先週から岩手競馬が再開。初日18日、いきなり3歳重賞「奥州弥生賞」が行われ、サンエイリシャールを除く一線級が勢ぞろいした中、2歳最優秀馬ベンテンコゾウが5馬身差で圧勝した。
ベンテンコゾウは前回報告したとおり寒菊賞完勝後、テンコートレセンへ移動。坂路で鍛え直した。
今回、2ヵ月半ぶりの再会が楽しみだった。かつてはメイセイオペラが、そしてラブバレットが飛躍のきっかけをつかんだテンコートレセンでどんな成長をとげたか。装鞍所に来たベンテンコゾウを隈なくチェックした。
驚いたのは胸前と後肢がすごく立派になっていたこと。体高的な伸びは感じられなかったのだが、それは厚みの増し方が強烈だったからかもしれない。とにかく胸前、後肢の発達がすばらしかった。いい筋肉がついたなと思った。
個人的な感想だが、同じサウスヴィグラス産駒ナムラタイタンに似てきたような気がする。おそらく体高はこれから伸びるだろうが、完成期はどんな感じになるのか。成長した姿を見て惚れ惚れとした。
心配はゲートだったが、今回よりによって最内1枠で先入れ。若駒賞のように暴れないか固唾を呑んで見守ったが、無難に出てひと安心。スタート後、内に包まれて若干掛かったが、それも村上忍騎手がうまく外に出してクリアー。あとは能力の違いを見せつけて余裕でゴールへ入った。
次走目標は当初の予定どおり、門別のクラシック一冠目・北斗盃。長距離輸送、初コースなど課題は多いが、将来を考えれば避けて通れないこと。夢の全国制覇へ向けて期待を込めて見守りたい。
25日メインはA級馬による水沢1600m戦「春分特別」。二組戦だが、重賞路線にもつながる好メンバーがそろった。
主軸は牝馬ユッコ。中央1勝500万下から転入だったが、オープン勝ちを含めて2勝。牝馬全国交流・ビューチフルドリーマーカップでも優勝ジュエルクイーンに0秒1差2着。ファン投票・桐花賞でも4着に善戦した。
佐藤雅彦きゅう舎でこのようなケースは少なくない。ユッコも独自の調整方法で秘めた素質を開花させた。
身上とするのはシャープな切れ。次開催に第一弾の古馬重賞「赤松杯」を控え、牡馬戦線に殴り込みをかけるか注目。
逆転筆頭はスマートレジェンド。こちらも抜群の破壊力が武器。移籍4戦目のJRA500万下、岩手B1の条件交流・プロキオン賞で鮮やかな直線一気を決めて快勝した。
課題だった水沢コースもスローに泣いた前々走をはさんで1勝2着2回。ベストはコース広い盛岡だが、水沢もこなせるようになったのが強み。流れ構わず自慢のマクリをさく裂させる。
4歳馬で注目一番手はウインバーニング。中央ダート3着2回、大井交流2着から転入。移籍2戦目の3歳重賞・不来方賞でエンパイアペガサスの2着を確保した。
エンパイアペガサスはその後、ダービーグランプリ2着。南関東重賞・報知グランプリカップ逃げ切りを果たし、世代レベルは推して知るべし。このメンバーで勝ち負けを演じるようなら今後の活躍も約束された。
メテオライトは10月以降、精彩を欠いたが、伝統のみちのく大賞典2着。冬休みでリフレッシュができればアッサリあって不思議はない。
ニーマルキングも終盤に息切れした感じだったが、転入初戦で前記スマートレジェンドの追撃を封じて完勝。勢い取り戻せれば反撃十分。
トーホクアローは強豪相手にも入着を確保する反面、詰めの甘さがつきまとう。突き抜けるには展開の手助けが必要だが、マークを欠かせない。
◎⑦ユッコ
〇⑧スマートレジェンド
▲⑩ウインバーニング
△⑤メテオライト
△⑥ニーマルキング
△①トーホクアロー
<お奨めの1頭>
3R アンブリッジローズ
降格初戦は惜しくもハナ差2着。ここでは前走タイムが抜けており、今度こそ首位を奪取できる
★奥州弥生賞/ベンテンコゾウが完勝
