5月23日(火)、盛岡競馬場で「2023地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ」ファーストステージ2戦が行われる。盛岡を舞台に行われるのは2020年以来、3年ぶり(2021年は休止)。第1戦はC1級・ダート1200m、第2戦はC1級・ダート1600mが舞台。岩手代表は昨年度216勝の年間最多勝の新記録を樹立した山本聡哉騎手。
ほかの出場騎手は北から落合玄太騎手(北海道)、福原杏騎手(浦和)、森泰斗騎手(船橋)、矢野貴之騎手(大井)、山崎誠二騎手(川崎)、青柳正義騎手(金沢)、渡邉竜也騎手(笠松)、岡部誠騎手(名古屋)、吉村智洋騎手(園田)、宮川実騎手(高知)、山口勲騎手(佐賀)の12名。
続いて5月31日(火)、浦和競馬場で実施する「ファイナルステージ」(2戦)の総合優勝騎手は8月26日(土)、27日(日)の両日、JRA札幌競馬場で行われる「ワールドオールスタージョッキーズシリーズ」(全4戦)の出場権を獲得できる。2005年から2017年まで「スーパージョッキーズトライアル」の名称で行われ、2008年に菅原勲元騎手が優勝。また2020年には村上忍騎手が総合優勝を果たしている。
菅原勲元騎手は2002年にも推薦で「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」に出場。2008年はスーパージョッキーズシリーズ総合優勝を果たし、阪神競馬場の本選に出場。第3戦のゴールデンブーツトロフィーを快勝した。
自分も応援のために阪神競馬場へ取材で訪れたが、スタンドから祝福の大歓声が上がった。実は同日、ジャパンカップ・ダートも行われ、カネヒキリが優勝。奇跡の復活劇を見て心から感動したものだった。
2020年はコロナ禍の真っ只中だったため、地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップは盛岡2戦のみ。村上忍騎手が優勝したが、ワールドオールスタージョッキーズシリーズも休止となった。
ほかにスーパージョッキーズシリーズ(SJT)、地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップで上位を確保したのは2010年、小林俊彦元騎手2位、2015年、村上忍騎手2位、山本聡哉騎手2位。2015年、山本聡哉騎手3位、2022年、村上忍騎手3位。
以上のように山本聡哉騎手は過去2位、3位がそれぞれ1回。惜しいところで総合優勝を逃がしているが、今シーズンの山本聡哉騎手はリーディングジョッキーを独走中だけではなく、2023年度シーズン開幕から5週連続で重賞制覇。昨年は村上忍騎手に出場権を譲っただけに、なおさら気合いが入っているに違いない。山本聡哉騎手の健闘を祈りたい。
今週の岩手競馬
5月21日(日) メイン11R 「第24回あすなろ賞」(盛岡ダート1800m)
5月22日(月) メイン12R 「青葉特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
5月23日(火) メイン11R 「ジョッキーズチャンピオンシップ」ファーストステージ第1戦
メイン12R 「ジョッキーズチャンピオンシップ」ファーストステージ第2戦
5月16日のメインレースは11レースです。B1級ダート1600mの『ネモフィラ賞』。
盛岡開催も3週目が終わるところになりました。開幕週は内を開け気味、二週目は少しずつ内が伸びるようになってきて・・・と変化してきていましたが、今週は内を通る馬が優勢・外捲りは伸びあぐねるシーンが目立つようになってきています。
昨年なども同様の傾向があって、3週目くらいから直線の内ラチ沿いが伸び始めるシーンが目立ち始めていました。今年は、基本的にはパワーを要求する馬場だという点に変わりは無いものの、毎週末の雨の影響などで毎日馬場状態が変わる、馬場の傾向も変わるという感じの難解な状況になっているように感じます。
自分の予想も「ある程度前で流れに乗れる馬有利・差し捲りは不利」の前提で組み立てましたが、場合によっては内枠絶対みたいな状況になるかもしれません。1日の傾向を見ながら最終決断したいですね。
このレースの本命は(6)レールガンです。
最初に差し不利かと書きながらけっこうな差しタイプを本命にしたんですけども、最近のこの馬は以前ほどの直線一気ではなく4角までに好位に取りついて末脚を伸ばす走りが主戦法。クラス的なもの、コース形態的なものも味方にしつつ安定した成績を残してきています。
振り返ってみれば春の水沢2戦で敗れた相手はマイネルアンファンだったのですから敗戦も致し方なしと言っていいでしょうし、ならば前走はこの馬の力量として当然の勝利とも言っていいはず。ここでも主力視当然と判断します。
