今週月曜日7月7日、おなじみのJRA条件交流競走 『フレンドリートロフィー・ターコイズ賞』に、先日の宝塚記念を勝って中央移籍後のGI初白星を挙げたばかりの(初GIは2007年NHKマイルカップで記録済み)内田博幸騎手が参戦しました。
内田騎手は今年2月まで大井競馬場に所属し、年間505勝の日本記録を持つ3000勝ジョッキー。岩手競馬には2006年のワールドスーパージョッキーズシリーズ地方競馬代表騎手選定競走以来の登場となります。そして岩手人として忘れられないのは、昨年3月、内田騎手が負債に苦しむ岩手競馬に100万円を寄付してくれたこと!夫人が盛岡の出身という縁があるとはいえ、「競馬人として存続し、売り上げを向上してもらいたい。地方競馬の騎手として岩手競馬がなくなるのは身に染みる 」と大金を投じてくれたことには、大変な男気を感じ、また感謝しても感謝し切れない思いです。
あれ、そういえばあの100万円は何に使われたのでしょうね?といっても歳入の一部として組み込まれてしまえば「このお金でファンのために○○を購入しました」というふうにはならないのでしょうが、例えば馬場の管理費に充当したとか、イベント関係の予算を増額してファンのために使った、とかいう報告があったほうが良いんじゃないでしょうかね……? まぁ、内田さん本人にはきっと伝えてあるのでしょう。
ところで、この前日6日は『ホテルメトロポリタン盛岡デー』と銘打ち、全レースに冠名を付し、勝馬投票券購入者へのプレゼント抽選会などがおこなわれました。その中の第8競走は「仁士&麻衣マリッジカップ」という名前。後日メトロポリタンで披露宴を行う予定のお二人は、このレース名のフリップを持って中継画面に登場したほか、メインレース、重賞・岩鷲賞の表彰プレゼンターを務め、そしてレース終了後には走路上で記念撮影をしました。広々とした芝コースを歩く新郎新婦。戦いのターフを歩くその姿は違和感があるかと思ったのですが、意外にも緑の風景にドレスが映えてすごくきれいでしたよ。この様子は披露宴会場でビデオ上映されるそうで、競馬ファンでもそうでない方にも、印象的な式になるのではないでしょうか?
昨年は「さんさ太鼓ギネスチャレンジ」というイベントがありましたが、競馬という枠にとらわれないこんなアイディアも面白いですね。いまこのブログをお読みの結婚間近なアナタ!次は貴方がオーロパークの“緑のヴァージンロード”をふたりで歩いてみてはいかがですか?
7月6日 第40回岩鷲賞(3歳以上オープン 地方競馬全国交流 盛岡ダート1200m)
1着 トーホウライデン
前半は5番手インの経済コースを進み、3コーナーから徐々に進出。内でスパロービートが粘っていたが、ラスト100mで交わして先頭。最内からヤマニンエグザルトが鋭く伸びてきたが、トーホウライデンはまだ脚色に余裕があり、完勝に近い内容で鞍上の高橋悠里騎手はガッツポーズでゴールに入った。
「前回(6月23日 A級)で本来の動きを取り戻して復活を実感。今回も期待して乗ったが、ハイペースの流れにもついていけたし、展開もこの馬に向いていたと思う。直線で追い出したらスッと反応してくれたので、内からヤマニンエグザルトが来るのは分かっていましたが大丈夫、勝てると思いました。このレースで99勝でしたから、できれば区切りの100勝で優勝できれば格好良かったかもしれませんね(笑)」
前半3ハロンが35秒0。早池峰賞より速くなかったが、速いペースにも戸惑うことなく対応。なによりも特筆できたのは追い出してからの反応のすばらしさ。高橋悠里騎手が「これで勝てる」と確信したのもうなずけた。
振り返れば好調時にはマイルでも折り合いを欠くシーンがまま見受けられ、本質的にスプリント決戦、そしてスピード競馬が合ったということ。父がブライアンズタイム、母父ミスタープロスペクターの血統背景ならそれも納得できる。
走破タイム1分12秒1は全国区の強豪が相手では足りないかも知れないが、今の馬場を考えれば非常に優秀。早池峰賞の勝ちタイム(1着 ダイワフォーチュン)が1分12秒6からさらに0・5秒詰めていた。
過去、トーホウライデンの最短レースは水沢1300m戦で、1200m戦は生涯初めて。データ的に未知数だったが、おそらく折り合い、瞬発力などを考えれば短距離がベストかもしれない。
