6月に行われた地元山陽「GI令和グランドチャンピオンカップ」でグレードレース初優出を決めた青木隆浩選手。選手になるきっかけや、ここまでの選手生活を振り返って頂きました。(取材日:2020年8月2日)
インタビュー / 内野久照
内野:身長・体重を教えて下さい。
青木:身長168cm58kgです。人生これまでで、1番痩せていた時が56kgです。
ここをキープできるように目指して行きたい。
内野:トレーニングは、どのように取り組まれていますか?
青木:自宅では筋トレを行ってからジョギングです。40分から45分走っています。
選手になってから続けています。毎日はできないですができる時は必ずやる様にしています。
内野:今開催(8月2日山陽開催)から、ハンデが軽化しました。
青木:今の自分の実力です。
もちろんですが、また10m前に戻れるようにしたいです。
内野:10m前の位置はどうでしたか?
青木:地元山陽のGI令和グランドチャンピオンカップ準決勝戦からハンデが下がりました。
そこから3節10m前を経験させて頂きました。
今まで同ハンで走っていた人を抜かないといけない。20m前で走っていた時もほぼ捌く事がなかった人達をこの位置から抜かないといけないので厳しかった。
20mの内側からスタート切って前の1人2人を捌く。これが出来た時は結果に繋がるというのが今までの自分のスタイルでした。
10m前になって分かったことは同ハン皆がスタート早かったです。
内枠でしたが毎回必ず先行するということは難しかったです。
内野:沢山、学びましたね。
青木:はい。後ろから走るという事は、捌かないと上位着を獲れないという事です。
10m下がっただけで全然違う。
ちょっとでももたつくと最重ハンデ後ろの選手にやられます。
3節程でまた前に戻りましたが学びが多かった10mでした。
内野:選手になって4年目ですが、選手になるきっかけは?
青木:両親がバイク屋を営んでいます。
父が古橋隆志(川口:15期)元選手と交流があったので、山陽オートに父と観戦に行ったのが初オートです。岡山県から行きました。小6の時でした。
初めてのオートレースは衝撃的でした。音とスピードに圧倒され一瞬で好きになりました。格好良いなと思いました。
まだヘルメットキャップが装着されている時でしたのではっきりと覚えています。
その時は選手になりたいとかなれるとか、まったく思っていなかったです。
次に見たオートレースはそれから5年の月日が経っていました。
5歳上の兄との観戦は17歳の時です。生涯2回目となる山陽オートは自分にとって人生を変える出来事になりました。小6で見た時とは違っていました。次に見たオートは別世界に感じ、特別であこがれの場所になりました。
「やっぱりオートレースは格好良いな」と改めて感じました。
「選手になりたい」と真剣に思うようになりオートレース選手を目指す事を決意しました。
2回目の山陽オート観戦がなかったら今の僕はいませんね(笑)
内野:試験は何回受けましたか?
青木:僕は3回です。兄弟4人全員が試験を受けました。
内野:えっ!4人兄弟ですか?
青木:はい、7歳上の長男は29期を、5歳上の次男は31期、33期を受けました。
三男の自分は19歳の時に31期を、22歳で32期を、25歳で33期を受け合格しました。
5歳下の弟も34期を受けています。
父に影響を受け、兄弟皆がバイクを経験してオートレースを受けました。
僕だけ選手になったので兄弟の気持ちも乗せて頑張って走りたいです。
もっと頑張らないといけないと思っています。
内野:合格は3度目の正直だったのですね。
青木:33期の募集が始まってから合格に向けて61~62kgあった体重を56kgまで落としました。
筋トレもやりました。走る事も続けました。
内野:合格した時はどうでしたか?
青木:試験に受かった時は嬉しかったです。家族も喜んでくれました。
夢だった職業に就く事が出来ました。本当に嬉しかった。
内野:養成所での思い出は?
青木:5番の競走車をもらった時は興奮しました。凄く嬉しかったです。今でもはっきりと覚えています。
養成所は缶詰状態で、早寝早起きで決められたカリキュラム、スケジュール通りに生活するので、凄く辛くてきつかったです。
内野:前職は何をされていましたか?
青木:高校を卒業してからは溶接の会社に勤めました。会社員を続けながら試験を待って、オートレース選手を目指しました。
内野:同期の仲良しは?
