伊勢崎所属の34期。2019年にデビュー、ここまで2度の優勝を飾っています。優勝した時のこと、今の課題、今後の目標などお聞きしてきました。その中で、師匠である高橋貢選手(伊勢崎22期)のお話もしてくださいました。(取材日:2021年5月6日)
インタビュー / AKI
AKI:まずは、デビュー初優勝(2020年9月19日)のお話から。当時を振り返って車の状態はいかがでしたか?
横田:2級車だったんですが1節通して状態は良かったです。初日3着でなんとか準決に進めて。準決は、後ろが詰まっていたのもあったんですが、1着で優出することが出来ました。優勝戦の日の天気予報は雨になっていて。晴れでもチャンスはあると思っていたんですが、雨は少し自信があったので「降ってくれれば良いなー」と思っていました。
AKI:優勝戦の日は雨になりましたね!
横田:はい!伊勢崎は大型ビジョンがあるのでオッズが分かるんですが、自分が人気になっているのを見て緊張しちゃいました。試走も固くなっちゃって。ピットの中でも初めて手が震えて。凄く緊張しました。けど、その時に、師匠(伊勢崎22期:高橋貢選手)や先輩選手に言われていること、教わったことを思い返して、レースに臨みました。
AKI:相当な緊張だったんですね!
横田:はい。けど、あえてオッズを見て、自信にして。楽しむというか、人気になっているのを見て「やるぞ!」と力に変えるようにしています。人気じゃない時は「やってやるぞ!自分が大きな配当を出すぞ!」という気持ちで。自分のことを少しでも買って下さっている方のためにも走らないといけないので。どんな時でも勝つぞ!という気持ちで頑張っています。
AKI:緊張の中でも優勝戦。振り返っていかがですか?
横田:スタートラインに立った時は震えも止まっていました。ゴールの瞬間はレースがいっぱいいっぱいで「本当に自分が優勝したんだ...」という感じ。小さい頃からオートレースを見ていたので優勝戦を1着でゴールした時は感動しました。凄く嬉しかったです。
AKI:初優勝はすぐに実感できましたか?
横田:すぐに実感はありませんでした。ゴールの瞬間は嬉しかったんですが、普通のレースの1着みたいな感じで、少し戸惑っていました。ゴール後のロッカーで「おめでとう!」と迎えられてから実感が湧いてきました。
AKI:師匠の高橋貢選手からはなんて言葉がありましたか?
横田:電話でだったんですが、「おめでとう!」と言ってもらいました。普段、褒められるということがなかったので凄く嬉しかったです。
AKI:今年1月に1級車に乗り替わりましたが、1級車でのレースはいかがですか?
横田:最初はハンデもあって順調に勝てていたんですが、段々ハンデが下がってオートレースの難しさを改めて感じました。2級車と1級車では車の抑え方から、エンジンの整備まで全然違います。整備に関しては、1級車の方が敏感というか、少し扱うだけで大きく変わってしまう感じがして。エンジンを出すのが凄く難しいですね。ただ、伊勢崎ナイターは走り慣れていることもあり、また良くなる時がくると思いながら走っていました。
AKI:そんな中、2度目の優勝を2021年3月8日に決めました!
横田:優勝した節は、予選、準決で2着。全然1着が取れなくて落ち込んでた節です(笑)どうしても1着が欲しいというか、伊勢崎の同期の中で1着が少ない事が悔しくて。その時も、同期が1着とる中で自分は1着取れなくて。なので、優勝出来た時は「あれ?」という感じでした(笑)自分の中では満足いく状態ではなかったので、優勝出来てびっくりしました。
AKI:ただ、予選道中も2着は取れているということは、車の状態は悪くなかったんですか?
横田:そうですね!エンジンも良かったし、タイヤも良いものでした。勝負タイヤで「ここしかない!」と思って使いました。結果的に優勝することができて、1級車での優勝は自信にもなりました。今までは雨で速いと言われてたのが、晴れでも優勝。上がりタイム(3.384)も出て良かったです。
AKI:2度の優勝がありますが、横田選手はレース道中は冷静になっているタイプですか?
