11日(土)メイン10レースはA級二組「臼木山レース」(水沢1600m)。今開催は12日にオープン特別・赤松杯、13日にA1一組戦が組まれているため、このレースは実質A級三組戦。前開催はA級戦が2レースだったことを考えれば中味はB1一組と見て差し支えない。
主軸はサクラアリエル。相手なりに駆ける堅実さを身上とし、昨年夏に転厩後はビューチフル・ドリーマーカップ2着を含め、すべて入着を果たしてきた。半面、詰めの甘さがつきまとい、前回は丸1年ぶりの白星となった。
そこで履歴を調べてみたところ06年デビュー戦2着、2戦目4着。07年の休み明け3月2着、2戦目4着。そして昨年は休み明け1着、同2着。春にめっぽう強いことが分かった。
しかも水沢1600mはちょうど連対率5割。尻下がりの成績がちょっと気になるが、少なくとも今回は好勝負の条件はほぼそろった印象だ。
逆転筆頭にケイジーウォリアを指名。昨年、中央1勝から転入し最下級C2へ格付け。相手にも恵まれてオープン特別・赤松杯(昨年度は11月に実施)まで17戦12勝2着4回の驚異的な数字を築き上げた。ただ、赤松杯でも4着に善戦したもののレースがきつかったのか、2戦連続で8着。その後は態勢立て直して2、2、3着にまとめて冬休みに入った。
前回は出遅れて最後方からの競馬で4着に終わったが、これはA級戦で戦ったことも大きかった。今度はメンバー有利明白ならアッサリ首位まで可能だろう。
マイネルティーダはケイジーウォリアと同じA級戦で8着。この冬は遠野馬の里で調教を積んで仕上がりは悪くなかったが、流れについていくので精一杯。岩手で2度目の着外に沈んでしまった。
この一戦をどう評価するか正直迷うところ。頭打ちなのか、レース勘を取り戻していなかったのか。主戦の菅原勲騎手とのコンビ復活で巻き返しなるか、今日が真価を問われる。
ハウプトローレは水沢<7.1.4.2>とコース適性一番。B1昇級後はやや頭打ちの感があるが、それでも前回も3着にまとめ巧者ぶりをアピールした。初戦はマイナス11キロと体重を減らしていたが、昨年のB・ドリーマーカップ時も468キロで出走して3着。あまり気にしなくていいのだろう。
キタサンダイオウはA級編入がちょっと微妙だが、中央1勝はダート1700m戦でマーク。このタイプは岩手で化けるケースも多く、軽視はできない。
あとは実戦を使われてきたメンバーに対し、今季初出走はハンデでも休み明けを苦にしないテンショウタイヨウも押さえが必要。
◎ ?サクラアリエル
○ ?ケイジーウォリア
▲ ?マイネルティーダ
△ ?ハウプトローレ
△ ?キタサンダイオウ
△ ?テンショウタイヨウ
3連単は5、4の1、2着折り返しから2、7、9、6へ3着流し
馬複は4−5、2−5、5−7、2−4
<お奨めの1頭>
8レース グラスバラード
前回は2番手追走からアッサリ抜け出し、パーフェクト内容で完勝。タイムもすばらしく2連勝疑わず
4月5日 スプリングカップ(3歳オープン 水沢1600m)
(スプリングカップ ゴール 1着・マヨノエンゼル 写真・佐藤到)
1着 マヨノエンゼル
トキワノマツカゼが先手を取り、直後にマドルスルー、3番手外にダンストンジール。マヨノエンゼルはスタートで後手を踏んで7番手からの競馬で「一瞬、やばいかなと思った」(山本政騎手)そうだが、あわてず後方でジックリ待機。
2コーナー、外でセンリグランピーが動き、包まれないように徐々に先陣に接近。3コーナーで3番手まで進出し、トキワノマツカゼ、ダンストンジールを射程圏に入れ、直線では外に持ち出してラスト50mで先頭。ピリッとした脚ではなかったが、終い勝負では2頭との差が明らか。3連勝で待望の特別タイトルを手に入れた。
「1番人気のプレッシャーがあったが、この馬が一番強いと信じて乗った。2コーナーでスパートをかけたのはセンリグランピーの動きが気になったから。追えば追うほど伸びるタイプ、2頭を射程圏に入れた直線入り口で勝利を確信した。