青木:同期では年上組の3人が仲良しですね。伊藤正真(伊勢崎:33期)と山本将之(山陽:33期)です。まずは2人に追いつきたい。
内野:二人はすでに優勝を経験しています。
青木:はい。将之が優勝した時は正直悔しかったです。僕も優勝できるように頑張ります。
内野:黒川京介(川口:33期)選手についてお聞かせください。
青木:同期は意識しますね。黒川が同期の中では1番です。そこにも追いつきたいです。
内野:ご結婚されたと聞きました。
青木:昨年12月に結婚しました。この事をきっかけに自分自身が変わって今まで以上にオートレースと向き合い、頑張って稼ぎたいです。
内野:お家での過ごし方は?
青木:家では半身浴です。長い時間入っています。
趣味は映画鑑賞です。少し古いですがアニメ映画の「リメンバー・ミー」はおすすめです。
僕はインドア派ですので家でテレビを見る事が多いです。深夜のバラエティ番組、お笑いなどを録画して良く見ています。
岡山県出身なので千鳥の二人が好きですね。ミルクボーイの漫才も大好きです。
内野:プライベートでのライディングは?
青木:バイク屋に生まれ、5歳からミニバイクにまたがり、モトクロスをしてきました。大会にはほとんど出ていませんが、今でも250ccのバイクに乗っています。
内野:有観客再開となりましたが、いかがですか?
青木:久々にお客さんの前で走りました。待ちに待った再開でした。
自分達を見てもらっているのでここで活躍したいですね。
お客さんの前で良い着を取って、買って頂いた方へ貢献したいと思っています。
内野:2020年はどこに目標を置いていましたか。どこに向かっていましたか?
青木:今年は4つの目標を立てました。
①10m前になる。
②A級の100番以内になる。
③年間20勝する。
④そして初優勝する。
内野:目標の中に初優勝もしっかりありますね。
青木:まだチャンスはあると思っているので初優勝は絶対にしたいです。
優勝してこれまでお世話になった皆さん、教えて頂いた先輩方に恩返しがしたいです。
内野:今年は初めてGI優勝戦を経験しましたね。
青木:2020年GIの決勝に乗れたことはビックリです。
初めての8周回は長かったです。集団について行くだけのレースになりました。
内野:緊張しましたか?
青木:もちろん優勝したいと思っていましたが、そんなに甘くない。
と思ったら、楽な気持ちでスタートする事ができました。
上位の人達、強豪メンバーと走れましたし、いつもと違うレースになりました。
大舞台のファイナル、8周戦を味わって走る事、余裕は一切ありませんでした。
結果は8着でした。GI優勝戦を走っている実感はなかったです。前を追いかける事で精一杯でした。
それまで20m前では勝ったり負けたりと、捌きや抜き方が上手く行かず、車の位置取りやタイヤの付け方が良くなくて、後ろからやられて、着を取れない日々が続きました。
令和グランドチャンピオンカップでは、逃げただけなので、GI優勝戦に乗った事もハンデが10m下がった事も、誇れるとは思っていません。でも自分自身の中で確実にプラスになったと思っています。
普通のレースの8着とGI決勝の8着は違うと思っています。
この経験を必ず次に繋げられるようにしたいです。そして力を付けたいです。
内野:デビュー4年目になりますが、課題などありますか?
青木:1級車に乗ってすぐに20m前のハンデになりました。人を抜くこと捌くことが一番の課題です。これはずっと思っていることです。
20m前のインコースから逃げて勝つレースがいくつかあり、ハンデが下がってたまたま着をとり10m前になっただけです。
もちろんチャンスだったのですが、この位置をものにする事はできなかった。
今の課題は「基本的な技術を身に付ける事」です。
エンジンが良くて展開が向かないと1着が取れない。それではダメです。
しっかり捌いてレースをして認められて一般戦で初優勝してハンデが下がりたいです。
内野:改めて今後の目標は?
青木:まずは、着実に一歩一歩前進する事、成長する事です。
言うのは簡単ですよね。しっかり達成していきます。
内野:オッズパークを御覧の皆様にメッセージをお願いします。
青木:いつもオッズパークを利用頂きありがとうございます。自分は最近調子が良くなく車券に貢献できていませんが、自分を買って下さったお客様の為に一走一走頑張って走ります。
穴狙いの方々に喜んで頂けるように穴を出せる様に力一杯走ります。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。
飯塚所属の29期。近況、安定した走りを見せ半年ほど前に最重ハンデに。昨年からSGにも出場する機会が増えてきました。そして、2020年度後期には初のS級に昇格!しかし、まだまだ自信がなく課題が沢山あるとのこと。S級への思い、今後の課題などお聞きしてきました。(取材日:2020年7月30日)
インタビュー / AKI
AKI:2020年度後期の全国ランキングは初のS級です!おめでとうございます!
