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松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。佐藤到 1969年宮城県出身。97年のテシオ創刊とともに競馬撮影を始めた『メイセイオペラ世代』。

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エキスパンダー?


 写真の場所はオーロパークの1コーナー外ラチ。こんなところに!?と思いますが、これは紛れもなく「エキスパンダー」ですよね?きっと誰かがその昔、雑誌の裏表紙あたりに載っていた広告にそそのかされ、マッチョでモテモテな自分を夢見て買ったものでは… というのは勝手な想像ですが、このスプリングの先に繋がっているのは、競走馬たちが帰ってくる引き上げ口に張り渡されたロープ。レース後の馬はここを通って走路を出て、待っていた厩務員のもとで騎手が下馬し鞍を外しますが、レース中はプールのコースロープのようなもので封鎖されています。
 ところが、たまに騎手を振り落とすなどして放馬することがありますよね。そうすると馬というのは賢いもので、大概の馬はちゃんと帰り道を覚えていて自分でここに帰って来ます。ただ、飛び越せると思うのか、あるいはパニクっていて目に入らないのか、張ってあるロープに突っ込んでしまう馬が多いのです。(1回転してロープの向こう側に倒れ込んだ馬も見たことあります)そんなときでもなるべく馬が大怪我しないように、ロープが完全に固定されているよりはスプリングで伸び縮みした方が良いだろうという、手作りの工夫なのですね。

 また、引き上げ口には向かわず走路をひたすらぐるぐると走り回ってしまう馬もいます。そんなときには係員が数人でオレンジ色のヒラヒラの付いたロープというかテープ?を持って、運動会のゴールよろしくコースを塞ぎ、あるいは上着を脱いで振ったり大きな身振りで制止を試みます。とにかく馬の視界の中で目立ってプレッシャーをかけ立ち止まらせようということなのでしょうが、それでも気が動転している馬は“制止ライン”を簡単に突破してしまうことも多いです。そんなときスタンドからは「なにやってんだよ〜体張って止めろ!」などという声が飛ぶこともありますが、もちろん体は張れません。(笑) 暴走するサラブレッドは人間のタックルぐらいでは止まらないでしょうし、仮に体当たりで止まるとしても、それで競走馬が怪我でもしたら大変。狩りで獲物を捕っているのではないのですからね。なので止まりそうもないなと思ったら、係員は早めにあきらめて道を空けるようです。で、最後はやっぱり馬が疲れて自分から止まるのを待つしかないんですね。
 私が見た中では、オーロのコースを確か4周した馬がいました。距離にして約6km半!馬という動物はホントによく走りますね。運動不足な私だったら途中で倒れてしまいそうだなぁ。


(文/写真・佐藤到)

2008/07/17
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