いよいよ今週からオープン戦線が本格化を迎えた。15日(月)、10レースのA級一組戦に年度代表馬ロッソコルサ、最優秀牝馬マイネヴィントがシーズン初出走の予定だ。またトーホクキングもエントリーし、さらには中央オープン・バトルドンジョンもこのレースから始動。
バトルドンジョンは3走前のペテルギウスステークス2着。東海ステークス、仁川ステークスは気性難をのぞかせて大敗を喫したが、今年の転入馬では超目玉。まさに重賞レベルと言っても過言ではなく、今シーズンの古馬戦線を占う大事な一戦となった。
13日(土)メイン10レース(発走:17時5分)も今季短距離~マイル戦線で主役を演じる注目馬が登場する。ヒカルジョディー、ティムガッド、スマイルバラッド、そしてギシアラバストロ。順調に行けばシアンモア記念でも人気を集める馬たちがそろった。
主軸は久々でもヒカルジョディー。一昨年、中央4勝・準オープンから転入。当初は精彩を欠いていたが、トウケイニセイ記念で末脚さく裂。超ビッグな配当を演出したが、冬休み明けの赤松杯快勝。シアンモア記念2着。他にも早池峰賞優勝、岩鷲賞2着などで春の主役を演じた。
以降は夏負けの影響で切れが不発に終わり、実績のある芝に活路を求めたが、小回り盛岡芝が合わなかったのだろう。OROカップ、OROターフスプリントとも伸びを欠き、それで早めに切り上げてリフレッシュに専念した。
今回は10月以来の実戦だが、元々が気のいいタイプで久々をまったく苦にしない。中間に追い切りも2本消化して好発進を決めるべく、上々の仕上がりで臨む。
スマイルバラッドは初戦3着。2番手をキープしたが、行きたがる仕草を見せ、4角先頭。最後の伸びが甘くなったが、中央2勝を芝1200mでマーク。距離1800mから1400mに短縮なら逆転首位まで十分。
ギシアラバストロは慢性的な脚部不安に悩まされて昨年1勝のみ。ただ、その1勝は盛岡ダート1200mであげ、中央ダート短距離で準オープンを張った底力を披露した。こちらは4ヶ月ぶりの実戦だが、使い込めないタイプだし、テッポー実績もマズマズ。むしろ今回が勝負と見て間違いないだろう。
ティムガッドは中央3勝・1000万下から北海道を経て転入。初戦は粘りなく7着に終わったが、続くA級戦を逃げ切り勝ち。このときは後続で落馬のアクシデントがあり、展開に恵まれた感もあったが、トウケイニセイ記念も逃げ切り快勝。フロックでなかったことを自らの脚で証明した。
前走は逃げて早々と失速したが、冬休み明けでレース勘を取り戻していなかったし、距離も長かったか。1400m短縮なら巻き返して不思議はない。
スズヨシーズンは中央障害から転入。4戦とも大差負けを喫したが、それ以前は南関東で11勝マーク。B1に在籍したことを考えれば岩手A級は当然通用。一発を秘めている。
◎(9)ヒカルジョディー
○(5)スマイルバラッド
▲(8)ギシアラバストロ
△(10)ティムガッド
△(3)スズヨシーズン
<お奨めの1頭>
6R イマジンジョン
転入初戦はシャイニータキオンに1番人気を譲ったが、徹底マークから競り落として快勝。この内容を見ればC2卒業は時間の問題だろう
この土曜日から2013年の新シーズンが開幕しました。・・・といっても今年は3月から特別開催が始まっており、感覚的には既に「一開催終了」。レースの方も一叩きを済ませた馬や人がきっちり力を出し切るパターンが多いようです。
この時期になると楽しみなのが桜。水沢競馬場の桜並木の知名度もだいぶ増してきた感じですけども、さていつ頃満開かな・・・というとどうやら例年並みか例年より少しだけ早めくらいになりそうですね。