横田:いえ。いっぱいいっぱいになるタイプです。目の前のことしか見えなくなってしまって。その辺りは師匠からの指摘をされています。なので、ピットの中ではいつも注意される事を思い返してレースに臨むようにしています。そう思っていてもレースでは忘れてしまうので、いつもピットでは復習をしています。
AKI:思い返す内容はどんなことですか?
横田:本当に基本的な事です。技術どうこうよりも、気持ち的な事。自分がよく言われる事なので。すぐに熱くなってしまって、勝ちにいきすぎてしまう。なので、冷静に考えるようにしています。
AKI:4月には師匠との優勝戦もありましたが、あの時はどんな気持ちでしたか?
横田:師匠に勝てれば!と思っていました。実は、2級車の時も一緒に優勝戦を走った事があるんですが、その時は2級車には不利なブチ走路で。けど、この前は自分も1級車で言い訳ができないコンディション。そんな中、ハンデはあったけど勝ちたいと思っていたので勝てて良かったです。
AKI:ここまで2度の優勝。先日、5月1日の優勝戦では7号車を担当しました!
横田:小さい時からお客さんとして観ていたオートレース、7、8号車でレースが出来ることは本当に嬉しい!素直に嬉しいです!そのレースで1番強い人という事。なので、変なレースは出来ませんね。1号車とは違う緊張感です。
AKI:師匠が絶対王者の貢選手と決まった時はどんな気持ちでしたか?
横田:養成所に貢さんが来た時はオーラが凄すぎて、嬉しい反面やっていけるのか不安になりました。やっぱり厳しそうだなと思っていましたし。けど、親が自分以上に喜んでいて。師匠が決まった日の夜は親が寝てくれませんでした(笑)お祭り騒ぎになりました(笑)
AKI:養成所時代は厳しそうというイメージでしたが、選手になってからはいかがですか?
横田:レースの事はもちろん、メンタルの事など色々指導して下さって、もちろん厳しい部分もあります。けど、その指導があって今の自分がいて、優勝も出来たので、師匠が貢さんで良かったなと思っています。けど、今でもたまに貢さんが自分の競走車に跨っているのをみると信じられない時もあります(笑)膝当てや腰回りも一緒にしていて「本当に 幸せだなー」と今でもハッとなるときがあります(笑)
AKI:腰回りのお話が出ましたが、乗り方、フォーム、貢さんに似ていますよね!
横田:腰回りなどが同じということもあるんですが、貢さんを目標に写真などを見比べながら乗っています。速い人の車の抑え方を研究しているところです。貢さんのレースは本当に綺麗で無駄が一切ありません。それと、状況判断が凄いです。自分は目の前しか見れてないんですけど、貢さんは何周も後も想像してるような感じがするので"凄い"しか言葉が出ません。
AKI:横田選手の今の1番の課題はなんですか?
横田:今までは1号車から自分のコースを自分のグリップで走るだけだったんですが、最近は人を抜く事が多くなってきて。人のグリップに合わせながら捌いていくことが課題です。
AKI:整備に関しては?
横田:2級車の頃から貢さんに教わっていて。遠征先で貢さんと一緒にならない時は一人でやってごらんと言われていたので扱ったりしていました。もちろんまだまだですが、その時のことが今に活きてると思います。これからも少しずつ整備を続けて学んでいきたいと思います。
AKI:1級車の雨、湿走路はいかがですか?
横田:苦手意識はないんですが、2級車より滑りやすく、前に人がいると自分のグリップが出来ないこともあります。なので、もっともっと練習して雨も速くなりたいと思っています。これは、今の1番の課題の捌きに繋がってきます。
AKI:目標は決めるタイプですか?
横田:自分は器用な方ではないので、クリア出来そうな目標を節ごとに立ててレースに行くようにしています。前節だったら、三角の練習をしているのでその精度を上げるとか。本当に器用じゃないので1つ1つ。貢さんにも基本が大事だからと言われているのでコツコツと繰り返しています。けど、いつも貢さんに「本当に不器用だなー」と笑われます(笑)
AKI:お話を聞いていると貢さんの指導はしっかりみっちりですね!
