昨年大晦日の高知県知事賞は、ユメノホノオとガルボマンボの一騎打ちとなって、高知競馬の1年を締めくくる集大成のようなレースとなったが、昨年秋までマイル以下の路線で圧倒的な強さを示していたのがアポロティアモ。春は黒潮スプリンターズカップ4着、御厨人窟賞2着と重賞では勝ちきれなかったものの、5月から快進撃が始まった。福永洋一記念、トレノ賞、建依別賞と重賞3連勝。園田に遠征した園田チャレンジカップでは2着に敗れたものの、果敢に勝負を挑んで負かされた相手がイグナイターということでは、負けてなお強しという印象だった。しかし11月、断然人気に支持された黒潮マイルチャンピオンシップでは2番手を追走したものの直線ばったり止まってガルボマンボの4着。春から使い詰めだった疲れがあったようだ。その後、休養して今回は約2カ月ぶりの実戦。能力最上位は間違いないが、どこまで調子を戻しているか。
グッドヒューマーも昨年の重賞戦線で上位を賑わした。トレノ賞、建依別賞ではアポロティアモの後塵を拝してそれぞれ3着、2着だったが、そのライバルが不在となった1900メートルの珊瑚冠賞を制した。そして黒潮マイルチャンピオンシップでは、逃げてレースを引っ張り直線でも先頭だったが、ガルボマンボに1馬身差2着。アポロティアモと同じくそれ以来の実戦となる。対戦成績ではアポロティアモに分があるが、能力差はそれほどない。休み明けの状態、仕上がりがどうかという勝負になりそうだ。
ロイズピークは準重賞とA級戦で3連勝中。一昨年3歳秋の土佐秋月賞(5着)以来の重賞挑戦で、実績2頭にどこまで迫れるか。この馬を含め真ん中あたりの枠に先行馬が揃っただけに展開やペースもカギになりそう。
好調ナムラボス、ケプラーは、一気の相手強化となる重賞初挑戦でどこまでやれるか。
◎12アポロティアモ
○4グッドヒューマー
▲5ロイズピーク
△6ナムラボス
△7ケプラー
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2008年から10年まで3歳馬の重賞として行われたコウノトリ賞が、回次を引き継いで4歳以上牝馬の重賞として復活。昨年まで大井で行われていたTCK女王盃JpnIIIが、今年から兵庫女王盃JpnIIIとなって園田で4月4日に行われるだけに、そこにつながっていくレースとなりそうだ。
その兵庫女王盃JpnIIIを目標としているのがスマイルミーシャ。12月には3歳牝馬ながら、ラッキードリーム、ツムタイザンら牡馬一線級を相手に園田金盃を勝利。地元の牝馬同士なら実績は抜けている。しかも定量戦とあっては、ここは単なる通過点だろう。
相手はやや難解だが、ジャパンカップに出走したクリノメガミエースがその筆頭といえそう。昨年正月には牡馬相手の新春賞で3着があり、その後は西日本地区の牝馬重賞に遠征。佐賀ヴィーナスカップ3着、地元の兵庫サマークイーン賞3着など善戦。◎は別格としても、それ以外の馬との比較では経験値は高い。
タガノオボロは1400メートルを中心に使われ、昨年はB1からA級まで出世。中央時代も含めて1400メートル以下のみ使われていたのが、2走前、初の1700メートル戦となったA1A2特別を逃げ切って勝利。今回となり枠のニネンビーグミとの先行争いがどうかだが、マイペースが叶えば粘り込む可能性はありそう。
マルグリッドは昨年、佐賀に遠征したル・プランタン賞を制し、地元ののじぎく賞ではスマイルミーシャの2着に入ってグランダム・ジャパン3歳シーズンの女王となった。地元1870メートルは初距離だが、1800メートルのル・プランタン賞を制しているだけに、距離実績では期待できそう。
昨年7月の兵庫サマークイーン賞で、3着クリノメガミエースにハナ差で4着だったのがニネンビーグミ。近走は短距離を中心に使われているが、3歳時には1700メートルののじぎく賞を制しているだけに、牝馬同士なら距離もこなせる。
◎8スマイルミーシャ
◯1クリノメガミエース
▲6タガノオボロ
△4マルグリッド
△7ニネンビーグミ
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第1回、第2回と高知のダノングッドが連覇し、その昨年は遠征勢が上位3着まで独占と、地元佐賀勢は苦戦が続いている。が、今年は地元勢も健闘が期待できそうなメンバーだ。
しかしながら本命は大井のティアラフォーカス。昨年1月の船橋記念を直線一気で差し切り、開催時期の変更によって11月にも行われた船橋記念でも3着。1200メートル以下のスピード勝負ならおそらく能力は抜けている。ただワンターンのコースに絞ってレースを使われてきて、前走浦和ゴールドカップでコーナー4つのコースを走ったのは、2歳時に大井1600メートル戦に出走して以来のこと。そのゴールドカップは6着だったが、勝ったのがダートグレードでも好勝負のスマイルウィで、そこから1秒5差なら悪くはない。久々にコーナー4つを経験してのここで能力発揮と見る。
