明日10日(月)をもって岩手競馬はひとまず区切りをつけ、約2ヶ月間の冬期休養に入る。再始動は3月の特別開催。19(土)~21日(月)、26日(土)~28日(月)の前半後半3日間の計6日間で平成22年度の全日程が終了する。
しかし感覚的には明日のトウケイニセイ記念でシーズン終了。例年と同じく冬休みを活用してジョッキーは他地区で騎乗し、自身の腕を磨く。現時点で決定しているのは以下のとおり。
◇2011M&Kジョッキーズシリーズ(佐賀=1月15、16日 荒尾=1月20、21日)
・菅原勲騎手
・斎藤雄一騎手
・山本政聡騎手
・皆川麻由美騎手
◇期間限定騎乗(短期所属替え)
南関東4競馬場
・村上忍騎手(船橋競馬場所属) 1月17日~3月18日
・山本聡哉騎手(船橋競馬場所属)1月17日~3月4日
笠松競馬場
・陶文峰騎手 1月18日~3月18日
名古屋競馬場
・高松亮騎手 1月15日~2月17日
*菅原勲騎手はその後も各地で騎乗予定、依頼がきていますが、それは随時報告していきます
冬期間も盛岡・水沢両競馬場、各テレトラック場外でかの地の馬券発売、レースが見ることができるし、もちろんオッズパークでも岩手所属騎手を応援し、馬券購入、レースを観ることができる。さしあたっての注目は2011M&Kジョッキーズシリーズ。
全国の年間(平成22年1月1日から12月31日まで)勝利数で全国リーディングジョッキーとなった山口勲騎手、地方競馬通算4000勝を達成した菅原勲騎手の"二人の勲"対決が非常に楽しみだ。
9日メインはB1級馬による水沢2000m戦「ダイヤモンド出すとカップ」。当初、クリスティラビット、ブライティアピアの強豪2頭もエントリーがあったが、無理をせず自重。結果、有力馬はマイネルリファイン、コアレスランナー、コアレスマーシャルの3頭に絞られる。
ポイントは各世代レベルと2000mの距離。主軸にマイネルリファインを指名する。ここにきて3歳世代(年が明けたので実際は4歳)の活躍が目につく。桐花賞でロックハンドスターが完勝し、4着にダークライ。また白嶺賞でダイメイジュエリーが見事な逃げ切りを決め、世代交代の波が一気に押し寄せている。
マイネルリファインは不来方賞でロックハンドスターに離されたが、2着を確保。ダービーグランプリは後方まま10着に終わったが、ディセンバーカップ2着、前走1着。ディセンバーCは強豪ブライティアピアが相手で仕方なしの結果。そのお返しとばかり、前走はアッサリ逃げ切りを決めた。
成績はともかくダービーGPで一度2000mを使ったのも強みだし、コースは違っても盛岡ダ2000mの不来方賞で2着。マイルもこなすが、距離が長い方が本領を発揮できるタイプだ。
逆転筆頭はコアレスランナー。ひと頃、調子を落としていたが、再び上昇ムードに乗って六華賞優勝、ひいらぎ賞、ゴールデンステッキ賞で連続2着。B1での実績は群を抜いている。
すでに水沢2000mの六華賞快勝で距離問題なしを証明しているが、一つだけ割り引き材料は57キロの負担重量。前走・銀嶺賞はクリスティラビットの逃げ切りに終わり、先行競馬で決着。スローの流れをはね返して3着に食い込んだが、一方で最後の伸びを欠いたのも事実。そこがネックとなり、対抗評価に落ち着く。
2頭をまとめて負かすとすればコアレスマーシャルだろう。堅実な半面、詰めの甘さがつきまとっていたが、前々走でサクラカムイオーに土をつけ、銀嶺賞でも2着を死守。早めまくりに徹したのが功を奏した。もちろん、これが好調度の証であり、長丁場はむしろ歓迎のクチ。一気突き抜けるシーンまで。
以下、Gステッキ賞、銀嶺賞で4着入線オーメドック。3頭がけん制し合えば割って入る可能性もある。あとはセンリグランピーを押さえ少々。
