<次走へのメモ>
5月7日、第32回シアンモア記念
1着 エアウィード
3枠に入ったハツラツ、シンプウオペラが互いにけん制しながら先行する。ジョッキーの手は動いていなかったし、平均ペースかと思っていたが、意外や意外、前半35秒7とハイラップを刻んでいた。対して上がり3ハロンは38秒5で全体のタイムが1分38秒5と案外かかっていたのだから、2頭でハイペースを形成したことになる。
エアウィードはその先陣4番手を馬なりでキープ。昨年のマーキュリーカップでも前につけたことがあるが、本質的には差しタイプ。前走(まんさく賞)比、マイナス15キロと大幅に馬体重が減っていたが、前回が太過ぎたのだろう、今回は道中の手ごたえがすばらしかった。
3、4コーナーから早めに動き、直線入り口過ぎには先頭。いつもは単騎でハナに立つととぼける癖があるが、最後まで気を抜くことなく2着に1馬身1/4差をつけて完勝した。
勝因は得意の左回りに替わったこと、馬体が絞れたこと、早め積極策が功を奏したことの3点。次走を予定しているのも6月4日、同じ盛岡で行われる「第34回一條記念 みちのく大賞典」。距離がマイルから2000mへ延長されるが、昨年の北上川大賞典(2500m)を勝った実績もあり、まったく不安なし。盛岡回りには本当に自信を持っている。
(第32回シアンモア記念 1着エアウィード)
2着 タイキシェンロン
先行グループから離れた中団外をキープ。その内には1番人気インターセフォーがいて、それをマークする戦法。しかし3コーナーでエアウィードが動いたのを見て先にスパートをかける。直線でエアウィードを捕らえ切れなかったのは菅原勲騎手の「左回りだと決め手に欠ける」ため。それでも久々のまんさく賞を叩かれて気配上昇。それが2着の結果となった。
3着 インターセフォー
流れが速いと見て、離れた中団の先頭を進む。エアウィード、タイキシェンロンが動いた後、ワンテンポ遅らせてスパートをかけたが、最後の上り坂にも戸惑ったのか伸びがひと息に終わった。長距離輸送の影響もなく、馬体の張りも申し分なしでパドックで一際目立っていたが、「もう少し経験が必要かも」(石崎隆之騎手)ということなのだろう。
4着 ブラーボウッズ まんさく賞は中間の挫石で回避。スタートで出遅れ、後方2番手からの競馬となったが、直線の伸びがすばらしく4着に食い込んで力のあるところを見せた。
5着 シノブホマレ
11番人気と低評価だったが、ハイペースの中、先陣をキープして渋太く粘る。近3走の凡走は1900、2000mの距離が長すぎたのか、実績の高い1600mで5着入線を果たした。
(文・松尾康司/写真・佐藤到)
ゴールデンウィークも終わってしまいましたね。皆さん、今年の連休はいかがでしたか?
私はといえば、4月の29日・30日も、5月の3〜7日も、み〜んな競馬場でした。え?毎日競馬場にいれるなんてうらやましいって?まあ、競馬場の記者席の窓から人の流れを見、季節の移り変わりを見る、なんてのもオツなものですが。
最近の楽しみは競馬場から遠くの山を眺める事なんですよ。盛岡競馬場から岩手山を眺めたり、水沢競馬場から早池峰山や焼石岳を眺めたり。そうやって遠くを見れば気分転換もできるし、パソコンの画面を見つめてばかりで疲れがちな目も休ませる事ができて一石二鳥。ま、それはともかく、盛岡競馬場も水沢競馬場も、競馬場から見る山並みの展望は全国有数だと思います(水沢競馬場からでも岩手山が見えるし、盛岡競馬場からでも早池峰山が見えるんですよ。ご存じでした?)。いい季節ですし、ぜひ一度おいで下さい。
GW開催最後を飾る特別戦・緑風賞。ここはセキトシャンハイに期待します。通算では12戦して4−3−1−4という成績ですが、ダートの1400m以下に限れば4−2−1−0という明らかなスプリンター。今シーズンは昨年7月以来の休み明けでスタートしましたが、2戦を2着・1着でまとめて好調さをアピールしています。
ひとつ気になるのが、昨年は“使い込むと良くない”ということで基本的に1ヶ月に1度の出走で過ごしていたのが、今シーズンは中1週のローテーションで3戦目を迎える事。ただそれも古馬になって体がしっかりしてきたおかげ、と考えればさほど気にしなくていいでしょう。
対抗格ではまず先行馬でメタモルキング。岩手では1800m戦でもがんばっていますが、JRA時代は短距離ばかりを使われていた馬。この距離でも先行策が取れるなら面白い。
差し馬からはマツリダカレー。前走の1900mはこの馬には長かった。ベストはマイルだと思いますが、直線の長い盛岡なら1400mでも届きます。
