写真の場所はオーロパークの1コーナー外ラチ。こんなところに!?と思いますが、これは紛れもなく「エキスパンダー」ですよね?きっと誰かがその昔、雑誌の裏表紙あたりに載っていた広告にそそのかされ、マッチョでモテモテな自分を夢見て買ったものでは… というのは勝手な想像ですが、このスプリングの先に繋がっているのは、競走馬たちが帰ってくる引き上げ口に張り渡されたロープ。レース後の馬はここを通って走路を出て、待っていた厩務員のもとで騎手が下馬し鞍を外しますが、レース中はプールのコースロープのようなもので封鎖されています。
ところが、たまに騎手を振り落とすなどして放馬することがありますよね。そうすると馬というのは賢いもので、大概の馬はちゃんと帰り道を覚えていて自分でここに帰って来ます。ただ、飛び越せると思うのか、あるいはパニクっていて目に入らないのか、張ってあるロープに突っ込んでしまう馬が多いのです。(1回転してロープの向こう側に倒れ込んだ馬も見たことあります)そんなときでもなるべく馬が大怪我しないように、ロープが完全に固定されているよりはスプリングで伸び縮みした方が良いだろうという、手作りの工夫なのですね。
また、引き上げ口には向かわず走路をひたすらぐるぐると走り回ってしまう馬もいます。そんなときには係員が数人でオレンジ色のヒラヒラの付いたロープというかテープ?を持って、運動会のゴールよろしくコースを塞ぎ、あるいは上着を脱いで振ったり大きな身振りで制止を試みます。とにかく馬の視界の中で目立ってプレッシャーをかけ立ち止まらせようということなのでしょうが、それでも気が動転している馬は“制止ライン”を簡単に突破してしまうことも多いです。そんなときスタンドからは「なにやってんだよ〜体張って止めろ!」などという声が飛ぶこともありますが、もちろん体は張れません。(笑) 暴走するサラブレッドは人間のタックルぐらいでは止まらないでしょうし、仮に体当たりで止まるとしても、それで競走馬が怪我でもしたら大変。狩りで獲物を捕っているのではないのですからね。なので止まりそうもないなと思ったら、係員は早めにあきらめて道を空けるようです。で、最後はやっぱり馬が疲れて自分から止まるのを待つしかないんですね。
私が見た中では、オーロのコースを確か4周した馬がいました。距離にして約6km半!馬という動物はホントによく走りますね。運動不足な私だったら途中で倒れてしまいそうだなぁ。
(文/写真・佐藤到)
7月13日 第9回オパールカップ(地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
(オパールカップ ゴール 1着・カクテルラウンジ 写真・佐藤到)
1着 カクテルラウンジ
道中は中団インでじっと待機。3コーナーで各馬がスパートをかけてもマイポジションをずっとキープ。4コーナーを回って直線から外に持ち出し、満を持して追い出すとアッという間に他の馬をごぼう抜き。逃げ込みを図ったウィンエヴリーをきっちり捕らえて快勝。瞬発力の差をマザマザと見せつけた。
「調教師の指示どおり前半は貯めていこうとインで我慢した。小回りでコーナーがきついと思ったので直線に入ってからスパートをかけたら一完歩ごとに伸びてくれた」と吉田稔騎手。
カクテルラウンジは昨年大晦日に行われた「東京2歳優駿牝馬」で3着に入り、今年JRA芝へ2度挑戦。春菜賞は4コーナーで不利を受けながら0・6秒差6着、きんせんか賞は折り合いを欠いて14着に沈み、今回が3度目の芝レース。吉田稔騎手のコメントどおり、直線を向くまでずっと抑えたまま。ラスト300mで吉田稔騎手がゴーサインを出すとすばらしい反応を見せてくれた。
父がタニノギムレットで祖母がダイナアクトレスという超良血馬。前日に盛岡に入り、馬体重が前走比マイナス13キロ。412キロでレースに臨んだが、馬体を見る限り細くは映らず、陣営もさほど気にはしていなかった。
きんせんか賞以降、3戦連続で二ケタ着順に沈んでいたが、大井・若竹賞後はこのレース1本に絞って調整。メンバーが甘かったことも確かだろうが、今回披露した切れはさすが良血馬と思わせるもの。秋以降の成長が楽しみになった。
2着 ウィンエヴリー
「折り合いが難しいので前に馬がいる形でレースを進め、できれば逃げたくなかった」(菅原勲騎手)そうだが、ゲートが開いた瞬間、すでに1馬身のリード。抜群のスタートを切り、他も行く気配がなかったため逃げの手に出る。
