毎年のことだが、冬休み明けは仕事が進まず、気持ちばかりが先走って空回りする。
体が鈍(なま)ってしまっているのが主たる理由だが、それ以上に予想の基準がないのが大きい。一度でもレースを使ったら一つの尺度ができる。どんな仕上がりでシーズン入りしたか。クラスの大幅変動がどう影響したか。様々なファクターをインプットできるが、まったく手探り状態。
主役である競走馬、騎手も同様のはず。開催前の1ヵ月ほど前から馬場が開放され、調教が始まるが、実戦とは別物。
水沢開催だから盛岡所属馬は輸送もある。久々の移動で入れ込むケース多々。想定以上の体重減があったり、輸送を考慮して調整したら思った以上に重かったこともある。
これらは当日になってみないと本当に分からない。休み明けは不確定要素がいっぱいある。
昨日のテシオブログで記したように、格付け変動した最初は格重視。降格した馬に強い印を付すが、吉と出たり凶と出たり。
一つの対策はパドックをしっかり見ること。体重の増減は特に重要だ。それに久々の実戦で気負っている競走馬も少なくない。
以上のことを肝に銘じてレースを迎えるつもりだ。
22日メインは「花巻ひえカレープロジェクト賞」(B1一組 水沢1800m)。各馬が一長一短のメンバー構成で波乱含みの一戦と見ている。
主軸はグエンザップ。まずはB1での安定度を評価した。昨年10月に岩手へ戻って1勝2着4回。スタートで出遅れするのが目についたが、しっかり連対を確保した。
今回、1枠を引き当てたのも強運。水沢1800mは内枠有利が定説でマイポジションを楽に採れる。これが1600mだと出遅れた場合、包まれる危険もあるが、ゆったりと流れる1800mなら挽回にも苦にしない。メンバーも手頃。すっきり勝ちたいところだろう。
サチノリーダースは芝馬のイメージだったが、ダートでも水沢1400m1勝、1900m3着。距離をこなせたのは正直、意外だった。
ただ、冬の水沢競馬は融雪剤が撒かれ、降雪で軽い馬場だったのも事実。雨が降れば問題ないだろうが、パワーの要る馬場だったら割引きが必要かもしれない。当日の馬場を注意してほしい。
ニーマルキングはできれば内枠を引きたかったが、よりによって大外。逃げないとモロく、この枠は厳しい条件となるが、多少ハイペースでも逃げに持ち込めば粘りを発揮。最終戦でグエンザップの追撃をギリギリ封じたのが印象的だった。
いかにスタートを決めて自分の競馬ができるか。アッサリ勝つか、大敗かの両極端の可能性がある。
コウギョウスターは中央ダート2着2回から転入。初戦の盛岡ダ1600mを快勝し、2着1回から大井へ移籍。13着に終わり、再び岩手入りし、最終戦を0秒1差3着にまとめた。
今季はB2からB1へ昇級。メンバーは骨っぽくなったが、馬格に恵まれた4歳馬。成長力で突破するか、試金石の一戦となる。
アテストは中央500万下から転入して5勝2着4回。最後のひと踏ん張りが欲しいが、安定度一目。カギは1800m延長。守備範囲はマイルまでの印象だが、流れ次第で克服できる。
タイセイオーシャンはひと叩きしてから―と思うが、レース巧者。押さえは必要か。
◎①グエンザップ
〇③サチノリーダース
▲⑩ニーマルキング
△⑥コウギョウスター
△⑤アテスト
△⑧タイセイオーシャン
<お奨めの1頭>
4R コウギョウハンサム
B1でも勝ち負けの実力馬。C2へ一気降格は恵まれた。距離1300mは望むところ。逃げ切り濃厚だろう
約2ヵ月半の冬眠から目覚め、いよいよ岩手競馬が始動する。まずは特別開催4日間(21日、22日、25日、26日)を皮切りに、4月1日から2018シーズンがスタートする。
出走メンバーの成績を見ると、大きくクラスが替わっているのが分かると思う。岩手競馬の格付けは1月のレギュラーシーズンで一旦区切り。新たな格付けは今回の特別開催から始まる。
具体的に言うと3月20日からさかのぼること前20走の獲得賞金によってクラスが決まり、JRAからの転入馬は70%、南関東は50%の賞金が控除される。
ただし岩手在厩馬は前15走の獲得賞金。例えば16走前に1000万円の賞金を持っていた場合、新シーズンでは丸々なくなり、極端な時にはオープンから最下級へ下がるケースもある。
21日第1Rではスパツィオ、レーヌドコロール、フクノカシオペアがB2から最下級C2二十二組に降格。