田中:ありがとうございます!ビックリしました!そんなにランクが上がるんだ...と。
AKI:S級になれて嬉しい気持ちはありますよね?
田中:そうですね。ただ、まだまだというか。自分の感覚ではAの4位くらい?Aの一桁いけたかなぁという感覚だったので。
AKI:S級になるという事は、スタート位置が厳しくなるという事ですが。
田中:そうなんですよ。今でも厳しいと思うのに...。
AKI:けど、最重ハンデ定着したんじゃないですか?
田中:いや、まだまだですよ。1年位走り続けないと定着したとは言えません。
AKI:車の状態は安定してるように思うのですが、ご自身ではいかがですか?
田中:エンジンは安定してますね。2年前くらいに、てるちゃん(飯塚29期:田中輝義選手)にクランクを借りて乗ってみたらすごく良くって。その後、自分でもクランクを買ってみたんですがそのクランクも良かったんです。そこから安定していますね。シリンダーやヘッドは交換したりしてますがクランクはずっと同じものです。
AKI:良いところで安定しているんですね。最重ハンで半年走った感じ、振り返ってどうですか?
田中:10m前の時は最重ハンの人に捌かれていたのに、今は同じ位置に並んで勝てたりもするので嬉しいですね。
AKI:最重ハンでも戦えてる!という感覚はありますか?
田中:自信は全然まだまだ無いんですが、この位置におりたいなぁとは思っています。キツイ位置だけど最重ハンは目標にしていたので。
AKI:今まで、最重ハンで走っていた時期はあるんですか?
田中:あるけど、グレードの準決とかで下がっての最重ハンとか。以前、1回だけ今回みたいに下がった時もあったんですが、その時はすぐに戻っちゃって。なので、今回はしっかりこの位置に定着したいです。
AKI:近況のレースに関してはいかがですか?
田中:晴れは雨よりも安定しているかな。けど、晴れもまだまだですね。
AKI:どの辺りがまだまだだと感じていますか?
田中:全部、全体的にですね。スタート、捌き、整備。さらに、最重ハンはみんなスタートが速い。けど、10m前の時は後ろに最重ハンの選手がいるので「スタート失敗出来ない、しっかり切らないと!」と気になっていたんですが、今は後ろに選手がいないので空回りを気にぜず、逆に思いっきり切れています(笑)
AKI:少し前(2020年7月17日飯塚準決)にフライングがありましたが。
田中:1回目のスタートで浦田さん(飯塚23期:浦田信輔選手)がフライングをして「お、これはチャンスかも!」と思って切ったら攻めすぎちゃって(苦笑)2回目は自分がフライングでした。けど、そのレースは厳しいメンバーでフライングをしながらも3着まで上がってこれたのでエンジンは良かったんでしょうね。けど、欲が出ちゃいました。
AKI:雨のお話が出ましたが、ご自身ではどう感じているんですか?
田中:雨はたまに乗れるんですけどまだまだ。昔はちぎられていたので少しは良くなっているんですが、もっともっと練習しないといけませんね。雨に関しては乗り方です。速い人のレースを見て勉強しています。今の自分の課題は雨ですね。
AKI:晴れが良い分、雨がもっと良くなればさらにレベルアップできそうですよね!
田中:そうなんです。雨が乗れれば優勝戦に乗れるチャンスも増えるだろうなぁと思いますし、実際にそういう場面も何度もありました。今は、エンジンの整備より乗り手を強化していきたいですね。自分のエンジンに速い人が乗ったら凄いと思います。勝てないエンジンではないはずです。周りのみんなには冗談で「正樹のエンジンが1番!」と言われたりもします(笑)
AKI:ところで、田中選手はいつ頃から選手への道を考えていたんですか?
田中:実はオートは小さい頃から観にきていて。最初は父親に「選手になれ!」と言われていました(笑)父親もオートレース大好きなんです。小さい頃は出かけるとなるとオートレース場。最初は27期で一度試験を受けてダメで。28期はタイミングが合わず受けず、29期を受けて受かりました。
AKI:飯塚がメインだったんですか?
田中:そうですね。けど、大学が山口だったので山陽にも遊びに行ってました。結構通っていましたね。
AKI:お客さんから選手目線になった時はどう思いましたか?
