5月7日に行われた古馬伝統の重賞『シアンモア記念』。優勝したのは昨年の桐花賞馬ノーブルサターン。1番人気ゴールデンヒーラーらが敗れたことで3連単49万円の波乱の結末となりました。
好スタートからハナに立ったゴールデンヒーラーを、3番人気ヴァケーションと共に追う形になったノーブルサターン。3~4コーナーの勝負所では持ったままの手応えで外から捲っていくと直線入口でゴールデンヒーラーを交わして先頭に。そこからは後続を寄せ付けないままにゴールを駆け抜け、昨年の桐花賞以来、岩手では3つめの重賞タイトルを獲得しました。
2着は8番人気スズカゴウケツ、3着は4番人気セイヴァリアント。人気上位ゴールデンヒーラーは6着、グローリーグローリは5着、ヴァケーションは7着に終わっています。
5月9日のメインレースは12レースの『牡丹特別』、A級二組のダート1600mです。
昨日8日、朝の時点での盛岡競馬場の天候発表が「小雪」になっていて驚きました。みぞれ程度という話でしたが、競馬場の中にある厩舎の人たちの話によればうっすら白くなるくらいには降ったとのこと。県北の方では積もるくらい降ったそうですし、5月の平地での雪なんてちょっと聞いたことがないですね。桜も記憶にない早さでしたが雪も、記憶にないタイミングで降った変な春です。
さてレースの予想に行きましょう。本命は(8)マイネルアンファンを採りました。
南関東から転入してその初戦を圧勝、二戦目も完勝。三戦目の前走は2着に敗れた同馬。最初の二戦がB1級、前走がA級だったといえば"クラスの壁"なのかとも思ってしまいますが、しかしその前走は4頭立ての1800m戦という非常に特殊な状況・条件だった事、勝ち馬が完全にペースを握ってしまった点は考慮しなくてはならないでしょう。今回は12頭立てのマイル戦、戦いやすさはむしろ増すはず。
過去戦績からは左回りが凄く得意とまでは言えない感じですが、JRA新潟と東京で1勝ずつ挙げているのであれば問題はないでしょう。この先の重賞戦線を目指す上でも盛岡コースにしっかり対応しておきたいところ。
対抗は(7)ツルマルハナコ。昨年の盛岡では8戦して掲示板を外していないように恐らくサウスポー。この春の苦戦はクラス云々よりも周りの左右の違いの影響が大きかったと見ます。A級通用の力は昨秋に示しており、マイルは少し長いかもしれませんが、巻き返しに注目できる存在。
▲は(2)ブレイニーランを。JRA時代は芝を主戦場としていた馬ですが水沢ダートで2着1着。芝馬だからダートなら軽い馬場が良いというタイプではなく逆に力のいる馬場の方が良さそう。この春の盛岡もパワーを要求する馬場ですから、この馬に合う可能性も高いのでは。
水沢での(1)キョウヘイは小回りコース・内枠に苦戦した印象。広いコースに変わっての変化に注意しておきたい一頭。あとは人気通りに走らずあてにしづらいもののここでも上位に食い込む力はある(11)セイシーキングを。
●12Rの買い目
馬単(8)=(7)、(8)=(2)、(7)=(2)、(8)→(1)、(8)→(11)
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8日メインは「スプリント特別」(盛岡ダート1000m)。翌月6月4日に早池峰スーパースプリント(水沢850m)が控え、その一戦をにらんだメンバーが顔をそろえた。
カタナは中央ダート1200m戦で未勝利を脱出し、その後、東京ダート1400mで3勝。オープンに在籍したが、二けた着順、競走中止などで4戦とも凡走。大井1戦、名古屋4戦を経て転入した。初戦は10着に沈んだが、2戦目4着から3戦目の水沢850mを快勝。続く1300m3着でシーズンを終えた。
今季は850m戦を選択し、あっさり連勝。ハイタイムをマークして逃げ切りを決めた。今回は盛岡ダート1000mが舞台。先にも記したとおり盛岡2戦は10、4着。コース対応がカギを握るは当時は本調子も欠いていたため度外視。左回りはむしろ望むところだし、1000mも守備範囲。3連勝を飾り、来たる早池峰SSへ向けて万全で臨みたいところだろう。
