4月21日に行われた3歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『留守杯日高賞』は川崎から遠征のエレノーラが優勝。デビューから3戦目、それを3戦3勝で重賞制覇を達成しました。
スタートで少し躓いたのが見えたエレノーラでしたが「うまく起き上がってくれたし、その後もしっかり進んでくれて、理想の位置が獲れました」と野畑騎手。その後も周りの馬たちを上回る手応えで進みつつ「4コーナーあたりで勝ったなと」(野畑騎手)。
最後は軽く流す形でゴールした分、後続との差は2馬身に止まりまりましたが、その差は縮まりそうにない、はっきりとした差。これが3戦3勝で重賞を勝つだけの素質だということを見せつける勝利でした。
今日4月23日のメインレースは11レースです。B1級ダート1400m『桜並木賞』。桜並木賞という名前なんですけども残念ながら水沢競馬場の向こう正面の桜並木はもうすっかり新緑の景色になりました。年々、だんだん桜が咲く時期が早くなっているせいか、このレースのような"桜"を冠するレース名がちょっと間に合わなかったりすることが多くなっているんですけども、その新緑を背景にしながらのレースを楽しんでいただければと思います。
さて予想に行きましょう。本命は(11)オンザブロッサムです。
JRA時代はレースぶりにちょっと難しいところがある、前に行って最後止まってしまったりするようなところを見せていたこの馬ですが、転入初戦の前走は逃げてそのまま後続を押さえきりました。それもB1級上位組の安定勢力をしっかり封じ込めての勝利でしたから、その本来の力は確かなものがあると考えていいと思います。
今回、相手関係の歯ごたえというのは決して楽ではないとは思いますが、前走で見せた強さを素直に評価して、また距離短縮になる点もこの馬にとっては悪い材料ではないということも踏まえての本命としたいと思います。
対抗は(2)トチノヒーロー。 この春の三戦、2着→2着→1着と形通りの良化を見せています。しかも内容も、その時その時の強豪を相手に僅差の戦いを演じてきているのですから地力もしっかりしていると見ていいはず。先行、そして前走のような差しと脚質も幅広いですし、少々展開がもつれてもうまく対応してくれる一頭という評価で良いはず。カギは58kgのハンデ。自身初の斤量負担をどう乗り切るか。
三番手は(10)リスレツィオを狙ってみます。3歳春はクラシック路線を意識して長めの距離にも挑んでいましたが持ち味はどちらかといえば短距離で活きる馬。今回の1400mは手頃、力を出せる距離だと思います。まだ春2戦目ですのでより数を使われてきたライバルに対してはまだハンデがあるのかもしれませんが、あえて狙ってみる価値はあるでしょう。
以下、まず(4)コリコは着順の数字だけを見ればちょっと上下がありますが勝ち馬とのタイム差は1秒以内で、つまり非常に安定した戦いを続けてきて。言い方を変えればちょっと勝ち味に遅いということになるんでしょうけども、ただ、昨年の夏に水沢で圧勝した時の距離は1400m。1600mにも対応していますがこれぐらいの距離が戦いやすい可能性は念頭に置いておきたいもの。
もう一頭は(7)サトノマッスル。ちょっと読みづらいところがあって好走直後に凡走、凡走後に一転好走という事がある馬ですが、現級上位で崩れていない点、その地力は軽視できないもの。最近は極端な差しの形ですから今の馬場傾向には合わないかもしれませんけども、昨年は先行好位で戦っていた馬ですし、その辺も含めて一変、変身があっておかしくないのでは。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(11)=(2)、(11)=(10)、(10)=(2)、(11)→(4)、(11)→(7)
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22日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)。4歳馬は南関東B3から再転入ボルドーグリフォン1頭のみで、ほかはすべて5歳以上。今後、重賞へ向かうと言うより、A級とB1級を行き来するメンバー構成と見ていいだろう。