今後の目標は8月16日、水沢1400mで行われるJpn?・クラスターカップ。この1400m戦は昨年、浦和と岩手の交流レース・龍泉洞特別を圧勝した実績もあり、トーホウライデンには望むところの条件。地の利も生かして好勝負を期待したい。
2着 ヤマニンエグザルト
後方8番手を追走は早池峰賞と同じ戦法。しかし3、4コーナーの反応がひと息でもたつき気味。それで板垣騎手は最内を突いて強襲、クビ差まで肉薄したがそれが精一杯。惜しくも岩鷲賞2連覇はならなかった。
「レースをしたのは直線に入ってから。道中はまったく行く気がなかった。多分、前回(みちのく大賞典2000m)で長い距離を使った影響があったかも」と板垣騎手。
3着 マンジュデンコウベ
早池峰賞は5番手、今回は6番手とほぼ同じポジションを取ったが、勝負どころでヤマニンエグザルトと同様にもたつく。直線は外を通ってジワジワ伸びてきたが、前の2頭との差は5馬身。自己の能力は出し切ったと思うが、如何せん1200m戦の瞬発力勝負は厳しい。それならば中央時代、ダート1400m戦を勝ったことがあるクラスターCの方が好走の目があるかも。
4着 スパロービート
2枠に入って楽に先手かと思ったが、リキアイヤマノオーがハナを譲らない構えを見せてハイペースを形成。それでも枠差から先手を取って直線でも先頭に立ったが、我慢できたのはラスト100mまで。その後は力尽きて4着に敗れた。
「これまでの勝ち星が1000mまでのようだが、これから経験を積めばもっと距離が持つのでは。3歳馬なので今後、もっと成長すると思う」(村上忍騎手)
月曜のメインレースは今年で13回目を迎える『東京カップけやき賞』。JRA・東京競馬場と姉妹提携を記念して設定されたレースで、東京競馬場には「オーロカップ」が作られました。
このレースがJRA馬との交流競走になったのは10年前の第3回から。その後これまでの9年間の対戦成績はJRA8勝対岩手1勝、JRA勢の圧倒的な優勢。特にここ3年ほどはJRA馬が連対圏を独占しています。今年はどうなるか?
本命は2枠2番、JRAのセッカチセージを採ります。今回のメンバー中唯一の3歳馬ですが、歴戦の古馬に比べても互角以上という戦績があります。それは2月のヒヤシンスステークス。ここでセッカチセージはサクセスブロッケンの0.9秒差3着でしたが、サクセスブロッケンは次戦、ユビキタスをやはり0.9秒差離して破っています。このユビキタスはその後ユニコーンSを勝った馬。そう考えていくと、セッカチセージの能力も軽視したものではない・・・いやむしろ高く評価すべきでしょう。
実はセッカチセージはこのレース補欠だったのですが、1頭回避があったので滑り込み出走となりました。この辺にも運がありそうですね。
対抗は岩手のサンシャインヘイロに期待。前々走は不良馬場、前走は距離不足だし、叩いて良化途上だったのも影響しました。今回は手頃な条件で巻き返しを。
3番手、悩みましたがレントゲンでどうか。休み休みに使われて4歳夏にしてまだ8戦のキャリア。それでいて3勝を挙げているのは立派と言えます。鞍上の菅原勲騎手はこのレース過去9回騎乗して4勝、加えて掲示板を外した事がない好相性。そういう点もプラスに働くのでは。
あとはJRAと岩手から一頭ずつ選びましょう。まずJRAではバンブーライカルト。後ろから来る脚質が合うか?叩いた良化がどれほどか?また気性の悪さが出ないかどうか?いろいろ不安点はありますが、中央場所の1000万下で好走しているのだから力は一枚上。そこに賭けてみてもいいのでは。
岩手では穴目でカオリエスペランサ。JRA時代には500万下を勝ち上がった事があり、つい先日岩手に来たばかりでもあっていわば“かくれJRA”馬。早めの競馬に持ち込めれば差はないと見ます。
◆買い目
馬複/2−9、1−2、2−3、2−8
セッカチセージの地力を信頼して2の頭で勝負。2番手以下はやや混戦か。
◆お奨めこの一頭
4R:パラダイスオピウム
1400mでも全く問題なかった前走。ここも相手強化感無く、連勝可能だ。相手は両隣2と4。
6日(日)メインは社台スタリオンステーション協賛・ローエングリン賞「第40回岩鷲賞」(3歳以上オープン・地方競馬全国交流 盛岡ダート1200m)。川崎から快速3歳馬スパロービートが参戦し、迎え撃つ岩手勢10頭の計11頭で自慢のスピードを競い合う。
