお馴染み♪)と一緒に総合司会を担当させていただきました。
一日を通しての進行台本は、実行委員のみなさんが書いてくれたのでとても助かったのですが、
何しろ初めての金沢開催で初めての出来事が多く、麗ちゃんに助けてもらいながらアドリブ満載の進行となりました。
まず最初のプログラムは、障害飛越のデモンストレーション。
スタンド前の走路をならして即席の障害馬場にしたわけですが、普段の馬場より砂が深く、たくさんのお客さんを前にしているということで、初めのうちは馬たちがかなり興奮していました。
それでも騎乗者のみなさんが愛馬をなだめて、圧巻のパフォーマンスを見せてくれたのです!
写真は優勝した江田しおりさんとスピロウ。
なんと150cmの障害を軽々と飛び越えていました。
わたしの身長が155cmですから、自分の身長を飛び越えられているようで、ものすごい迫力がありました!
それもそのはず、江田さんとスピロウは国体での優勝経験もあるそうです。
石川県代表、さらには日本代表として、これからもがんばって欲しいですね。
写真がないのが残念なのですが、他の出場者には、
橘裕司さん&コスモファントム
辻加武斗くん&フラワーカンパニー
という方々が参加してくれました。
中山金杯や中日新聞杯を勝ったあのコスモファントムです!
現役時と変わらない雄大な馬体で、華麗に障害を飛んでいました。
久しぶりに競馬場の走路を走ったからか、だいぶ興奮していたけれど、乗馬馬としてしっかりとお仕事している姿に、とても感動しました。
フラワーカンパニーはポニーレースでお馴染みの最強ポニーさん。
わたしも騎乗させてもらったことがありますが、脚の遅いサラブレッドよりも絶対速いと思います!!
今回は加武斗くんと共に障害飛越を披露。
なんと130cmを軽く飛び越えていました。
完全に自分の身長を超える飛越ですから、さすがはフラワーカンパニーです。
~その②へつづく~