昔、あやめ賞で自分がピスカリアンジュという馬に騎乗。初の3歳タイトルを獲れるチャンスがあったが、エムケイミラクルに敗れて以降は乗り替わりとなった。そのエムケイミラクルの子供で初の3歳特別を制するなんて不思議な縁ですね」と山本政聡騎手。
次走はもちろん阿久利黒賞。地元同士はすでに勝負付けが済んでおり、遠征馬次第だが、重賞タイトルを制する可能性は非常に高い。
2着 トキワノマツカゼ
北海道2歳優駿以来、5ヶ月ぶりの実戦でプラス28キロ。しかし能力検査時にはプラス40キロだったことを考えればかなり絞れてきたのだろう。元々、脚長のタイプだけにまったく太くは映らなかった。パドックで程よい気合いを出し、弾むような動きも文句なしだった。
1枠に入り、包まれるのが不安材料。しかし無理に行ったわけでもなく、馬なりで先手を取りマイペースの逃げに持ち込む。そのまま4コーナーまで主導権を握ったが、追ってからの反応がもう一つ。ひとまずダンストンジールに交わされながら再び盛り返したが、マヨノエンゼルとの脚色の違いは明白だった。
ハイレベル北海道で2勝マーク。3歳戦線で台風の目になるか注目を集めたが、2馬身差2着。これは完敗としか言いようがないが、久々の実戦でレース勘を取り戻していなかったのも事実。ひと叩きされた次走が真価を問われる。
3着 ダンストンジール
体は若干余裕あったが、それでも臨戦態勢は整っていた。ただ装鞍所で相変わらず激しい気性を表に出し、やんちゃな面はまだ残っている模様。
レースでは3番手外の絶好ポジションをキープし、ペースが上がった3コーナーでも遅れずに追走。トキワノマツカゼとの競り合いでクビ差先着されたのは物足りなかったが、一貫してレースに集中。それ相応の収穫はあった。
4月6日 あやめ賞(3歳牝馬 水沢1600m)
1着 シルバーカテリーナ
アンダージョイナーが逃げ、2番手にリリーミッション。3番手外にシルバーカテリーナ。坦々とした流れでレースは進み、4コーナー手前でリリーミッション、シルバーカテリーナの2頭が抜け出し、ラスト100mで内粘るリリーミッションを交わす。
ゴール前は持ったままで余裕たっぷりで岩手初戦を快勝した。トキワノマツカゼと同じく北海道デビュー。1勝マークして南関東へ移籍し、3戦2着1回。この実績があれば今の岩手3歳牝馬なら実力上位は明らかだった。
「落ち着きがあって素直。折り合いもついて非常に乗りやすかった。ただ前日のスプリングカップのタイムに比べ2秒遅く、流れが違ったにせよ牡馬相手だとどうか、な」と菅原勲騎手。
2着 リリーミッション
休み明けの前走はプラス21キロ。これはどう見ても体が太かったが、今回はマイナス11キロで出走し、太め感は脱出。しかし冬毛が全身を覆っており、まだまだ仕上がり途上。今回は力負けだったが、レースキャリアも少なく今後まだ成長の余地があるはず。
4月2日の木曜日夜、盛岡市内のホテルで「2008 IWATE KEIBA AWARDS」が開かれました。
08年シーズンに活躍した馬や人を称える表彰式と祝賀会。一般ファンの参加もでき、私もむかーし一介の競馬ファンだった頃に参加した事があります。
楽しみはやっぱり祝賀会なんですよ。昨年は祝賀会がなかったので正直ちょっとつまらなかった(おまけに運営側にいたので忙しくて何がなんやら・・・)。やっぱりパーティーっていうのは楽しいなあ。
何が楽しいって、祝賀会には来賓とか偉い人ばかりでなく、騎手や調教師さんたちも参加するんですよ。一般のファンの皆さんも騎手と一緒に食べたり飲んだりできる。こういう機会はなかなかないですからね。
ただ、今回は木曜日の午後ということで都合がつかなかった・参加できなかったという方も多かったでしょう。来年は、というと、開催カレンダーを見た感じでは今年同様に日取りが厳しくなりそうですが、せっかくの機会でもありますし、もっと参加しやすい日程でやってほしいです、とアピールしておきましょう。