当初、トライアル・早池峰賞を快勝したダイワフォーチュンの名前もあったが、出走を見送り。その一方で一昨年の年度代表馬オウシュウクラウンがついに復帰。1年1ヶ月ぶりに戦列に戻ってきた。まだ息づかいが本物ではなく動きも重そうだったが、能力検査(6月20日)で見せたフットワークはさすがオープンと唸らせるもの。いきなり重賞の舞台で期待するのは酷だろうが、復帰を心から喜びたい。
カギを握るのは、川崎のスパロービート。父サウスヴィグラス譲りのスピードを前面に通算9戦3勝2着2回。ハナを譲ったのはデビュー2戦目のゴールドジュニアーの一戦のみ(1着はニックバニヤン)で、その他はすべて先手を奪っており前走・3歳1000m戦でも逃げて2着に粘った。
天性のスピードがここでも通用するのか注目したいところだが、不安点がいくつかある。勝ち星、そして2着連対がすべて1000m以下に集中し、1200m戦は中央芝だが中山・桜草特別で逃げて直線失速14着に敗れている。
また当然といえば当然だが、古馬との対戦が今回は初めて。それで4歳以上(牡馬 牝馬は2キロ減)57キロのハンデに対し、わずか2キロのアドバンテージ55キロが微妙。加えてここに入るとキャリア不足は否定できないところだし、逃げ馬特有の脆さも同居するタイプ。
直線まで楽に逃げればアッサリまであり、逆にマークが厳しければ大敗の可能性もあり、結論は▲評価に落ち着いた。
(エイシンボーダン 写真・佐藤到)
◎にエイシンボーダンを抜擢する。ちょっと無謀かも知れないが、決め手となったのは早池峰賞の内容だった。絶好のスタートを切ってそのまま先行するかと思ったが、ジュリアがハナを譲らず前半3ハロン34秒7の超ハイペースを形成。上がり3ハロンが37秒9で優勝したダイワフォーチュンの上がりが36秒3で、前半がいかに殺人的ペースだったかが一目瞭然だった。
それゆえ一旦2番手に控え、4角で一旦先頭に立ったが、前半の消耗が激しかったため馬群に沈んで6着に敗れてしまった。それでも1着とのタイム差は0・9秒。中央6勝すべてがダート1200m戦でマークしたのも納得できた。
スパロービートが2番枠、エイシンボーダンが5番枠。おそらくスパロービートにハナを譲り、エイシンボーダンは他の動向を見ながら2、3番手からの競馬をしそうで早池峰賞ほどペースは速くはならない。そうなれば巻き返しの余地は十分にあるだろう。付け加えるなら雨が降っていれば、さらに期待が増す。
対抗はメタモルキング。早池峰賞のレース内容には正直、驚いた。今シーズンは白星がなく相手も大幅に強化され、なおかつ05年1月以来の短距離戦では10頭立て9番人気も仕方なしだった。
マズマズのスタートから中団をキープしたが、そのまま馬群の中にいるのかと思ったら最初に動いたのがメタモルキング。3コーナー過ぎからスパートをかけ、直線半ばで先頭。金星も目の前に迫ったのだが、外からダイワフォーチュンが襲い掛かり、惜しくもクビ差2着。陣営は本当に悔しかったに違いない。
続いて2000m・みちのく大賞典に駒を進め、好位から退いて6着に沈んだが、これは1200mから距離が一気に延長されたのが敗因。だからといって今回の評価ダウンにはならない。参考までに昨年4月から成績を遡ってみたら<5.12.3.4>。着外はトウケイニセイ記念、そして前走・みちのく大賞典の2度のみであとはすべて入着を果たし、驚異の連対率を誇っていた。隠れた短距離適性を前面に大物食いの本領を発揮するか注目してみたい。
単穴は冒頭にも記したスパロービート。結果的に評価を落としてしまったが、マンジュデンコウベ、ヤマニンエグザルトを本線にするのが無難かもしれない。早池峰賞でヤマニンエグザルトは大外からジワジワ伸びてきたが、0・1秒差3着、マンジュデンコウベ0・2秒差4着。これは忙しい競馬にもたついたとも解釈でき、2度目ならスピードにも対応できるはずだ。
最後に一発を秘めた1頭を挙げてみたい。トーホウライデンだ。元々、エンジンの始動が遅いタイプで、前回の勝利でようやく上昇気流に乗った。過去、最短距離は水沢1300mで、1200mは生涯初で短距離は未知数だが、父がブライアンズタイム、母父ミスタープロスペクターならむしろ歓迎。マイル戦でも内に包まれて折り合いを欠くシーンを時に見せており、短距離戦で新たな面を出してくれる予感もある。
◎ ?エイシンボーダン
○ ?メタモルキング
▲ ?スパロービート
△ ?マンジュデンコウベ