相手には地元のロンドンテソーロ。前走中島記念は10着だったが、そもそも転入前の5勝が中央・大井のダート1200メートル以下という成績で、昨年春に転入後も1400メートル以下のみを使われていた。得意の舞台であらためての期待だ。
3番手には門別から転入初戦となった1400メートルの準重賞・玄界灘賞を制したリーチ。昨年門別での最終戦となった道営スプリントこそ5着だったが、それまで1200メートルのA1特別で6戦連続連対という成績を残していた。北海道での主戦だった石川倭騎手が引き続き鞍上ということでも期待だ。
一昨年2着だったロトヴィグラスも地元期待の1頭。ただ900メートルの佐賀がばいダッシュで、一昨年勝って昨年も2着だったように、ベストは900メートル。
高知のダノンジャスティスは、一昨年4着、昨年7着と結果を残せていないが、昨年10月の兵庫ゴールドカップを勝ったように、人気薄でも侮れない。
昨年10月の佐賀オータムスプリント3着以降、好調持続のキングキャヴィア、昨年盛岡のハヤテスプリントを制した大井のスタードラマーらも能力的に差はなさそう。昨年3着のインペリシャブルまでは印が回らなかったという混戦だ。
◎3ティアラフォーカス
○4ロンドンテソーロ
▲1リーチ
△2ロトヴィグラス
△12ダノンジャスティス
△5キングキャヴィア
△11スタードラマー
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佐賀デビューの明け3歳馬による争いで、2014年に3歳オープンの一般戦としてスタートし、昨年準重賞に、そして今年から重賞に格上げとなった。
トゥールリーはここまで9戦して馬券圏内を外したのが中央芝に挑戦したフェニックス賞のみ。重賞では九州ジュニアチャンピオンを制し、ネクストスター佐賀が3着、カペラ賞が2着。いずれも負けても勝ち馬からコンマ6秒以内の差と、地元佐賀では崩れることがない。ほかに重賞で上位入着経験があるのは、カペラ賞でトゥールリーから7馬身離されて3着だったカシノルーカスのみというメンバーでは、中心は揺るぎない。
相手筆頭はデッドフレイ。アルデバラン特別では唯一、直線でトゥールリーに食い下がって1馬身半差。今回は初めての中距離1750メートル戦で、その能力を発揮できるかどうか。
前述のとおりカシノルーカスはカペラ賞で3着。この馬も前走、2歳-2組の一般戦ではあるものの、トゥールリーに2馬身半差で2着と健闘した。
フークファンタジーは、重賞ではカペラ賞での5着が最高という成績だが、11月のベテルギウス賞ではカシノルーカスに5馬身差をつけて圧勝。続く前走フォーマルハウト賞は8着だったが、遠征馬相手だっただけに佐賀デビュー馬限定のここでは見直したい。
サガノオウマサンはここまで7戦して3着以内を外したのが一度だけで、ここ2戦はトゥールリー相手に3着。ここでも馬券圏内は狙えそう。
ロトプレシャスはデビューから2連勝。ただ前走1400メートルの勝ちタイムが重馬場1分31秒2タイムで、このメンバーで勝ち負けするには1秒以上タイムを詰める必要があり、さらなる上昇が求められる。
◎10トゥールリー
◯3デッドフレイ
▲6カシノルーカス
△11フークファンタジー
△1サガノオウマサン
△12ロトプレシャス
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ブリーザフレスカは昨年重賞3勝。デビュー3年目だった塚本征吾騎手の出世馬となった。前走東海菊花賞は5着だったが、先着された馬は今回不在で、このメンバーに入れば能力上位は間違いない。
このレース連覇を狙うのがメルト。その後はやや落ち込んだかA2特別で1勝を挙げたのみだが、強力遠征勢多数の笠松グランプリでは東海地区最先着の4着、さらに前走東海ゴールドカップトライアルでは、のちに東海ゴールドカップでハナ差2着好走のナリタブレードの2着。ここに来て復調気配だけに連覇も期待できる。
浦和から転入初戦のゴールドレッグスは、南関東B2で常に好走という実力なら、ここでも通用する。3歳時に旧名古屋競馬場は経験しているが、あとは初コースに対応できるかどうか。
ロードランヴェルセは、重賞初挑戦となった笠松・オータムカップでは7着だったが、その後、名古屋のA級特別で好走続き。今回一線級が少ないメンバーだけに上位争いも可能。
昨年2着だったブンブンマル、昨年の笠松・くろゆり賞2着だったファルコンウィングらも争覇圏。
◎8ブリーザフレスカ
◯5メルト
▲3ゴールドレッグス
△1ロードランヴェルセ
△7ブンブンマル
△9ファルコンウィング
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