デビュー当時からガールズケイリンの広報面でも活躍していた蓑田真璃選手(千葉110期)。先行主体に戦うその姿勢を応援するファンも多くいます。 そんな蓑田選手の近況と、今後の目標を伺いました。
山口:近況はご自身ではいかがですか?
蓑田:ちょっと腰を痛めてしまって、結構負荷のかかるトレーニングをしていたのでケア不足だったのかもしれません。
レースもあまり出来ていなかったんですが、今は治療も進み練習も思い通りに出来るようになって良くなってきています。
山口:暖かくなってきて、体も動くようになるんですか?
蓑田:そうですね。腰を痛めてしまったのが色んな疲労が重なったのもあるんですが、要因の一つとして寒い時期から暖かくなって急激な気温の変化に体がついていかなかったのもあると思います。特に今年は寒暖差が激しかったので、ケアをいつもより念入りにしなくてはいけなかったですね。
山口:体のケアは今まではどうしていたんですか?
蓑田:今までも割と気を付けている方だと思っていたんですが、違うケアの方法を考えて実行しています。先輩選手に治療院などの情報をいただいて行ったりしているんですが、良くなってきた感じがします。今までは行っていなかった鍼灸院も田中まいさん(千葉104期)に教えていただいたりして行っています。
山口:今の練習環境としてはいかがでしょうか?
蓑田:今はバンクが中心ですね。女子の選手と一緒にもがくのがいい練習になると思うので、それを中心にしています。
松戸に入る時は東京支部の選手にバイク誘導をしてもらったり、取手にもたまに行かせてもらっています。
取手は同期の荒川ひかり選手(茨城110期)と一緒に練習しています。
今までは師匠の鈴木栄司さん(千葉50期)と一緒にさせていただいていたんですが、最近は色んなガールズ選手のところに行って自分のトレーニング方法を見つめなおしている最中ですね。自分で考えながら色んなことを試している形です。
山口:他のガールズ選手に刺激をもらう部分もありますか?
蓑田:そうですね。自分と違う戦法の選手と一緒に練習すると、自分では気付かないアドバイスをもらえたりしますね。
後ろについていて、ここは追走しにくかったとか具体的なことまで。
後は同じガールズ同士なので、切磋琢磨できます。負けたくないという部分もありますし。特に同期は良い意味で遠慮もないので(笑)、自分のレースを見てのダメ出しとかも厳しくしてくれます。
逆に私も、同期には「もうちょっとこういう練習もした方がいいんじゃない?出し惜しみしてるんじゃない?」とか遠慮がないかもしれません(笑)
仲のいい選手でも、メリハリをつけて、練習はしっかりしています。
山口:蓑田選手は、デビュー時からガールズケイリンの広報面でもメディア露出が多かったですが、その辺りはいかがでしたか?
蓑田:色んなところで取り上げていただいたお蔭で、ファンの皆さんに『蓑田真璃』という人物を知っていただけたと思います。
ファンの人もそれで増えたと思うので、とてもありがたかったと思います。もう2年くらい経つんですが、今もカレンダーとかにも載せていただいて、嬉しいですね。
イベントとか取材とかしてもらって、練習もしっかりしてそれでレースで結果を出せるように頑張りたいなと思います。
山口:今後はどういうところを強化したいですか?
蓑田:自力で戦える選手になりたいので、トップスピードをつけて、レースで仕掛けて先頭を風を切って走れる選手になりたいです。
今は、強い選手が前にいたら打鐘から前に出て仕掛けていたんですが、もうちょっと仕掛けるタイミングなども考えていかないとダメかなと思います。
理想は先行して逃げ切れるように、ですね。
点数は下がってきてしまったんですが、前々に攻めて着に絡んで、上位で戦えればいいなと。
山口:近い目標は何ですか?
蓑田:デビューの時から変わらず、優勝が目標ですね。今もそれだけです。
一走一走、予選からしっかり力を出して決勝にのって、優勝することを目指しています。
山口:先程も仰っていましたが、ファンの方もたくさんいらっしゃいますよね。声援も力になりますね。
蓑田:そうですね。横断幕も2枚くらいファンの方に作ってもらったので、やっぱり応援してくださっている方がいる限り頑張らないといけないなと日々感じながら練習をしています。最近は写真を撮ってくれる方もいたりして、注目してくれているのも感じています。
だからこそ一般戦などで結果を出せないとより悔しく思いますね。
山口:まもなく後輩期もデビューしてきますが...。
蓑田:私は変わらず、自分の持ち味を出して、優勝を目指して頑張っていきたいですね。
山口:では、最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
蓑田:いつも応援していただいてありがとうございます。しっかり練習をして優勝できるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします!