道中は手綱をガッチリ抑え、後続を引きつけて直線で追い出してセーフティリードを取ったかに見えたが、外を強襲したカクテルラウンジとは脚色の差がはっきり。
「スタートも良かったので行かされる形になったが、仕方がない。切れで相手が一枚上だったということでしょう」と菅原勲騎手。
3着 テンショウベスト
前々走の芝・はまなす賞は中団からの競馬だったが、今回は2番手の積極策に出る。道中もずっと2番手をキープして直線でも自身の持つ脚は使ったが、いわゆる決め手のないタイプ。3着に粘ったことで十分健闘したと言えるだろう。
「調教も自分がつけているが、決して調子はいいとは思わなかった。それでも3着ですから良く頑張った」と村松騎手。
4着 デキシーメイ
前半はカクテルラウンジより後ろで競馬を進め、3コーナーから徐々に進出したが、直線の追い比べで伸びがもう一つ。スピードに乗り切れなかった印象だった。
7着 リュウノツバサ
1周目スタンド前で掛かり気味に4番手外を追走。向正面でも行きたがる仕草を見せて折り合いにちょっと苦労した感じ。芝1600m・はまなす賞、ダート1800m・ミルキーウェイカップと目下2連勝中で単勝1・6倍の1番人気に支持されたが、直線で失速。ダイヤモンドカップから4連闘で臨んだ見えない疲れがあったか。
7月21日 「第12回マーキュリーカップ」(Jpn?・盛岡ダート2000m)大予想大会を実施!
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先日の8日、青森県・八戸市に行ってきました。毎年恒例の「サラブレッド1歳・八戸市場」を見るためです。
いわゆる「マル市」、JRAの市場取引馬奨励金制度が廃止されて初の市場は、ここまでの他の市場と同じく売上げ的には低調に終わりました。ただ、それでも安いなりに活発なセリもあるというあたり、2,3年前の「この先どうなるんだろう・・・」的な暗さは薄れたように感じました。
そうそう、カームの初仔も2頭上場され、セリでは落札されませんでしたが、内1頭はその後取引が成立したそうです。順調にいけば来年、カームの子供が走る姿を見る事ができそうです。
月曜日のメインレースはダート3000mで行われるジュライカップ。ダート戦では国内最長距離となるこのレース、出走頭数は少なくなりましたが、見応え十分なレースになる事は請け合いです。
本命は3枠3番トーヨーハヤテで行きましょう。岩手転入後は7戦3勝、やや勝ちきれない面も見せますが、少々厳しい展開になってもしっかり見せ場を作るのだから、現級では力上位なのは明らか。距離は当然初めてですが、恐らくこの馬は距離が長いほど走りやすくなるタイプ。3000mはむしろ好材料になりそうです。
対抗はエイシンガッサン。オジジアン産駒の割には短い距離向きではなく、長めの距離でジリジリと伸びてくるタイプの馬。3000mはさすがに距離適性の上限を超えるのでは、という心配はなきにしもあらずですが、この馬の走りを見ていると、距離延長がマイナスになるとは思えません。
ナリタルーキーが3番手。福山A級から転入後3戦は水沢ダ4着−盛岡芝2着−盛岡ダ5着。JRA時代以来の芝が最高着順となっていますが、5着だった盛岡ダート1600mはコーナーが2つで、一方の盛岡芝や水沢ダートはコーナー4つの小回りという点に注目。JRA時代にはローカルの中・長距離で好走していた点とあわせ、これは「小回り向き」と判断したいデータ。となれば、コーナー6つを通過する3000mはこの馬にマッチする条件では。
昨年、3000m戦を勝っているセンリオーはここのところ好調キープ。ここでも勝ち負けを狙える存在です。ただ、ベテラン騎手優勢の3000m戦で若手の鞍上がどう乗りこなすか?は不安の残る点ではあります。
展開利のありそうなゲンパチコジーンも押さえておきたいところ。正直距離は長いでしょうが、ここはこの馬の先手が濃厚。楽に行けるかどうか可能性は半々も、うまく流れを作れれば面白いレースができそうです。
◆買い目
馬単/3→2、3→6、3→5、3→4
ここはトーヨーハヤテがきっちり抜け出すと見て頭信頼しつつ、馬単3→2が大本線で。
◆お奨めこの一頭
7R:マンハッタンナイト