春の岩手競馬が3月18日に開幕。その初日に行われた3歳の重賞『奥州弥生賞』は、2016シーズンの2歳最優秀馬に輝いたベンテンコゾウが人気に応えて快勝しました。
春緒戦の重賞という事もあってか昨冬とほとんど同じようなメンバーでの戦い。一度ならず数度破った事がある馬が相手ならベンテンコゾウにとっては負ける事ができない一戦ではありました。しかし、直線だけで5馬身突き放しなお余裕を感じる走りはやはり世代のナンバーワンだと再確認できるもの。3歳戦線もこの馬が中心になりそうです。
相手は、これも少し捻って(3)マツリダインゴットを。短い距離が良いタイプとは言い難い。ただ、どちらかといえば一本調子な、淡々とした流れでしぶとさを発揮する馬です。駆け引きが必要なマイル戦よりはいっそこの距離で。
三番手は(2)スコルツェッテ。JRA時代を含めて中距離の経験だけですが、ハービンジャーの産駒はダートでは短距離タイプが目立つ印象。返信があるとすれば距離短縮のここ。
ヒモは(8)フジノピューマ、そして(9)コイスルキセキ。"格"という点ではこの2頭が間違いなく上位、短距離も得意なタイプです。ただ1300mはちょっと忙しいかもと考えて連下までとしました。
●10Rの買い目
馬単(7)=(3)、(7)=(2)、(3)=(2)、(7)→(8)、(7)→(9)
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★オッズパークLOTO 5重勝/3月20日(対象6R~10R)
6R/評価A: 9番 評価B: 6番 穴:2番
7R/評価A: 5番、 9番 評価B: 7番 穴:6番
8R/評価A: 3番、 6番 評価B: 1番
9R/評価A: 7番 評価B: 8番、 9番、穴:3番
10R/評価A: 7番 評価B: 3番 穴:2番
昨日に続いて岩手競馬の変更点について報告をしてみたい。毎年11月、水沢2000mを舞台に行われる「ダービーグランプリ」の1着賞金が1千万円に上がった。
ダービーグランプリはかつてGIの称号を得ていたが、2007年、全国にまん延した馬インフルエンザの影響で地元重賞で実施。翌年以降、周辺事情を鑑みて休止していたが、復活を望むファンの声に応えて2010年に再開。
原点に立ち返って地方競馬全国交流に戻り、1着賞金が800万円。ピーク時の1着賞金6千万円を考えれば大幅にスケールダウンだったが、ダートグレードを除く重賞では最高額の賞金を拠出した。
そして復活から今年8年目を迎えたが、年々、出走馬がグレードアップ。まさに1986年に創設され、回数を重ねるごとに強豪が集まった当時と同じような勢いを実感したが、その流れに応えたのが今回の増額だった。
連動して地元トライアル・不来方賞も1着賞金が300万円から500万円に増額され、M2からM1に昇格した。
11月に3歳カテゴリーで交流レースを実施するのはどうか、と疑問に思う方も多いかもしれないが、現場の熱気は相当高い。果たして今年はどんなメンバーが集まるのか。今から楽しみでならない。
19日メインはB1級一組による「花巻ひえカレープロジェクト賞」(水沢1800m)。格を重視するか、上がり馬の勢いを採るかで迷ったが、決断は格重視。トーホウパルサーを主軸に推す。
中央1勝を中京ダート1800mでマークし、金沢1戦(2着)を経て転入。当初は大きな体を持て余していた印象だったが、叩かれながら本領を発揮して終盤に2連勝。しかもA級だったから価値が高い。
それでも迷ったのは大外10番枠に入ったため。水沢1800mは3コーナーカーブにスタート地点があり、内枠が圧倒的に有利。特に先行馬はハナを取るのに脚を使うため、なおさら外枠は厳しい条件となる。
トーホウパルサーは逃げがベストだが、内にアキツシマ、フォールドインがいて同型をさばけるかどうか。無理をすれば終いが甘くなるのは必至。鞍上・高橋悠里騎手の腕にかかっている。
