GⅡレジェンドカップを制した加賀谷建明選手。
8着、5着と惨敗スタートからマシンの立て直しに成功した話を聞いてみました。
(取材日12月30日)
―伊勢崎のレジェンドカップ優勝おめでとうございます。
ありがとうございます。初日の段階では、まさか優勝できるとは思いませんでしたね。
―結構、ドドドがひどかったと聞きましたが...。
そうですね、何をやってもダメで、今節は厳しいな...と感じてました。
―3日目の準々決勝で1着。タイムも大幅に上がりましたね。
ダメ元で、フレームの一部の「先ナット」という部品を新型に換えてみたんです。
そうしたら、それまでのドドドが止まって走りやすくなったんです。もっと早く試してみればよかったですね。
―優勝戦は10メートルオープンの3枠でした。
スタートで達也(川口28期:山田達也選手)に行かれちゃって、厳しいかなっと思ったんですけど、自分の方が強めだったので、後ろへ付けられたら仕掛けてみよう!と。
―見事なレース運びでした。
達也には行かれてしまったけど、その外にズラっと並んでたSG優勝メンバーに行かれなかったのも大きかったですね。
―ドドド解消の要因となった「先ナット」というパーツですが...。
最近、新型が出て選べるようになったんですよね。
―どのような違いがあるんですか?
どっちもいい所があって、悪い所もあるんだけど、新型の方が安定感があって、フロントの喰い付きがいいんだけど、ジワーっと戻るから向きが変わるのが少し遅い感じなんですよ。
旧型はアオったりしやすいけど、向きが変わりやすくて乗りやすい。レースしやすいイメージですね。突っ込んで行く時の沈み方は、どっちもそんなに変わらない感じですね。
―川口では旧型に戻したんですね。
川口は消音マフラーでハネにくいから、旧型に戻してみました。
これからも、走路だったり、天気だったり、季節だったり、その時の状況に合わせて使い分けて行けたらな、と思いますね。
―先ナットは旧型がシルバー、新型がゴールドと色分けされてるので、スタンドからチェックしてみてください。
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今年1級車に乗り換えたばかりの佐藤選手。夏こそ苦戦していたものの、12月20日に行われた山陽オートのGIスピード王でGI初優出から初優勝を飾りました!山陽はデビュー初優勝を飾ったレース場。しかも、GII初優出から初優勝!相性の良いレース場でのGI初制覇!どんな開催、どんな気持ちだったのか、お話しして頂きました。
(取材日:2023年12月24日)
AKI:GI初優出、初優勝おめでとうございます!!
佐藤:ありがとうございます!!
AKI:GIIに続いてGIも初優出、初優勝ですね。
佐藤:そうなんですよね。しかもまた山陽で。恵まれてますよね。GIは簡単に取れるものでもないですし、優勝できて素直に嬉しいです。あとは、今回逃したらいつ取れるかわからなかったので、ホッとした部分もありました。
AKI:ただ、初日は雨で6着。厳しいスタートになりましたよね。
佐藤:そうなんです。まさか、1Rに組まれるなんて思ってなくて。さらに、久々の山陽で、1級では初めて。そして新走路。前検日から全くエンジン合っていませんでした。やばいなぁという感じ。案の定、初日に負けて、レース後からはとにかく手を動かしました。ヘッド、キャブ、電気と思い当たるところ全て扱って。先輩にも山陽はどんなセッティングが合うのかを聞いて、それをベースに合わせていきました。とにかくセッティングをしてエンジンかけに行ってを繰り返してましたね。2日目も行ける練習は全て行きました。かなりバッタバタでした。その前の節に9連勝して良い状態だったんですが、前検日にリングとバルブを替えたりしてあえてその流れを終わらせました。心機一転ですね。そしたら初日は全然合わなくて、「やばいな、まずいな...」という感じ。ただ、2日目以降はなんとかセッティングが合ってくれました。手応えもありましたね。2日目終わって一安心。
AKI:2日目から3日目にかけては何か扱ったんですか?
佐藤:もう少し上積みが欲しかったのでピストンを替えたり、スタートが切れてなかったのでアッセンを替えたりしました。3日目は12R。冬で12Rとなると気候も変わってナイターの感じになります。3日目はタイムは出るもののそこまで手応えがなく。なので、4日目に向けてキャブを大きく扱ったりもう一回ピストンを替えたりしました。優勝戦に乗れば12Rを走る事になるのでそのことも考えつつ3日目から4日目にかけて整備をしていました。
AKI:そんな中、準決は湿走路での戦いとなりましたね。
佐藤:そうなんです。竹谷さん(飯塚23期:竹谷隆選手)と一緒のレースだったんですが、以前ムーンライトの湿走路で負けたことがあって。なかなか勝てないなぁと思っていたんですが、準決では勝てて嬉しかったですね!
