昨日行われた、LJS2011福山ラウンド。
ここまで最下位という成績だった、北海道の下村瑠衣騎手が大躍進!
2連勝を飾ってラウンド優勝を果たしました☆☆
まずは1戦目の『アフロディテ賞』。
5番人気【ハッピーリボン】に騎乗した下村騎手は、1枠からのスタートを利用して逃げる展開に。積極的な騎乗でレースを引っ張ります。
3コーナーで、別府騎手・岩永騎手が迫りますが、4コーナーではまた少し離して先頭をキープ。
直線は後ろから山本騎手・皆川騎手が伸びて来て、激しい2着争いを演じますが、終始危なげないレースで1と1/2馬身差の逃げ切り勝ち☆
「騎手になって、本当によかったです。
馬が本当に頑張ってくれました。先輩の顔が見えたけど、馬に「お願いします」って心の中で言ったら、また伸びてくれました。
お母さんが喜んでると思うので、早く電話したいです!」
初戦の盛岡ラウンドでは、下村騎手の故郷の青森から、バスで家族や友人が応援に駆け付けていました。
でも、結果は6着・4着で最下位。
「期待に応えられなくて、残念でした...」
と話していました。
この日、ご両親は福山に来ることは出来なかったけれど、ネット観戦で応援しているとのこと。
素敵な親孝行になったことでしょう。
続いて2戦目の『ニケ賞』。
最終戦のこのレースまでポイント大接戦で、誰が優勝するかわからない状態。
みんな優勝目指して勝利を狙っていました。
ここは皆川騎手が積極的に逃げて、岩永騎手が2番手、山本騎手、内に増澤騎手と続きます。
後方2番手に下村騎手、最後方待機は1番人気の別府騎手でした。
1800m戦ということで、コースを1周半する難しいレース。
先に動いたのは増澤騎手で、2周目の向正面からスパートをかけて先頭へ。別府騎手も一気に前を捉える脚色で4コーナーを回り、下村騎手は最内を突いて、ロスなく立ち回って直線内から伸びて来ます。
最後は別府騎手との叩き合いをハナ差制して、福山ラウンド2連勝☆
5番人気【セトウチダイヤ】と共に1番先にゴールすると、場内からはどよめきが起こりました。
ここまでのLJSは、初出場ということもあり、なかなか自分のレースが出来なかった下村騎手。
特に、北海道のシーズンオフに入ってからの開催だった荒尾ラウンドでは、久しぶりに馬に跨ったせいで感覚がいつもと違ったと言います。
「久しぶりだったので、体がいうことを利いてくれなかったです。もう本当に情けなくて悔しくて...」
外から見ていると、そんなそぶりは見せなかったけれど...
相当悔しい想いをしたそうです。
「このままじゃダメだと思って、福山の主催者に電話して、攻め馬させて下さいってお願いしたんです。
そうしたら、徳本調教師がOKしてくれて。今朝、12頭乗せてくれました」
そうなんです。LJS当日、朝3時から徳本厩舎の攻め馬を手伝って、12頭も騎乗したんです。
その甲斐あって、コースにも競馬場の雰囲気にも慣れることが出来そう。
そして、この2連勝。競馬の神様って本当にいるんだな...と、改めて感じさせてくれる出来事でした。
「盛岡と荒尾が本当に悔しかったので、その悔しさをバネにして、初めて自分で行動を起こしました。
門別では、ここまで悔しいって思うことがなかったので...、ちょっと、勝負師っぽくなれたかな。
周りの方々の助けを借りて、勝つことが出来ました。本当に嬉しいです。
多分お母さんは号泣してると思うので、早く電話したいです」
たった3日間のLJSですが、その短い期間に大きな成長を遂げた下村騎手。
「LJSが来年から休止されるのはとても残念です。レースや技術的なことはもちろん、先輩たちとお話することもすごく勉強になりました。
山本さんや別府さんからは海外のことを聞いたし、これから女性騎手としてどう頑張ったらいいのか、どう進んだらいいのかアドバイスももらいました。
私たちのレースを見て、ジョッキーになりたいって思う子供がいるかもしれないし、そう思われるような騎乗が出来るようになりたいです。
下村騎手は、超マイペースで淡々としているように見えますが、実は熱い闘志を内に秘めています。
今回のLJSを通して、それがよく伝わって来ました。
1勝目の口取り写真では、恥ずかしそうに右手を上げていましたが、2勝目の口取り写真では、右手をピーンと伸ばして自信に溢れた笑顔。
本当にこの6戦で、とても逞しくなりましたね。
来年の北海道の開幕が、今からとても楽しみです♪