アダマスミノルは中央未勝利に終わったが、ダート1700m~1900mで2着3回3着2回。昨年10月から南関東へ移籍して4戦目のB3級・浦和1400mで待望の初勝利をあげた。以降は頭打ちのレースが続き、4着1回が最高。岩手へ新天地を求めてきた。初戦は勝ったアンコールゲランが抜けた存在。7馬身差でぶっち切ったが、2着確保なら上々の滑り出し。いい脚を長く使えるのが持ち味。その分、勝ち味に遅い印象だが、軸の見方で筆頭となる。
リリーアローは昨年、2勝2着5回3着3回。着外は3度のみと堅実さを発揮。B1級の安定勢力として定評がある。今季もスタートはA級二組戦だったが、そこでも0秒4差4着に食い込んだ。前走は出走取り消ししたが、大事には至らず早々と乗り込みを再開。さほど影響がないと判断して差し支えない。アダマスミノルと同様、勝ち切れないのがネックだが、一連の安定度から上位評価が妥当。
サンエイブレーヴは2歳時から重賞路線に乗ったが、いまだタイトルなし。また3歳4月以降、ずっと白星から遠ざかっていたが、昨年8月、クラス再編成で最下級Cへ降格。4勝をマークした。これで弾みついたかと思ったが、勝ち切れないレースの連続。昨年終盤から4戦連続で4着にとどまった。しかし前走は出遅れながらも3着と一歩前進。鞍上・坂井瑛音騎手も今度で2度目の騎乗。久々の首位奪取なるか。
エスペルトは中央ダート1勝、南関東2勝・B3級から転入。3勝2着2回と連対パーフェクトを続けたが、2連勝後に脚部不安が発生。半年の休養を余儀なくされ、今年3月に復帰。まだ本調子を取り戻していないが、徐々に復調ムード。
マルケイアローは岩手生え抜きで7勝マーク。実戦を使われながら着実に地力アップ。昨年はA級まで出世し、現在はB1級に在籍。今季初戦は体重が減っていたのが気になったが、それでも3着を確保。馬体回復すればさらに上を望める。
ホワイトパスは昨年、高知から再転入。3戦目から5連勝を飾った。好調時にまとめて走るタイプ。キッカケをつかめばあっさりまで。
◎(8)アダマスミノル
〇(10)リリーアロー
▲(5)サンエイブレーヴ
△(9)エスペルト
△(6)マルケイアロー
△(7)ホワイトパス
<お奨めの1頭>
1R エムオーリボン
前走4着は内に包まれて自分の競馬ができなかったのが敗因。今回の枠なら巻き返し必至
21日メイン、「第24回留守杯日高賞」(水沢1600m)が"GRANDAME-JAPAN2024"3歳シーズンへ昇格したのが2010年。過去、川崎代表3勝、大井2勝、北海道2勝、岩手2勝。あとは船橋、浦和、金沢、名古屋、笠松がそれぞれ1勝と各地区からまんべんなく優勝馬が出ている。
ただ今年の遠征馬は3頭。18日、門別で「ネクストスター北日本」、翌週25日には大井・東京プリンセス賞があり、留守杯日高賞は間(はざま)。その影響も少なからずあると思うが、それでも遠征馬優位は変わらない。
ファーマティアーズはデビュー2戦目、大井1400m戦を5馬身差で圧勝。続く2戦5、4着から佐賀・フォーマルハウト賞へ遠征。2番人気ながら後方2番手からロングスパートを決めて完勝。地区レベル差をまざまざと見せつけた。その後、2ヵ月半ほど休養して南関東3歳牝馬クラシック路線へ乗ってユングフラウ賞7着、桜花賞6着。東京プリンセス賞の選択肢ももちろんあったが、水沢遠征は確勝を期してのこと。昨年優勝ワイズゴールドはユングフラウ賞4着、桜花賞4着から留守杯日高賞を0秒7差で完勝。大井勢2連覇に王手をかけた。
リトルカリッジはデビュー2連勝を飾り、若鮎賞へエントリー。しかし初芝にとまどって8着に沈んだが、ダートに戻ってビギナーズカップ2着。フジユージーン相手に0秒4差に粘った。以降は順調さを欠いたが、終盤2戦を連勝。重賞・金杯を制した。しかも逃げ一辺倒から脚質転換に成功。控える競馬で2連勝を飾り、ひと皮むけた。当初、トライアル・あやめ賞の登録があったが、間に合わずスキップ。スプリングカップから始動して4着に終わった。当初予定よりレース間隔は詰まったが、ひと叩きされて上昇確実。2017年、ダンストンレガーメ以来の地元優勝の期待がかかる。