AKI:湿走路はご自身ではどう感じているんですか?
佐藤:苦手意識は全くなくて。ただ、1級車になって雨のエンジンの作り方が理解出来てないっていうのがありました。なので、準決の日も行ける練習は全て行って、とにかく練習練習でした。あの日は自分が1番練習していた自信があるくらい。その練習の成果が準決勝戦の1着に繋がったと思います。練習の大切さを痛感しましたね。竹谷さんに勝てたというのは自信にもなりました。
AKI:優勝戦は0mに1人、10mに7人、5枠という位置になりました。初めてのGI初優出という面での気持ちはいかがでしたか?
佐藤:GI初優出に関してはそこまで意識してなくて、優出できて良かったなぁという感じ。あとは、いかにしてタイトルを取るかという事を考えてました。自分がいまGIを取れない要素はなんなのか、ということを色々と考えて。その中で、「取れない要素はない!取れる!」という気持ちでいました。
AKI:試走タイムは3.30でした。レースは少し雨もパラつきましたがいかがでしたか?
佐藤:そうですね。雨がパラついたり不安定な感じ。エンジンも3日目の12Rをベースにしてたんで、試走の時間帯にはエンジンは合っていませんでした。試走見た時は心配だったんですが、レースに合わせた調整だったので3日目の感触を信じて臨みました。
AKI:いざスタート切ってからはどうでしたか?
佐藤:スタート切れませんでした(苦笑)練習から丹村さん(山陽29期:丹村飛竜選手)に先行されてて。本番ではタイミングが遅れたかと思ったらそうでもなかったので、自分のスタートの出だしがまだまだなんだなぁと思いました。行かれた瞬間は焦りましたね。「これはまずい!」と(笑)その後は、とりあえず1、2コーナーで良い位置つけようと落ち着いて。あえて丹村さんを行かせて乗っていくような形を取りました。結果、それがバックで良い位置取りになりました。そこは良かったですね。
AKI:道中の捌きは振り返っていかがですか?
佐藤:エンジン的に作戦大成功でレースの時間帯にバッチリ合っていました。すごく良かったです。なので、直線で前にすごく詰まる感じがありましたし乗りやすさもありました。丹村さんと比べると凄く余力はあったんですが、やっぱり丹村さんレースが上手いですね。何度か仕掛けたんですが入れず。残り5周あったんで、一旦外につけて捲れるかなぁと思いながら捲れず。なので、どこかで思いっきりズバッと入るしかないなと思ってました。直線で完全に並び切ったら行けると思ったんで、ここだっというところを決めて捌いていきました。バッチリ決まって良かったです。エンジンが良い分落ち着けていました。そのままの勢いで前の緒方さん(山陽30期:緒方浩一選手)を行けるなら行こうと思っていたのでそこも思いきって行きました。
AKI:先頭に立ってからの気持ちはどうでしたか?
佐藤:残り2周で先頭に立ったんですが、そこから雨がだいぶ強くなってきて。とにかく不安でした。ペースを落としたくなかったし、雨だから滑りも気をつけないといけない。とにかく集中するしかないなと思っていました。なので、先頭立ったけど全く油断は出来ない、そんな感じでした。
AKI:そんな気持ちの中でトップゴール決めた時はどんなお気持ちでしたか?
佐藤:まずはホッとした気がしますね。「良かった、GI取れた!」という感じです。「よっしゃー!」という嬉しさももちろんあったんですが安心したという気持ちの方が大きかったです。
AKI:その後、周りの選手が集まってきたと思いますがいかがでしたか?
佐藤:師匠(川口27期:阿部剛士選手)の前でのGI制覇だったので良かったですし、退場門にも1番最初に来てくれたのが師匠でした。その他の川口の先輩も喜んでくれてたと思いますし、「おめでとう!」と言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しかったです。
AKI:表彰式はいかがでしたか?
佐藤:自分は地元じゃないんですが、沢山のお客さんが待ってくれていてめちゃくちゃ嬉しかったですね。まさかGII、GIと山陽で取れると思ってなかったのでびっくりですし山陽大好きです!!
AKI:整備のお話も出ましたが、デビューから2年。整備面はどうですか?
佐藤:最重ハンデになって人一倍エンジンを出さないといけない。その辺の整備は2級車と違い大忙しですよね。1級車の方が良いところ、ストライクゾーンが狭い気がします。狭いストライクゾーンにセッティングを入れないといけないので難しいです。良いパーツを入れれば良いわけじゃなくて、そこからさらに良いところを探さないといけない。ただ、そのセッティングが少しずつ分かってきた気がしていて、結果にも繋がってきているのかなと思います。整備の知識が少しずつ増えてきています。
AKI:デビュー年にGII、今年はGIを取りましたが、どんな一年になりましたか?