逆転筆頭はコスモタウルス。中央未勝利から転入後、8戦7勝2着1回。移籍4戦目に2着に敗れたが、以降は完ぺきの内容で4連勝を飾った。
1800m戦も3走前の錦秋湖賞1着で適性を証明済み。B1昇級初戦で元A級が最大のライバルとなるが、今の勢いと若さで突破する可能性も十分。
スパンコールは昨年4勝2着5回。着外はわずか1度のみとコンスタントに結果を出し、牝馬特有のシャープな切れが冴え渡った。ここ3戦とも3着止まりと展開に左右される面で若干割り引いたが、流れ次第で単まで。
ロジカロンは中央未勝利ながら芝で3着1回。ダートでも2、3着それぞれ1回。1700m、1800m戦で好走し、南関東C1から転入。今回の水沢1800mは条件ベスト。いい脚を長く使えるのが武器。前が競り合えば勝ち負けに持ち込める。
あとはスンナリの流れでアキツシマ、フォールドインの残り目が押さえ。
◎⑩トーホウパルサー
〇⑤コスモタウルス
▲①スパンコール
△④ロジカロン
△⑥アキツシマ
△⑨フォールドイン
<お奨めの1頭>
2R セイユニコーン
京都ダート1200mで1勝マーク。南関東では精彩を欠いたが、C2では地力が違いすぎる
岩手競馬は毎年、3月の特別開催(18日~20日)から再開する。新年度は4月1日スタートだが、年度ごとの格付け大変動は特別開催から。降級馬、昇格馬が大幅に入れ替わる。A級から最下級C2へ一気に降格する馬も少なくない。
仕上がり状態以上にクラス変動が大きくモノを言い、必然的に馬券検討の大きなファクターとなる。まずは前走クラスをチェックしてほしい。
今年は格付け変動に加え、大きく変わった点がある。C2最低賞金が10万円から20万円と倍増。存廃問題に揺れた2007年以降、厳しい賞金を余儀なくされたが、この倍増は非常に喜ばしいこと。ようやく底を脱したのを実感する。
ほかの条件クラスも軒並みアップ。A級はこれまでも1着賞金が80万円と手厚く据え置きだったが、C1、B2、B1級それぞれの賞金が上がった。これが特別開催から導入される。ファンには直接的には関係ないが、出走手当も一律5千円アップした。
これらへの景気づけでもないだろうが、特別開催初日18日、3歳重賞「奥州弥生賞」(水沢1600m)。特別開催に重賞が組まれるのは今回が初めてとなる。
さっそく注目の奥州弥生賞に好メンバーが顔をそろえた。2歳最優秀馬の栄誉を獲得したベンテンコゾウが始動する。
昨年、5戦4勝2着1回。4勝すべてワンサイド決着で圧勝。南部駒賞、寒菊賞と重賞2連勝も飾った。若駒賞はサンエイリシャールの2着だったが、陣営が唯一不安だったゲート難を出したのが敗因。レースに集中できず、完敗を喫した。
ひとまず南部駒賞、寒菊賞は無事にスタートを切って自身の能力を発揮したが、まだ課題が残っているのは事実。
金杯をスキップし、テンコートレセンの坂路で鍛え直して帰郷。担当厩務員の話では体高はそれほどでもなかったが、幅が出てきたという話。また精神面での成長もあるか当日、パドックでの再会が楽しみでならない。
オールザベストも順調に攻め馬を消化して奥州弥生賞へ駒を進めてきた。北海道2勝2着6回から岩手初戦を圧勝。続く寒菊賞はベンテンコゾウを徹底マークの戦法に出たが、直線突き放されて2着。しかし、ベンテンコゾウ不在の金杯を圧勝し、初重賞を手にした。
父は本家ブリーダーズカップ・スプリントを制したスペイツタウン。産駒がクラスターカップを制したドスライスでも岩手になじみだ。そして母父はアメリカ年度代表馬(エクリプス賞)に輝き、種牡馬入り後も数々の強豪を送り出したホーリーブル。走る素地、成長力も確実にある。芦毛の大型馬がひと冬を越して逆転に転じるか。
