平成20年度の岩手競馬が、いよいよ4月5日からスタートする。今年度は冬期休養明けの3月29日までの全131日(特別開催を含む)開催。ファンの混乱を極力避けるため土、日、月の3日間が基本ローテーションとなる。
過去5年間、毎年のようにシーズンを終了すると存廃問題がマスコミを賑わし、関係者も競馬に集中できなかったが、19年度は3000万円以上の黒字予定。存廃基準である収支均衡が保たれ、9年ぶりに黒字が確定した。これを弾みに岩手競馬再生へ全力を尽くしますので、本年度もよろしくお願いします。
開幕初日5日(土)メインはオープン馬による特別「第20回栗駒賞」、8頭立て。このレースの1、2着馬には重賞・シアンモア記念(5月6日)への優先出走権が与えられる。
カギを握るのは3月の特別開催を使われた組に対し、タイキリオンを上位に採るか否か。結論はタイキリオン◎、休み明けのハンデは総合力がカバーする。
(タイキリオン 写真・佐藤到)
昨年、中央オープンから転入し、芝1700m戦・あじさい賞を快勝。中央重賞ウィナーの底力をマザマザと見せつけた。その後は芝2400mの距離が合わず凡走の連続だったが、ダート1600mで見事に復活。白星こそマークできなかったが、オッズパークグランプリ3着(レコードタイの1分39秒3)、白嶺賞2着、そしてトウケイニセイ記念でもテンショウボス相手に見せ場たっぷりの2着とマイル適性を存分に発揮した。
ネックは先にも記したように2ヵ月半ぶりの実戦に尽きるが、元々が気のいいタイプで乗り込み量も万全。メンバー的にもここは負けられないところだろう。
逆転候補も個性派がそろった。まずブラーボウッズだが、3月23日のA級戦で出遅れを喫しながらも豪快な直線一気を決めて快勝。同じ追い込み馬ダイワフォーチュンが先に抜け出したところをゴール前でキッチリ交わして幸先のいいスタートを切った。550キロを超す(その時は560キロ)大型馬だが、久々をまったく苦にしなかった。
一方、ヤマニンエグザルトは寒い時期に好実績を誇り、前回もインを鋭く突いて1着。年齢的な衰えなど無縁、元気一杯のシーズン入りを果たした。昨年、この栗駒賞(3番人気)で9着凡走したのが若干気になるが、好調サイクルをキープした。
以上3頭をまとめて負かすとすればダイワフォーチュンだろう。昨年12月、白嶺賞でポツンと最後方から直線ごぼう抜き。自身が駆使した上がり3ハロンがなんと35秒8!小回り水沢でこんな脚を使える馬もまずいない。追い込み馬の宿命ゆえコンスタントな成績を残すことはできないが、ツボにはまった時は強烈だ。前回は早め先頭に立ったためブラーボウッズに交わされてしまったが、決め手は今年も健在だ。
評価に迷うのがマンジュデンコウベだ。前走、圧倒的な1番人気に支持され絶好位をキープしたが、伸び案外でヤマニンエグザルトに完敗を喫した。しかし敗因はレース勘を取り戻していなかったと解釈もでき、今回が正念場といえる。
あとは4歳馬セイントセーリング、ボスアミーゴにも頑張って欲しいところだが、現状では連下押さえに落ち着く。
◎ ?タイキリオン
○ ?ブラーボウッズ
▲ ?ヤマニンエグザルト
△ ?ダイワフォーチュン
△ ?マンジュデンコウベ
△ ?セイントセーリング
3連単は8、4の1、2着折り返しから1、6、2へ。穴なら6から入る手も十分
馬複は4−8、1−8、6−8、2−8
<お奨めの1頭>
9レース プラジュニヤワン
格上馬ベルモントシーザーがカギを握るが、好調度はメンバー中一番。豪快にまくる
長かった岩手競馬2007年シーズンもいよいよこの月曜日でラスト。3月の融資問題、8月の馬インフルエンザと歴史的な出来事が多かった1年ですが、終わってみればなんだかあっという間でしたね。
騎手リーディング・調教師リーディングの争いは最終日を前にほぼ決着がつき、騎手部門では菅原勲騎手が、調教師部門では菅原右吉調教師が、それぞれリーディングの座に就きました。菅原勲騎手は5年ぶりのリーディングジョッキー奪回、菅原右吉調教師は初のリーディングトレーナー獲得となります。
4月5日からは心機一転の新シーズン。しかしそのまえに、旧シーズンにきっちりけじめを(もちろん馬券的な)つけてから新シーズン入りしたいですね!