もう一頭は、もう一度サンシャインヘイロを。盛岡では大きく崩れた事がないし、調子がいいだけにいつ走ってもおかしくないでしょう。
人気しそうなゲイリーエクシードですが、短距離戦の経験豊富とはいえ前回1400mを走ったのが2002年6月のプロキオンS。4年ぶりの短距離に戸惑うのでは?という心配が。ある程度展開の助けも必要でしょう。
買い目は3枠3番セキトシャンハイから6、9、10、12。今のコース状態が続くなら3−9を厚めに。
◇お奨めこの一頭
7R、8枠10番のラブビーナス。盛岡は合うタイプだしここは先行勢も手薄。
(文/テシオ編集部 横川典視)
昨シーズンから岩手競馬は冬期間の重賞を除き、すべての重賞を全国の地方競馬所属馬に門戸を開放。遠征馬VS岩手―の対決構造がファンの支持を集めている。
このシアンモア記念は今年で32回の歴史を誇り、水沢競馬場をメインの舞台に熱戦が繰り広げられてきた。しかし、今回は決戦の場は盛岡競馬場=オーロパーク。14年ぶりに盛岡に戻って行われる訳だが、オーロパークでは初の実施となった。
南関東から5頭、笠松から2頭が参戦し、迎え撃つ地元岩手勢7頭の計14頭、フルゲートで昭和初期の大種牡馬シアンモアを冠にした覇を競い合う。
(写真はシアンモア記念・トライアルまんさく賞ゴール。優勝ローランボスコ)
交流レースで重要なカギを握るのは地区レベル。岩手勢は現状トップが顔をそろえたが、南関東はA2級下のメンバー。しかし5月3日、名古屋競馬場GIII・かきつばた記念で川崎8歳馬ロッキーアピールが逃げ切って快勝。南関東のレベルの高さをアピールした。
それを考えると、ここも南関東勢の優位は動かし難く、大井インターセフォーを主軸に推すのが妥当だろう。南関東クラシック路線には乗れなかったが、着実に白星を重ねながら4走前の船橋重賞・京成盃グランドマイラーズでベルモントストームの2着。その一戦を含めて1600m<5401>。唯一、4着に敗れたのは4コーナーで不利があった前走・卯月特別(A2下)だけで、マイル戦に絶対の自信を持っている。長距離輸送を克服すれば順当に勝ち負けを演じるだろう。
逆転筆頭格も南関東・川崎ハツラツに落ち着く。中央ダートで3勝をマークし、昨年11月に南関へトレード。A3下、A2下の特別で2勝。逃げ、もしくは先行策が勝ちパターンで3枠を引き当てたのも好材料となるはず。
地元岩手の期待はエアウィード、タイキシェンロンに集まる。トライアル・まんさく賞は優勝ローマンボスコの5、2着。エアウィードは3、4コーナーから先陣に襲いかかり、いい感じで伸びていたが、直線案外の5着。正直、物足りない面も残ったが、本領発揮の舞台は盛岡左回り。前走の雪辱をここで晴らしてほしい。
一方、タイキシェンロンはローランボスコを捕らえ切れず0・3秒差2着。これは1月9日、トウケイニセイ記念以来の実戦でレース勘を取り戻していなかったと解釈したい。ただ、前記エアウィードが左回り巧者に対し、タイキシェンロンは3勝マークしているが、盛岡回りは反応がひと息。重賞7勝すべてが1400mから1600mであげたものだが、適性部分でエアウィードを上位に採った。
他ではまんさく賞は挫石のため無念の出走取り消しブラーボウッズ、川崎シンプウオペラ、そしてトライアル快勝ローランボスコもマーク欠かせない。
3連単は5、3、7、9のボックスに5、3を1、2着固定から7、9、2、3流し
馬複は3−5、5−7、5−9、2−5
<お奨めの1頭>
9レース クィーンカツラ 盛岡自慢の芝コース使用のB3級下1700m戦。当該条件で3戦2勝2着1回と連体100%を誇っている。
(文・松尾康司/写真・佐藤到)
ゴールデンウィークも後半。休み中は毎日馬券三昧、なんて方もいらっしゃるんでしょうね。今は遠出していても携帯電話さえ通じる所にいれば、ちゃんとオッズを見ながら馬券が買えるし結果も分かりますから、競馬ファンにとっては便利な時代になりました。
昔は、レースの時間を見計らって電話実況を聞いてみたり、結果が確定した頃を見計らって結果案内を聞いてみたり、なかなか思うようになりませんでしたものね。移動の合間に時間を作って電話実況にかけてみたはいいものの、「○レースは発送が遅れております」とか言われて焦りまくったり、結局実況を聞けずに切るハメになる、とか。
馬券を買うにしても、移動の途中にいかにして場外発売所に寄るかに頭を悩ませてみたり。
今は、移動中とか、それこそ電車待ちの数分でも買えますし、例えば北海道の空の下に寝っ転がりながら九州の佐賀や荒尾の馬券を買う、なんてこともできるわけですからね。ああ、書いてみるとなんかいいなあ、それ。できる人がうらやましい。
