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松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。佐藤到 1969年宮城県出身。97年のテシオ創刊とともに競馬撮影を始めた『メイセイオペラ世代』。

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今週は“岩鷲賞”

 いわわししょう… 県外のほとんどの方は「ガンジュ賞」とは読めないのではないでしょうか? 岩鷲山(ガンジュサンあるいはガンシュウザン)とは、我が岩手県のシンボル、岩手山の古い呼び名なのです。岩鷲という名の由来は、春に山の積雪が解けて黒い地面が見えてくるとき、毎年決まって頂上付近に鷲が翼を広げたようなパターンが現れることにあります。このような「雪形」は全国に多くあり、各地で「これが現れたら田んぼに水を引く」などと農業の目安になったりもしています。そういえばJRAのレース名にもある福島県の吾妻小富士ではウサギの形が見られるといいますね。



 岩手山は、分類で言えば成層火山に属し、あの富士山と同型の美しい裾野をもつ円錐状の山。しかし山体の西側に新火口が噴出したため、「南部“片”富士」と言われる女性的なボディラインと男性的な荒々しい山容をあわせもち、眺める方向によって大きく表情を変える山になっています。これがまた岩手山の魅力なのですね。ちなみに山岳信仰では岩手山は男の神様とされており、北上川をはさんで向かい側にある姫神山はその奥さん、そして南西の早池峰山は浮気相手との伝説があります。
 私が岩手山に強い印象を受けたのは、受験を機に初めて盛岡を訪れ、岩手山と初対面したそのときです。3月のまだ冷たい風吹く中、地図を頼りに中央通りを試験会場へ向かっていくと、道の正面に、青空に真っ白く輝きそびえ立つ岩手山の姿が目に飛び込んできました。私の実家も蔵王山のふもと(旧上山競馬場の反対側です)でしたから雪山の美しさは見慣れているつもりでしたが、この景色はかなり感動しましたね。そして岩手山が盛岡の街なみと一体になり、欠かせない存在としてこの街の雰囲気がつくられていると感じました。
 そのとき私は盛岡駅で列車を降りてまだほんの2〜3時間でしたが、駅前をとうとうと流れる北上川を渡り、そして街を見守るようにそびえる岩手山と向きあって、盛岡という街がすっかり好きになってしまいました。その後、私は念願かなって盛岡に住むようになり、そして様々な巡り合わせを経てこうして岩手競馬に深くかかわるようになりました。いま思えば、運命はあの白い岩手山からつながっているのだなぁと考えたりなんかして…。


(文・写真/佐藤到)

2006/05/11
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