買い目は3番ダンストンリアルから7番・8番へ流すのが本線。1番・3番は馬体重などを見つつ組み込みましょう。この4日間、馬体重が二ケタの変動をしていた馬が非常に多かったので、馬体重に関しては要注意。
◆お奨めこの一頭
10R・ガッサンシャトル
サンエムブレイヴのスピードは強烈だが、鉄砲実績がないところにつけ込むスキが。こちらは逆に2年連続3月特別開催で勝ち星を挙げている。
23日(日)メイン10レース(発走16:15 当日は全11レース)はオッズ・パーク株式会社協賛「オッズパーク賞」。A級馬による水沢1600m戦で新年度開幕初日(4月5日)に控える「栗駒賞」へ向けても重要な一戦となった。
主軸に“春男(はるおとこ)”の異名を取るダンディキングを指名する。06年(3歳)、七時雨賞、スプリングカップを連勝。07年もエクセレント競走(A級)3着から栗駒賞を制し、この季節に絶対の自信を持っている。
加えてマイルまでを最も得意とし、今回の水沢1600mはベストとも言える条件。このレースを勝って弾みをつけて栗駒賞連覇といきたいところ。
しかし逆転候補も結構そろっている。まずハルサンヒコだが、昨年夏までは相手なりに駆ける堅実さの半面、決め手の甘さに泣いていたが、地元重賞となった土砂降りのダービーグランプリで豪快に抜け出して圧勝。それを境に本格化、岩手の根幹重賞・北上川大賞典でもテンショウボスの2着と気を吐いた。
本質的にステイヤーで忙しいマイルがカギを握るが、成長一途の今なら距離不足もアッサリ克服するに違いない。
古豪ブラーボウッズも健在だ。550キロの巨漢馬ながら久々をまったく苦にしないタイプで、昨年は前記ダンディキングを豪快に捲くって一蹴。ネックは着順が安定しないことだが、それならばむしろ今回が狙い頃とも言える。
昨年12月16日、白嶺賞(オープン 水沢1600m)で鮮やかな後方一気を決めたダイワフォーチュン。小回り水沢に加え、スローペースに落とされながら上がり35秒3!の脚を披露して周囲の度肝を抜いた。それは今でも語り草となっている。一瞬の脚勝負派なので使いどころが難しいが、ツボにはまれば白嶺賞の再現まで十分にあるだろう。
他ではすんなりマイペースに持ち込めた際のジュリア、折り合いつくベリーメリーホークを押さえたい。
◎ ?ダンディキング
○ ?ハルサンヒコ
▲ ?ブラーボウッズ
△ ?ダイワフォーチュン
△ ?ジュリア
△ ?ベリーメリーホーク
馬複は6−7、4−6、6−9、4−7
3連単は6、7、4のボックスを厚めに。高配当狙いなら9から入る手も
<お奨めの1頭>
6レース トーセンエンパイア
B1でも入着を果たした実績を考えればC2は恵まれすぎた。岩手初勝利はほぼゲット
2008年度の岩手競馬は4月5日(土)の水沢競馬を皮切りに、年明けの1月12日まで。そして3月(20日〜23日、28、29日)の開催を含めて全22開催、計131日間。変則開催を極力避けて基本的に土、日、月の3日間で行われる。
昨日、格付け区分が5クラスになったことをお伝えしたが、他の主な変更点について少々。昨年は3歳、古馬の三冠ボーナス制度を導入し、初年度からセイントセーリング、テンショウボスが堂々、三冠を獲得。今年はさらに2歳戦線にも導入。若駒賞を特別から重賞に格上げ(かつても重賞で実施)して南部駒賞、金杯を2歳三冠に位置づけ、すべて優勝した場合は3歳、古馬と同様、300万円のボーナスが馬主に支給される。
ダートグレード競走はダービーグランプリが諸般の事情から休止したが、Jpn?・南部杯は10月13日、Jpn?・マーキュリーカップ、クラスターカップはそれぞれ7月21日、8月18日に実施する。
またファンに好評だった古馬の短距離戦をより充実させ、これまでのダート1000m戦に加え、芝1000m戦(いずれも盛岡)を2レース実施。JRA認定競走(2歳)は昨年から6レース増え、全46レースを予定している。
22日(土)メイン9レースはA級馬による水沢1800m戦「奥州市職員 奥馬の会会長杯」、8頭立て。ここならマンジュデンコウベの底力が一枚上だろう。