横田:はい。自分はバイクの経験がなかったので、初歩の初歩というレベルから指導していただいてます。練習もしっかり見て下さって本当に感謝です。デビュー当初から"高橋貢の弟子"として見られる事は当然とは思いつつもプレッシャーを感じていました。初勝利がデビュー6ヶ月でなかなか勝てず「どう思われてるのかな〜」とか苦しい時期もありました。けど、今はそれを活かして自分もしっかりしないと、結果を出さなきゃと頑張っています。
AKI:その苦しい時期を乗り越えての成長ですね!
横田:伊勢崎同期の中では1番最初に優勝出来ましたし、成長出来ていると思います。これは貢さんや周りの先輩の指導があったからです。あとは、同期の中で勝利数はまだ負けているので越えれるように。これも一つの目標ですね。そして、"選手になりたい"という夢と同時に"SGを取りたい"という夢もあったので頑張っていきたいです!
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願い致します。
横田:自分は小さい頃からオートレースを見て夢を抱いていました。今度は自分が夢を見せることができるように頑張ります。応援よろしくお願いします!
(写真は伊勢崎オート提供)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
飯塚所属の33期。父は山陽所属の吉松憲治選手(山陽21期)。父の姿を追ってオートレースの道に進みました。今年の3月に待望のデビュー初優勝。その勢いは衰えず、初優勝から2節後には地元飯塚で2度目の優勝。その時の状態や、現在のハンデでの走り、課題、目標、さらには、同期で奥様の金田悠伽選手(浜松33期)についてもお話しして下さいました。
(取材日:2021年4月24日)
インタビュー / AKI
AKI:今年3月に初優勝、そしてすぐに2度目の優勝!おめでとうございます!
吉松:ありがとうございます!
AKI:まず、初優勝を振り返って、当時の車の状態はいかがでしたか?
吉松:優勝戦まではハネが出ていて、状態としては良くありませんでした。けど、同期の角(山陽33期:角翔太郎選手)がバック修正とかを手伝ってくれてハネが直りました。それまでもエンジンは良かったので、ハネが直ったことが大きかったですね。
AKI:優勝戦前、初優勝のことは意識されましたか?
吉松:優勝戦の試走は1番時計だったんですが、不思議といつもよりは緊張しなくて。初優勝する前の優勝戦はハンデ0mからの逃げで「もしかしたら逃げれるかも!」とか考えてしまって。けど、初優勝した時は、2号車でハンデ10mからのスタート。厳しいだろうな、と思っていたんです。その考えが逆に気楽に走れたのかもしれません。
AKI:ゴールした瞬間はどんな思いでしたか?
吉松:親父さん(飯塚26期:篠原睦選手)が走路まで出てきてくれていて「あ、優勝したんだ...」という感じ。あまり実感はありませんでした。
AKI:初の表彰台はいかがでしたか?
吉松:自分は山口出身なんですが、優勝した時は友達が見に来てくれていて。表彰式は緊張しましたが、友達の姿も見えて嬉しかったですね。そこで、優勝の嬉しさを噛みしめました。
AKI:その優勝の2節後の地元飯塚ミッドナイトで2度目の優勝。あの時の状態はいかがでしたか?
吉松:初優勝してすぐは連続で山陽ミッドナイトだったんですが、雨で勝ち上がる事が出来ず。けど、2、3日目は1着で、そのまま飯塚ミッドナイト。流れが良かったです。
AKI:そこから連勝が8まで続いていきました!凄い事だと思いますが、連勝は意識されていましたか?
吉松:連勝はたまたまですよ(笑)いつか止まるだろうと思っていましたし。連勝への意識も、準決の時なんかは優出したいという思いの方が強かったですし、優勝戦も連勝の事は意識していませんでした。連勝よりも目の前のレースに集中する感じです。けど、親父さんに褒めてもらえたので嬉しかったですね。「俺より勝ちやがって(笑)」と言われました。(笑)
AKI:エンジンは良い状態が続いていますが、通常マフラーと消音マフラーで車を乗り換えていますよね?全く別の車ですか?
吉松:はい。全く別の車です。最初は練習用、予備車として持っていたんですが、荒尾さん(飯塚27期:荒尾聡選手)に「レースでも乗ってみたら?」と言ってもらって。それで、乗ってみたんです。最初から試走が出ていたし悪くはないなと思っていました。そこから、マフラーで車を分けていたんですが、結果的に2台とも優勝出来ましたし良い状態ですね。2台とも良いなんてラッキーです。今は、通常も消音もエンジンに関しては良いです。
AKI:優勝してハンデは下がりましたが、今の位置でレース走ってみていかがですか?
