20日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級 盛岡ダート1000m)。前走、1200m戦を使った馬が12頭中11頭。比較材料としては有力だが、今度は1000m戦。1ハロン短縮が思った以上に影響し、波乱の要素をたっぷりと含んでいる。
アブシンスは通算15勝2着12回3着15回の古豪牝馬。昨年も衰えを見せず4勝2着4回3着4回の好成績を収めた。一昨年までマイルも使われていたが、昨年は1400m以下の短距離路線を歩んできた。
今年始動は4月21日までずれ込んだが、初戦の850m戦を3着にまとめ、健在を誇示。前走は6着に終わったが、積極的なレース運びを見せて勝ったアオイカツマの1秒差。好調メンバーがそろった中、見せ場を十分に作った。今度は6戦2勝2着1回3着1回と最も得意とする盛岡1000mが舞台。走り頃の休み明け3戦目、得意の距離と好走条件がそろった。
シャイニーデュークは中央未出走から3歳9月に岩手デビュー。走るたびにレース感覚を身につけて7戦5勝2着1回。その後、中央入りしたが、3戦とも二けた着順に終わり、今年3月に岩手へ里帰り。初戦は10ヵ月ぶりの実戦だったため7着に沈んだが、ひと叩きされて反応が一変。850m戦で2連勝を飾った。今回はB1昇級、盛岡1000mも未経験だが、勢いに乗って突破十分。
トキノワンカラットは昨年8月以降、勝ち星こそないが、堅実さを発揮。今季も未勝利ながら2着1回3着1回4着2回。前走も0秒1差2着にまとめた。ここでも勝ち切るのはどうかだが、1000m戦2着3回3着1回。上位争い必至とみるべきだろう。
グローサーベアは中央ダート2勝、南関東0勝・B3から転入。格付けに恵まれて5勝2着2回、C2からB1級へ一気に駆け上った。その後は伸びを欠いて今季5戦とも着外だが、盛岡1000m4戦1勝2着2回。ベスト条件を迎えた。
ツーエムプライドは中央1戦0勝、園田2勝から転入。活躍サイクルが長く、今季も崩れなし。毎回のように上位争いを演じている。久しく勝利を手にすることができずにいるが、自在脚質を駆使して上位進出を狙う。
アースアワーは前々走7着に敗れたが、前後は安定。前走も直線延びて3着と軌道修正できた。先行激化なら台頭の可能性がある。
◎(8)アブシンス
〇(4)シャイニーデューク
▲(7)トキノワンカラット
△(12)グローサーベア
△(9)ツーエムプライド
△(6)アースアワー
<お奨めの1頭>
1R ファイブセンス
前々走1400m戦で8着に沈み、850mにシフト。それが当たり、1秒差で圧勝した。1000m延長されても苦にしない
岩手クラシック一冠目であり、東京ダービー指定競走となった東日本交流・ダイヤモンドカップを完勝したフジユージーンが東京ダービーの登録を済ませた。JpnI・東京ダービーは6月5日、大井2000m。現時点では地元二冠目・東北優駿と両にらみだが、すべては状態次第。仮に出走すれば今後に向けて貴重な体験になるだろうし、今年、不来方賞はJpnIIへ昇格。目標をどこに置くかだが、まずは静観したいところ。決定を待ちたい。
19日メインは3歳マイル重賞「第12回イーハトーブマイル」。今年は3年ぶりに盛岡ダート1600mで行われ、フルゲート12頭。言うまでもなく現3歳陣はフジユージーンが独走。ナンバー2・ミヤギヴァリアントのエントリーもなく、混とん状態。どの馬にも勝つチャンスがある。
レッドオパールは門別4戦1勝2着1回から昨年11月に転入。年をまたいで3連勝を飾り、重賞・寒菊賞、今季初戦の準重賞・奥州弥生賞を優勝した。連闘で牝馬重賞・あやめ賞へ駒を進め、圧倒的1番人気に支持されたが、伸びを欠いて3着。前途に暗雲が立ち込めたが、牝馬交流・留守杯日高賞で3着に反撃。エレノーラには完敗だったが、2着ファーマティアーズとは0秒1差。軌道修正のメドが立った。
今回は初の輸送競馬に加え、左回りも盛岡も初めて。不確定要素は少なくないが、。母アイアムオパールは現役時代、岩手7勝のうち4勝を盛岡でマーク。レッドオパールは気性面で難しいところがあり、当日の馬体重と気配次第だが、レースに集中できれば地力上位は明らか。
サクラトップキッドはデビュー2連勝を盛岡で飾った逸材。3戦目の南部駒賞でも5着に健闘した。以降も重賞でまずまずの成績を収めているが、勝ち切れないのは前半で首を上げてブレーキをかけながら走っているため。それでもスプリングカップで2着なら合格点。ダイヤモンドカップ6着もフジユージーンはともかく、先着を許したのは遠征馬4頭。地元同士、適性高い盛岡なら巻き返し必至。
サンエイキャノンは昨年6戦2勝3着2回。最終戦8着に終わり、冬場はテンコートレセンへ移動。坂路で鍛え直して帰郷して初戦を完勝。成長をアピールした。スプリングカップは3着だったが、サクラトップキッドとはアタマ差。評価に迷うのはダイヤモンドカップ8着。好位をキープしたが、早々と失速したのが気になるが、初距離もこたえたか。相手比較からも今回が正念場を迎えた。