前走大圧勝。相手関係はやや強化されたがまだアドバンテージあり。連勝のチャンスだ。
13日(日)メインは3歳馬による地方競馬全国交流「第9回オパールカップ」。舞台は盛岡芝1700m。南関東から大挙5頭が参戦して例年以上に興味深い一戦となった。
このレースはHBA(日高軽種馬農業協同組合)の協賛でアドマイヤボスの配合権利、また菊花賞トライアルの優先出走権も獲得でき、いわゆる付加価値の高いレース。これこそ地方競馬で唯一芝コースがあるオーロパークだからこそ。主催者はこの特長をもっとアピールするべきだろう。
それに、浦和で実施している南関東、岩手、東海の交流戦は画面越しでも思わず力が入って応援するが、今回のオパールカップにしても南関東vs岩手の対決構造は鮮度があるし、地元を応援したくなるのが心情。
また予想する自分にしても地区レベル比較、芝適性、各代表馬同士の序列、展開など様々なファクターを考えて推理するのが楽しくて仕方がない。
まずは過去の足跡から。オパールカップは第2回まで東北交流で行われ、3回以降は全国の地方競馬にも門戸を開放したが、8回とも岩手勢が優勝。おそらく盛岡芝を何度か経験しているのが最大の強み。プラス遠征馬にはアウェーの不利もあり、地の利は大きい。
主軸にリュウノツバサを指名する。前々走・はまなす賞はデビュー以来2度目の芝だったが、そのデビュー戦で2着に9馬身差の大差をつけて圧勝。タイムこそ平凡だったが、すばらしいパフォーマンスを披露し、強烈な印象を与えていた。
その後は水沢開催に替わり、芝を使うチャンスがなかなかなかったが、ダイヤモンドカップで3着に敗れて路線変更。陣営は久々の芝でも距離短縮ならば―と、はまなす賞に駒を進めた。その選択はズバリはまった。リュウノツバサは折り合いに課題がある馬だが、中団でジックリ待機してゴーサインを出すと素早く反応。タイム差は0・1秒だったが、余裕たっぷりでゴールに入った。
続いてダート1800m・ミルキーウェイカップでは宿敵ゴールデンクリークの追撃を封じ、ダイヤモンドカップの雪辱を晴らしてオパールCに臨んできた。
リュウノツバサは芝ダート兼用のタイプだが、折り合いを気にしなくていい速いタイム決着がベスト。それゆえ芝は本質的に合うと見て間違いない。
相手はウィンエヴリー、カクテルラウンジにするか迷ったが、カクテルラウンジを上位に採ってみた。父がタニノギムレット、祖母がダイナアクトレス。この血統だけで十分アピールできる良血馬だが、実績も申し分なく昨年大晦日の大井・東京2歳優駿牝馬で3着。
芝も2度経験し、東京芝1400m・春菜賞は4コーナーの不利がありながら、直線で盛り返して0・6秒差6着。続くきんせんか賞は直線で失速して14着に沈んだが、これは道中掛かって折り合いを欠いたため。芝が決して合わない訳ではなかった。
ただ、気になるのは地元戦に戻った2戦の大敗。いかにメンバーが強かったにせよ4秒、5・1秒は負けすぎで、どこまで立て直すことができたかがポイント。陣営の話ではこのレースに照準を絞って状態もアップとのこと。しかも小柄な牝馬でもあり、盛岡芝は歓迎だろうと踏んだ。
ウィンエヴリーもはまなす賞で折り合いを欠いて末脚が不発に終わったクチ。ガーベラ賞は前半に脚をジックリ貯めて直線で豪脚が爆発したが、はまなす賞では2番手外で掛かりっぱなし。4コーナーで早くも先頭に立ったが、直線一杯となって4着に敗れた。
その反省を生かし、今度は控える競馬に徹すると思うが、ラッキーなことに最内1番枠。であればインの経済コースでじっと我慢させ、直線勝負に賭ければガーベラ賞の再現も十分に可能だ。
ピンクゴールドは前走・はまなす賞が初の芝レース。元々、シャープな切れを身上とする牝馬なので芝も適性高そうだと思っていたが、メンバー中で一番の上がりを披露してリュウノツバサの0・1秒差3着。これは結果以上に収穫が大きく、芝で新境地を開けるかもしれない。
以下、芝を一度経験したデキシーメイ、前回快勝して遠征アーサルビーも連下に押さえたい。
◎ ?リュウノツバサ
○ ?カクテルラウンジ
▲ ?ウィンエヴリー
△ ?ピンクゴールド
△ ?デキシーメイ
△ ?アーサルビー
3連単は10、6、1のボックスが本線。あとは10の1頭軸からの流し
馬複は6−10、1−10、9−10、1−6
<お奨めの1頭>
9レース トウカイカスタム