月曜のメインレースは3歳牝馬の特別戦・あやめ賞です。例年5月に行われる事が多かったレースですが、今シーズンは3歳路線の改正に伴って春一番に移動。5月3日に行われる3歳牝馬重賞・留守杯日高賞のトライアルとなりました。
さて、牡馬の方はワタリシンセイキが抜けた穴をマヨノエンゼルが埋めそうな気配が濃厚になりましたが、牝馬はというと役者が揃わず混戦ムード。このあやめ賞も、なかなかに難解です。
いろいろ悩んだあげく本命は転入初戦の(10)シルバーカテリーナにしました。
道営で7戦1勝、南関に移って3戦0勝という成績ですが、この間の自身の実績・対戦馬の実績を重ねて考えれば、今の岩手の3歳牝馬なら足りていいはず。冬の間も休まず使われてきた分の有利さもあるでしょう。
対抗には(9)リリーミッション。11月のデビューで5戦2勝というキャリアですが、前走は牡馬のクラサッキー・センリグランピーあたりと互角の走りをしており、素質の高さは感じさせます。ここは前走以上に強気な戦いも可。
3番手は(5)フェニックスクイン。昨年の実績は牝馬の中で間違いなく上位でした。10月以来の休み明けという点が気になりますが、それをクリアできれば。
あとはちょっと微妙です。まず(1)テンショウスズラン。この馬にとってはひとまず好枠。ここからスムーズに流れに乗る事ができればしぶとい。
(3)マイファミリーはようやくモノになってきた、というところ。まだまだ狙いづらいですが、前走、休み明けで距離延長をあっさりこなした点は意識しておきたいですね。
◆買い目
馬単(10)=(9)、(10)=(5)、(10)=(1)、(10)=(3)
◆お奨めこの一頭
8R:マイネベリンダ
この距離は確かに長い。が、それは他も同じ事。この馬のスピードなら押し切れる。
3歳第一弾の特別「スプリングカップ」(水沢1600m)今年、3歳のレース日程に変更があった。岩手版皐月賞・阿久利黒賞は5月から4月(19日)へ移行。岩手ダービー・ダイヤモンドカップは従来どおり(6月1日)だが、不来方賞は9月(もしくは8月末)から11月(22日)へ大きく移行。大まかで言うが、JRAクラシック戦線とほぼ同じローテーションとなった。
加えて古馬へ一斉編入時期も9月中旬から8月22日へ前倒しされた。これまで冬期間休養をはさむ岩手競馬では、必然的に始動時期も遅くなり、3歳のカテゴリーが他の地区と時差があったが、これも全国的な流れに歩調を合わせたもの。
仮に今回の試みが失敗したら、修正をかければいいだけのこと。試行錯誤の中で競馬は発展し、より良いものが創られるのだから。
さてスプリングカップ。ハイレベル北海道から9戦2勝2着4回のオープン馬トキワノマツカゼが転入し、一気に風向きが変わった。G?・北海道2歳優駿にも駒を進めて7着。このメンバーでは群を抜くキャリアを誇る。
ただネックは、それ以来5ヶ月ぶりの実戦。しかも能力検査でプラス40キロと大幅に体重が増え、どこまで仕上がって出走できるか。村上昌幸調教師の話では「休んでいる間に背(体高)が伸びた。太目は間違いないが、成長も確か。できれば480キロぐらいで出走させたい」とのこと。
村上昌幸調教師は「急仕上げは極力避ける―」の一貫した方針があり、以上のことから対抗=○評価が妥当だろう。
主軸はマヨノエンゼル。2歳時はワタリシンセイキと同じステップを踏み、最後まで歯が立たなかったが、南部駒賞ではアタマ差まで肉薄。展開に恵まれたにせよ、ワタリシンセイキに最も接戦を演じたのがマヨノエンゼルだった。
またワタリシンセイキが不在の2歳A級戦、そして休み明けの前回も圧勝し、ポスト・ワタリシンセイキの座を不動のものとしている。
この2戦の収穫は何といっても前で競馬ができるようになったこと。ワタリシンセイキといっしょのレースではほぼ最後方からだったが、2戦とも4番手を追走。追い出してからの反応もすばらしく、展開に左右されなくなったのが最大の強みだ。