エレノーラは今年3月にデビュー。あっさり2連勝を飾り、前走は破格タイムで逃げ切って圧勝した。キャリア僅か2戦、初の右回り、初距離、長距離輸送などクリアーしなければならない課題は多いが、絶対能力でカバー。今回、賞金を加算ができれば今後の選択肢も増えるだけに陣営も力が入っているに違いない。
レッドオパールは門別4戦1勝から転入。年をまたいで3連勝を飾り、2歳重賞・寒菊賞、新設の3歳準重賞・奥州弥生賞を完勝した。気になるのは前走・あやめ賞3着。道中の手応えから直線で交わせる印象だったが、伸び切れなかった。相手強化か、連闘策がこたえたか。今回が真価を問われる一戦となった。
ミヤギシリウスはデビュー戦の芝4着だったが、2戦目の水沢1300mを圧勝。若駒賞でもミヤギヴァリアントの2着に健闘した。金杯5着後、テンコートレセンに移動。坂路で鍛え直し、あやめ賞を快勝。成長確かなことをアピールした。仮に重賞2連勝を飾ることができれば、牝馬路線の主役に躍り出る。
カリフィアは盛岡芝1000m・新馬戦を圧勝。重賞・ネクストスター盛岡で3着を確保した。以降は逃げ一杯のレースが続いたが、昨最終戦となった阿久利黒特別を快勝。今季初戦のあやめ賞でも渋太く粘って2着を確保した。同タイプがそろって展開がカギを握るが、すんなりなら残り目一考。
◎⑦ファーマティアーズ
〇⑧リトルカリッジ
▲⑩エレノーラ
△④レッドオパール
△⑤ミヤギシリウス
△⑨カリフィア
<お奨めの1頭>
5R ライヴマスタード
昨年8月以来の実戦を問題にせず、転入初戦を完勝。地力の違いを見せつけた。ひと叩きされ、さらに信頼度が増す
4月14日(日) 「第49回赤松杯」(オープン 水沢1600m)。1着馬から3着馬に5月12日(日)、春のマイル王決定戦「第49回シアンモア記念」(盛岡ダート1600m)の優先出走権が与えられる。
戦前の予想どおりグランコージーが先手を奪い、マイペースの逃げに持ち込む。2番手にヴァケーション、3番手外にミニアチュール、4番手インにスズカゴウケツ、中フジラプンツェル、外にライアン。1番人気に支持されたノーブルサターンは後方3番手でじっくり待機した。
快調に飛ばしたグランコージーは3~4コーナーでもスピードが衰えることなく、スムーズに通過。課題だったコーナーワークもうまくクリアー。直線を向くと後続を突き放して4馬身差。3歳時、岩手一冠目(当時)だったダイヤモンドカップ以来の重賞タイトルを獲得した。
2着争いは内ヴァケーション、外ライアンが互いに譲らずゴールまでもつれ込んだが、わずかハナ差でライアンが2着を確保した。一方、向こう正面からスパートしたノーブルサターンは4着にとどまったが、メンバー2番目の上がり38秒4を駆使した。
1着・グランコージー
坂口裕一騎手
「指示がそうだったし、それがベストだと思って逃げるレースで挑んだ。スローに落としすぎず、自分のペースで運べた。過去のレースを見ているとコーナーで並ばれるよりは少し離しながら行った方が良いと思い、他の馬の動きはあまり気にしなかった。今日は急きょな依頼だったが、過去にこの馬に乗った方々から的確なアドバイスをいただけたおかげで勝つことができました」
千葉幸喜調教師
「春はこのレースを目標にしていた。鞍上は初騎乗だったが、どういう戦い方をすればいい馬かは騎手同士で分かっている。この馬の良いところを引き出してほしいと言って送り出したが、狙いどおりの良いレースをしてくれた。次戦はシアンモア記念へ直行。盛岡も苦にしない馬だろうし、良い状態で出せるように一生懸命やっていきたいと思っている」
2着・ライアン
大外枠に入り、不利を受けない4番手外を追走。前2頭グランコージー、ヴァケーションの動きを見ながらレースを進め、3コーナー過ぎからヴァケーションに接近。直線は内ヴァケーション、外ライアンとの叩き合いとなったが、最後でもう一伸び。ハナ差だったが、2着を死守。羽田盃以来の連対を確保した。これで通用のメドが立ったが、ディープインパクト産駒の良血馬。陣営は芝も視界に入っているようだ。
3着・ヴァケーション
