6日メインは明け3歳馬の重賞「第39回金杯」(水沢1600m)、10頭立て。偶然だが、有力馬がほとんど外枠に入った。当日の馬場状態はまだ分からないが、仮に内コースが有利でも序列はほとんど変わらない。
断然の主役を演じるのはロックハンドパワー。南部駒賞は伸びを欠いて5着に終わったが、前後の若駒賞、寒菊賞と重賞2勝。特に南部杯敗戦後の寒菊賞では2番手追走から5馬身差で圧勝。強いロックハンドパワーが戻ってきた。
先日、菅原勲厩舎へお邪魔してロックハンドパワーに会ってきたが、馬房内ではゆったりとくつろいで、我々が顔を見せても非常に人懐こかった。他の馬も同様だが、スイッチの切り替えがどの馬もうまくいっている印象。
ロックハンドパワーは装鞍所へ行くとテンションが上がりすぎる嫌いがあるが、レースになると走ることに集中。鞍上の指示にすばやく反応するのが何よりもすばらしい。
もう一つ付け加えればデビュー当時に比べて体重が10キロも増えていること。最初は牡馬にしてはきゃしゃなイメージもあったが、寒菊賞では全体が大きくなった。それを裏付けるように村上忍騎手が「久々に鞍をつけたが、ずいぶん背が伸びたなと思った」という。
マンセイグレネードはデビュー2戦目の芝・若鮎賞を優勝。その後を無理のないローテーションを組み、今回が8戦目の実戦。唯一、連闘で臨んだのが知床賞で8着に凡走。その後はジックリ立て直しを図り、寒菊賞へ挑戦。
初の水沢、初めて内に入れて砂をかぶる厳しい競馬だったが、直線も最内を突いて2着確保。「初モノ尽くしでこの結果を出せたので2着でも納得。今後に向けても収穫の多い一戦」と櫻田浩樹調教師。
今回も万全の態勢で臨み、ロックハンドパワーとの差をどこまで詰めるか。メンバーを考えると逃げの手も十分考えられ、カギを握る1頭にもなった。
ブラックタイガーは北海道2勝から転入。まだ重賞経験はなかったが、スケール大きく2連勝を飾った。「連闘で使うけど反動がないタイプ。どこまで通用するか楽しみ」と担当厩務員。
ブリリアントロビンも北海道2勝からの転入馬。初戦を好タイムで勝ち上がり、牝馬交流・プリンセスカップへ挑戦。かつて同じ舞台で戦ってきた北海道2歳牝馬相手に、馬群を割って快勝。すばらしい根性を披露した。牡馬に混じってもまったく遜色はない。
テンショウリバイヴは寒菊賞で2番人気に支持されたが、中団のまま8着。「泥をかぶるのを嫌がったのか、首を上げて走っていた」(山本聡哉騎手)。今も同じ馬場で1枠が微妙だが、常識にかからない面があり、前走のみで見限るのは早計だろう。
◎(10)ロックハンドパワー
○(8)マンセイグレネード
▲(7)ブラックタイガー
△(9)ブリリアントロビン
△(1)テンショウリバイヴ
<お奨めの1頭>
4R シルクベルジュール
前走はC2からC1特別へ挑戦。強豪メンバーをモノともせず、逃げ切り完勝。再びC2相手なら役者が違いすぎる
今年は1月2日、3日の開催からスタートし、一日置いて5、6日の開催。ここ数日、強力な寒波が岩手を襲い、盛岡競馬場は30センチ以上の積雪。日中でも氷点下を観測して厳しい寒さが続いているが、厩舎関係者は一日も休まず調教をこなしている。
レース当日でも雪、強風などが吹き荒れ、馬場も極端な不良。そのような中で熱い戦いを繰り広げている競走馬、ジョッキーたちには頭が下がる思い。残すところ次週を含めて5日間。今週も白熱したレースを期待したい。
5日(土)メイン10レースはB1二組・B2一組による「オッズパーク賞」(水沢1600m)。主軸はサダチカガーベラ。今季も元気に走り続け、すべて電光掲示板に載る堅実さは健在。特に不良馬場を得意としている。
前走・ゴールデンジョッキーズシリーズ第2戦は5着止まりだったが、ちょうどスパートかけるときに前がふさがる不利。これが痛かったが、それでも直線で鋭く伸びて0秒4差まで肉薄した。
加えて仕掛けどころが難しく、テン乗りでは苦労するタイプ。主戦の山本政聡騎手に戻り、メンバーも緩和。さらにはB1馬とは2キロのアドバンテージもあり、巻き返す条件がほぼそろった感じだ。
相手はケイエムサウザー。北海道7勝・B3から転入。初戦は逃げて3着を確保し、前走は2番人気に支持。絶好の2番手を進んだと思ったが、伸びを欠いて4着。これは後ろのマークがきつく、ある意味で仕方なしの結果。今回のメンバーなら逃げの手も十分ありえ、逆転首位まで。
ヤマニンレジェールは中央ダート1800mで1勝3着1回。500万下で頭打ちとなり、岩手へ新天地を求めてきた。初戦は好位追走から3着とマズマズの滑り出し。多少、小回り1200mに戸惑った印象もあり、コース2度目は間違いなくプラス材料となる。
ハギノハートフルは中央未勝利2着1回から北海道を経て転入。当初はクラスの壁に当たったが、一戦ごとに慣れ始めて2戦連続で3着。通用のメドが立った。前走は早めスパートをかけて見せ場を作っての3着。ソロソロ連対果たしそう。
ドリームスナイパーは今季1勝のみに止まり、精彩を欠いているが、ここ2戦4着。芝巧者ゆえ今の不良馬場は合い、一発の可能性も。ノーマークにできない。
◎(4)サダチカガーベラ
○(7)ケイエムサウザー
▲(6)ヤマニンレジェール
△(2)ハギノハートフル
△(5)ドリームスナイパー
<お奨めの1頭>
3R トウカイマジカル
中央未勝利から転入初戦をアッサリ逃げ切って完勝。レース間隔は開いたが、ずっと乗り込んで態勢万全。メンバーも甘く2連勝はもらった
新年2日目を迎える岩手競馬ですが、皆さん、桐花賞の結果はいかがでしたか?