ディアリッキーは東京2歳優駿牝馬3着、翌年は東京プリンセス賞2着。JpnIII・クイーン賞で4着を確保し、その後、門別一戦を使って転入。2連勝を飾り、牝馬1200m重賞・ヴィーナススプリントを完勝した。続くレースで6着から再び南関東へ移籍。2戦を使って再び岩手へ戻ってきた。
選択した距離は850mだったが、追走に手こずって3、6着。スーパースプリントの速い流れが合わなかった。しかし今回は盛岡ダート1000mが舞台。もう1ハロン欲しいところだが、直線長い盛岡でこそ本領を発揮するタイプ。距離不足は承知の上で対抗評価とした。
コスモカルナックは中央3勝2着4回3着2回。すべて芝1200mでマークした。前々走は1年ぶりの実戦だったが、逃げて2着に粘った。以上の実績があれば当然通用だが、最大ネックは生涯初めてのダート戦。調教では問題ないようだが、実戦は別。砂を被って戦意喪失のケースも多い。
ただコスモカルナックは先行力があるのが強み。内枠を引き当て、ハナを取れる可能性大。そうなれば初ダートでもあっさりも十分。最終目標はOROターフスプリントだと思うが、仮にダートもこなせるなら選択メニューも一気に増加。陣営も力が入るところだろう。
トミケンキルカスは一昨年、南関東A2から転入後、年をまたいで4連勝。以降は勝ち星から遠ざかったが、OROターフスプリントで3着に突っ込んで高配当を演出した。気になるのは今季3戦して3着2回7着1回。11歳の年齢もあるのか迫力が薄れつつある。このまま尻すぼみになるか、反撃に転じるか。正念場を迎えた。
タマモメイトウは中央芝1200m以下で5勝。重賞にも3度挑戦した。ただ転入後は9、5着。水沢ダートが合わないようなレース内容だったが、盛岡ダート1000mに替わって新味を出せるか。
カミノコは強烈なまくり脚で転入後3勝、JpnIII・クラスターカップ5着。今季初出走のハンデはあるが、明らかに盛岡向き。ダート1000mも中央時代に3着1回の実績を残し、いきなり馬券対象になるかもしれない。
◎(7)カタナ
〇(9)ディアリッキー
▲(2)コスモカルナック
△(5)トミケンキルカス
△(6)タマモメイトウ
△(10)カミノコ
<お奨めの1頭>
4R リリアナフェアリー
中京ダート1400m・2歳新馬戦5着。転入前の阪神ダート1200mで1分13秒9のタイムをマークなら、3歳C2はフリーパス
7日メインは春競馬の総決算「第48回シアンモア記念」。今年は2018年以来、5年ぶりに盛岡ダート1600mで行われる。昨年はヴァケーションが優勝。JpnIホース(全日本2歳優駿)が見事復活。年度代表馬にも選出された。今年の岩手トップが勢ぞろい。まさに初のマイル王決定戦にふさわしい一戦となった。
ゴールデンヒーラーは昨年、青藍賞完勝からJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯でメンバー最速タイの上がりを披露して5着に健闘。過去に岩手所属馬の南部杯制覇はメイセイオペラ、トーホウエンペラーが果たしているが、以降は苦戦の連続。岩手所属馬が5着を確保したのは2004年ウツミジョーダン以来のことだった。
続いて盛岡開催のJBCレディスクラシックにエントリーしたが、脚部不安が発生したため無念の出走取り消し。その後、北海道へ移動して完全休養。意外だったが、これが水沢入厩後、初めての放牧だった。
水沢へ帰郷したのは今年2月。休養効果だと思うが、一回り体が大きくなって戻ってきた。以降は入念に乗り込まれ、当初は赤松杯に登録があったが、あえてスキップ。栗駒賞から始動し、中1週でシアンモア記念へ臨む。理由はテシオコラムで報告したが、発情期と重なることを避けるため。昨年3着に敗れた雪辱を果たす。