ニードアフレンドは入れ込みが激しいタイプ。そのためムラな面があり大敗のケースも多かったが、自分の型に持ち込んだ2勝とも圧勝劇だった。しかも仕上げに手間取らない牝馬。ベンテンコゾウ、オールザベストのラインに割って入る一番手に挙げられる。
ヤコウレッシャは北海道2勝から転入。4戦1勝後、名古屋へ転籍しても1勝マーク。中央の舞台も経験した。上記3頭が久々の実戦に対し、2月28日までレースを使われてきたのが最大の強みとなる。
コンバットパンチにも同じことが言える。冬場に南関東へ移籍して9、5着。激戦区で揉まれた経験が不気味。
◎①ベンテンコゾウ
〇⑥オールザベスト
▲④ニードアフレンド
△②ヤコウレッシャ
△⑦コンバットパンチ
<お奨めの1頭>
1R アンブリッジローズ
昨年A級で走ってきた馬がC2でも最下級へ急降下。冒頭にも記した典型的なケースで、狙わない手はない
9日メインは「ゴールデンジョッキーズシリーズ第3弾」(B1 水沢1900m)。いよいよ最終決戦を迎える。
優勝騎手に50万円、2位は30万円、3位は20万円のボーナスが支給される。この50万円を手にするためには通常で1着賞金・1000万円のレースを勝たねばならない。
岩手の重賞で最高賞金はグレードレースを除くとダービーグランプリの800万円。各騎手とも力が入るのも当然だろう。
第2戦を終えた時点でトップは坂口裕一騎手24ポイント、2位・村上忍騎手23ポイント、3位・山本聡哉騎手21ポイント、4位が同ポイントで高松亮騎手。以下、5位が山本政聡騎手18ポイント、6位・陶文峰騎手18ポイントで並び、以下の騎手にもチャンス十分。大接戦のままで第3戦に突入する。
本命はウインバーニング。皮肉にも最下位12位の菅原辰徳騎手(6P)が引き当てた。中央未勝利ながらダート1800m3着2回、大井交流・1600mで2着1回の成績から転入。初戦を圧勝し、続いて3歳重賞・不来方賞へ挑戦。エンパイアペガサスの2着を確保した。
ダービーグランプリ8着後、自己条件に戻って1着。前走・銀嶺賞は2着だったが、これはデルマオカルを誉めるべき。負けて強しの一戦だった。
本命にした最大理由は距離が1900mだから。前走はマイル適性の差も敗因だっただけに、距離延長は望むところ。首位奪回のチャンス。
イチフジキングは10位・高橋悠里騎手(9P)。南関東から移籍当初は久々も影響して伸び切れなかったが、叩かれながら上昇一途。3連勝を飾った。
続く一戦で2着に敗れたが、わずかハナ差。気を取り直して再び快進撃を続け、目下4連勝中。古豪健在を誇示している。
水沢1900mは前々走のディセンバーカップで経験済み。しかも快勝しているのが心強い。B1昇級戦だが、勢いで突破する。
セカンドユウゼンは北海道、佐賀、南関東C1から転入。初戦3着、2戦目を4着にまとめ、堅実さを発揮。距離は未経験だが、タイプ的にこなせる印象。2頭がけん制し合えば割って入るシーンまで。何といっても目下リーディングトップ・山本聡哉騎手とのコンビで臨む。
メイショウテンロウは園田から転入して盛岡で2勝。水沢コースでは3着最高だったが、前回快勝でようやく吹っ切れた。距離延長は基本歓迎。鞍上は現在6位につけている陶文峰騎手。
アサクサニッポンは中央ダート1勝から転入して初戦を快勝。2戦目も2着確保したが、以降は鳴かず飛ばず。精彩を欠いていたが、ようやく復調の兆し。1900mで一発を狙い、ベテラン・阿部英俊騎手(8位)とタッグを組む。
アクシアは久しく鳴りを潜めていたが、前走3着で良化気配。人気薄で波乱を呼び起こすこと多々、菅原俊吏騎手が騎乗する。
◎⑩ウインバーニング
〇⑨イチフジキング
▲⑥セカンドユウゼン
△⑤メイショウテンロウ
△③アサクサニッポン
△②アクシア
<お奨めの1頭>
1R コスモローイエット
移籍初戦をアッサリ逃げ切って圧勝。走破タイムもすばらしかった。ここも迷わず追いかける手