また5R、笠松A級から転入プリンストロイアは前20走の獲得賞金でC2十八組に編入した。しかも2月21日まで実戦を使われており、2ヵ月半ぶりの馬に比べて断然有利。間違いなく圧倒的1番人気に支持されるだろう。
よってこの季節は格を重視するのが得策だが、もう一つのカギは仕上がり状態。体重変動も激しいことも考えられるのでパドックはしっかりチェックしてほしい。
21日メイン(11R)は3歳A級「春の錦賞」。水沢1600mを舞台に行われ、4月1日の3歳牝馬重賞・あやめ賞、4月15日の重賞・スプリングカップに直結するレース。
なお3歳馬は2歳時の賞金によってクラスが決まり、上記の古馬部門とは別。またブレシアイルが58キロを背負うのは持ち賞金の関係。牡馬56キロ、牝馬54キロの基本重量より2キロ多いのはそれが理由となる。
主軸には波乱の要素を考えつつ、リュウノムーンを推す。昨年はデビュー戦の1勝のみにとどまったが、交流・南部駒賞4着、金杯3着。仕掛けどころが難しい面を抱えているが、能力の高さは証明済み。
何よりも順調に乗り込まれているのが強みだし、金杯1、2着チャイヤプーン、スターギアが不在。ここをスッキリ勝ち、スプリングカップへ弾みをつけたいところ。
逆転筆頭はブレシアイル。父メイショウボーラーから受け継いだスピードを前面に4勝。ビギナーズカップで見事な逃げ切りを決めた。
終盤は凡走を繰り返したが、北海道からの移籍組に持ち味を出せなかった印象。気のいいタイプで久々も苦にしないはず。トップハンデでも一気逃げ切りまで。
ニッポンダエモンは北海道4戦1勝から転入。初戦の若駒賞をスケール大きく快勝。ベンテンコゾウの全弟という素質を垣間見せた。その後は脚部不安のためにリタイア。5ヵ月ぶりの実戦が気になるが、絶対能力でカバーするか。
キャクタスは中山芝1200mで1勝2着1回。このメンバーでは断然の実績だが、ダート未経験。しかも力の要る水沢がネックだが、克服なら今後の台風の目になることは確実。
プリヴィレッジは芝交流・ジュニアグランプリで2着惜敗。軽い馬場を得意とし、当日の馬場状態次第。
◎①リュウノムーン
〇④ブレシアイル
▲⑦ニッポンダエモン
△⑧キャクタス
△⑥プリヴィレッジ
<お奨めの1頭>
3R シンキーノ
昨年はC1へ在籍。C2二十組に降格なら狙わない手はない
★オッズパーク杯ゴールデンジョッキーズシリーズは齋藤雄一騎手が総合優勝
全3戦にわたって繰り広げられた騎手たちの腕比べ・『オッズパーク杯ゴールデンジョッキーズシリーズ』、そ最終戦が1月7日の水沢競馬場で行われました。
この第3戦を制したのは関本淳騎手でしたが、2着を確保した齋藤雄一騎手がポイントもしっかりと確保してシリーズ総合優勝。優勝賞金50万円を獲得しました。
総合2位はシリーズ第1戦を制した鈴木祐騎手、総合3位は昨年のシリーズ王者でもある山本政聡騎手で、それぞれ優勝賞金30万円、20万円を獲得しています。
岩手競馬のレギュラーシーズンは今日1月8日で終了します。次回の開催は春を迎える頃の3月21日です。約2ヶ月半の"冬休み"になりますね。
2ヶ月半と言っても2月の下旬になると調教が本格的にスタートしますので実質は1ヶ月ちょっとのお休みです。3月に入れば新シーズンに向けたいろいろな話題、情報も出てきますしね。
まだまだ寒い日々が続くのでリフレッシュという感じでもありませんが、ひとまず岩手のレースとはしばしのお別れ。また春にお会いしましょう。
最終日を飾るレースは重賞の『トウケイニセイ記念』です。距離はダート1600m、マイル路線の総決算にもなる戦い。
桐花賞から転戦してきた馬、北上川大賞典から転戦してきた馬、さらにはその他の路線からも・・・というメンバー構成ですが中心はやはりトライアル白嶺賞からの転戦組でしょう。そのレースを勝ったイーグルカザンこそ登場しませんが、2着ワットロンクン、3着タイセイファントムが登場して重賞獲りに挑みます。
しかし自分の本命は敢えて"その他の路線から"の馬(9)ヒドゥンブレイドを採ります。
岩手に転入して2戦したのですがその2戦ともが圧勝。JRA時代終盤の勝てなさが嘘のような好走の連続となりました。そのJRA時代終盤に主に使われていた短距離よりはマイル以上がより合うということか、それとも頭数が少ない、戦いやすい条件で本来の走りを取り戻したのか。いずれにせよ先行力も発揮して勝っているあたり、旧地での一番勢いがあった頃の内容に近いものがあるようです。