このブログでも担当だったわけですが、ロッソコルサ本命はともかく2着・3着は全く・・・という結果に全くもって恐悦至極、申し訳なしという気持ちで一杯です。
戦前にいろいろ考えていましたが、「ロッソコルサが逃げる」までは想像していたものの超スローに持ち込んでレースが動かなくなる事まではあまり考えていませんでした。
誰か他の馬が前に行って例えスローでもロッソコルサは2,3番手あたり・・・とぼんやり考えていたんですけども、結果を見てから考えれば、こうなった場合に鈴をつけに行ける馬は他にいないんですよね(他の馬が共倒れ覚悟で潰しに行くしかないが、それができたのは自身にも勝ち目がある有力馬しかいない)。
千葉幸喜調教師も「まさか自分で行くとは思ってなかったから最初はドキドキした」でも、レースが動かないのを見て「1周目のスタンド前を過ぎていく所で"これで勝った"と思ったよ」と話されていました。鞍上の好判断。これが馬の力を最大限に引き出したのでしょうね。
そんなこんなで『対決!クライマックス3チャレンジ』第1戦、私の予想は「残念~」という事になりました。でも次の金杯ではがんばりますよ~。皆さんもお楽しみに。
明けましておめでとうございます。本年も岩手競馬、テシオをよろしくお願いします。今シーズンも残すところ2週間(3月の特別開催は除く)。新年を迎えるとともに、ラストスパートをかけて全身全霊で岩手競馬を盛り上げていきます。
さっそく暮れのグランプリレース「第38回桐花賞」の報告から。優勝したのはロッソコルサ。よもやの逃げの手に出て直線は後続を突き放す一方で4馬身差。ロックハンドスター、カミノヌヴォーに続いて3年連続で3歳馬が制した。これで年度代表馬の座は100%確定させた。
今回はロッソコルサの強さばかりが際立っていたが、他の馬たちも非常にいいレースをした。スタートからのラップが13秒0-12秒7-13秒9-13秒6-13秒3-13秒3。前半1000mの通過ラップが1分6秒5。明らかに超スローの流れだった。
対して後半1000mが62秒3。特にラスト800mから11秒6-11秒9と一気にペースが上がり、そこが勝負の分かれ目となった。ロッソコルサの圧倒的有利な流れを阻止するべくコアレスランナー、トーホクキングが襲い掛かる。
客観的に見れば仕掛けが早いと思うかもしれないが、両騎手とも勝つためにはその戦法しかないと判断した。しかし前半で楽をさせ、脚を十二分に貯めていたロッソコルサは11秒台にピッチを上げ、2頭の脚をなし崩しに使わせた。これが最大勝因となった。
対して2着マイネヴィント、後方にいたジョーモルデューは自分の競馬をすることに徹し、終いもキッチリ伸びた。コアレスランナー5着、トーホクキング7着は勝ちにいっての結果。予想はひとまず当たったが、クライマックス3チャレンジは完敗を喫した。それでも納得の敗戦。桐花賞には実に多くのドラマがあった。
2日メインはC1級「初夢賞」(水沢1600m)。前開催(12月22日~24日)からレース間隔が詰まっているため相次いで出走を見送り、6頭立ての少頭数。モエレハナオーには俄然、有利の材料がそろった。
今季はB1からC1へ降格し楽に勝てると思ったが、勝ち切れないレースの連続。若駒の台頭に押されっ放しだった。その流れをようやく吹っ切ったのが前走の逃げ切り勝ち。待望のシーズン初勝利をマークした。
今回も逃げの手も十分に考えられるが、たとえ番手でも少頭数なら自分の競馬ができる。水沢マイルを最も得意として連勝のお膳立ては整った。
逆転筆頭はヤマニンリンクス。中央未勝利から転入当初は凡走を繰り返していたが、レースを使いながら立て直しに成功。徐々に体調を上げて目下2連勝中。ようやく素質が開花した。
ブロンドレーンもなかなか軌道に乗れなかったが、前走はスローの流れをはねのけて鮮やかなマクリを決めて快勝。好配当を演出した。コース状態は違っても走破タイムはメンバー中一番。再現まで十分。あとはスンナリの流れでノーティーズファンの残り目も一考したい。
◎(5)モエレハナオー
○(2)ヤマニンリンクス
▲(6)ブロンドレーン
△(3)ノーティーズファン
<お奨めの1頭>
8R スノースケイプ
前走はマイネアスタリスクとの叩き合いで悔しい2着。マイル延長を味方に雪辱を果たす