リトルカリッジは出走取り消し後、2連勝をマーク。3戦目・若鮎賞は初芝にとまどって8着に終わったが、ダートに戻ってビギナーズカップ2着。その後は体調を崩したが、終盤に復活。重賞・金杯を制した。今季は仕上がりが遅く4、6着。本来の動きを取り戻していなかったが、今度は走り頃の休み明け3戦目。
ミヤギシリウスは今季初戦、牝馬重賞・あやめ賞を快勝。留守杯日高賞は4着だったが、一連の重賞で安定感を発揮。ここでもマークが欠かせない。
セイバイラックも重賞の常連。一戦ごとに着順を下げているのが気がかりだが、唯一の白星を盛岡マイルでマーク。コース替わりで気分一新するか。
◎⑤レッドオパール
〇③サクラトップキッド
▲⑫サンエイキャノン
△⑦リトルカリッジ
△⑨ミヤギシリウス
△⑪セイバイラック
<お奨めの1頭>
1R ポマイカイ
能力検査で非凡なスピードを披露した。輸送に若干不安あるが、52秒8のタイムを信じる手
「第49回シアンモア記念」(オープン 盛岡ダート1600m)
一條記念みちのく大賞典、桐花賞と並ぶ岩手競馬の古馬最高峰レース。昨年は5番人気だったノーブルサターンが優勝。2着に8番人気スズカゴウケツ、3着に4番人気セイヴァリアントが入り、3連単49万900円の超万馬券が飛び出した。
今年はトライアル・赤松杯を逃げ切ったグランコージーが1番人気に支持され、好枠1番枠から予想どおり逃げの手。楽に主導権を握り、2番手にヴァケーション。3番手ライアン、4番手にルーンファクター。ノーブルサターンはあおり気味のスタートだったため、手綱をしごいたが、最後方を追走した。
スタートからのラップは12秒6-11秒2-11秒8-12秒2-12秒7-12秒2-12秒0-13秒9。結果、行った切りの決着も納得。グランコージーがマイペースに持ち込んでヴァケーションに1馬身差をつけて逃げ切った。ノーブルサターンは最後方からメンバー最速の上がり37秒0の脚を駆使したが、0秒5差3着にとどまった。
グランコージー=石川倭騎手
「ここ二走良い形で競馬していたので、そのような形で進めるように、心がけてゲートを出していった。向こう正面はリラックスして馬のリズムで運べていたので十分な形でコーナーに入っていけましたし、後ろから来てからの反応も良かった。もう少しペースを上げても良いくらいの余裕がある感じでした」
千葉幸喜調教師
「戦法は一択なので鞍上には指示は出さなかった。。枠順が良かったし馬場傾向も良かった。十分な調教をこなしたので自信を持って送り出せたし、期待どおりのレースをしてくれた。この先の目標はみちのく大賞典だと考えているが、オーナーとも相談して決めたい」
2着・ヴァケーション
逃げたグランコージーの2番手は想定どおり。無理に競りかけることもなく、折り合い重視。最後はノーブルサターンに迫られたが、2着をがっちりキープ。盛岡戦で初めて連対を果たした。次走は2連覇がかかった一條記念みちのく大賞典。
3着・ノーブルサターン
スタートで後手を踏んだのは想定外。昨年は3番手から抜け出しを決めただけになおさら。最後方の競馬から勝負どころでスパートをかけたが、前2頭の決着では如何ともしがたかった。
5着・ルーンファクター
昨年10月、ダービーグランプリ以来の実戦でプラス25キロ。ただ数字ほどの太目感はなく、成長分もあった印象。このメンバーで5着確保なら収穫は少なくない。次走はさらに良化するのは確実で目が離せない存在となるだろう。
今週の岩手競馬
5月19日(日) メイン11R 「第12回イーハトーブマイル」(3歳 盛岡ダート1600m)
5月20日(月) メイン12R 「夢・希望 未来へ前進」(B1級盛岡ダート1000m)
5月21日(火) メイン12R 「ラナンキュラス賞」(B1級一組 盛岡ダート1600m)
5月12日に行われた古馬マイルの重賞『シアンモア記念』は1番人気に推されたグランコージーが逃げ切り勝ち。連勝で挑んだ勢いのままに3連勝、3歳時のダイヤモンドカップ以来となるM1タイトルを手にしました。
レースは戦前の想定通り逃げるグランコージーを有力馬が追う展開。積極的に二番手につけたヴァケーション、後方で待機していたノーブルサターンと年度代表馬のプレッシャーを浴び続けたグランコージーでしたが鞍上の石川倭騎手が「もう少しペースを上げていても良かったかなと思うくらいの余裕がありました」というくらいの走りでそれら実績馬を完封。グランコージーは3歳時以来の、石川倭騎手は一昨年のダービーGP以来の、それぞれ岩手でのM1タイトル奪取となりました。
2着にはヴァケーションが粘り切り3着はノーブルサターンとここは意地を見せた形。これら上位馬が三度激突するだろうみちのく大賞典が今から楽しみです。