今回は重賞挑戦。こういうパターンの馬は相手強化の最初のレースで苦戦する事が多かったような気がしますが、しかしそれを考えてもヒドゥンブレイドのこの2戦の走りは強烈なものでした。あれならいきなり通用すると判断。
相手はやはり(1)ワットロンクンという事になるでしょう。白嶺賞ではイーグルカザンの決め手に屈しましたが展開のあや、逃げ馬を追って先に抜け出さざるを得なかった分の終いの差だったという印象。
過去にもそういう展開から勝てなかった例がありそこがウィークポイントなのかもしれませんが、やはり地力上位は明らかですし、一昨年のこのレースで3着になっているように冬の水沢との相性の良さも注目点になるはずです。
(3)タイセイファントムは三番手。白嶺賞で水沢コースもこなしたとはいえやはり持ち味が活きるのは大きなコース・直線が長いコース。そこで捲り上げながらしぶとい脚を使う。ちょうど絆カップでの勝ち方がこの馬の勝ちパターンなのだと感じます。白嶺賞の時より明らかに差し届きづらい馬場傾向でその持ち味全発揮となるかどうか?展開に左右される面が残ると見てこの評価。
以下はまず(2)プリンスダム。他の有力馬が同型になるだけに兼ね合いが課題も、先行粘り込みを図るには手頃な枠となりました。前がやりあうその直後で良いポジションを獲ることができれば上位流れ込みも。(4)ユッコは右回りだとやや期待値が下がる印象だし前が止まらない馬場・止まらない展開になりそうなのも割引要素。ただ北上川大賞典4着など地力は牡馬相手でも遜色ないですからそれがうまく活きるなら。
●9Rの買い目
馬単(9)=(1)、(9)=(3)、(1)=(3)、(9)→(2)、(9)→(4)
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★オッズパークLOTO 5重勝/1月8日(対象6R~10R)
5,6,3→5,8,4→2,8→9,1,3→8
6R/評価A: 5番 評価B: 6番、 3番 穴:8番
7R/評価A: 5番 評価B: 8番 穴:4番、6番
8R/評価A: 2番 評価B: 8番 穴:7番
9R/評価A: 9番、 1番 評価B: 3番 穴:
10R/評価A: 8番 評価B: 7番 穴:1番
昨日の桐花賞に続いて今度は1月2日、明け3歳馬による「第44回金杯」報告。
こちらは単勝1・3倍の圧倒的1番人気に支持されたチャイヤプーンが2着スターギアに0秒2差をつけて完勝。寒菊賞に続いて重賞2連勝を果たし、2歳No.1を確定させた。
逃げたのはブレシアイル。2番手にスターギアがつけ、チャイヤプーンはスタートであおって4番手を追走。寒菊賞では掛かるシーンもあったが、しっかり折り合いがついていた。
3コーナーでスターギアが先頭に立ち、その外からチャイヤプーンが並び、残り50mで先頭。抜け出してからササってはいたが、完全な横綱相撲だった。
村上忍騎手「寒菊賞で勝負付けが済んだメンバーですから、どのように勝つかをイメージして臨みました。
今日は位置取りは考えず馬の行く気にまかせたら、結果的に前回(寒菊賞)と同じポジションになりましたが、うまく折り合いがついてスムーズな競馬ができました。
スターギアを交わして抜け出した後、内にササった課題はありますが、レースセンスは相当のレベル。距離が伸びても大丈夫だと思います。
無事に冬を越して成長した姿を期待しています」
荒削りな競馬に幼さをのぞかせたが、それを含めて限りない可能性を見せる一戦だった。何度も記したが、母は岩手競馬史に残る強豪牝馬サイレントエクセル。
これもスターホースになれる魅力の一つ。母の血を受け継いでどこまで飛躍していくのか、楽しみが増えた。
7日メインは「ゴールデンジョッキーズシリーズ第3戦」(B1 水沢1900m)。第1戦、第2戦を消化して暫定1位は菅原俊吏(26ポイント)だが、2位・山本聡哉(22P)、3位・高橋悠里(21P)、4位タイで斎藤雄一、坂口裕一(20P)、6位・山本政聡(18P)と僅差でひしめき合い、最終決戦までもつれ込んだ。
トーホクアロー(高松亮)は6年連続で桐花賞へ出走。自身の連続出走記録を伸ばしたが、さすがに相手が強く8着。後方から差を詰めただけに終わった。
しかし今回は自己の条件B1へ戻り、メンバーが大幅に緩和。1900mも3戦2着1回3着2回とすべて馬券対象。この適性に期待する。