ヴァケーションは昨年4月、7ヵ月半の休養を経て岩手入り。赤松杯2着からシアンモア記念を快勝。1年半ぶりの勝利を飾り、以降も岩手競馬の王道をまい進した。
陣営はシアンモア記念へ休み明けで臨む構想もあったが、ひと叩きすることを優先。赤松杯は逃げて2着だったが、収穫の多い一戦となった。強力な逃げ馬が不在で先手を主張。ゴール前でグローリーグローリに交わされたが、試走と考えれば合格点。ひと叩きされてシアンモア記念2連覇を狙う。
盛岡は3戦3着1回。ほかは着外だが、中身を考えてほしい。3着はJpnIII・マーキュリーカップでの善戦。ほかは南部杯12着、JBCクラシック10着ならば納得。元々、南関東4勝(ほか1勝は名古屋)はすべて左回り。盛岡替わりはむしろ望むところだろう。
グローリーグローリは中央ダート4勝2着7回。5歳暮に3勝クラスを卒業したが、持ち味の先行粘りで好勝負を演じ、障害1勝を経て転入。久々の平地がネックだったが、あっさり2連勝。トライアル・赤松杯でもきっちり差し切った。跳びの大きいタイプでコース広い盛岡は歓迎。東京ダート1600m・3勝クラス快勝でも裏付けている。鞍上に名手・岡部誠騎手を指名し、岩手トップを狙う。
ノーブルサターンは昨年暮、転入してトウケイニセイ記念、桐花賞と重賞2連勝。ヴァケーションを一蹴した。今季初戦の赤松杯は4着だったが、デビュー最高体重も敗因。馬体が絞れてくれば反撃必至。
セイヴァリアントは今季2戦3着。初戦は出遅れが痛かったが、赤松杯3着で軌道修正。時に出遅れるのがネックだが、盛岡なら挽回がきく。
クロールキックは昨年4月、南関東から帰郷戦のスプリングカップを圧勝したが、脚部不安のために長期リタイア。昨年終盤に復帰したが、体調が戻らず凡走。しかし今季初戦を快勝して復活宣言。果たして現オープンに通用するか真価を問われる。
◎⑦ゴールデンヒーラー
〇⑧ヴァケーション
▲④グローリーグローリ
△⑤ノーブルサターン
△⑥セイヴァリアント
△⑨クロールキック
<お奨めの1頭>
2R サッチモ
2戦連続2着は相手が強すぎた。今回はメンバーが大幅に甘くなり、待望の初勝利を飾る
4月30日(日)、岩手クラシック一冠目「第43回ダイヤモンドカップ」(盛岡ダート1600m)は単勝1・2倍の圧倒的支持に応え、ミニアチュールが快勝。この勝利で北海道から転入後、無傷の5連勝。重賞4連勝を飾り、No.1の座を盤石のものにした。
ただ、余裕の勝利ではなかった。直線でリッキーナイトが猛追。0秒1差まで肉薄された。理由はいくつかある。まず生涯初めての左回り。「ところどころフワフワして、コーナーで外に張り気味だった」と山本聡哉騎手。返し馬もずっと右手前で走っていた。
とはいっても道中の手応えは上々。4コーナーでは逃げの手に出たダレカノカゼノアトを馬なりで捕らえ、余裕でゴールに入るかと思った。ところが盛岡の上り坂を過ぎた後、手応えが怪しくなって鞍上の手が動いた。最後は地力で押し切ったが、ヒヤッとさせるシーンだった。
これが競馬の難しさ。初の盛岡、初のバンケットにミニアチュールはとまどった。ハロンラップもそれを裏付けている。スタートから12秒7-11秒5-12秒0-12秒4-12秒5-12秒1-12秒6-13秒6。
前半3ハロン36秒2-上がり3ハロン38秒3。特に注目してほしいのはラスト2ハロン。盛岡ダートでは4コーナーからゴールまでだが、12秒6-13秒6。いかに上り坂がこたえたか、が一目瞭然。ミニアチュールの上がりが38秒1に対し、リッキーナイトは37秒8。メンバー最速の上がりでミニアチュールに襲い掛かった。
ミニアチュールは水沢1600mを難なくこなしたが、盛岡マイルは相当こたえた。それでもしっかり勝ち切れるのが強さの証であるのは間違いない。
佐藤祐司調教師「課題だった輸送はうまくクリアーできた。返し馬が右手前だったが、今回が初めての左回り。次はもう少し良くなってくるはず。この馬の能力は相当レベルだと思うが、牡馬はこれからどんどん成長する。実際、最後はリッキーナイトに差を詰められましたからね。今後は成長力がカギになると思います」