さてレインボーカップ。1800m戦ということでどうしても距離適性を考えてしまう所ですが、今回はそれは抜きにしてお奨めしたい馬がいます。それは6枠6番のトーホウライデン。JRA3戦未勝利から転入した岩手ではこれまで7戦6勝。前々走は崩れてしまいましたが、勝った6戦はいずれもワンサイドゲームと言っていい強い内容でした。
気になるとすれば負けた一戦が1600mだった、という点なんですが、勝ったレースを見る限りレースぶりにはまだ余裕がありますし、血統的にも父ブライアンズタイム・母父Mr.Prospectorからは中・長距離馬が多数出ていますから、距離延長が不利になるとは思えません。
このトーホウライデン、あのトーホウエンペラーと同じ厩舎・同じ馬主、父も同じブライアンズタイムなんですが、GI2勝のエンペラーほどとは言わないまでもかなり出世してくれそうな馬ではないかと思っています。今回のレースぶりには注目です。
対抗は、やはりマルワモーメントということになるでしょう。ここ2戦のマクリは見事。盛岡コースにはちょっと苦手感があるけれど、今の勢いなら問題にしないのでは。
以下、B3級なら通用するし距離実績もあるマイネルテンプター、流れに乗れば嵌るチクシダンディ。もう一頭、ダイヤサンディはムラッ気な馬であてにしづらいけれど、気分よく走れば距離は問わないタイプ。
ということで買い目はトーホウライデンを頭に5、8、4、2へ。3連単でも頭固定の2着以下BOXで狙ってみましょう。
◇お奨めこの一頭
芝の平場戦・9Rから穴の一頭を。8枠10番エリノフラワーです。大外枠は不利ですが芝は走る馬。なによりこの春の状態の良さが魅力。
5月3日付けのスポーツ紙をみて驚いた。“ユートピア ドバイ移籍”
今年3月、国際G?・ドバイ・ゴドルフィン・マイル(ナドアルシバ競馬場)に挑戦したユートピア(牡6歳)が、見事に逃げ切って圧勝。そのレースを見たシェイク・モハメド殿下が金子真人氏に譲渡を打診。400万ドルでトレードが成立したというのだ。
新聞にも書かれていたが、日本馬が現役のまま海外のオーナーに譲渡されるのは非常に稀なケース。チーム・ゴドルフィンがいかにユートピアを評価したか、が窺い知れる。
オーロパークとユートピアは浅からぬ縁がある。3歳時にG?・ダービーグランプリを圧勝し、一昨年はG?・南部杯で当時、ダートで圧倒的な強さを誇っていたアドマイヤドン相手に逃げ切り勝ち。そして昨年も南部杯を制してオーロパークでは3戦3勝、パーフェクト。
それでもあまり評価が上がらなかったのは、他のダートグレードレースで目立った成績を残せなかったからだろう。
昨年の南部杯でコンビを組んだ安藤勝己騎手がレース後、こんなコメントを語っていた。
「盛岡とよっぽど相性がいいのか、別馬のようにすばらしい反応を見せる。右回りだと3、4コーナーでモタモタするのに、ここに来るとスタートから最後まで真面目に走ってくれる」と。
岩手のファンはユートピアの強さを目の当りにしていただけに、凡走を繰り返すたびに歯がゆい思いをしていた。それゆえ、ドバイの快走には溜飲が下がる気持ちで一杯だった。
今後、ユートピアはイギリス・ニューマーケットで調教を積み、米ブリーダーズカップ・マイル(チャーチルダウンズ競馬場)を目指すという。健闘を祈りたい。
本題に入る。メインはB2級馬による1800m戦「第8回大屋梅特別」、11頭立て。スターティングゲートはゴールから200m手前(盛岡は1周1600m)。1コーナーに入るまで400mもなく、比較的ペースは落ち着く。
主軸にマルカンジョオーを指名。3月末のレースは7ヵ月半ぶりの影響が大きく8着に沈んだが、ひと叩きされた前走を快勝。そして今回は<3、1、1、0>と相性抜群の盛岡戦を迎え、連勝のお膳立ては整った。
相手はパープルモンクが演じる。通算30勝をマークする歴戦の古豪で、岩手転入時の格付けがB3。笠松A1級で走っていたことを考えれば恵まれたのは明らか。案の定、移籍初戦で鮮やかな2番手抜け出しを決めた。さらに特筆すべきは左回り実績で、これまで<22、2、0、3>という驚異的な勝率を誇っている。
3番手には4歳馬ヘライカントリー。3月から2、1、1着と奥手が本格化を見せ、上昇一途。ここを軽く突破ならA級まで上り詰める可能性も高い。
以下、ゲンパチコジーン、ナルコリョジョウにも注目してみた。
3連単は3、1、5のボックスに、3を固定で3、5を2着折り返しで2、6に流したい
馬複は3−8、3−5、5−8、2−3、2−6
<お奨めの1頭>
11レース ユウワンテイオー
昨シーズンはA1級へ在籍し、今季はB級スタート。ここなら2勝目のシーン濃厚
(文・松尾康司)