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA
デビューから約1年。あることがきっかけで成績が上昇傾向に変化した高橋智香選手(愛知112期)。現状と今後についてお伺いしました。
山口:近況、決勝戦へ乗ることも多くなっています。ご自身ではいかがでしょう?
高橋:決勝にあがれるまでには時間がかかったんですが、今は以前に比べて決勝が多くなってきていますね。レースでも前よりは存在感を見せられていると思います。
山口:何か転機はあったんですか?
高橋:ちょうど今ホームバンクの豊橋競輪場が改修工事で使えず、そこから練習は街道だけになってしまいました。
でもそれが私には合っていたみたいなんです!12月からバンクが使えなかったんですけど、そこから成績が伸びてきているんですよね。
それがいい方向にいったんだと、勝手に思っています(笑)
山口:初勝利も今年に入ってでしたよね。
高橋:そうですね。初めて1着を取ってから、割と続けて取れているので、いい流れだと思います。
山口:初勝利はいかがでしたか?
高橋:嬉しかったですね。でも友達の初勝利の方が嬉しくて、自分のはそこまでという感じでした(笑)
昨年11月、松戸のガールズドリームトーナメントの時、最終日に吉原菜那さん(佐賀112期)が初勝利をしたレース。私も一緒に走っていたんですけど、すごい感動したんですよ。自分の時は、いろんな方におめでとうと言ってもらえたんですけど、あまり実感が湧かなかったですね。
がむしゃらに走っていたら1着だったので、夢中だったのかもしれません。
山口:その後、予選で尾崎睦選手(神奈川108期)を追い込んで1着もありましたね!
高橋:ラッキーな1着でしたね。奇跡みたいに尾崎選手が私の前に来てくれたので、ここ追走すれば!と思っていたらたまたま差せたんです。
でも冷静にまわりの状況をみて走れたと思います。道中も足をいい感じに回していけたので、何とか差せました。
後で映像を見て「自分が差せたんだ」と思ったら、初勝利よりも何倍も嬉しかったです。。
デビューしたての頃だったらちぎれてしまったり、もし追走できたとしても差せてはいなかったと思うので。
一般戦と予選では違いますし、予選では自分でなかなか1着を取るのも難しいと思っていたので、まさかの1着でした。
開催が終わって帰ったら、師匠(島野浩司選手・愛知62期)が「自分がレース行っているときに、色んな記者さんや選手に『お弟子さん良かったですね』ってたくさん言われたよ」と言ってもらいました。
山口:記者さんもですが、選手たちもレースは見ていますもんね。
高橋:そうですね。他のたくさんの方に言われたというのが、嬉しかったですね。結構心に残っています(笑)
師匠も「良かったね。これでみんなも見る目が変わると、自分のレースがどんどん出来るようになる。そうなるとレースが楽になるよ」と言ってくれました。
それは本当に実感としてあります。
山口:戦法としてはどんな風に走りたいですか?
高橋:もっと自力がつけばレースを動かせると思うんですが、まだ逃げ切ったり捲りきったりはなかなか難しいですね。
今は自分の出来る走りで、できるだけ目立てるようにと思っています。着に繋がらない部分もあるかもしれませんが、切りに行ったり見せ場を作るようにはしています。
レースの中で、実況の方に一度は名前を呼ばれるように展開を動かしていきたいですね(笑)
それで連に絡んでいければ嬉しいですね。
山口:今は競輪場が使えないと仰っていましたが、他のガールズ選手と一緒に街道で練習しているんですか?
高橋:毎日みんなで街道には行くんですが、それは師匠とか練習グループの選手たちと行きます。男子選手と一緒に街道練習をさせてもらっているので、全然スピードが違うんです。でもそこについていって追いかけているうちに、だんだん追走できるようになってきました。なので自分にとっても脚力がアップしている実感もありますね。
競輪場が使えるようになっても、街道練習もうまく組み込みながらやっていきたいですね。
まさかこんなに成績に、良いように反映されるとは思っていなかったので。
山口:競走得点も近況はずっと右肩上がりですね。
高橋:師匠や練習グループの先輩のおかげですね。最初はすぐ代謝にかかってしまうかと思っていたんです。46点台だった時もあったので焦っていたんですが、何とか上げてこられてよかったです。
山口:そうですよね。そしてもうすぐ後輩期も入ってきますね。この1年はいかがでしたか?