田中:お客さんの時は「なんであそこ入らんのやろう?」と思うこともあったけど、実際に自分が走ると「無理!」と思うというか難しさが分かりましたね。この前のGIダイヤモンドレースの優勝戦の荒尾さん(飯塚27期:荒尾聡選手)とか凄いところ入るやないですね。どうやってしよるんかな?と。やっぱ技術面での難しさは多々あります。
AKI:そんな中、選手になって16年です!!ご自身での自分の評価はいかがですか?
田中:自分のペースですがここまでこれたし良かったです!
AKI:それこそ、今結果が出てきてるところじゃないですか?
田中:そうですね。最近思うのが、先輩選手を見ていると、自分はまだまだこれからだなと思うというか。普通の競技だと30代後半で引退も見えてくる中でこの競技はもっと上の選手が頑張っている。岡松さん(山陽17期:岡松忠選手)とか穴見さん(山陽12期:穴見和正選手)を見ていると凄いし元気をもらいます。なので、自分もこれから。まだまだオートレーサーをやっていきます。
AKI:先程、最重ハンが目標と仰っていましたが、グレードレースに関してはいかがですか?
田中:6月の山陽GI(令和グランドチャンピオンカップ)ではじめてGI優出を決めました。この時はホッとしたというか、選手人生で1度でもGIの優勝戦に乗れたという事で安心しました。
AKI:その優勝戦を振り返っていかがですか?
田中:レースはいつも通り走れましたね。ただ結果は6着だったので、もしまたGIの優勝戦に乗れるなら1つでも良い着を取りたいですね。
AKI:3連単、連絡みを!!
田中:そうなれば最高!(笑)
AKI:8月にはSGオートレースグランプリも控えていますが、グランプリは10年ぶりです。
田中:10年ぶり!!久しぶりですね。以前出た時は全然着を取れなかったんですよね。去年のSGでも大きい着が多くて。今年は予選からしっかり着を取って、まずは準決目標で。いままでSGの準決は乗ったことがないので。
AKI:そうですね!準決での走りを期待してます!
田中:ただ自分は落ち込みやすいというか、大きな着を取ったりすると「ダメやったんかな...」と思ってしまうんです。
AKI:メンタル的に弱いという感じですか?
田中:弱いというか凄く気にしちゃうというか考えてしまうんです。落ち込むというよりも自信がない感じですね。
AKI:なるほど。今は自信をつけたいという感じなんですね。
田中:そうですね。乗る技術を身に付けて自信もつけていきたいです。
AKI:最近は同じロッカーグループに新人選手も入ってきましたがいかがですか?
田中:賑やかかになりましたね。ただ自分は教えなきゃいけない立場で、教えるのが苦手なので大変です。稚也(飯塚34期:長田稚也選手)も見た感じ悪くないのに結果が出ない。開けっぷりとかなのかもしれないけど、上手く教えてあげれてないですね。
AKI:有観客でのレースはいかがですか?
田中:やっぱり気合が入るというか頑張らなきゃ!といつも以上に気合いが入ります。試走に出た時とか。やっぱりオートレースは生で見て欲しいです。もちろん、スタートラインに着いたらいつも通りレースに集中してますよ。
AKI:オートレースファンの方にメッセージをお願いします。
田中:S級なれたので色んなSGに出れるように頑張ります!応援よろしくお願いします。
AKI:オッズパーク会員の方にもメッセージをお願いします。
田中:オートレースも観てもらえたら嬉しいです。今はコロナのこともあり厳しい状態が続いていますが、落ち着いた日には生のオートレースも観に来てください!よろしくお願いします。
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
自分に厳しく後輩思いの前田淳選手は来年4月にデビュー20年を迎えます。高校では高知商業野球部に所属し、甲子園出場の経験を持つスポーツマンです。生まれ持った身体能力を生かし、オートレース選手としてアクセルを握り続けた20年を振り返ってもらいました。
インタビュー / 内野久照
内野:はじめに身長と体重をお聞かせ下さい。
前田:身長は159.5cmです。160cmと言いたいところですが、無いから仕方ない(笑)
体重は51kgです。常に50kgでいたいね。
内野:足のサイズも良いですか?
前田:25.5cmです。何か恥ずかしいね。
内野:では本題に。2020年ここまでの調子はいかがですか?
前田:自分なりにはここ2ヶ月くらい少しずつ良くなってきている。感じ良く走れている。
不調の原因はここまで整備もそうですが、仕事として自分が出来ていなかったから。
上手く行っている時はリズムも良くなり前向きになれる。
トータル自分の結果に繋がっている。
だから最近思う事は...負けた時にエンジンが悪いとは言いたくない。でも勝った時はエンジンが良いと言いたい。
内野:レースで気を付けている事は?