関東は平年より大幅に早く咲いてしまって大騒ぎだったようですが、岩手はここに来て平年並みか平年より寒いくらいの天候が続き、関東のように"大幅に早く開花"という事は無さそう。
ただ、競馬場の桜の木を見ると、土曜日にはまだ小さかったつぼみが日曜には目に見えて大きくなってきていました。人間はあまり感じていないけれど、桜の木は春の訪れを敏感に感じ取っているんでしょう。
7日メイン、3歳牝馬特別「あやめ賞」は前日6日同様、おもしろいメンバーがそろった。牡馬戦線以上に層が厚いと断言しても差し支えない。実際のところ各馬とも牡馬を勝る実績を残している。
まずブリリアントロビン。北海道2勝から昨年11月に転入後、2歳B1戦、牝馬交流重賞・プリンセスカップ、伝統の金杯と圧巻の3連勝。しかもすべて戦法を変えて勝ってしまうのだから驚きも2倍だった。
初戦は2番手追走から3角先頭で圧勝。2戦目・プリンセスカップはスタートで後手を踏んで後方からの競馬。なおかつ直線で前が壁になる不利がありながら、馬群をこじ開けて優勝。そして年明けの金杯では重賞2勝ロックハンドパワーを相手に逃げ切って完勝。道中、ずっと物見をしながら水沢1600m1分40秒0の驚異的タイムでロックハンドパワーの追撃を封じた。
以上の結果から2歳最優秀馬にも選出。優秀馬の選考基準は岩手5走以上だが、選定委員が強く推薦すればクリアー。ブリリアントロビンのパーフォーマンスがすばらしく、わずか3戦で最優秀馬の座を射止めた。
今回のネックは1月6日以来の実戦。岩手はいまだに寒さを引きずっているが、本当に春の到来が遅い。その影響はコース、厩舎周辺にも少なからず与え、陣営は乗り込み開始を意識的に遅らせた。
佐藤祐司調教師「決して体質が強い馬ではないので、ゆっくり仕上げるのが方針。ぶっつけで日高賞へ臨んでもいいと思いましたが、あやめ賞から日高賞まで3週間あるので出走を決断した。その点を割り引いてほしい」とコメント。
それでもプリンセスC、金杯の強さを考えれば、久々でも強い印をつけるのは当然。日高賞へつながるレースを期待したい。その結果次第では遠征も考えているという。
ラブソングは北海道時代、エーデルワイス賞でブリリアントロビンの後塵を拝したが、通算3勝マーク。ただ小柄な牝馬で食いが細く、仕上げに手こずって転入2戦3着。もうひと伸びが足りなかったが、2ヵ月半の休養明け初戦を快勝。同厩ブラックタイガーとの直線叩き合いを制し、待望の岩手初勝利を飾った。
これが本来の実力だろうが、思ったほど体重が増えていなかったのが気がかり。410キロを割って出走なら切れが鈍るかもしれない。当日の馬体重をチェックして欲しい。
セラミックガールはダイワメジャー産駒。門別新馬戦を勝ち上がったが、続く2戦は足踏み。しかし盛岡芝で行われた交流重賞・テシオ杯ジュニアグランプリでインを鋭く突いて快勝。周囲をアッと言わせた。牝馬ながら500キロを越す雄大な馬格がパワーの源と納得させた。
その後、戦いの場を南関東へ求めたが、6戦着外。レース内容にも精彩がなく、岩手へ新天地を求めてきた。注目の初戦は実戦を使われてきた強み、相手緩和から1番人気に支持されたが、痛恨の出遅れ。それでも巻き返せると思ったが、道中もたついて3着止まり。課題を残した一戦となった。
だが、菅原勲調教師はさほど悲観していなかった。「手探り状態だったので、追い切りもさほど強くはしなかった。課題が多かった分、収穫も多い。このレースで今後の方針が見えました」。今後も含めて結果はもちろんのこと、内容にも注目してみたい。