ダイチラディウス(阿部英俊)は尻上がりに調子を上げて前々走2着、銀嶺賞快勝。大外一気を決めた。理想はハイペースだが、距離延長で相殺。ロングスパートを決め、2連勝を飾るか。
グランドエンジェル(関本淳)は中央1勝、南関東B2から転入。2戦3着後、銀嶺賞5着だったとは言えタイム差は0秒1の僅差。評価ダウンにはならない。中央ダート1700mを勝ったほか、中距離で好成績を収め、1900mは大歓迎。アッサリ十分。
サチノリーダース(村上忍)は転入後、芝1000m1勝、水沢1400m1勝。いきなり1900m延長は常識的に厳しいが、競りかける馬が不在でマイペースの逃げ確実。逃げ馬に乗せたら村上忍騎手は怖い。
ロケットボール(山本政聡)はダートで入着止まりを繰り返しているが、今の不良馬場ならダートでも好走。鞍上ともども一発が不気味。
ハドソンホーネット(斎藤雄一)は再転入2戦とも大敗だが、不来方賞2着馬。レースに集中できればまとめての力を秘めている。
◎⑫トーホクアロー
〇⑦ダイチラディウス
▲④グランドエンジェル
△①サチノリーダース
△⑥ロケットボール
△③ブライティアギャル
<お奨めの1頭>
1R エルノヴィオ
転入初戦の850mを能力の違いで完勝。1300mはさらに歓迎
年末年始のビッグレース・桐花賞、金杯は大団円。横綱が勝つべくして勝ったと言っていいだろう。
12月31日、大晦日の「第43回桐花賞」は3歳馬ベンテンコゾウが1番人気に支持されたが、エンパイアペガサスが直線の叩き合いを制して完勝。最後の最後で見事な復活をとげた。
エンパイアペガサスは報知グランプリカップ優勝の勲章を引っ下げて凱旋帰郷。あすなろ賞、みちのく大賞典を制し、ポスト・ナムラタイタンの座を確定させた。
しかし、その後は脚部不安に悩まされて戦線離脱。4ヵ月半の休養から復帰したが、絆カップ、浦和記念と連続6着。持ち味の渋太い先行力が影を潜めたが、桐花賞で地力を発揮。鞍上・菅原俊吏騎手には2年ぶりの重賞をプレゼントした。
菅原俊吏騎手「理想は2、3番手外でしたが、思ったより行き脚がつかなかったので内に入れました。結果的にそれでハミを取ってレースをできたのが良かったと思います。
道中の手応えも上々でしたし、ちょっと気合いをつけたらしっかり反応しましたから、これなら勝てるかなと思いました。
これまでいっしょに戦って強い馬だなあと思っていましたが、実際に乗ってみてすごいパワーに感心しました」
この冬をどんな過し方をするのか。佐藤祐司調教師「オーナーと相談の上で決めたいと思っています」とコメント。決定が待ち遠しい。金杯は明日報告します。
6日メイン9RはA級二組「ガーネット特別」(水沢1600m)。コース2度目コウギョウダニエルが、今度こそ首位を奪取する。
デビューから大井専門に使われて5勝2着2回。特に7月以降に3勝をマークし、成長著しかった。
注目の転入初戦は当然のように1番人気に支持されたが、オールザベストに完敗2着。相手も強かったが、逃げてとぼけたのも敗因。南関東時代も気むずかしい面があったという課題を出した一戦でもあった。
阿部騎手もこの2着で特徴をつかんだはずだし、前に行きたい馬がいるので展開もズバリ。首位を奪取するお膳立てがそろった。
相手筆頭はノミネーション。中央芝1勝2着4回から転入。当初はオープンの壁が厚かったが、徐々に慣れ始めて3戦好走。特に前々走、水沢1600m戦で逃げて2着に粘った。
前走も展開厳しかったが、コウギョウダニエルに次ぐ3着確保。調子の良さが実戦に結びついている。マイルに戻って反撃必至。
サンエイホープも上位争い確実。2戦連続5着だったが、短距離戦にもとまどった印象。今度は金杯を含めて過去3勝の水沢1600m戦。今度こその期待。
ガリョウテンセイは中央2戦2着1回、南関東5勝・B3から転入。初戦5着だったが、コース2度目でさらに上を望める。
ニシノファイターの評価が難しい。北海優駿、王冠賞と北海道2冠を獲得。またダービーグランプリ、絆カップ2着と実績断然。佐賀成績が振るわないが、相性のいい岩手でアッサリまで。
マコトグナイゼナウは4走前の水沢1600mでヴィグラスムーヴの0秒7差4着。このメンバーなら通用して不思議はない。
◎④コウギョウダニエル
〇⑧ノミネーション
▲⑨サンエイホープ
△③ガリョウテンセイ
△⑦ニシノファイター
△①マコトグナイゼナウ
<お奨めの1頭>
8R カンヌ
逃げて惜しいレースが続くが、今回はメンバーが大幅弱化。外枠でも自慢のスピードで押し切る