2年連続で赤松杯2着を確保し、昨年と同様、赤松杯から始動。馬体重が桐花賞比マイナス3キロ。体的には仕上がっていたが、あとは実戦から離れていたレース勘の差。シアンモア記念に向けて上々の滑り出しとなった。
4着・ノーブルサターン
昨年度の年度代表馬が満を持して始動したが、元々が休み明けは動かないタイプ。馬体重もプラス5キロ。本番・シアンモア記念を意識しての体作り。パドックでも若干余裕があった。今年も昨年と同様、4着に終わったが、メンバー2番目の上がり38秒4をマーク。シアンモア記念2連覇も視界に入る内容だった。
今週の岩手競馬
4月21日 メイン11R 「第24回留守杯日高賞」(3歳牝馬 水沢1600m)
4月22日 メイン12R 「夢・希望・未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)
4月23日 メイン11R 「桜並木賞」(B1級 水沢1400m)
4月14日に行われた古馬マイルの重賞『赤松杯』。ここからシアンモア記念-みちのく大賞典へとつながっていく古馬戦線の本格的な幕開けを告げるレースはグランコージーが逃げ切り勝ち。近年の年度代表馬らを完封する見事な勝利を挙げました。
この春に盛岡から水沢に転厩、鞍上も初めて手綱を取る坂口裕一騎手となって挑んだグランコージーでしたが、初騎乗の懸念も何のその「あくまでも自分のペースで運んで、自分のタイミングで仕掛けようと思っていました(坂口裕一騎手)」と狙い通りの戦いを貫いての4馬身差完勝。グランコージー自身も3歳時のダイヤモンドC以来の重賞制覇、見事な復活劇ともなりました。
今週の水沢競馬場ではついに向こう正面の桜並木が満開を迎えました。桜を背景にしたレースを見ているとようやく春が来たなと、つい先日の3月下旬まで寒い日が続いていただけに余計にそう思うのですが、しかしこの週末は4月とは思えないくらいの気温の上昇にうんざりともさせられました。春と言うより夏。
そんな暑さのせいもあるのか、せっかく咲いた桜並木もはや散り始めているようです。桜並木とレースの光景をお楽しみいただけるのも今日あたりまででしょう。
さて予想に行きましょう。4月16日のメインレースは12Rの『スプリント特別』、OP級の850m戦。本命は(8)ダイセンメイトです。
昨春に岩手に転入した時の同馬はC1級スタート。いったんC2級に降級しましたが秋にはA級まで上昇。その原動力となったのは短距離での快進撃、それも水沢850mでの好成績でした。この条件では昨年8戦して8勝、今季も3月30日の奥州弥生スプリントを勝って9戦9勝。1000mでも"長い"と感じさせるくらいの850mのスペシャリストです。その前走も結果の数字だけをみれば1馬身差の勝利ですが短距離でのその着差は決定的といえるもの。スペシャリストぶりは今季も持続と判断できる内容でした。
今回はライバルの半数が前走で破っている相手。外枠という点も8頭立てなら大きな問題にはならないでしょうし、850m10戦10勝も十分に可能と考えるのが自然。
対抗は(2)アップテンペストを。前走は◎と戦って7着でしたがあくまでも休み明け初戦ゆえと考えたいところ。昨年6月の早池峰スーパースプリントで2着があるように850mとの相性も悪くないはずで、ここは叩いた上昇分を大きめに見積もってみます。
三番手は(3)アヴェントゥリストを。こちらも水沢850mでは6勝2着6回と巧者ぶりを示してきています。流れひとつ、出足ひとつで◎とも互角に戦えていいはず。
△はまず(6)カタナ。9歳春ながら着実に上昇、そしてこの馬も850mは掲示板を外していない巧者。もう一頭は(4)ペルトラン。春初戦の勝ち星は馬場傾向にも助けられたという事になるのでしょうが、この短距離でも繰り出してくる末脚は一概に軽視できないもの。もつれた展開になった時の穴として押さえておきましょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(8)=(2)、(8)=(3)、(2)=(3)、(8)→(6)、(8)→(4)
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