対抗は(5)フェブサンカラでどうでしょうか。小柄な馬ですが前走のようなしぶとさがあり、左回りも合いそうな印象。前走のように前々で耐える形に持ち込めればそのまま・・・のシーンも。
三番手には(3)ヴォウジラール。春先は掲示板圏内に入りつつもレースぶりは目立たない印象でしたが、水沢戦の後半あたりから存在感が増してきました。JRA時代は左回りを得意にしていた馬。盛岡も合うというのなら、このあと一旦水沢に戻る前に白星を奪ってしまいたいところ。
以下はまず(4)キタノポケット。着順は一進一退ですが内容安定、見せ場も十分。盛岡も好相性と言っていいでしょう。そして(9)サンエイウルフ。何が勝ちパターンかはっきりしないですが差しだけでなく先行競馬もできる馬。うまく主導権を握る事ができたら・・・のシーンを想像しておきたいですね。
●11Rの買い目
馬単(6)=(5)、(6)=(3)、(5)=(3)、(6)→(4)、(6)→(9)
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15日メインはB1級三組・盛岡ダート1600m戦「チャイナアスタ賞」。園田から2頭が転入してきたが、今回は地元優勢。中心選びにも迷いがなかった。
チュウオウペットは現在、550キロ近くの大型馬。跳びが大きいタイプでコース広い盛岡が合う。昨年終盤は凡走を続けたが、体を絞るのに苦労。加えて器用なタイプではなく水沢も合わなかった。それでも休み明け2戦目の水沢1600mで2着を確保したが、続く一戦は8着に凡走。前走5番人気と評価が引くかったのも仕方なかったが、あっさり一蹴。2番手追走から4角先頭に立ち、2着に1秒1差をつけて圧勝した。これで軌道に乗ったのは明らかだし、前走マークした1分39秒2も非常に優秀。連勝のお膳立てはほぼ整った。
ネオヴォイスは中央未勝利、南関東0勝、高知7勝、佐賀4勝、名古屋1勝・A級に在籍。岩手B2編入に恵まれてあっさり2連勝をマークした。前走はB1昇級戦だったが、2着を確保。左回りでは3着最高だったことを考えれば収穫ある一戦。盛岡コースも問題ないことを証明した。チュウオウペットのタイムは強烈だが、それ以外のメンバーでは上位。名古屋時代からの連対を6に伸ばす。
ロードアルバータは中央芝3勝、プリンシパルステークス3着。いい脚を長く使えるのが持ち味で岩手5勝2着7回3着7回。今シーズンも初戦を快勝して健在をアピールした。以降2戦は7、5着だったが、1400mの忙しい競馬が合わなかった。前走は得意の盛岡マイル戦だったが、出遅れがこたえて3着。スタート決めればまとめて負かすシーンまであり得る。
ブルーエクセレンスは昨年10月、中央2勝クラスから転入。A級では4着最高だったが、今季はB1へ降格。3戦目の前走・水沢1400m戦を強烈な末脚で快勝。待望の岩手初勝利を飾った。これで弾みついたと解釈できる。
コンカルノーは先行力と粘りが身上。もうひと踏ん張り欲しいところだが、着外ない点は評価に値する。好枠を引き当てすんなりの流れに持ち込めれば連対確保も可能だろう。
ナムラジョーカーは3歳5月デビュー。3勝2着4回、馬券対象から外れたのは2度のみと安定度一目。園田C2からB1編入は荷が重い印象があり、3ヵ月ぶりの実戦も割り引きだが、ここで見せ場を作れれば今後も楽しみになる。
◎(8)チュウオウペット
〇(4)ネオヴォイス
▲(2)ロードアルバータ
△(1)ブルーエクセレンス
△(3)コンカルノー
△(6)ナムラジョーカー
<お奨めの1頭>
6R ピラヴロス
今年4月にデビューして2連勝。前走は砂を被らせて道中、反応ひと息だったが、最後はきっちり伸びて快勝。まだまだ行ける
今週は重賞がなく、いわゆる中休み。先々週の岩手クラシック一冠目・ダイヤモンドカップ、先週のシアンモア記念で春の総決算レースはひとまず終了。次週のオープン重賞・あすなろ賞から一條記念みちのく大賞典への道が始まる。毎週のようにあった3歳重賞もひと休み。ちょうど狭間の開催となった。
14日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級五組 盛岡ダート1600m)。B2級から昇格馬が4頭。B1級在籍馬との力量比較が大きなポイントとなる。
主軸にデンジャーマンを指名する。中央4戦0勝からホッカイドウ競馬で2勝から南関東へ移籍して3勝マーク。再び中央入りしたが、6戦二けた着順に終わり、岩手へ新天地を求めてきた。注目の初戦は中団をキープして直線鮮やかに抜け出して完勝。メンバー最速タイの上がりを駆使し、幸先のいいスタートを切った。今回はB1昇級だが、走破タイム1分40秒5は馬場を考えると優秀。もう一丁いけると見た。
