川口所属の32期。2月23日に行われたGI開設記念グランプリレース(以下開設記念)で念願の地元グレードレースを制覇!その時の状態や気持ち、今後の目標などお話しして頂きました。
(取材日:2022年3月30日)
インタビュー / AKI
AKI:GI開設記念優勝おめでとうございます!
小林:ありがとうございます!
AKI:優勝した今のお気持ちはいかがですか?
小林:目標としていた"地元の記念で結果を出す"ということを達成できたので凄く嬉しかったですね。地元は応援してくれる方や見てくださる方が遠征より多いので、いつも以上に頑張ろうという気持ちが勝手に強くなります。
AKI:節間は着もまとまっていましたがエンジンの状態はいかがでしたか?
小林:去年も良い状態ではあったんですが、今年に入ってより高い状態で安定してます。開設記念の時も初日から動いてくれていたので、エンジンの状態は良かったと思います。今年に入ってヘッドを替えてるんですがそれが良いのかも知れないですね。良い状態がより良くなった感じです。
AKI:予選道中は1着というのがありませんでしたが、その辺りはどう感じていましたか?
小林:数えるほどしか優勝したことないんですが、自分が優勝する時って予選道中1着が少ないんです。自分の分析では、1着が取れないと上積みを求めて扱っていくんですが、1着が取れると「1着取ったしな...」と整備に消極的になってしまうんです。なので、予選道中の1着が少ない方が整備に積極的になって優勝戦で結果が残せてるんだと思います。開設記念も優勝戦が1番良い状態でした。
AKI:開設記念の2枠は優勝が続いているんですが、そのことはご存知でしたか?
小林:実は全く知らなくって。確かに有吉さん(飯塚25期:有吉辰也選手)が2枠で優勝したのも覚えてたんですが、それを思い出したのもレースの後で。なので、意識は全くなかったです。ただ、初めてのGI制覇(2020年伊勢崎ムーンライトチャンピオンカップ)も2枠で相性が良い枠だなとは感じています。結構2枠ってみんな頑張れる枠じゃないですけど、1枠にかかるプレッシャーがなくそれでいて良い位置というイメージです。気持ち的には少し楽だと思いますし、自分的にはだいぶ熱い枠です。
AKI:その2枠から見事なスタートが決まりましたよね!
小林:本当にスタートが切れました。初日からスタートは悪くなくって、少しづつセッティングを扱って準決で凄く良いスタートが切れました。最終日の朝練でも凄く良いスタートが切れて、そのままの良いイメージで優勝戦に臨むことができました。そういうのもタイミングが良かったのかもしれませんね。スタートに関しては常に意識をしていて、大きなレースになればなるほどスタートからの1周目の展開作りが大切。その中で、自分はまだまだスタートが速い方だとは思っていなくって、もっともっと向上させたいという気持ちしかありません。
AKI:エンジン、スタートと感触が良かったわけですが、優勝戦の前から手応えというのはあったんですか?
小林:マシーンの手応えとか、スタートが朝練から切れているというのはあったんですが、優勝できるという手応えがあったかというとそういう訳ではありませんでした。メンバーも凄かったですし、優勝を狙うぞ!という感じではなかったですね。まずは、自分のベストの展開を作れるように頑張ろうと思っていました。レース前に緊張することもあるんですがメンバーがすご過ぎる分、優勝を良い意味で意識し過ぎることもなく緊張もそこまでありませんでした。あのメンバーと一緒に走れるだけで幸せという気持ちでしたね。まだまだ自分は上位級の選手に何もかも足りていないと思っています。その気持ちが優勝戦で気負わず臨めたんだと思います。
AKI:トップスタート切ってからの8周回ですが、誰かがずっと後ろにいる状態でした。どんな気持ちで走られていたんですか?
小林:開設記念の前のGIキューポラ杯でも優勝戦走って、今回と同じようにトップスタートからの逃げだったんです。その時は本当に長く感じました。けど、今回は気負ってない分長く感じなくて、気持ちの持っていき方で8周回の感じ方っていうのが凄く変わるんだなと思いましたね。スタート切った後もすぐ後ろに加賀谷さん(川口27期:加賀谷建明選手)がいたんですが、ひとコーナ、ひとコーナー、他のことを考える余裕がない状態でそれも良かったと思います。一度、加賀谷さんに捌かれたところも気負ってたら逆転できてなかったと思います。集中出来ていましたね。
AKI:ご自身で振り返って優勝戦は何点くらい付けられそうですか?