高橋:あっという間でしたね。毎日充実していました!レース行って練習してを繰り返しているうちに、あっという間に1年経ってしまいました。
デビュー戦の時は周りを見る余裕は全くなかったんですが、連に絡めることも多くなってきたので、落ち着いて走れていると思います。
山口:豊橋はたくさんのガールズ選手がいますが、練習の面では有利なことも多いですか?
高橋:女子のスピードの中で練習が出来るのと、男子選手と違って同じガールズケイリンの選手なので、負けた時に言い訳が出来ないですし、やっぱり負けたら悔しいです。みんながそういう風に切磋琢磨をしたり、また他のガールズの選手からいろんな練習方法を聞いてきてくれるので、それをみんなで試したりできるのはありがたいですね。私よりみんな強いので、一緒に底上げをしていければと思います。
山口:今の目標は何ですか?
高橋:まずは常に決勝戦に乗れるようになることですね。優勝もまだなので出来たらいいですが、それよりもまずは決勝の常連になりたいです。
今はまだ上がれたり上がれなかったりなので。なかなか難しいですが、頑張りたいですね。
山口:お客様の声は聞こえる方ですか?
高橋:私はよく聞こえます。名前を呼んでもらえるとすごく嬉しいですね。結構聞こえるタイプなので「あ、こんなに応援してもらえてるんだな」と力が入ります。でもそれが聞こえないくらい集中している時の方が成績はいいんですけどね(苦笑)
懲りずに応援して欲しいです。
山口:最後に、オッズパーク会員の方にメッセージをお願いします。
高橋:これからも前々のレースが出来るように頑張ります。応援よろしくお願いします!
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA
ガールズケイリン1期生としてデビュー後、初のガールズグランプリ女王に輝いた小林莉子選手(東京102期)。
今なおトップ選手として活躍している小林選手に、現状や今後の意気込みなどをお伺いしました。
山口:少し前に、外国人選手と訓練をされたと伺いました。どのようなものなんですか?
小林:日本での競走のルールなどを覚えるために外国人選手に向けて訓練があるんですけど、 いい練習にもなるので、自分からお願いして毎年参加させてもらっています。毎年コテンパンにやられちゃいますけどね......(苦笑)外国人選手も最初は気軽な感じで走っていたんですが、競走訓練のラストは、外国人選手全員と優香(小林優香選手・福岡106期)とりゆちゃん(太田りゆ選手・埼玉112期)が一緒に走るというので、結構真剣に走っていましたね。
山口:一足先に外国人選手のスピードなどを体感できるのは良いですね。
小林:そうですね。斡旋によっては、一緒に走らずに彼女たちが帰国してしまう人もいるので、貴重な体験だと思います。
山口:具体的にはどのような部分が、日本人選手と違うんでしょうか?
小林:日本人選手は体の動きなどを見ていると、もがき始めるタイミングがある程度わかるんですけど、外国人選手はどこで踏み出すかが全くわからないですね。
実際に訓練の時もそこが一番苦労して、離れてしまったりしましたね。
後ろを追走できればチャンスがある、というのではなく、まず追走するタイミングを掴むのが大変だと思いました。
山口:訓練では何か掴めるものはありましたか?
小林:訓練の後に、普段の練習のことなどをたくさん教えてもらいました。外国人の選手たちは、ずっと自転車に乗る練習ではないんです。
昨年もウェイトトレーニングを教えてもらって練習に取り入れていたんですが、今回もモートン選手に「レッグプレス何Kgでやってる?」など具体的にウェイトの事を聞けたのでためになりました。
持ち帰って試してみたかったんですが、そもそも桁違いの重さだったのでちょっとびっくりしましたね。
山口:最近ガールズ選手もウェイトトレーニングを取り入れている選手が多いようですね。
小林:今までは、自転車に長く乗って重いギヤで練習をすれば、それがウェイトトレーニングの代わりと言われていたんですが、どうしても長く自転車に乗っていると腰痛が出てしまうんです。また怪我がつきものなので、落車をするとボディバランスも崩れます。
でも外国人選手たちは圧倒的に怪我が少ないので、練習について聞くと、かなりの選手がウェイトトレーニングを取り入れているんですね。なので取り入れてみたら、変な腰痛や体の痛みなどはなくなったと思います。
山口:体が良い方向に変わっていくのは嬉しい効果ですね。
小林:そうですね。やっぱり日本に来る選手は世界のトップで活躍している人が多いので、そういう意味ではより高いレベルの話を聞けるので毎年楽しみにしています。
対戦をするときは、彼女たちが走るといつものレースの流れではなくなるので、厳しい面もありますけどね。
ただ、普段の練習の面や、日本人同士での対戦、そこでのフォームや組み立てなど、今後の事をいろいろ考えると海外の選手が来るのはプラスの面が多い気がします。
山口:多少ルールは違っても、フォームや仕掛けどころなどは参考になりますか?
