今月18日、シンガポールで行われた国際見習騎手招待シリーズ『アジアヤングガンズチャレンジ2010』に、名古屋の阪野学(ばんの・がく)騎手が出場しました!
このシリーズは、昨年オーストラリアで開催され、JRAの藤岡康太騎手が優勝。
今年は日本の出場枠が1人増え、JRAの松山弘平騎手と共に、阪野騎手も出場したのです。
シリーズ3戦(10着・3着・10着)して、総合7位。
貴重な経験をして帰ってきた阪野騎手に、インタビューしました!
[写真:NAR]
:ヤングチャレンジ出場を初めて聞いた時は、どんな気持ちでした?
「6月の終わり頃に、所属の井上哲先生から聞いたんですが...急な話だったので、とにかくびっくりしました。
もちろん、すごく嬉しかったですけど、次の日に慌ててパスポートの申請に行きました」
:海外は初めてだったんですか?
「小さい頃、旅行でハワイに行ったことがあるんですけど、それ以来です。
パスポートの期限も切れてたくらいですから」
:実際、シンガポールに行ってみてどうでしたか?
「街とかすごくキレイで、環境に厳しいという話を聞いていて。
もともと、行ってみたい場所だったんです。
話の通り、すごくキレイでしたね。
気候は今の日本と同じくらいで、けっこう暑かったです。
あと、急に雨が降ってくることが何度もありました」
:到着してから、印象に残ったことは?
「15日に着いたんですけど、色々なプログラムが組まれていて、観光もしました。
水陸両用の車で、普通に道路を走ってたと思ったら、そのまま川の中に入って行くんですよ。川からマーライオンを見ました。
松山くんや、オーストラリア、香港の騎手も一緒に。
色々な話をして、仲良くなりました」
[写真:NAR 左・松山弘平騎手 右・阪野学騎手]
:食べ物はどうでしたか?
「う~ん...まぁ、普通に食べられる物もありました」
:お気に入りはなかった?
「ホテルで用意してくれたものは平気だったんですけど、屋台で食べたのは味が怪しかったですね(笑)。
全部英語でメニューがよくわからなかったんですけど。
あと、憧れだったココナッツジュース!!ココナッツの実にストローさして飲むやつ。
あれは...残念でした(笑)」
:では、競馬のお話をお聞きしたいんですが、朝の調教もしたそうですね。
「地方では毎朝20頭くらい乗るけど、シンガポールはMAXでも5頭くらいなんです。
1頭1頭、がっちり抑えて乗るので、かなり力と体力を使いました」
:シリーズの前のエキストラ騎乗はどうでした?
「シンガポールで開業している高岡秀行先生の馬に乗せてもらいました。
初めて芝に乗ったんですけど、雨が降ったりしたので、馬がノメって走ってました。
ダートにはないノメリ方でしたね。
それに芝だとダートよりも下が固いので、伝わってくる反動も違いました。
初めてだったんで、ちょっと気持ち悪かったです(笑)。
僕は名古屋と笠松でよく乗るんですが、クランジ競馬場は直線が400メートルもあって、仕掛けどころが難しかったですね。
シリーズの前に騎乗させてもらえて、高岡先生にはとても感謝しています」
:アジア各国の見習い騎手とのレースはどうでした?
「みんな新人でイケイケじゃないですか(笑)。
1回きりの勝負だし、かなり燃えてましたよ。後ろでワーワー言ってる声も聞こえたし。
色んな国のジョッキーと乗れて、すごくいい経験が出来ましたね。
それに...忘れていた気持ちを思い出しました」
:というと?
「実は、今デビューして3年なんですけど、ちょっと気持ちが崩れて来ていたんです。
シンガポールに行く前は、1ヶ月くらいずっと勝てなくて...。
しかも、本命馬にかなり乗せてもらってたのに、全部飛ばしてて...。
シンガポールには、教養センター時代の教官だった杉山先生が同伴してくれたんですけど、生徒だった時みたいに色んなこと相談したり、アドバイスもらったのも大きかったです。
初心に戻りました。
それに、一緒に騎乗したみんなのガッツ!
本当にすごく熱くて、かなり刺激を受けました」
:シンガポールから戻って来て、初の開催(27日~30日)は2勝を挙げました。
「はい。足踏みしていた2勝を挙げて、これで80勝。
次の開催からは、減量がなくなります。
今回の2勝は無印の馬だったんですけど、シンガポールに行く前の僕だったら、勝てなかったと思うんです。
やっと減量が取れて、これからが本番ですね!」
:それでは、今後の目標を聞かせて下さい。
「南関東とか、海外とか、いつか行きたい気持ちはあります。
でも今は、もっと自分の騎乗や成績を固めて、名古屋で結果を出すことが大事だと思います。
名古屋で結果を出したら...色んな所で、色んな経験をしたいですね!」
シンガポールで、忘れていた気持ちを取り戻した阪野騎手。
まだ22歳。
これからどんなジョッキーに成長していくのか...本当に楽しみですね☆