小林:100点に近いですが100点ではないですね。何がダメとかではないんですが、100点のレースはここじゃないというか、もっと先にあるかなぁと思っています。自分より良いレースをする人は沢山いるし、優勝戦も自分のベストは出せたんですけど、100点ではないという感じです。
AKI:以前のインタビューで豆腐のメンタルで木綿くらいにはなったかなぁと仰っていたんですが、優勝してまた少し強くなったんじゃないですか?
小林:オートレースはメンタルスポーツで、メンタル次第で結果が左右されるとより実感するようになりました。なので、去年からさらにメンタル強化に取り組んでいます。その結果なのか、自分のメンタルをコントロールできるようになってきてるなと感じています。高野豆腐くらいにはなったかもしれないです(笑)けど、自分の中ではまだまだですね。そのメンタルトレーニングもやればやるほど奥が深いし、もっと知識量を増やせれたらさらに面白い精神状態を作れるんじゃないかなと思っています。
AKI:いろんな努力をされて目標の地元グレード制覇を実現されましたが、次の目標は考えていますか?
小林:次はSGの優勝戦に乗ってみたいです。優勝戦の10周を体感したいですね。今まではSG準決4着がマックス。SGの優勝戦への壁はあると思うんですが、その壁も自分で作っちゃってると思うんですよね。自分の中でSGをよりSGにしちゃってる気がするんです。SGの舞台は凄く憧れてて、出れるだけで高ぶるような大会で、その気持ちが自分でハードルを上げてしまっている。なので、そこも開設記念の時のような精神状態を作れればSGでも良い走りができるかなぁとか考えています。SGになると走る前から気持ちで負けている感じ。結果的に負けたとしても走る前から気持ちで負けるのはダメだなと思っています。なので、高野豆腐よりも硬くならないとですね。
AKI:着実にレベルアップされてますし、その目標へも少しづつ近づいていきたいですね!
小林:そうですね。SG優出までどれくらい足りてないのか分からないですし、どれくらい時間がかかるかも分かりません。ここから凄く時間がかかるかもしれないし、タイミングが合ってすぐに優出出来るかもしれない。運やタイミングも凄く大切だと思います。
AKI:21年度前期には初のS級にもなりましたが、いかがでしたか?
小林:やっぱりレースの展開が変わっちゃいますね。最高ハンの1、2個外の枠に行くということ。その1、2個がより1着を遠のける感じです。捌きやスタート力の向上は必須ですよね。
AKI:となると、今の課題は捌きですか?
小林:そうですね。捌き、そして1周目の展開作りですね。自分で良い位置を取りに行くというところですね。上位級の選手は絶対その位置を取りに行ける、その技術を盗んでいかないといけません。捌きに関しては少しずつは良くなっているんですが、まだまだ課題だらけです。後は、独走力も課題ですね。今すごく意識していることでまだまだ足りていません。走りを見て凄いなと思うのが、同期の中山光くん(川口32期:中山光選手)ですね。開けっぷりが凄いですし、コーナーがめちゃくちゃ速いんですよ。その辺がまだまだ足りてないと思うので意識して向上させていきたいです。グレードレースをとって嬉しい気持ちもありますが、課題だらけでまだまだです。
AKI:けど、その終わりがないところが楽しそうですね!
小林:そうなんです!そこが最高です!オートレースめちゃくちゃ楽しいです!課題がいつもあるので、どうこの課題を克服していこうかと考えるのもすごく楽しい。日を追うごとに楽しくなっています。自分の思った成績じゃなくても、視点を変えれば嫌なことではなくって、みんなが嫌だと思うことも意味があることだと思っています。なので、自分にとっては嫌なことってないんです。なので、本当に楽しいです!
AKI:4月の末にはSGオールスターも控えていますね!
小林:そうなんです。地元で開催されるし、6日間も走れるなんて!もう最高です!!6日間という新たな試みで大会の流れも変わってくると思うので、どう変わってくるのかも楽しみですし、応援してくれる人たちのおかげで出れる大会なんでより気持ちが入りますね。状態も良いので、お客さんが盛り上がるレースをしたいです!
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします!