◎(8)マイネルリファイン
○(1)コアレスランナー
▲(4)コアレスマーシャル
△(3)オーメドック
△(9)センリグランピー
3連単は8、1、4の3頭ボックスが本線。あとは3、9を3着押さえ少し
馬複は 1-8、4-8、1-4、3-8
<お奨めの1頭>
7レース ハセノヒマワリ
前々走3着に敗れたが、相手が強すぎた。前回快勝でキッチリお返しをし、連勝疑いなし
岩手競馬も今週末3日間で冬季休催に入ります。次の開催は3月19日(土)。その頃にはこの山のように積もった雪も溶けているのでしょうか・・・。
さて、今回は冬季休催中の、騎手の遠征情報をお伝えしましょう。まず他地区への期間限定騎乗は、今年は4騎手が遠征します。
南関へは村上忍騎手と山本聡哉騎手。村上騎手は「1000勝以上騎手」枠、山本聡騎手は「技術研鑽騎手」枠で、共に1月17日からの遠征予定となっています。
東海エリアには陶文峰騎手が笠松へ、高松亮騎手が名古屋に遠征。陶騎手は初めての短期所属ですね。高松亮騎手は戦い慣れた東海地区ですが、遠征期間が実質1ヶ月と短く、この間にどれだけ結果を残せるか?
また、恒例「M&Kジョッキーズシリーズ」が佐賀・荒尾競馬場で行われ、菅原勲・齋藤雄一・山本政聡・皆川麻由美の4騎手が出場。岩手のエースと、伸び盛りの若手と、そして「紅一点」。山本政・皆川麻由美の2騎手は荒尾で短期所属の経験もありますし、岩手からのメンバーはなかなかのレベルなんじゃないでしょうか。九州の皆さん、お楽しみに。
もうひとつ。例年1月下旬に川崎競馬場で行われる「佐々木竹見カップ」、これに菅原勲騎手が出場する見込みです。ご本人は「九州から帰ってすぐ川崎だから慌ただしいよ」と嬉しい悲鳴を上げております。どちらもがんばってください!
そこで本命はやはり(11)ケージーカツタロウに落ち着きます。はまゆり賞・かまくら賞とC1級特別を連勝、それでなおC1級出走は有利といわざるを得ないもの。また、直接対決で破った馬こそ少ないですが、例えば前走で破ったゲイリークイン、その馬に負けている馬となるとほとんど全てなわけで、相対的な力関係も上位と見ていいでしょう。
課題は58kgのハンデの一点。ですが、そもそも570kgを超える大型馬、56kg→57kgでもむしろ強さを増した事からすればさほど影響はない、と考えていいでしょう。3連勝濃厚。
だいたいこの3頭が上位を形成すると思いますが、穴目で引っ張ってくるなら(6)アズマクロシオか(2)シュロ。前者はJRA時代には中距離がほとんどだった馬、マイルで苦しむとは思えません。後者は3年前の金杯2着馬。前走の通り、この時期は合うのではないでしょうか。いずれにせよ直接・間接に◎に負けている馬よりは初対戦の馬重視、で。
●9Rの買い目
馬単 (11)=(4)、(11)=(5)、(11)→(6)、(11)→(2)
12月31日、水沢2000mを舞台に行われた「桐花賞」はロックハンドスターが堂々、1番人気に応えて3馬身差で完勝した。
改めてレースを振り返ってみたい。当初、逃げも考えられた1枠リュウノキングダムだったが、出遅れ気味のスタート。6番手インからの競馬となった。逃げたのはブラストクロノス。2番手にイシノウォーニング、その外にコアレスレーサー。
ロックハンドスターは中団外目を追走し、それをマークする形でサクラマジェスティ、直後インにマヨノエンゼル。前半3ハロンが37秒6。馬場、2000mを考えると結構速い流れとなった。
その後はペースが落ち着いたが、ラスト4ハロンからペースアップ。3コーナーでコアレスレーサーが先頭に立ち、離れずロックハンドスター、サクラマジェスティも続き、戦前の予想どおり有力3頭の争いになるかに見えた。