佐藤:GI取れたり、9連勝出来たり、尻上がりに良かったですね。ただ、夏場の1級車乗り替わりの時はすごく苦労しました。レース道中ミスしたり、危ない時もありました。凄く悩みました。けど、苦労した分最後で取り返せた1年かなと思いましたね。かなり波はあったと思いますが、良い結果につながるための苦労だったのかなと思います。整備も上から下までかなり扱って、理解度も上がったことが結果に繋がりましたね。
AKI:デビューからまだ2年なんですよね!
佐藤:まだ2年なんだという感覚。ただ、人一倍努力はしてるつもりで、一節が他の人よりも濃く過ごせてる自信はあります。凄く疲れますけどね。毎日倒れそうなくらい(笑)
AKI:負けず嫌いが出てるという感じですか?バイク好きというところが出てる感じですか?
佐藤:両方ですね。1番はオートレースが大好きなこと。趣味はオートレースと言えるほど。他にも趣味はありますが、オートレースが好きです。とにかく競走車を整備するのが大好きで、乗る事も大好き。オートレースが大好きというところが向き合う姿勢に繋がってると思います。手先はかなり不器用な方なんで、元々整備とか下手くそで。選手になる前は、バイク用品店で働いたりしてたんですがミスばっか(笑)なので、この世界に入るまではここまでオートレースにどっぷりハマるなんて思ってもいませんでしたし不器用な分厳しいと思ってました。けど、エンジンを自分で整備して、レースするっていうことが他の競技にはなく、そこがハマる要因の一つだったと思います。天職と言えますね。今は本当に楽しく仕事をさせてもらってます。
AKI:2023年飛躍の1年になりましたが来年の目標はありますか?
佐藤:2024年はSGの舞台で活躍したいですね。GII、GIときたらSGしかないので。今年はSGの準決まで走らせてもらったんですが手も足も出ず。SGを取るための力は自分には足りないですね。あとは、地元のグレードを取りたいですね!
AKI:SGで活躍するために課題はなんですか?
佐藤:1番はスタート力ですね。全てはスタートだと思います。もっともっと身につけないと、研究しないとダメだと思ってます。なので、来年はスタートを研究してスタート力を身につける。そこに尽きると思います。今回のGIのように10m角度がある中でスタート行かれるようじゃSGでは話にならないと思ってます。課題はとにかくスタート力です。スタートの研究に終わりはないです。あとは、整備の幅を広げて上を目指していきたいです。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
佐藤:今回GI取ることができたのはファンの皆様の支えがあってのことだと思います。来年はもっともっと活躍できるように、スタート力を磨いて頑張るので応援をよろしくお願いします。
(写真は山陽オートSNSより)
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2月にデビューした飯塚の新人選手。デビュー戦では3着、そして2走目で初勝利を挙げました。13走目で初優出。同期の中では優勝戦一番乗りとなりました。しかし、そこから惜しくも優勝には手が届かず。そんな中、10月に念願の初優勝を地元飯塚で飾りました。その時の気持ち、今後の目標や課題などお話ししていただきました。
(取材日:2023年12月7日)
AKI:初優勝おめでとうございます。お気持ちはいかがですか?
村瀬:ありがとうございます!ほっとしましたね。同期が3人優勝していて自分が4人目。優出でいうと自分が1番目だったので、やっと優勝できてホッとしました。
AKI:初優勝は完全Vとなりましたが、振り返って車の状態はいかがでしたか?
村瀬:初日からずっと良かったですね。なので優勝した節はほとんどエンジンを扱っていません。2級車は消音マフラーとの相性がいいですね。消音の方がハネがなく乗りやすく好きです。なので、初日から車の状態は良かったです。
AKI:そんな中で迎えた優勝戦、何度も優勝戦に乗っていますが緊張はありましたか?
村瀬:緊張しました!今まで1番良い試走タイムも出ていたし"もしかしたら"と優勝を意識しちゃいましたね。ピットの中が1番緊張しました。ドキドキしながら待てました(笑)
AKI:緊張しながらピットを出て行く時、どんな気持ちでしたか?
村瀬:ピットから出る時は緊張はなく集中できてましたね。スタートは少し失敗してしまって小さく入ってしまいました。2級車はその一瞬のミスが大きな命取りになるので焦りましたが、なんとか残すことが出来てあとは逃げるだけでした。すぐ後ろの北原さん(飯塚35期:北原岳哲選手)もすごく速いので、北原さんから逃げるつもりで一生懸命走っていました。スタートして影が見えて、「あんなにハンデがあったのにもう来てる!?」となりましたがその後は無我夢中。6周回があっという間でした。
AKI:レース道中、優勝はどこかで意識しましたか?