小林:突き抜けた力はないんですが、諦めないということだったら上の選手にも負けないっていう気持ちでやっています。今後も諦めないレースを見せていけるように頑張りますので、応援をお願いします!
(写真は川口オートFacebookより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。2013年4月~2018年3月まで飯塚オートイメージガール3代目「勝利の女神」として活動した後、レポーターを経て、現在は飯塚オートCS放送、ネット放送のメインMCを担当。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベントやYouTube配信などに出演中。
飯塚所属の27期。オートレース界を代表する選手の1人。2021年度もSGを制覇。どんな1年だったのか振り返って頂きました。そして、2022年度はオッズパークとのスポンサー契約が決定!更なる活躍に期待です!
(取材日:2022年3月5日)
インタビュー / AKI
AKI:2021年度はSG全日本選抜、地元GIダイヤモンド連覇!ご自身で振り返ってどんな1年でしたか?
荒尾:優出に関してはかなりしてるんですよね。ただ、優勝する確率というのが低い。メンバーが揃うとエンジン状態が普通だと勝てないですね。
AKI:そのエンジン状態は1年通していかがでしたか?
荒尾:高いところで安定はしてるかな。ただ、グレードの優勝戦となると足りない。悪くはないですけどね。2020年地元飯塚であったオッズパーク杯SGオールスター・オートレースの時が良すぎて。あの時は完調だった。優勝戦でも1枠からスタート決めれなかったけど捌いてのぶっちぎり。あの時が選手人生でマックスにエンジン状態が良かった時だと思います。その時と比べると足りないなぁという感じですね。
AKI:完調のエンジンから落ちてきてると感じたのはいつ頃なんですか?
荒尾:その年のGIダイヤモンドあたりから怪しかったんですよね。オールスターをピークに徐々に落ちてきた感じかな。パーツも色々交換するけど完調というまでの状態にはなってないですね。最高な状態を知ってるからこそ欲をかき過ぎちゃいます。
AKI:そんな中でも、2021年SG全日本選抜を制覇しています。その時の感触はどうだったんですか?
荒尾:...なんか良かったですね(笑)優勝戦で信夫さん(浜松24期:伊藤信夫選手)と周平(伊勢崎31期:青山周平選手)がやり合ったやつ。その節の初日とかは正直良い状態と言えなくて。準決勝で大きくセッティングを振ったら良くなったんですよね。けどやっぱり前年のオールスターの方が良かったかな。今もその完調だった時の状態を探している状態です。
AKI:青山選手、鈴木圭一郎選手、荒尾選手と3強と言われることもあると思います。どのように感じていますか?
荒尾:俺は2人にちょっかい出してるだけ。あの2人は確実に1着を取ってくるけど、自分は凌いで凌いで勝ち上がってくる感じ。優勝戦には残るけど、あの2人みたいに優勝回数をかせげる感じではないです。けど、「荒尾おるなぁ、ちょっと買ってみるか!」と思ってくれたら良いなぁと思います。あの2人はまだまだこれからがあるので自分はちょっとちょっかい出して。けど、隙があれば自分が勝てるように戦っていきたいですね。自分も40歳を越えてただガツガツするだけじゃダメだと思う。GIIレジェンドカップにも出る様になったわけで、そんな選手が周平や圭一郎と同じことしてたら周りに何言われるか。実際自分も若い時はガツガツしてエンジン壊したりいっぱいしてきたけど、今は年齢とその経験があるからそれを活かしていかないといけないと思います。だから、2人と同じことをしててもダメ。あの2人は本当に良く練習してますよ。
AKI:荒尾選手といえばスタート巧者というイメージの方が多い中、荒尾選手自身は最近はそうでもないと仰っていますが。
荒尾:決して自分が遅くなったわけではなく、周りがみんな速くなってきた。特に周平や圭一郎が速すぎて勝てないからなんとかスタート行かれないように。0mは仕方ないとして10mオープンでは枠を主張できるようにと思って色々試したり練習をしています。やっぱり新型クラッチに変わったことは大きいですね。今が旧型なら勝ててたと思うけど、まだ対応し切れてないところがある。セッティング、切り方ともにですね。やっぱ20年近く旧型でやっていたことをポンっと変えろと言われても難しい。それに、旧型の時は深く考えずふかして離すだけで良かったし、切れなくなったら新品のクラッチ盤を入れれば良かった。けど、今の新型クラッチは繊細。クラッチ盤の枚数も増えたし、クラッチ盤の薄さも0.0何ミリ違うだけで切れなくなったりする。その辺りでの戸惑いはありますね。凄く切れる時もあるけど安定しない。今のオートレースは序盤で良い位置取れないと戦えないので今もスタートは研究中です。ただ、自分の中でのスタートは1周回3コーナーまでのこと。貢さん(伊勢崎22期:高橋貢選手)も同じことを言ってましたね。スタートが切れてる切れてないはあるけど、1周回3コーナーまでは自分の判断次第だと思う。なので、大事なのは"1周回3コーナーでどの位置につけられるか"ですね。ここまでが自分が思うスタートです。
AKI:2月の浜松GIスピード王決定戦の優勝戦では落車もありましたが、今回(レジェンドカップ準決終了後にインタビューを行いました。)は落車の影響も大きくなく優出できた感じですか?