前田:慌てると怪我、事故に繋がる。
自分の成績の為だけに意味のない落車はしたくない。レースは相手がいる事なので危ないレースは避けないといけない。
年々若い時のようにはいかないので綺麗なレースを心懸けている。その中で若い子達にレースで負けないようにしたい。
内野:思いが交錯しますね。
前田:結論「結果が全て」ですね。
自分の成績が上がって、もっと重みのある言葉として発したいね。
内野:前田淳の調子はどこを見たらわかりますか?
前田:基本はドドド(不正振動)持ちなので跳ねない様にと外側にゴールする。
この時は良くない。
4コーナーの立ち上がりからゴールに向かって感じ良く内側を走れていたら良いと思って下さい。
内野:目標は決めていますか?
前田:目標は毎節の事ですが、準決勝戦を目指しています。
一般戦だからグレードレースだからと関係なく毎回どの開催でも準決勝戦で走る事を目標にしています。準決勝戦は良いメンバーと走れる。若い人や速い人と走れるので自分磨きが出来るレースです。
内野:一節間頑張れるのは?
前田:自分の中にある目標に向かっているので、モチベーションを上げて頑張っています。
内野:来年2021年4月でデビュー20年ですが
前田:あっという間でしたね。
これからも車券を買う人の気持ちになって走る事です。その気持ちを長く持ち続けるように諦めずに走ります。
自分の事より後輩の松生信二(山陽:30期)と山本将之(山陽:33期)がどんどん強くなってもらいたい。松生は真面目で優しいです。山本はまだ自分を出していない。
若い子達が頑張って稼いで欲しいですね。
内野:トレーニング方法は?
前田:レース場では夕方に時間がある時は運動しています。柴っち(柴田健治:浜松27期)が居る時は必ず一緒に運動するようにしています。
仕事の話はもちろんですが色んな話をします。
外線の外を6周します。柴っちは、すぐ周回を減らしたがる。1周減らす為に「朝歩いたから」とよく嘘を付きます(笑)
内野:レース場での健康法は?
前田:開催中は食べる量を減らしています。お腹が空いてイライラする一歩手前の状態がレースで自分を一番発揮できる。
そうしていると開催が終わって出た時の楽しみに繋がる。
内野:8月に伊勢崎オートでSGがありますが
前田:SGだからGIだから一般戦だからと開催の大きさに関係なく、全て同じ様に考えています。その方が目の前の1走に集中できるから。
内野:伊勢崎遠征時には必ず寄るお店があるそうですね。
前田:桜亭さんです。大学の時からお付き合いがあるお店です。お店を通じて知り合った方が沢山いるので良い報告が出来る様にレースで結果を残せたらと思っています。
伊勢崎遠征の時に必ず顔を出していますが今は行けないのでまた落ち着いたらお店に伺いたいと思っています。少しでも頑張っている姿を見せられたら喜んでくれたならと思います。
内野:昨年のSGオールスターで決勝に出場しています。
前田:SGの決勝は緊張しなかったね。
準決勝戦の前日が一番緊張する。3日目は勝負掛けになるからね。ここをクリアしないと準決勝戦には進めないので気合いが入りました。
内野:愛車「メスカリート」の由来は?
前田:由来は分からないけど師匠の岡松さん(岡松忠:山陽17期)に頂きました。未だにメスカリートの意味は教えてもらっていない。活躍出来た車名は良い結果に繋がるからともらいました。
内野:思い出のレースは?
前田:20年走っている中では新しいけど、浜松のオールスター準決勝戦(2019年4月30日)ですね。2着でした。SGの決勝に進めたレースです。苦手な不安定走路で佐藤貴也(浜松:29期)選手に勝てた事が凄く嬉しかった。
試走から風が強くてピットの中で佐藤選手と今日の風に付いて話をしました。あの時は3コーナーにかけて追い風が吹いていました。佐藤選手が「いつもと違う風向きです。今日はいつもと違って3コーナーが流れるのですよね」と言っていた。それを頭に入れて走っていました。
もちろん地元選手だから分かる事です。皆にそれを教えて堂々と戦う姿勢が素晴らしいと思ったのも事実です。
内野:もと甲子園球児ですよね。
前田:高校2年の春の選抜で出場しました。
甲子園は小さく見えた。スタンドが凄く大きかった。2番セカンドで出場して7打数1安打でした。
最後の夏は1回戦での大敗でした。
その時の1番の思い出は「勝っても負けてもバーベキューらしいよ」と伝令が来た。これで終わる開放感がありましたね(笑)
普段厳しく縛りがあった高校生活。夏の甲子園を目指して毎日白球を追いかけていた3年間だったので自然と笑顔がこみ上げてきました。
内野:人生の思い出の一つですね。
前田:もちろん思い出にはなっています。
ただこの仕事をしている以上基本は「終わった事には興味はない。楽しい事は覚えている」ですね。
内野:選手になるきっかけは?