レース間隔は開いたが、目下4連勝中と期待の3歳馬が本格化。オープンまでノンストップだ
12日(土)メイン10レースはC2級馬による「エレンテ・フェスト杯 千沼ヶ原賞」(盛岡ダート1600m)。この季節だけに連闘をさける登録馬が続出し、最終的に6頭立ての少頭数レースとなってしまった。今後もC2級戦の場合、同様のケースが出る可能性が高く、メインに据えるのには一考の余地があるかもしれない。
主軸はヤマニングリフォンで絶対だろう。昨年、3歳時にJRAから岩手へ転入したが、未勝利でシーズンを終了。今季も堅実な走りを見せながら、なかなか白星に恵まれなかったが、5月26日、水沢1300m戦で待望の初勝利を飾るや、アッサリ2連勝。
前々走は大幅に相手が強化されたために3着に止まったが、それでも0・3秒差。むしろ評価は上がる一方で、そのうっ憤とばかり前回は2番手追走から抜け出して快勝。これで盛岡戦4戦2勝2着1回3着1回として、安定感と充実度は一際目を引くものがある。
しかも格付け当初からフルメンバーがそろっても本命視されていたのだが、有力馬の相次ぐ回避で相手が大幅に弱化。よほどの不利がない限り、負けることは考えられない。
軸は確定。ヒモ捜しに目が移り、筆頭はヤマボウシピンクが妥当か。今シーズンは2着が最高だが、ここ2戦は惜しいレースの連続。直線で一旦先頭に立ち、あわやのシーンを作っている。ネックは最後の詰めに尽きるが、少頭数となってレースをしやすくなったのは間違いなく、今度こそ2着は死守したいところだ。
デューティアスは前々走でタイム差なし2着に入ったかと思えば、前回はしんがり負けと着順が安定しないタイプ。メンバー次第ということだろうが、1回盛岡前半のダート1400m戦を快勝したように能力的にはまったくヒケを取らない。ヤマボウシピンクは詰めに課題を抱えているだけに、こちらを上位に採る手もある。
あとはダイタクバイキング、ジョウテンベガを押さえにしたが、両馬とも展開に左右されるタイプ。本線と押さえはうまく使い分けた方が得策だろう。
◎ ?ヤマニングリフォン
○ ?ヤマボウシピンク
▲ ?デューティアス
△ ?ダイタクバイキング
△ ?ジョウテンベガ
3連対は2を1着固定に4、5の折り返し。あとは6、3を押さえ少々
馬複は2−4、2−5、2−6
今回のメインは頭数が少ないので、最終11レースの予想も記してみたい。B2級・芝1700m「いわちくジョバンニ杯」、10頭立て。軸の選定にちょっと悩んだが、ここはグラスホープの順調度、総合力に託す。今季未勝利だが、2着3回3着1回のほかも堅実に入着を果たしている。前回も直線鋭く伸びてテンポウキングのタイム差なし2着に食い込んだ。
ネックは芝適性になるが、生涯初の芝レース(盛岡在籍の8歳馬でこのケースも珍しい)を経験した3走前、中団をキープから4角で2番手まで進出。最後は3着に敗れたが、初めてでこの結果は上々。今回、2度目の芝ならさらに上の着順を狙えるに違いない。
逆転候補はコスモノーティー、ジェドの2頭。コスモノーティーは近走10、8着と精彩を欠いているが、10着は芝1000mのスプリント戦に戸惑ったもので、前回の8着は守備範囲を越えたダート1800mだったため。今度は1勝マークの芝に舞台が替わり、脚抜きのいいコースなら1700mも十分に克服できるはず。
ジェドの評価が分かれるところだろう。中央0勝、佐賀でも白星を飾れず今年4月に岩手へ転入。初戦こそ3着だったが、2戦目から別馬のように快進撃を続けて圧巻の3連勝をマークした。
ところが前々走、スタートで後手を踏み直線伸び切れずに4着に敗れ、前回も後方から差をつめただけの7着。気の悪さが見え隠れし始めているが、芝は3走前に圧勝劇を演じており、仕切り直しには格好の一戦となった。
以下は1レース置きに好、凡走を繰り返して今度は好走の順番パーシング、盛岡芝で2勝イブキサンシロウ、芝もこなすマルニシャンハイを押さえ。
◎ ?グラスホープ
○ ?コスモノーティー
▲ ?ジェド
△ ?パーシング
△ ?マルニシャンハイ
△ ?イブキサンシロウ
3連単は8、7、2のボックスを厚め。あとは6、4押さえ
馬複は7−8、2−8、6−8、2−7
<お奨めの1頭>
9レース センタージール
盛岡芝は過去、5戦2勝とこのメンバーでは一番の実績を誇る。それを素直に信頼