しかし4コーナーまで持ったままで追走するロックハンドスターに対し、コアレスレーサーは鞍上・関本淳騎手の手が激しく動き直線を向いて一杯。ロックハンドスターは直線手前で先頭に立ち、あとは菅原勲騎手の指示に鋭く反応。後続をジワジワと突き放し、余裕たっぷりでゴールに入った。
2着はマヨノエンゼル。3、4コーナーでもたついたのは好調時も同じ。直線ではサクラマジェスティの内をすくってクビ差先着。終盤にきてようやく復活ののろしをあげた。一方、サクラマジェスティはロックハンドスターを負かしに行った分だけ末が甘くなって3着に敗れた。
「初めての古馬重賞だったので、力関係が分からなかったが、思った以上に強かった。ここにきて成長の手応えを実感した。今年は遠征で通用しなかったが、来年は是非ともビッグタイトルを狙いたい」と菅原勲騎手。
気になる今後の予定だが「ずっと厳しいレースの連続で目に見えない疲れがあるのは確か。当面は期限を決めないで休養に専念。完全リフレッシュできてから再始動したい」と瀬戸幸一調教師。あせらず復帰を待ちたい。
3日(日)メインはB2級馬による水沢1800m戦「ジャニュアリーカップ」。シャイニーベストを本命にするか、スズノライコウにするか迷ったが、距離重視からスズノライコウを主軸視した。
スズノライコウは盛岡戦はひと息の結果に終わったが、水沢に替わって反撃。強豪そろった錦秋湖賞を完勝し、2連勝ではまゆり賞へ臨んだが、ケージーカツタロウの早めまくりに遭った上、キタノドレイコも外から強襲。スズノライコウはその間にはさまって追うにも追えない状態。
その結果3着に甘んじたが、タイム差は0・1秒差。敗れてなお強しを印象づけた。今度は完勝した錦秋湖賞と同じ水沢1800mが舞台。しかも絶対的に有利と言われる同条件で願ってもない1枠。巻き返し首位を狙うお膳立てがほぼ整ったと見ていいだろう。
シャイニーベストが転入後、着外に沈んだのはJRA交流の芝とC1・盛岡ダート1600m戦の2度のみ。他はすべて馬券対象となり、前走・師走賞では4角先頭からそのまま押し切って完勝。強さが際立っていた。
もちろんここでも勝ち負け必至だろうが、距離1800mが微妙。中央時代に一度ダート1800mを経験したが、その時は15頭立て15着。小回り水沢ならさほど心配要らないと思うが、決して適性があるとは正直思えない。加えて外枠9番からのスタート。これは間違いなく割り引き材料だが、仮に克服できればB1も突破できる。
モエレストロベリーは北海道A2から転入。前半で置かれのが痛く初戦4着止まりだったが、一戦ごとに着順を上げて3、2着。当初は広い門別コースから小回りに替わって戸惑っていたが、徐々に水に慣れてきた。しかも脚質的に1800m延長は望むところだろう。
以上の三つ巴模様と判断するのは早計。前回快勝で再び上昇テバギア、マイペースに逃げなら粘り強さを発揮ジョイチャイルドも軽視できない。
◎(1)スズノライコウ
○(9)シャイニーベスト
▲(10)モエレストロベリー
△(3)テバギア
△(8)ジョイチャイルド
3連単は 1,9、10の3頭ボックスが本線。あとは3、8を3着押さえ
馬複 1-9、1-10、1-3、1-8
<お奨めの1頭>
5レース ジョニーガンバ
一戦置きの好、凡走で今回は"負けパターン"だが、前走はハイペースしのいで逃げ切り。連勝疑わず
あけましておめでとうございます。昨年の皆さんの馬券の成績はいかがだったでしょうか?私はとりあえず桐花賞を獲って締めくくれたので「終わりよければ全て良し」という事にしました。良しとする!