吉松:ハンデが下がって嬉しいんですが、やっぱり人を捌くのは難しいですね。人を抜くのは上手じゃないし。かといって、先頭に立って独走力があるわけでもない。自分は武器と言うものが無いです。出来ればスタートを武器にしたいんですが、失敗も多いし自信はありません。いつも見ている親父さんは安定してスタートが速い。けど、レベルが違い過ぎて見て学ぶところまで達していません。
AKI:整備に関してはいかがですか?
吉松:ここ1年くらい自分なりに色々扱ったりする様になりました。もちろんまだまだですけど、何となく分かるようになってきました。自分はしっかり止まってくれるエンジンが好きなので、その方向で扱っています。
AKI:雨に関しては?
吉松:元々雨はあまり乗れる方ではありません。けど、飯塚のミッドナイトの時に雨で3着の時があって。中尾さん(飯塚31期:中尾貴志選手)に「もっと力抜いて乗ればいい。」と言われて乗ってみたらまあまあ乗れて。「あ、力入れない方が滑らないんだ。」というのが分かりました。もちろんまだまだ雨が乗れる選手というわけでは無いんですが、少しずつ良くはなっていると思います。いっぱい練習して雨の走り方に慣れていかないとですね。
AKI:今の目標はなんですか?
吉松:親父さんと同じ位置で走る事ですね。最重ハンが今の目標です。親父さんは大きくエンジンを扱う方ではないけど、良い成績を残してる。やっぱり捌きが凄いです。綺麗だし危なくない。そうなれるように頑張ります。
AKI:篠原選手からの指導はどんな感じなんですか?
吉松:レースの事は色々アドバイスをしてもらっています。選手のどこにつけて捌くのかとか、捌くタイミングとか、体重の移動の仕方とか。荒尾選手にも教えてもらっています。上位選手が身近にいて、教えてもらえるなんて絶対良い事ですよね。凄いグループにいます。ただ、自分とレベルが違いすぎるので、アドバイスや親父さんの走りを見てイメージは湧いてもいざ行動に移すと同じ様には出来ません。やっぱり凄いです。
AKI:2017年にデビューしてまもなく5年目の年を迎えます。この4年間振り返っていかがですか?
吉松:もう丸4年!あっという間でしたね。一生懸命だったんだと思います。充実してました!
AKI:父である憲治選手の姿を見て、カッコいいと憧れて飛び込んだ世界。試験を受けると決めた時の憲治選手の反応はいかがでしたか?
吉松:最初はそこまで賛成ではなかったと思います。反対ではないけど「ちゃんと決めんといけんぞ。」とは言われました。けど、受かってからは仕事の話しもするようになりました。
AKI:そして、奥様の金田選手と出会って、結婚もされましたしね!
吉松:そうですね!いずれ復帰すると思いますし、そうなったらより一層頑張らないとですね。レースの事を聞かれることもあるんですが、自分が教えれる程上手く無いので。それに自分よりセンスがあると思うし(笑)なので、いつも「大丈夫!」と言ってます。
AKI:けど、優勝は先に決めましたよ!!
吉松:そっか!良かった(笑)けど、結婚する前一緒に走って2回中2回負けてるんですよ。今は結婚して家族になったので、基本的に同じレースになる事がなく負けたままです。たしか父ちゃん(父:吉松憲治選手)も1回一緒に走って負けてるんですよ。親子で一度も勝ててないんです(笑)結婚する前に1回は勝っておきたかったな~。あ~悔しくなってきた~。
AKI:(笑)あるとすれば、優勝戦か、準決で負けた次の日のレースかですね!
吉松:そうですね(笑)出来たら優勝戦で戦いたいですね!あとは、父ちゃんにも勝ちたいですね。後ろから走って。親族に勝つ!(笑)
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
吉松:親父さんに追いつけるように、一つ一つレベルアップできるように頑張ります。応援よろしくお願いします。
(写真は山陽オート、飯塚オート提供)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。