村瀬:ゴール線を通るまでは意識してませんでしたね。集中してたんでしょうね。ゴール線を切って「優勝だ!」となりました。すぐに優勝の嬉しさも感じました。レース行く前に師匠には「準決通り走れば大丈夫!」と言ってもらっていて。レース後は師匠や周りの方に拍手で迎えてもらって「おめでとう!」と声をかけてもらいました。嬉しかったです。
AKI:その日の夜はすぐに寝れましたか?
村瀬:その時は、連続開催でそのまま宿舎泊まり。外に出る時には他の優勝者がいたので不思議な感じでした(笑)ただ、"初優勝"という一つの目標をクリアできたので良かったです。
AKI:その後、ハンデが下がってのレースはいかがですか?
村瀬:やっぱり今の位置、最重ハンデから20m前は厳しいですね。まずはスタート、すぐ後ろの選手が速すぎて。そして、20mのハンデ位置からスタートを切ると0mでスタートを切るよりも1コーナーまでが遠く、その距離の分で1級車に伸び負けてしまっています。この前の川口では8号車も経験しましたが大変でした。結果的に4着まで上がれましたが展開作りがなかなか難しいです。なので、今の位置での課題はめちゃくちゃあります。どうしても展開作りが上手くいかないですね。あとは、一回後ろの選手に行かれてしまうと捲り返せないですね。ハンデが下がる前は先行されても捲り返せていたんですが、最重ハンデの人や10m前の人はスピードもあるし技術もあるし逆転はなかなか厳しいです。今の1番の課題はスタートと展開作りですね。ただ、20m前に来て認められたというところもあると思うので嬉しいです。
AKI:スタートは2級車という部分も大きいと思いますが良化に向けて考えていることはあるんですか?
村瀬:同期の栗原(浜松36期:栗原佳祐選手)が速く、1級車に対抗できるということは分かってるので、自分も栗原みたいにスタートをまずは枠なりに残したいです。そのために、クラッチ周り、切り方を色々考えて、練習もかなり行っています。まずはそこですよね。
AKI:課題を聞きましたが、今後の目標は考えていますか?
村瀬:また優勝したいです。同期の中で最重ハンデから20m前で優勝した人がまだいないので1番乗り決めたいですね。
AKI:同期がかなり良い刺激になってますね!
村瀬:なってますね!みんな本当に速い。特に栗原、吉林(浜松36期:吉林直都選手)。食らいついていきたいですね。
AKI:村瀬選手はバイク経験者(ロード)ですが、オートレースとの違いは大きかったですか?
村瀬:全然違いました。ハンドルの形から全く別物。あとは、競走車の振動がすごいです。サスペンションがついてないので直に振動がきます。養成所で初めて乗った時にかなり驚きました。めっちゃブルブルなるし腕も痛くなって、最初は全然上手く乗れませんでした。慣れてきてから乗れるようになった感じです。
AKI:そんな中で、ロードの経験は活きてますか?
村瀬:有利になってると思います。バイクに乗ってなかった人とは経験値が違うので。乗ってて良かったなと思います。選手になるきっかけは、高校の先輩でもあり、ロードからの知り合いでもある永島潤太郎さん(山陽35期:永島潤太郎選手)。潤太郎さんがオートレースの試験に受かって。潤太郎さんに「オートレースの試験受けてみたら?」と言ってもらったことがキッカケですね。小さい頃、祖父に飯塚オートレース場に連れて行ってもらったことがあってオートレース自体は知ってはいました。すごい迫力を感じたのは覚えています。それから何度かレース場には行っていたんですが、大きなキッカケは潤太郎さんですね。身近な人が選手になったので、自分も受けてみようと思えました。
AKI:デビューが2023年の2月、今年はどんな1年になりましたか?
村瀬:オートレーサーとして成長できた1年でした。養成所ではできない人を捲るとか、後ろから走るとか、整備の面もですね。色んな選手の横について整備教えてもらったりしたので、振り返ると成長できた1年だと思います。特に1番整備が難しいです。細かいところがあって失敗はできないと考えると、1番緊張しながらやってます。整備はまだまだ勉強です。周りには優しい人だらけなのでありがたいです。それに、3歳の頃からバイクに乗っていてバイクにまつわる仕事はしたいなぁとずっと考えていました。自分が望んでた職業つけて良い1年になりました。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
村瀬:皆さんの応援のおかげで初優勝できました。これからも展開は厳しいと思いますが、期待に応えられるよう頑張っていきます。
(写真は飯塚オートレースSNSより)
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