前田:群馬の大学に行き伊勢崎オートでオートレースを見た事です。
内野:あこがれの選手は?
前田:城戸利成(伊勢崎:11期)元選手が格好良かった。
乗り方です。やる気が伝わってくる走り方でした。
内野:試験は何回受けたのですか
前田:26期で一度不合格になり27期は年齢的に最後のチャンスでしたが受かりました。大学の友達がバイトしている所に、伊勢崎25期の岩沼靖郎選手がいました。岩沼選手の合格が刺激になったし、アドバイスも頂きました。岩沼さんにはそれからずっとお世話になっています。
内野:師匠からの教えは?
前田:岡松さんからは練習もレースも濱野淳(山陽24期)選手を見る様に教えられた。
一緒に走っている時は濱野選手を見る様に言われました。
内野:ライバルは?
前田:まぁライバルという感じではいないなぁ。
内野:同期の存在は?
前田:あっ!こんなのでもいい?岩永清文(山陽27期)選手には負けたくないです。
多分負けないと思いますが(笑)
内野:オートレース選手で良かったと思う時は?
前田:オートレースを通じて沢山の人と出会えた事、色んな職業の人と出会えた事ですね。
特に八百屋(牛島さん)とイタリアン(佐藤さん)と書いて下さい。(笑)
開催が終わって家に帰ると一人の父親です。
選手ではない自分と付き合ってくれる人達です。
内野:レース場に必ず持って行く物はありますか?
前田:自分専用の枕です。首をよく寝違えるので。
内野:地元山陽にお客様が戻ってきました。
前田:少しずつコロナが収束へと向かってほしいです。
スタンドにファンがいると乗り手もレースに向かう気持ちも湧いてくるし、声援に応えたいと気持ちも入ります。
内野:これからの目標としては?
前田:普通でいたい。普通が難しいけどね。
内野:今回のインタービューは新飯塚の「アンジョルノカフェ」さんに、ご協力頂きました。おすすめのメニューは?
前田:店長のおすすめが一番です。
アンジョルノは店長の佐藤夫妻の人柄が好きでお付き合いさせて頂いています。
沢山の選手にも来店いただいているのはお二人の頑張りですよ。
佐藤夫妻に出会えた事に感謝しています。
居心地は良いし食事も美味しいお店です。
レース場観戦の際はアンジョルノに、ぜひお越し下さい。
内野:オッズパークをご利用の皆様へメッセージをお願いします。
前田:今、コロナで大変な時に走らせて頂き感謝の気持ちで一杯です。
皆様の声援に少しでも応えられる様に走りますので、これからもオートレースをよろしくお願いします。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。
飯塚所属の23期。グランドスラムを達成しており、飯塚を長年率いてきた選手の1人です。「飯塚の大将」とも言われています。そんな浦田選手、近年はタイトルから少し離れています。しかし、どんな時も直向きに車に向かう姿がロッカーにはありました。ここ最近の車の状態や若手に関しての思い、今後の目標などお聞きしてきました。(取材日2020年7月16日)
インタビュー / AKI
AKI:近況の車の状態はいかがですか?
浦田:だいぶ良いところで落ち着いてきたかな?という感じ。
AKI:少し前は波がありませんでしたか?
浦田:波があったね。良い時と悪い時が日替わりでした。毎日セットを替えていましたね。
AKI:安定してる時は「ちょこっちょこ」と言うように微調整と言われてますよね。
浦田:そうなんです。けど、ここ最近、半年くらいはあっち行ったり、こっち行ったりと落ち着きませんでした。
AKI:結果的にはエンジン的になものだったんですか?
浦田:エンジンよりもフレームだったのかなという感じですね。自分はフレームを定期的に交換するんですが、交換したい時期に売っていたフレームの評判が良くなくて。ずっと替えたいなというのがありましたが、我慢していました。
AKI:フレームを交換してからの感じはどうでしたか?
