いよいよ岩手競馬もファイナルウィーク。今週10日(土)から12日(月)の3日間で約2ヶ月間の冬休みに入る。
3月の特別開催は21日から始まるが、各種記録は12日ですべて決定する。具体的にはリーディングジョッキー、リーディングトレーナー部門などだが、ジョッキー部門は村上忍騎手はすでに確定済み。
先週1月4日時点で197勝。あと3勝で200の大台に載せ、2位の山本聡哉騎手との差は51勝。今週から山本聡哉騎手は戦列に復帰したが、乗鞍的に100%逆転するのは不可能。村上忍騎手が通算6度目のリーディングジョッキーを決めた。
一方、リーディングトレーナー争いは熾烈な争いとなった。1位の板垣吉則調教師63勝、2位の佐藤雅彦調教師も同じく63勝とまったく同数で並んでいる。
2着の差で板垣調教師が首位に立っているが、今週3日間で逆転の可能性も十分。これは見応えがある。
また3位の佐々木由則調教師2勝差(61勝)だが、2着は上位2人を上回り、勝ち星が並べば首位となる。
各厩舎のラストスパートを見逃さないでほしい。直接関係ないように思うかも知れないが、実は大有り。ここまで来たら連対より首位を狙いたいのは当然。騎手はもちろんのこと、厩舎もしっかりチェックして馬券検討をして下さい。
10日メインは「ガーネット特別」(A級二組・B1一組 水沢1600m)。板垣厩舎のシグラップロードが必勝態勢で臨む。
2014開幕初日の3歳重賞・スプリングカップを快勝。待望の初タイトルを手に入れ、その後も岩手ダービーダイヤモンドカップ2着など3歳重賞路線で活躍した。
ただ、なかなか勝ち星に恵まれず古馬編入後も入着止まりを繰り返していたところ、不来方賞8着から古馬A級で3戦連続2着。ファン投票・桐花賞へも挑戦して5着善戦。ようやく突破のメドが立った。
今回は相手が大幅に緩和され、ベストの1600mが舞台。キッチリ白星を飾り、来期の活躍につなげたい。
相手筆頭はレオパルドゥス。活躍の場は芝に限られ、パワーの要求されるダートに手こずっていたが、前走7着ながら0秒8差。タイム比較から次位は譲れない。
スズヨシーズンは今の先行有利の馬場に泣いて追い込んでも届かずのレースを繰り返している。それでも前走は早め追走から4着確保。ここなら自力で台頭できるはず。
ヒカルジョディーは今季入着すらなく新興勢力に完全に押されているが、トウケイニセイ記念、絆カップと重賞2勝。今の季節は本来合う。
リサーチアゲンは展開から浮上。前走は3番手の積極策から1秒差8着。マイペースの逃げが打てれば残り目があるかも。あとはアルマライズ押さえ少々。
◎(6)シグラップロード
○(2)レオパルドゥス
▲(5)スズヨシーズン
△(1)ヒカルジョディー
△(9)リサーチアゲン
△(3)アルマライズ
<お奨めの1頭>
8R アントファガスタ
中央未勝利から南関東へトレード。1勝2着2回の好成績を収めて転入。岩手C1編入は明らかに恵まれた
新年最初の重賞となるのは金杯、明けて3歳となった馬達の戦いです。
今季の岩手の3歳(2歳)戦線はロールボヌール一強ムードでしたが、南部駒賞後に同馬が戦線離脱して一転"王者不在"の状況に。
しかし、替わって頭角を現してきたのがスペクトル。デビュー勝ちを果たしていたりでもともと素質の高さが評判になっていた馬でしたが、盛岡のダートとの相性が悪く盛岡ダート3戦未勝利。若駒賞ではロールボヌールから2.5秒も千切られ「ここまでの馬か」という評価を下されかけました。
しかし直線が短い水沢コースなら話は別。水沢の南部駒賞では、ロールボヌールに敗れはしたものの差は0.9秒差と大幅に短縮し、あまつさえ遠征勢も封じて2着を確保。そして続く認定戦、重賞・寒菊賞と連続で制して、ロールボヌール不在の戦線をリードするほどの立場になりました。
この間、特に目を惹く転入馬もなく、金杯もほぼこれまで通りの顔ぶれ。となれば中心は・・・という事になるでしょう。
●9Rの買い目
馬単(3)→(5)、(3)→(1)、(3)→(4)