△ ?ヤマニンエグザルト
△ ?トーホウライデン
3連単は5の1頭軸から8、2、6流しで勝負。あとは1、4をどう絡ませるか
馬複は5−8、2−5、5−6、1−5、4−5
<お奨めの1頭>
8レース ケイジーウィザード
6戦連続で僅差に敗れ、白星から遠ざかっていたが、ここはメンバー的にも是非、勝たねば
5日(土)メインはB1級馬による盛岡ダート1600m「第9回ねむの木賞」、10頭立て。
マイネルイディオスで単不動、死角なしの大本命となった。今年4月、名古屋B1級を快勝して岩手転入。B2へ編入して格付けにも恵まれ、アッサリ4連勝をマーク。岩手初戦(0・5秒差)以外は0・1秒差の僅差の勝利だったが、相手なりに結果を出すタイプのようで抜群のレースセンスが光っていた。
(マイネルイディオス 写真・佐藤到)
その勢いを駆って重賞・みちのく大賞典へ果敢にチャレンジ。当然だが、重賞はもちろんのことA級でも闘ったことがなく、しかも定量戦のため57キロ。マイネルイディオスには厳しい条件ばかりがそろったが、中団からジワジワ伸びてブラーボウッズの2着。この大健闘には周囲もビックリした。
今年のみちのく大賞典は昨年の覇者テンショウボスがリタイア中、サイレントエクセルもぶっつけで臨んで明らかに調整途上。よってシアンモア記念を制した船橋のノムラリューオーが1番人気に支持され、2着は混戦と見られてはいたが、まさかマイネルイディオスが好走するとは正直思わなかった。
この2着確保で旧地・名古屋からの連対を10に伸ばし、今回は自己の条件に戻ってB1級馬が相手。メンバーが大幅に恵まれたのは誰の目にも明白で、首位以外は考えられない。
相手筆頭にちょっと迷ったが、オリエントボスを一番手に推したい。昨シーズンまでA1級に在籍し、今季はB1級へ降格。3回水沢のB1級・駒形賞(1400m)を順当勝ちし、前後も2、3着。前走・早池峰賞はオープン馬相手に加え、忙しい1200m戦は合わず追走一杯8着に終わったが、今回は2勝2着3回と盛岡戦で最も実績の高いダート1600m戦。
早池峰賞後はたっぷり休養を取って、このレースに照準を絞って調整。無理のないローテーションにも好感が持て、重賞ウィナーの底力で2着を死守する。
オリエントボスよりも人気を集めそうなのがテンショウタイヨウだろう。デビューが遅かったため表舞台を歩むことはできなかったが、着実に力をつけて荒尾遠征でも2勝マーク。3月には浦和の交流レース・北上川特別にも挑戦して見事優勝を果たした。
その時の疲れが残っていたため、岩手での始動は遅れたが、復帰2戦目を快勝。前々走緑風賞は相手が強く4着だったが、前回・白神賞は2着にまとめた。
テンショウタイヨウの良さは学習能力の高さ。きれいに1の数字が並ぶタイプではないのだが、時に敗戦を喫しながらもレース勘を身につけて次走の糧にできるのが最大の特長で、しかも成長続ける4歳牡馬。今後も注目していい価値ある1頭だ。
ブラックオーメンは昨年A2からB1級へ降格したが、追い込み一辺倒の脚質が災いして3着までに止まっていたが、前走・白神賞では見事な最後方一気を決めて優勝。昨年10月以来、久々の美酒を味わった。前記・テンショウタイヨウを並ぶ間もなく交わした末脚はさすがと大向こうを唸らせた。しかし先にも記したように置かれる脚質ゆえ、取りこぼしも多く全幅の信頼は置けないタイプ。マイネルイディオスが前を早めに掃除した際に浮上すると見ていいだろう。
逆に前残りの競馬になればマツノメガミも侮れない。今季は5戦4着4回5着1回と最後の粘りが足りないが、今回はマークが甘くなること必至。盛岡左回りで気分良く逃げれば特別(3歳・ミルキーウェイカップ 盛岡ダート1800m)を勝った実績もあり、展開次第では大物食いの可能性もある。
あとはブラックオーメンと同じ条件でワラッテオクレヨを連下に押さえたい。
◎ ?マイネルイディオス
○ ?オリエントボス
▲ ?テンショウタイヨウ
△ ?ブラックオーメン
△ ?マツノメガミ
△ ?ワラッテオクレヨ
3連単は7の1頭軸から6、10の折り返し本線。あとは8、1、4押さえだが、7が一本かぶりだろうから点数は控えたい
馬複は6−7、7−10、7−8、1−7
<お奨めの1頭>
11レース サンワードグロー
ここ2戦は連続4着と足踏みが続いたが、出遅れが響いたのが大きかった。今日はスッキリ勝ちたい