ショートカットは園田1勝2着2回3着2回。すべて馬券対象になっているだけではなく、園田プリンセスカップ2着。勝ったのがカツゲキドラマ。東京2歳優駿牝馬でも4着馬が相手なら評価は非常に高い。今回はそれ以来、6ヵ月半ぶりの実戦だが、いきなりのシーンまであるかもしれない。
エスケープは逃げて一杯のレースを繰り返し2着2回止まりだが、前走マイル戦であわやのシーンを作った。距離が1400m短縮なら、自慢のスピードが生かせる可能性もある。
◎(9)ブリリアントロビン
○(11)ラブソング
▲(12)セラミックガール
△(4)ショートカット
△(6)エスケープ
<お奨めの1頭>
2R バーニングジール
中央未勝利ながら芝で3着4回。名古屋移籍は賞金があるため、いきなりA級へ編入されたが、そこでも上位争いを演じてきた。C2では能力の違いが明白だ
2013年度の岩手競馬は4月6日(土)からスタート。年明け13日(月祝)までと3月下旬からの特別開催を含め、全129日間の開催。おおむね1410Rを予定している。来年には12年ぶり2度目のJBC開催も決定し、いろいろな意味でも重要な1年。今年度も岩手競馬をよろしくお願いします。
初日メインは恒例行事となった3歳馬による「第38回 岩手日報杯スプリングカップ」(水沢1600m)。今季、大幅変更となったのは重賞レースの大幅増(全46R)。新たに14Rが重賞で実施され、さっそくこのスプリングカップが重賞へ格上げされた。
スプリングカップは岩手クラシックを占う重要な一戦。一昨年は東日本大震災の被害を受けて実施が見送られたが、3年前はロックハンドスター、昨年はロッソコルサが優勝。両馬とも年度代表馬に選ばれたが、同レース優勝で弾みがついたのは間違いない事実。是非、スプリングカップに注目してほしい。
主軸はロックハンドパワー。昨年9戦4勝2着2回。若駒賞、寒菊賞と重賞2つを制し、他の重賞特別でも一貫して上位争いを演じてきた。金杯はブリリアントロビンの逃げ切りに屈し、0秒5差2着。完敗を喫した格好だが、金杯レコードを2秒1も更新したブリリアントロビンが強すぎた。ロックハンドパワーも従来レコードを大幅更新し、2着も仕方なしだった。
ただ、気になるのは調整が進んでいないこと。いつもならキッチリ追い切りを消化して臨むタイプだったが、今回は15-15の乗り込み。3ヶ月ぶりの実戦がどう影響するか、正直なところ未知数。それでも気のいいタイプでレースに向かうとガラリ一変。仕上がりの差は総合力でカバーすると判断した。
対するブラックタイガーは休み明け初戦2着。同厩ラブソングとの競り合いの末、首差2着に惜敗したが、積極的なレース運びで見せ場は十分。叩かれてさらに気配アップし、金杯4着の雪辱を晴らす絶好のチャンス。
ハカタドンタクは若駒賞5着、寒菊賞3着とロックハンドパワーに完敗。その寒菊賞後、JRAへ移籍。3戦とも二ケタ着順に終わったが、芝2戦は1秒差と決して悪くない内容。そして何よりも収穫はハイレベルのメンバーと戦ってきたこと。元々、タフな精神力には定評があり、この経験が必ずプラスに作用するはず。
ネックは小回り水沢への対応。タフな半面、器用さに欠けるところがあり、脚を余して負ける可能性も高いが、それさえ克服なら待望の重賞タイトルを手にするシーンまで十分。
ゴールドボンバーは層の厚い北海道で新馬戦を快勝。3戦1勝2着1回から転入し、2戦目をスケール大きく勝ち上がった。前走は果敢に逃げたが、早めに失速4着。しかし530キロ台の大型馬で叩き良化型。変わり身を期待できる。