ダブルダブルは中央芝2着1回から古馬B2へ編入。後方待機策からスパートをかけると一気に加速。上がり3ハロン36秒5という驚異的な脚で5馬身差で圧勝した。続く3歳芝2400m重賞はスローペースに落とされて4着。ダートに戻っても3着に終わった。以降は小回り水沢にてこずって入着一杯だったが、盛岡に替わった前走、出遅れながらも2着。勝利をモノにできなかったが、改めて盛岡ダートが合うことを証明した。ペース速くなれば一気突き抜ける。
ネイチャーミヤビは昨年7月、中山ダート1800m2着1回から転入。あっさり2連勝を飾り、3歳重賞・やまびこ賞3着に終わったが、自己条件に戻って首位を奪回。再び中央入りしたが、2戦大敗を喫し、南関東2戦も連続10着。今回は2ヵ月ぶりの実戦で復調度合いがカギを握るが、岩手の実績は文句なし。地力を信じる手。
ブライトミニスターは園田1勝2着2回からホッカイドウ1戦を経て転入。2着1回3着1回後、7ヵ月の休養を余儀なくされて前走で復帰。久々の実戦で5番人気にとどまったが、0秒1紗3着。好内容を見せてくれた。ひと叩きされて良化は確実。上記3頭をまとめて負かすシーンまで。
エイシンボールディはシーズン当初は精彩を欠いていたが、徐々に立ち直りを見せて前々走4着から前回快勝。元々、盛岡コースが主戦場だったが、久々の美酒を味わった。弾みついたのは間違いなし。
シェアザモーメントは今季1勝2着1回。相手なりに駆ける堅実さが武器でマーク欠かせない。
◎(2)デンジャーマン
〇(1)ダブルダブル
▲(6)ネイチャーミヤビ
△(7)ブライトミニスター
△(8)エイシンボールディ
△(4)シェアザモーメント
<お奨めの1頭>
2R ヤマニンライバリー
中央未勝利、門別2戦を経て転入。昨年10月以来の実戦だが、スピード一目。能力検査を叩かれて態勢が整った
先週7日、春の総決算「第48回シアンモア記念」(盛岡ダート1600m)が行われ、5番人気ノーブルサターンが2馬身差で完勝。トウケイニセイ記念、桐花賞に続いて重賞3勝目を手にした。2着には8番人気スズカゴウケツが突っ込み、3着に4番人気セイヴァリアント。3連単49万900円の特大万馬券が飛び出した。
意外に荒れることで定評があるシアンモア記念。2017年に牝馬ユッコ(6番人気)が快勝して3連単13万3880円、2013年、同じく牝馬トウホクビジン(6番人気)が優勝して3連単16万530円の高配当を記録したが、49万円は過去最高の配当。さすがにお手上げだった。
板垣吉則調教師「前走後はオーバーワークにならないように調整した。赤松杯では勝ち馬に水をあけられたが、休み明けの部分とかいろいろ要因があったのだと思う。その部分を今回の条件、盛岡のような大きいコースで、左回りのワンターンの条件で、どれだけ詰められるかとは考えていたが、今回は本当に理想のレースをしてくれた。次はみちのく大賞典を目標に進めていきたいと思う」
勝因を考えてみたい。まずはハロンラップ。12秒9-11秒8-11秒8-11秒7-11秒9-11秒8-11秒9-12秒4。前半3ハロン36秒5、上がり3ハロン35秒9。専門紙はスローペースにしなければならないのも当然だが、これほどきれいに11秒台のラップを刻むのは珍しい。南部杯ならともかく、地元重賞では一度ラップが緩み、息が抜ける流れになる。
しかし今回はゴールデンヒーラーが逃げ、直後2番手にヴァケーション。結果的にゴールデンヒーラー6着、ヴァケーション7着。共倒れになるほど息が抜けない流れとなった。
それなら3番手外を追走したノーブルサターンも同様に沈んでも不思議はないが、中央ダート4勝・オープンに在籍。マーキュリーカップで2着、兵庫チャンピオンシップ2着など実績に加え、JRAの速い流れを何度も経験していたことが大きかったに違いない。
2着確保したスズカゴウケツも中央ダート3勝馬。一方、グローリーグローリはスタートで若干出負けした上、前半で折り合いを欠いたのが痛かった。
ノーブルサターンは馬体重が前走比マイナス1キロ。赤松杯は過去最高の545キロで臨み、伸びひと息だったが、今回は大型馬らしくひと叩きされた変わり身も大きかった。
ただゴールデンヒーラーの6着は意外だった。久々に直線失速する姿を見た。原因は何だったのか。発情期を迎えたのか。ノーブルサターンが馬っ気を出していたので可能性がない訳ではないが、あくまでも想像の域。改めて競馬の難しさを思い知った。
今回のメンバーはほぼ一條記念みちのく大賞典へ向かう。そこでの決着はどうなるのか。一ファンとしても興味深い。
今週の岩手競馬
5月14日(日) メイン11R「夢・希望 未来へ前進」(B1級五組 盛岡ダート1600m)
5月15日(月) メイン12R「チャイナアスタ賞」(B1級三組 盛岡ダート1600m)
5月16日(火) メイン11R「ネモフィラ賞」(B1級一組 盛岡ダート1600m)