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昨日に続いて「第40回桐花賞」の話。単勝1・1倍の圧倒的1番人気に支持されたナムラタイタンは2馬身半差2着に敗れたが、その敗因を考察してみたい。
当日の馬体重はプラス2キロの530キロ。岩手転入後では過去最高体重だったが、厳寒期に入り調整が大変だったのは想像し難くない。日中でもマイナス気温の真冬日。元々、大型馬で本質的には太りやすいタイプ。逆によくプラス2キロで収めたと思う。
パドックで大人しいのはいつものこと。むしろ今回は外側を回り、これまで以上に気合いの良さが目についた。
戦前から村上昌幸調教師は「モズの粘りが怖い」と語っていた。確かに北上川大賞典では直線で一度交わされながら差し返して周囲を驚かせた。マークを徹底するのは当然の作戦だった。
好スタートを切ったのはマイネヴァイザー。完全に1馬身ほどリードしたが、モズが外からハナを主張。先手を取り切るのに若干時間がかかり、前半3ハロン36秒9。対して上がり3ハロン39秒0。明らかにハイペース模様だった。
これもナムラタイタンには許容範囲内。南部杯、JBCクラシックに比べれば追走は非常に楽。絶好の2番手をキープ。ナムラタイタン鞍上・坂口裕一騎手は理想どおりの競馬になったと思ったに違いない。
ところが3コーナー手前で予期せぬことが起こった。モズが戦意喪失して早々と一杯。押し出される格好でナムラタイタンが先頭に立ち、完全に目標を失ってしまった。
もう一つ不安点があった。追い切りでも夏までは11秒台でフィニッシュしたナムラタイタンが秋になって12秒台止まり。北上川大賞典も先頭に立ってトボけたが、今回も同様。結果的にコミュニティの末脚の餌食になってしまった。
モズが直線までリードしていたら、結果は違っていたかもしれない。モズの失速がナムラタイタンには大誤算だった。もちろんコミュニティは成長著しかったから大一番を勝てたのは間違いないが、これが競馬の奥深さ、難しさ。コミュニティを応援し続けたファンは最高の一日、大晦日となった。
3日(土)メインはB2級・水沢1400m「初夢賞」。6頭立ての少頭数となったが、楽しみな一戦。エントラール、リトルキングの雌雄対決が見ものだ。
エントラールは中央未勝利から転入後、圧巻の9連勝中。ほぼワンサイド決着と計り知れない強さを誇っている。
残された課題は折り合い面。2走前の水沢1800m・錦秋湖でも逃げ切りを決めたが、最後は甘くなってキルデビルヒルズに1馬身差まで詰め寄られた。
前走1600m戦で2番手に控えたのはそれを意識してのこと。多少、掛かるところがあったが、最後もキッチリ伸びて完勝。結果以上に収穫多い一戦だった。
今回はベストとも言える1400m戦。連勝を二ケタ10に伸ばす可能性は相当高い。
対するリトルキングは岩手入り後、馬券対象から外れたのは転入初戦4着、3歳重賞・不来方賞5着の2度のみ。9勝2着3回と抜群の連対率を誇っている。
トップハンデ58キロ克服が課題だが、目下2連勝は強いの一語。新田守調教師はあえて同厩2頭をぶつけてきた。この精神に拍手を送りたい。
このラインは強力だが、こんなときに伏兵台頭するケースも少なくない。割って入るとすればノーティカルスターの決め手だろう。典型的な追い込み馬だが、前走は早めマクリから4角先頭。そのまま押し切って2着に0秒7差をつけた。引き続き好気配をキープ。
ヤマニンネレイスは前走7着に終わったが、落ち込みはまったくない。それ以前の2戦の粘り一目。鈴木麻優騎手が騎乗するため4キロのアドバンテージ。50キロの軽ハンデを活かしたい。
あとは少頭数ですんなりの流れになった際、コンプリートの3着残り目少々。
◎(2)エントラール
○(4)リトルキング
▲(1)ノーティカルスター
△(5)ヤマニンネレイス
△(6)コンプリート
<お奨めの1頭>
6R テンテマリ
北海道時代を含めて5連連続2着。あとひと押しのところで勝利を逃がしているが、巡り合わせも悪かった。相手に恵まれた今度こそ首位を奪取する