荒尾:基本的に腰回りを簡単にしています。1番前!1番下!とか。みんなは、ハンドルの幅が何センチとか、サドルをこの位置にしてとかしてるけど、自分はバコン、ガコン!で終わる様にしています(笑)
AKI:そんな感じなんですね!(笑)探せばもっと乗りやすいところがあるかもしれませんよ!?
荒尾:良いんよ大体で!大丈夫大丈夫なんとかなる。もちろん細かく合わせる人もいるけど自分は落車も多い方だしこのスタイルが合っている。なので、落車後も腰回りに関しては大きな影響はないと思ってもらって大丈夫です。エンジンに関してはクランクやヘッドを交換したりはしましたけど、セッティングは大体のところが決まっています。今回も良くはないけど悪くもない感じ。経験値ですね。ただ、エンジンが出てないと風の影響をもろに受けるということが分かりました。今まではそんなに気にならなかったんですが、今回の伊勢崎2日目に最後の最後に松尾さん(山陽26期:松尾啓史選手)に差されたのにはびっくりしたし、風の影響が大きい事がわかりました。そういう時は、さくちゃん(伊勢崎26期:佐久間健光選手)に音を聞いてもらったりします。
AKI:いろんな経験をして最近では毎年のようにSGでの優勝がありますよね!
荒尾:そうですね。やっぱりたっくん(日本競輪選手会福岡支部所属:園田匠選手)に教えてもらった整体の先生に出会ってから変わりましたね。人生のターニングポイントと言っても過言じゃない。メンタル、意識の問題、力を入れないということなどを教えてもらいました。10年ぶりにSGを取った2017年スーパスター王座決定戦の半年前に整体の先生と出会ったんですがそこから確実に変わりましたね。
AKI:今年に入って2度の優勝。しっかりとスポンサーの冠開催で勝つところが流石ですね!!
荒尾:ちゃんと仕事してるんですよ!(笑)やっぱ応援してくださってる開催はいつも以上に力が入りますし頑張らないと!と思います。
AKI:約4年ぶりのミッドでも存在感を見せつけて優勝しました!
荒尾:あの開催、実はエンジンが全く出てなかったですよね。けど、スタートが凄く切れてたんです。最初は違和感しかないんやろうなぁと思って練習に行ったら「すげーキレるやん!!」ってなって。そのままレースでも切れていました。消音になっても違和感なく乗れてますね。
AKI:4月から新年度も始まりますが、どんなレースをしていきたいです?
荒尾:綺麗なレースをすること、ですね。無理な捌きをせず。SGだからとか考え過ぎると力も入るし、お金をかけてるお客さんからすると普通開催もグレードレースも関係ない。どんなレースも綺麗なレースを心がけたいですね。
AKI:荒尾選手は積極的にスポンサー契約をしてオートレースの普及活動をされていますが、この度オッズパークさんともスポンサー契約が決まりましたね!
荒尾:そうなんです!本当にありがたいことですよね。走る広告塔になります!(笑)イベントとかはなかなかできないですがレースやリモートのイベントなどで"荒尾がおったら面白いな"って思ってくれたら嬉しいです。なので、どうか複数年契約をお願いします(笑)
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
荒尾:スポンサー企業の皆様とともにオートレースを盛り上げていけたらと思っています。これからも応援お願いします!!
(写真は浜松オート、伊勢崎オートfacebookより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。