ハワイアンリゾートは佐賀新馬戦を1秒3差で圧勝。4ヶ月の休養をはさんで南関東へ移籍して振るわなかったが、岩手初戦で鮮やかなマクリを決めて1着。今回は大幅に相手強化だが、決め手勝負なら侮れない。
◎(4)ロックハンドパワー
○(9)ブラックタイガー
▲(10)ハカタドンタク
△(2)ゴールドボンバー
△(7)ハワイアンリゾート
<お奨めの1頭>
1R シャイニータキオン
JRA・3歳新馬戦で2番人気に支持された逸材。勝ったのがダイワマッジョーレならレースレベルは推して知るべし。岩手で秘めた素質を開花させる
30日(日)メイン10Rの「がんばろう東北」、最終11Rの「心をひとつに(岩手競馬)」が悪夢の東日本大震災から再開後、2年間のメインスローガンだった。
来期のスローガンは『絆は、人と馬を強くする』だが、『がんばろう東北 心をひとつに岩手競馬』も継承するという。"心をひとつにして、がんばらなければ"岩手競馬の再生はない。改めて肝に銘じる次第だ。
30日メイン「がんばろう東北」はA級二組による水沢1600m戦。出走10頭中5頭が転入馬。カギを握るのは言うまでもなく、在籍馬との力量比較が最大ポイントだが、アッサリか、それとも凡走かの両方を考えられる面々ばかり。頭を悩ませた。
まず実績一番のアロマンシェス。北海道1勝からJRA入り。京王杯2歳Sで3着健闘して朝日杯FSは7着。京成杯6着、アーリントンカップ7着。芝で通算3勝をマークし、準オープンへ在籍した。
ただ中央ダートは2戦のみで、いずれも16頭立て16着。北海道時代を考えると問題なさそうだが、果たして水沢コースが合うか否か。ひとまず実戦を使われてきた強みを加味して▲評価となった。
ロリンザーユーザーは中央ダート1700m3勝、ダート1800mで1勝。こちらも準オープンまで駆け上った。この実績があればトップを張れるが、障害一戦を経て南関東移籍後は5着が最高。道営スプリント遠征で中団から退いて10着。
今回はそれ以来の実戦で5ヶ月半ぶり。能力検査を叩かれて気配アップはあるだろうが、久々が最大ネック。それこそアッサリか、凡走の極端なケースが考えられる。△まで。
ラスリーズは中央0勝ながら2着2回3着4回。芝ダートを問わず安定した成績を残してきた。しかし、いきなりオープン入りが微妙で一戦様子見とした。
コスモプランタンも中央未勝利。2着1回3着2回あるが、ダートは今度が初めてで適性不安。クールスターは2歳新馬(札幌芝1200m)を勝ち、札幌2歳Sにも駒を進めた(9着)が、その後は精彩を欠いたレースの連続。ダート戦は南関東移籍も含めて4戦とも大敗し、強調材料に乏しい。
主軸はシャイニーベストとした。中央から再転入後も着実に白星を重ねて4勝。A級戦でも2連勝を飾り、水沢1600mの信頼度は非常に高い。しかも願ってもない1枠を引き当て、主導権を握ること必至。仕上がりも上々だ。
対抗はスーパーワシントン。重特路線を歩んでシーズンラストの重賞・トウケイニセイ記念でも2着確保。今年10歳の高齢馬だが、衰えは感じられず格で圧倒のシーンまで。
マイネルレーサーも軽視できない。岩手4戦2勝。特にハイレベルのメンバーがそろったB1・銀嶺賞を快勝し、成長一途をたどっている。ここでも勝ち負けなら今後の活躍も間違いなしだろう。
◎(1)シャイニーベスト
○(9)スーパーワシントン
▲(10)アロマンシェス
△(3)ロリンザーユーザー
△(8)マイネルレーサー
<お奨めの1頭>
11R タップシュート
昨年はB1に在籍してソコソコの結果。C1降格で大幅にメンバーが弱化され、待望の岩手初勝利を飾る