浦田:フレームを交換して1走目がブチ走路で。ハッキリは分からなかったけど、乗りやすいなぁというのはありました。その次の日にはエンジンを扱って。メタル、シリンダー、ピストンを交換しました。扱った感じは安定していると思います。
AKI:7月はGIダイヤモンドレース、8月はSGグランプリがありますよね。
浦田:それを見据えての下回り整備です。
AKI:若手の活躍も目立ちますが、その辺りはどうご覧になっていますか?
浦田:若手と言っても飯塚の若手ではないからね。飯塚の若手がまだまだ頑張れてないのかな...。やっぱり地元の若手に活躍してもらいたいし。地元を盛り上げるためには、地元が頑張らんと。
圭一郎(浜松32期:鈴木圭一郎選手)とかの負けん気は凄い。どんな時でもずっと整備をしてる。若手は近くにお手本がいるから、負けないぞっと思って欲しいですね。1着への気持ちをもっと出して欲しいです。
AKI:それこそ、浦田選手は良くない時はとにかく車に向かって整備に励みますよね。
浦田:はい。よくない状態でレースには行きたくないです。負けたくない。前を抜くのが自分の仕事なので。なので、若手にももっともっと頑張って欲しいです。ただ、年代というか時代が違うので自分はあまり言わないようにしています。もちろん女子にも頑張ってもらいたいですよ。もっとガツガツしてもらって、オートのためにも。
AKI:他場の若手、速い若手と走る時はどんな感じですか?
浦田:自分はどんなレースでもまずは捌くことしか考えていませんね。追われる分には仕方ないですよ。どんどん来るから。凄いとことを若手が入って来たりすると「きたかー!」と思ったりもします。そこは上手く立ち回らないと事故になるからね。
AKI:そのお話、荒尾選手(飯塚27期:荒尾聡選手)が仰っていました。「オールスターの優勝戦、2周回目の2コーナーは浦田さんだったから事故にならずにすんだ」と。
浦田:あれはステップかな?かなりゴツゴツ当たっていたし、おいおいおい!と思いながら走ってました。けど、結果的に何もなかったし、自分自身も落ちそうな感覚はありませんでした。荒尾には中に入られていたから自分なりにいくだけ。「荒尾落ちるな!」と思っていましたね。
AKI:信頼感というか、SGの優勝戦だからこそ何も起きなかったんですね。
浦田:そうですね、走る時はライバルなんですけど信頼感はあります。
AKI:それこそ、6月23日の飯塚優勝戦での荒尾選手との抜きつ抜かれつはかなりドキドキしました!
浦田:その時もゴリゴリ、当たりながらのレースでしたね。すきあらば自分も入っていくし。
AKI:一般戦とは思えないレースでかなり面白かったです!
浦田:良かった良かった!やっぱりああいうレースをしてお客さんにも楽しんでもらわないとね!有観客になって生でも良いレースを観てもらいたいです。
AKI:有観客になりましたがいかがですか?
浦田:今回気づいたんやけど、試走終わってピットで待ってる時に場内の発売中の音楽が聞こえてくるんよ。それで、発走までどれくらいっていうのが分かって、こんな感覚だったなぁと思いましたね。
AKI:ピットにもあの音楽聞こえているんですね!
浦田:聞こえてるよ!その音楽があると時間の感覚がでてきて、レースへの気持ちの持っていきかたというか気持ちの締まり方が良いですね。
AKI:久々にお客さんが場内に入ってのレース、気になったりしましたか?
浦田:ならんね、ならんやろ(笑)発走前は時計の針に集中しているし、無観客でも有観客でも変わりませんね。
AKI:年末に向けてですが、現在SSポイント持っていますよね!
浦田:まだまだ、余談は許されないですね。もう少しポイントが欲しいです。
AKI:8月にはSGオートレースグランプリを控えていて、その前にエンジンの安定が出てきたということで、これからは着をしっかり取っていきたいところですか?
浦田:そうですね。後は、梅雨が明けるのを待つだけです(笑)
AKI:もう少しです!(笑)
浦田:やっとばい!!長かったぁ...。
AKI:ちなみに、近況の雨、湿走路に関してはどうですか?
浦田:自分なりには悪くないんです。大きな着ではないのですし。メンバーですね。
AKI:試走タイムもメンバー中1番時計を出されたりしますよね。
浦田:一人で走る分には良いんです。自分が走りたいコースを走れるので。けど、レースではそのコースをみんな走るので捌いていくのは難しいですよね。1対1ならまだしも、前のミス待ちになります。
AKI:雨のセッティングに関してはどうですか?