エンパイアペガサスで一時代を築いた佐藤祐司調教師。さすが、牡馬クラシック一冠目を制したことを喜びながらも、冷静さは忘れていない。エンパイアペガサスも3歳を迎え、走るたびに力をつけていった。
ミニアチュールの今後については「次走のことは柔軟に考えている。メインはもちろん東北優駿だが、馬の状態などと相談して決めたいと思っています」
今年の東北優駿(岩手ダービー)は6月11日(日)、舞台は水沢2000m。余裕で4連勝を飾った水沢に戻るのは100%プラス材料だが、距離がカギ。佐藤祐司調教師「柔軟に考えている」のは2000mを選んでいいか否か。決断を待ちたいところだ。
4月30日に行われた3歳三冠第一戦『ダイヤモンドカップ』は1番人気に推されたミニアチュールが優勝。牝馬ながらの三冠路線挑戦で見事優勝、自身は1月の金杯から重賞4連勝を果たしました。
最近の転入馬もなく顔ぶれはほぼスプリングカップと同様。ミニアチュール始め各馬にとって異なるのは舞台が水沢から盛岡に変わった点・・・という構図だったダイヤモンドカップ。特にミニアチュールにとっては初めての左回りでの実戦が課題と見られていました。実際、ゴールでは後続に追い詰められる辛勝の形になったものの、それでも勝ち切ったのが現時点での完成度の差。自身は重賞4連勝、鞍上の山本聡哉騎手はなんと5週連続重賞Vという快挙ともなる勝利でした。
5月2日のメインレースは11レース、B2級ダート1600mの特別戦『メイカップ』です。
今週から開催が盛岡に移りました。約5ヶ月ぶりの盛岡競馬、コロナ禍の制約がほぼないGWともなって場内は近年にない賑わいを見せておりました。一方で小回りから大回り、右回りから左回りへの変化、先に触れたミニアチュールのように左回り自体が初めてという馬も少なくなく、予想の方はなかなか悩まされる週となっています。
このメイカップにもそんな馬が複数おり、力関係比較だけでなくコース対応も考えながらの予想になりました。
ということで本命は(2)フェイダウェイを狙います。
昨年は盛岡戦の時期を休養にあてていたために盛岡での出走は一昨年11月以来となりますが、勝ち星こそ無いものの掲示板には何度も食い込んでおりコース対応は問題なさそう。距離に関しても初距離の際には苦戦する傾向がありますが二度三度と経験するうちに対応していますし水沢のマイルではむしろ安定していると言える戦績でもあります。また水沢は小回りな分枠順にも左右される印象ですが盛岡は内外を特に気にしていません。
ちょっとムラのある、というか振れ幅が大きめのタイプに思えるだけに過信は禁物かもしれませんが、しかし前走の勝利はフロックではないと感じます。馬の状態も悪くなく、狙ってみる価値は十分にあると判断しました。
対抗は(5)バジガクアリア。この馬もこの春は好調。二走前のように前々でしぶとく立ち回って上位に食い込むという戦いぶりもその好調さあってこそでしょう。勝ち切るまでの決め手はともかく、しぶとく上位に・・・という走りは期待していいはず。
三番手に(7)フェザーノユメ。水沢の方に良績が多いのは昇級のタイミングの問題で、昨秋は盛岡でもB1級上位で健闘していますからコースが苦手という事はないでしょう。実際盛岡マイルでも何度も好走。コース替わりはプラス。
ヒモはまず(9)エイシンヌチマシヌ。人気薄での連続好走、確かにペースに恵まれた面はあったにせよ、差し馬不利のこの春の水沢でそれだけやれるのは勢いがあるという事でしょう。より脚質に合う盛岡に変わるなら軽視はできません。もう一頭は(4)ザサンアップライト。左回りの経験は豊富、差し・捲りタイプが多いここでなら展開が向く可能性を考慮してみたいですね。
●11Rの買い目
馬単(2)=(5)、(2)=(7)、(5)=(7)、(2)→(9)、(2)→(4)
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