その桐花賞ですが、結果は3歳ロックハンドスターが制して3歳No.1から「岩手No.1」へとジャンプアップしたわけですが、今年の出走馬にはみな個人的に思い入れがあって、勝ったから・負けたからと区別したくない馬たちでした。
「状態は悪くないんだよ。これで走らないのがなぜだか分からないくらい」熊谷厩務員のそんな言葉を何度も聞いたマヨノエンゼル。若手・坂口騎手がその実力をかっていたお手馬・サクラマジェスティ。どちらも最後の最後で実力を示す機会を得る事ができました。
久々の活躍馬を得て久々の笑顔を見る事ができた、メイホウホップの阿部厩務員。今年1年をかけてじっくり馬を育ててきたコアレスレーサーの関本淳騎手と柏厩務員。リュウノキングダムを立て直した佐藤厩務員。これらの馬と人からは、ベテランの腕前のなんたるかを感じさせてもらえました。
そしてイシノウォーニングを出走させ、厩舎解散と共に競馬場を去るという大道厩務員、32年間お疲れさまでした。
これだけいろいろな想いを感じた桐花賞は、初めてだったかもしれません。
また新しい年が来て、新しいシーズンが始まって、そしてまた桐花賞がやってくる。今年のような素晴らしい面々による、素晴らしい戦いを見たい。新しい一年が、良い年でありますように。
最も近いところにいるのはやはりこの馬でしょう。(5)ベストマイヒーローです。ここまで5戦4勝2着1回、敗れたのはジュニアGPのみ。その時の相手は北海道のスクランブルエッグでしたからここまで岩手の馬には先着を許していません。
過半の馬はこれまでにベストマイヒーローに秒単位で敗れ、初対決の馬にしてもほぼ全てがシーグランディに秒単位で負けているようでは推して知るべし。また、例えば昨年ロックハンドスターを破ったモエレデフィニット、05年にトレジャーファンドを破ったリリーサージャンのような手強い転入馬も不在。
恐らく、今の岩手でこの馬と互角に戦えるとしたらそれはシーグランディのみでしょう。その馬がいないここは、つまるところ南部駒賞でのベストマイヒーローと"岩手2位"グランプリボーイとの間にあった15馬身あまりの差がそのまま現れてくる・・・と考えざるを得ません。
もちろん競馬に絶対はないし、ベストマイヒーロー自身、気性の難しいところがありますから"万が一"がないとは言い切れませんが、それにしてもあくまで"万に一つ"のオーダーの問題です。
では2番手は?これまでの実績なら(1)グランプリボーイか。南部駒賞5着・寒菊賞3着で現状2歳No.3を争える所にいる馬です。これで意外に器用でかつしぶとい戦いをしますし、ここでも上手く流れに乗って上位に食い込んでくれそう。
一発があるとすれば(3)ヤマトスバル。南部駒賞では差のある6着でしたが、その時は初遠征・初マイルと厳しい条件。距離を経験し、1400mでも57kgを背負って勝ったとなれば、軽視は禁物どころか上位争いも期待できそうです。
以下(7)トーホクスピリットと(4)ゴールデンタイガーまで押さえるとして、前者は返し馬に出るまで判断しがたいムラ馬、後者は成長感あるとは言え未知数過ぎる。あくまで2番手争いができるかどうか・・・と考えるのが妥当でしょう。
●9Rの買い目
馬単 (5)→(1)、(5)→(3)、(5)→(7)、(5)→(4)