▲は期待も込めてダンストンジール。馬格に恵まれた牡馬で均整も文句なしだが、唯一の欠点がレースに集中したりしなかったり。精神面の幼さがムラな結果につながっていた。この冬場にどこまで成長したか。昨年も記してきたが、大化けする可能性を最も秘めているのがダンストンジールだ。
逆に完成度の高さならセンリグランピー。終い確実に伸びる脚がセールスポイントで前回もマヨノエンゼルの2着を死守した。あとは好調持続クラサッキーを押さえたい。
◎ ?マヨノエンゼル
○ ?トキワノマツカゼ
▲ ?ダンストンジール
△ ?センリグランピー
△ ?クラサッキー
3連単は6、1の1、2着折り返しから3、7、5へ3着流し
馬複は1−6、3−6、6−7、5−6
<お奨めの1頭>
12レース シルクライムライト
去勢効果がこれほどプラスに出るケースも珍しく、復帰後は強いレースで3連勝中。黙って追いかける一手だ
本日4日(土)から2009年度の岩手競馬がスタート。幕開けメインはB1級「岩手日報杯」(水沢1900m)、10頭立て。
勝敗のカギを握るのは1900mの距離だが、ヒカルメイオーが好調度と総合力でカバーする。
(ヒカルメイオー 写真・佐藤到)
10連勝で臨んだ睦月賞だったが、最後の伸びを欠いて3着。敗因はいろいろと考えられる。まずスタートで出遅れて後手を踏んで自分の競馬に持ち込めなかったこと。変則開催だったため12月28日から1月3日の中5日の強行軍だったこと。そして父(キャプテンスティーヴ)はともかく、母父ニホンピロウイナーの血が強く影響し、2000mに泣いたとも解釈できる。
ニホンピロウイナーは現役時代、3年連続で最優秀スプリンターに選出された典型的な快速馬。マイル以下が舞台ならシンボリルドルフでさえ敵わなかっただろうとさえ言われていた。当時、距離体系の整備が始まったばかりでニホンピロウイナーはその先駆け。今ではごく普通に距離適性を考慮しローテーションを組むことができるが、ニホンピロウイナーが道を作ったといっても過言ではない。
以上のことからヒカルメイオーは距離の限界が見え隠れするが、今回は100m短縮され1900mが舞台。おそらくレース運びのうまさで距離を克服できると思うし、前回圧勝したようにB1では実力上位は明白。やはり主軸は動かない。
逆転候補はヒドゥンアジェンダ、ケンタッキーハットの2頭。ヒドゥンアジェンダは岩手での成績がすばらしい。芝ダート、コースを問わずすべて3着以上にまとめ、帰郷初戦の前回も2着を確保した。何といっても水沢1800mで2着に入った実績(1着はダンストンリアル)が光り、逆転首位を狙う。
ケンタッキーハットは通算9勝マーク。2度の3着はそれぞれスターエフェクト、アルディが強すぎたもので仕方なしの結果。前回も絶好枠からあっさり逃げ切った。ここも先手を奪うのはほぼ間違いなく、マイペースからそのまま押し切る可能性もある。
最も1900mを歓迎するのがブラックオーメンだろう。当該距離2戦2着2回とこのメンバーでは一番の実績がある。また前回3着に敗れたが、ヒドゥンアジェンダとの差はわずかアタマ差。距離を味方に巻き返しに転じてまったく不思議はない。
中央3勝、A級でも勝った実績を誇るマイネルアンセム。前回は明らかに重め残りだっただけに、叩かれて絞れてくれば決して軽視はできない。
サイレントカイザーも距離がちょっと微妙だ。昨年終盤から4戦連続で連対中と絶好調をキープしているが、これまでは1800mが最長距離。しかも水沢1800m戦は前回が初連対で3着1回、あとは9、8着と大敗を喫している。前半でいかに楽ができるか、好走のカギはそれに尽きる。
◎ ?ヒカルメイオー
○ ?ヒドゥンアジェンダ
▲ ?ケンタッキーハット
△ ?ブラックオーメン
△ ?マイネルアンセム
△ ?サイレントカイザー
3連単は7を1着固定に2、1、6、10流し
馬複は2−7、1−7、6−7、7−10
<お奨めの1頭>
11レース ヤマニンリボールト
前回はマイネベリンダを深追いしたため、末が甘くなって3着。今度こそ好位抜け出しを決める