5月14日のメインレースは11Rになります。オープン級ダート1000mの『スプリント特別』。本命は(8)ダイセンメイト、この馬の中心は動かずと見ました。
この春は3戦を経ている同馬ですが、初戦の1400m戦は大敗を喫したものの2戦目・3戦目は得意の850mで快勝。着差こそ大きくはないですが、オープンクラスのスプリント戦ではっきりとした差をつける事ができる事自体が力が抜けていると考えていいもの。今季の短距離戦線はこの馬が中心になるだろうとみるライバル陣営も既に多くなっています。
今回は盛岡1000mになりますがここまで何度も好走しているように水沢850mほどではないまでも十分に得意と言える距離。連勝の勢いも当然魅力。
対抗は転入初戦の(11)シャイニーブランコを。JRAオープンからホッカイドウ、南関と転じてからの成績は今ひとつですが短距離が良いのは確か。砂が変わっての変化にも注意したいところ。
三番手も転入初戦の(3)グットフォーチュン実績だけであればJRA2勝クラスで頭打ち・・・ですが良績の多くは左回りのダート、短距離。この条件は悪くないはず。
以下はまず(4)ビクトリールーラー。前走では◎に敗れていますがこの馬にとっては850mはやや短い。1000mならもっと戦いやすくなるはずですし◎とも互角にやれる力があるのは昨年に示したとおり。
もう一頭は(7)カタナを。年齢の分、昨年の今頃ほどの勢いはないのでしょうがここ二戦は堅実。このメンバーであればまだ大きな差は無いでしょう。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(8)=(11)、(8)=(3)、(8)=(4)、(8)→(7)
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13日メインはA級一組「皐月特別」(盛岡ダート1600m)。岩手トップ陣は前日のシアンモア記念へエントリー。手薄なA級一組戦となったが、この後は5月26日、一條記念みちのく大賞典トライアル・あすなろ賞へ向かう組、また短距離路線に駒を進める組が入り交じり、年齢幅も4歳から9歳までヴァリエーションに富んだメンバー構成となった。
本命はゲンパチプライド。中山ダート1200mで未勝利を勝ち上がり、東京ダート1400mで2勝目をマーク。ほかにダート短距離で2着1回3着3回の実績を残し、2勝クラスでも4、5着1回を確保した。
転入戦から重賞へ名乗りを上げて白嶺賞、栗駒賞でゴールデンヒーラーの2着。当初は小回り水沢をこなせるかが課題だったが、問題なくクリアーした。今度は盛岡ダート1600mが舞台。過去にマイル経験がなく、ダート1700m12着と距離が若干不安だが、盛岡マイルはワンターンコース。東京ダート1400mを勝っていれば守備範囲と見ていいはず。仮にこなせるようならば選択肢も増えるだけに陣営も力が入っているに違いない。
マイネルアストリアは一昨年、中央3勝クラスから転入。赤松杯、あすなろ賞と重賞2勝。ビッグレースでは自分の競馬をさせてもらえず苦戦だったが、平場戦で持てる能力をフルに発揮。昨年も5勝2着2回3着2回。着外はみちのく大賞典10着、桐花賞8着のみと抜群の安定感を誇った。
今季初戦はメンバーが甘く1番人気に支持されたが、早々と失速して10着。案外の結果に終わったが、ひと叩きされて反応が一変。前走は逃げ粘って2着を確保した。このメンバーでも前回同様、マイペースの逃げが確実。アッサリまで十分。
ボウトロイは門別2勝、南関東1勝、門別0勝から転入。一昨年3勝、昨年5勝。一時は頭打ちのレースを繰り返していたが、昨年最終戦を快勝。今季も3戦1勝2着1回と戦力になることを証明した。コース替わりも問題ないし、過去実績からもマイルがベスト条件。有力馬がもたつけばアッサリまで。
トキノパイレーツは詰めの甘さに課題を抱えているが、相手なりに駆ける堅実さが身上。今季は4着が最高だが、2戦は重賞が舞台で仕方なし。平場戦なら勝ち負けに持ち込める。
ゼットセントラルはいい脚を長く使えるのが武器。今シーズンはまだ軌道に乗れないでいるが、前走は1800mが長かっただけではなく、スローに落とされたのが痛かった。盛岡コースと相性が良く、今度こその期待。
ブローヴェイスは中央から再転入後、2着2回3着1回。安定した取り口を披露している。このメンバーならペースが落ち着くのは確実。先行馬に有利の流れになるはず。
◎(3)ゲンパチプライド
〇(6)マイネルアストリア
▲(8)ボウトロイ
△(2)トキノパイレーツ
△(1)ゼットセントラル
△(10)ブローヴェイス
<お奨めの1頭>
2R ブルーローズ
南関東B3から転入後、余裕の2連勝。850mもまったく問題にしなかった。1000m延長はもちろん望むところ