昨年12月、中央ダート4勝1600万下から転入し、初戦を鮮やかに逃げ切り。その内容を高く評価され、報道推薦で桐花賞へ名乗りを上げて2番人気に支持されたが、道中ずっと折り合いがつかず、直線失速6着に沈んでしまった。
しかし、適距離のマイル戦・トウケイニセイ記念では3着に盛り返してひとまず面目躍如となった。
今回の1800mは守備範囲というより、中央3勝の実績からも最も得意とする条件。メンバーが大幅に恵まれた今回、キッチリ白星を飾って4月5日、開幕初日の栗駒賞へ好発進を決めたいところだ。
相手はセイントセーリング、ヤマニンエグザルトが有力だが、セイントセーリングを上位に採った。先に説明した3歳三冠をすべて優秀し、岩手競馬グランプリ最優秀3歳馬の栄誉も手に入れた。その後の成長が正直物足りなかったが、パワーアップを期待しての対抗となった。
ヤマニンエグザルトはA1級の安定勢力。昨年は前年ほどの快進撃ではなかったが、それでも重賞・岩鷲賞を優勝。また終盤にも2着2回を確保したように衰えはまったくない。
以下、このメンバーなら通用サンワードダンク、中央1000万下からの転入デポジットブックを押さえたい。
◎ ?マンジュデンコウベ
○ ?セイントセーリング
▲ ?ヤマニンエグザルト
△ ?サンワードダンク
△ ?デポジットブック
馬複は2−5、2−3、2−4、2−7
3連単は2を1着固定に5、3折り返し。これを本線に4、7を押さえ
<お奨めの1頭>
5レース サンワードナビ
岩手転入後はスピードの違いマザマザに2連勝。今年の飛躍が楽しみな1頭だ
冬期明けを境に岩手競馬の格付けが大きく変わった。これまでクラス分けが8区分(A1、A2、B1、B2、B3、C1、C2、C3)だったが、今後はA級、B1級、B2級、C1級、C2級の5区分となる。
改正理由は極めて簡単だ。よりシンプルに、より分かりやすくするため。
多くの地方競馬が抱えている問題の一つに、絶対頭数不足が上げられる。当然だが、岩手競馬の在級頭数も限られているため細分化は、番組編成のヴァリエーションを自ら狭めてしまう可能性がある上、頭数不足が生じた場合にも融通がどうしても利かない。
今回のクラス分け導入はJRAに例えるとA級=オープン、B1級=1600万下、B2級=1000万下、C1級=500万下、C2級=未勝利。これは乱暴な当てはめだと思うが、シンプル化したことには大賛成だ。今はまだ新クラス編成に戸惑いを隠せないのも事実だが、いずれ時間が経てば馴染んでいくに違いない。
21日(金)メインはB2級馬による水沢1800m戦「宮城県畜産協会会長杯」、8頭立て。主軸にコアレスコンドルを指名する。昨シーズンはクラスが強化(C2→B3)されたため、当初は凡走を繰り返していたが、地力アップとともに成績アップ。夏にようやく勝ち星をマークし、さらには終盤のB2特別を連勝。距離延長も味方してグングン頭角を現して冬休みに入った。今回の条件、1800mはもちろん望むところだし、中間の攻め馬も順調そのもの。ここは冬をまたいで3連勝といきたい。
逆転筆頭はヘライカントリー。昨年はA2の壁にも突き当たり1勝のみに終わったが、今開催からB2へ降格。従来の格付けに単純に当てはめることはできないが、大幅にメンバーが楽になったのは間違いない。最近は差しに徹していたが、その気になれば先に行く脚もあり、久々の美酒を味わうシーンも十分にある。
ステキナリングは昨年9月から圧巻の4連勝。それまで1勝に止まっていたのが信じられないような躍進を遂げた。その後も2勝マークし、最終戦の銀嶺賞こそ9着に大敗したが、充実ぶりが一際目についた1頭だった。
終盤戦はやや頭打ちの印象もあるハセノカイウンだが、それでも大崩れしないのは評価でき、あとは前半ジックリ脚をためて直線勝負に賭けるウエストサンオペラも押さえ必要。
◎ ?コアレスコンドル
○ ?ヘライカントリー
▲ ?ステキナリング
△ ?ハセノカイウン
△ ?ウエストサンオペラ
馬複は4−7、1−7、5−7、2−7
3連単は4、7の1、2着折り返しから1、5、2へ流したい
<お奨めの1頭>
8レース マンジュデンツルギ
A1級でもソコソコの実績を残し、今季はB2へ降格。10歳馬だが、ここでは役者が違いすぎる