浦田:雨は晴れとはセッティング変えます。以前はいろんなことをやっても雨が乗れず「どうせ雨はダメだからセットをやってもダメじゃん!」と思っていたんですが、今はキャブを少し扱うようにしています。
AKI:湿走路の苦手意識は?
浦田:苦手意識はなくただ嫌ってだけです。あとは、周りが速い!(笑)
AKI:なるほど(笑)スタートに関してはいかがですか?
浦田:ムラです。最近は針が見えていないというか、タイミングが見えていません。切れる時はバチっと切れるんですが。タイミングは10を目指して切っています。
AKI:スタートタイミング以外ではどうですか?
浦田:スタートの繋ぎを思いっきりいくようにしてからは少し良くなってきたかな?晴れでも雨でも思いっきり行くようにしているんですが、雨は空回りをしやすいですね。
AKI:空回りしないように切ると?
浦田:やってみた、空回りしないようにやってみたんだけどめちゃくちゃ遅かった(笑)この切り方だとダメだなと思った。なので、空回りしやすくても、たまにドン!と行ければ、と思って雨でも思いっきり切るようにしています。晴れに関しては空回りはしないし安定している。なので、晴れと雨を合せてキレはムラという感じです。後は、グレードの時は周りのスタートレベルも上がってくるので、クラッチのセッティングを敏感にさせてドンっと切れるように扱っていきます。
AKI:その切れるセッティングと言うのは上手くいけば良いスタート、攻めすぎると...
浦田:浮いたりしてしましますね。間違ったらね。けど、それはしょうがない。自分でやったことやけ。勝負だから。その時はその時で自分も覚悟していっています。
AKI:グレードのタイトルに関してですが、1番最近が2015年のGIIレジェンドカップということで少しタイトルから離れていますね。
浦田:離れてるね。けど、自分はまず目の前のレースを一生懸命走るというか。そうしていたら自ずと結果は出てくると思っています。取れない時は取れないし、取れる時は取れる、という考えです。
AKI:何年もタイトルが取れなくても焦りというものは?
浦田:ないね!もっと頑張らないと、と思って仕事をします。みんなと馬鹿言いながら「歳やな!」なんて言ったりもしますけどね(笑)
AKI:歳は感じたりしますか?
浦田:疲れるね~(笑)連続開催になると疲れるね(笑)
AKI:成績が出なくて落ち込んだりすることはあるんですか?
浦田:ん~ない。ないね。
AKI:周りの選手と自分を比較することとかは?
浦田:それもないね。考えたら煮詰まるだけだから。それをやろうと脳で考えてもやるのは体で、うまくいかないと思う。昔から人とは比較しませんね。
AKI:話は変わって浦田選手の目標ってなんですか?
浦田:やっぱりそれはお客さんに貢献すること。3連単に絡んで。これは選手としての軸という感じかな。
AKI:浦田選手の様にいろんなタイトルを獲得していくと、次の目標とかはどうなっていくんだろう?と思っていたんですが。
浦田:あるよ、目標!通算勝利数2,000勝!!わはは(笑)
AKI:あと、約600勝!!
浦田:目指せ2,000勝!!!(笑)キツイな!
AKI:コンスタントに1着を取っていかなきゃですね!
浦田:そうやね。まずは貢さん(伊勢崎22期:高橋貢選手)がいるからね。一時期は自分が上回ってたのにな~(笑)今は先行かれた。まぁ、厳しいとは思うけど出来ればいいなと思っています。
AKI:浦田選手の活躍を期待してる方多いと思いますよ!
浦田:頑張らないとね。やっぱりファンの方の応援は嬉しいですし。今は移動制限もある中で、なぜか売り上げもよく家での楽しみ方が変わってきたのかな?と思っていて。オートレースをもっともっと楽しんで欲しいですで。少しでも車券を買って下さい!
AKI:選手になる前、浦田選手自身もお客さんとして観にこられていたという事ですが、選手になって走り続けていかがですか?
浦田:天職やね。好きなバイクに乗ってお金もらえて。選手になれてよかったです。
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
浦田:競輪選手に知り合いが何人かいます。競輪とオートは同じJKAです。少しでもオートレースを観てもらえたら嬉しいですね。最初は本当に軽い気持ちでいいので。オートレースもよろしくお願いします。
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。