小林:なりますね。具体的に「この人か仕掛けると思うから、その時に私はこうしてるよ」と聞くと、自分が仕掛けるタイミングを逆算してレースを組み立てていっているんだなとわかるので、とても参考になります。
後は、セッティングによって踏める位置が違うということや、こんなレースをしたいときはこの辺り(のサドル)に乗っているなど細かいことまで聞けますね。
山口:今後の対戦もありますが、何か対策はありますか?
小林:外国人選手はみんなダッシュが強烈なので、真後ろにマークするという単純なことでは勝てない気がします。ただ彼女たちも「日本のガールズケイリンは難しい」と言っているんです。 走路の長さが大分違いますからね。なので、普段はロングスプリント(先行)をする選手を捲って決まるというところも、 日本だとゴチャついてスプリント勝負になった場合、外々踏まされると厳しくなったりします。その辺りを狙っていけばいいかもしれないですし、展開として持っていかないとダメですよね。
山口:近況についてはいかがですか?
小林:いろいろ試しながら走っていますね。1月に落車をしたんですが、そこでバランスが崩れてしまったのと、乗っていて調子が良かったフレームが割れてしまったんです。
それが使えなくなってしまったのは結構厳しいんですけど、今のフレームにも慣れてきてまとめられるようにはなってきました。
ただ「これだ!」というレースがまだできていないので、そこが課題ですね。
山口:理想のレースはどんなイメージですか?
小林:どんな戦法にしても、自分の踏むタイミングと体が全部一致するときがあるんです。その時に、これだ!と思いますね。
でも今はまだ「ここで踏んだらスピードに乗れるはずなのに出ない」などの不一致があるので、そのズレを修正していきたいです。
流れの中で位置取りができるというのが自分の強みだと思うので、それにプラスしてもう少し自力を出せるようにしたりダッシュを付けられたら、もう少し楽に戦えるんだと思います。
後はもう少し重いギヤを踏めるようにならないとダメだなと思います。
山口:やっぱり重い方がいいんですか?
小林:自分は今3.64を使っているんですが、そこまで軽い選手はトップ選手ではほとんどいないですね。強い選手はほとんどが3.77や3.71など重いギヤです。
それくらいで戦えるようにならないと勝負ができないのかなと思っています。
練習では使い始めているんですけど、自分の中では3.64の感覚がとても良いんですよ。だからなかなか踏み切れない部分もあるんですが、今のレースの流れについていくにはもう1枚重いギヤを踏めるようにならないとダメかなと思っています。
今年の初めから計画をしていたので、一番タイムの出る夏の時期から使いだそうと思って今は基礎を作っているところです。年末くらいまでに使えたらいいかなと思いますね。
山口:今後の目標はどう定めていますか?
小林:おそらくサマーナイトフェスティバルは出られるはずなので(インタビュー時はまだ確定していません)、大きなレースを何か取りたいですね。
ガールズケイリン選手もたくさん強い選手が出てきて、コレクションに出るのも大変になってきました。
今まで、3連対率上位の選手が出られるコレクションには必ず乗れていたんですが、それもトライアルに変わってしまったので......。
ただ今年は競輪祭もオッズパーク杯ガールズグランプリの選考に入っているので、最後まで諦めないで頑張ろうと思っています。
やっぱりグランプリに乗ることが一番大きい目標ですからね。
山口:では最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
小林:今はまだ成績が安定せず、アクシデントもあって優勝回数も少ないんですが、今年はこれから優勝回数を伸ばして、年末のガールズグランプリへ乗れるように頑張るので応援よろしくお願いします!
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA