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松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。佐藤到 1969年宮城県出身。97年のテシオ創刊とともに競馬撮影を始めた『メイセイオペラ世代』。

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あなたの夢はどの馬に?私の夢はサイレントエクセル

 桐花賞というレース、大晦日に行われるその年の“〆”の一戦(大晦日でない時も何度かありましたが)という位置にあるせいか、他の重賞よりもずっとレースの印象が強く残っています。
 トウケイニセイの3連覇、優勝で飾ったそのラストラン。メイセイオペラの復活。ハスカップボーイの一世一代の大激走。トーホウエンペラーのサクセスストーリー。バンケーティング対トーヨーリンカーンの3歳ワン・ツー。トニージェントの3連覇。そして昨年の、マツリダパレスの歓喜のV。逃げ切りあり、差し切りあり。人気馬の完勝があればはたまた大凡走もあり。いろいろなレースがありましたね。
 前回も書いたように地方競馬は年度単位の日程になっていますから、12月31日だといってもシーズン最終日ではなく、その点は有馬記念でシーズンラストを迎えるJRAとは雰囲気が異なります。しかし、やはり1年の区切りの日に行われるレース。桐花賞が大晦日に行われるという事が、印象をより強くしているように思います。

 もちろん、単にお祭り的なレースというに留まりません。勝ち馬の名を見ていくと不思議と、その年の岩手競馬がどんな1年だったかが分かるような馬の名前が並んでいるんですよね。トウケイニセイの3連覇の頃はまさにトウケイニセイ・モリユウプリンスの“TM対決”の時代でしたし、その次の年のプレザント優勝はTMが不在となった後の混戦の象徴といえました。昨年なんかも、古馬の有力どころがしっかりしなかったシーズンを3歳馬が締めくくってしまった。いかにも、という感じです。
 今年の岩手競馬がどんな1年だったか。その雰囲気を体現するような馬はどれか?そんな事を考えながら予想してみるのも面白いと思いますよ。そんな事を考えて、あなたの頭の中に真っ先にひらめいた馬。案外そういう馬が勝つような気がしますよ。

 私の感じた今年の印象は「有力古馬不在・3歳馬の台頭」でした。オープン級の重特勝ち馬がコロコロ変わり、前に勝った馬が次には簡単に凡走する。そんな古馬勢に比べ、3歳馬には牡・牝ともにこれからの岩手競馬を引っ張るであろう逸材が登場しました。
 であれば、やはり3歳馬が古馬勢を押しのけて勝ってこそ、今年の岩手競馬らしい締めくくりになるのではないでしょうか。



 ということで私の本命は歳馬、それも牝馬のサイレントエクセルとしました。
 ここまで重賞を4勝し、地元牝馬には敵なしとなったサイレントエクセル。圧倒的な力の差を見せ続けたその走りは牝馬相手だけのものではなく、ダービーグランプリG13着をみれば、当然牡馬にも通用すると見るべきでしょう。
 気になるのは前走・クイーン賞G3での10着という結果ですが、これは敗因が「輸送」とはっきりしていて地元戦なら巻き返し可能。その後の調整も変わりなく順調で、力は出せる状態です。斤量の54kgも、対古馬で3kg、対3歳牡馬で2kg軽いのは大きなプラス。
 若干気になるのはコース状態で、金杯で敗れた時のような不良馬場になるとマイナスかなと思うのですが、今はその時よりは先行競馬をするようになっていますし、不良がからきしヘタという事でもないので、あまり強く不安視する必要はないと思います。
 ここを勝って再度の遠征へ、そして岩手競馬史上最強の牝馬へと、道を進んでいってほしいものです。
 対抗は、これも3歳馬でオウシュウクラウン。サイレントエクセルが3歳牝馬のトップならこちらは3歳牡馬のトップ、その実力は古馬からも一目置かれる存在です。対古馬の重賞は初めてですが、当然主力視するべきでしょう。
 前走の2着は正直言ってちょっともの足りない気がしますが、これは勝ったニッショウウララにとってベストの条件が揃ってしまったため。3着以下が大きく離れた点をみれば、むしろ対古馬でも力が上という事を示したと言えます。

 今シーズンのサイレントエクセル対オウシュウクラウンの戦いは、6月のダイヤモンドカップではオウシュウクラウンが先着、9月のダービーGPではサイレントエクセルが先着と、今のところ1勝1敗の五分。オウシュウクラウンも経験を積んでいるが、サイレントエクセルの成長度も凄い。今の直接対決ならサイレントエクセルにも逆転の目有り、と期待を込めてのサイレントエクセル本命・オウシュウクラウン対抗ですが、オウシュウクラウンの力も当然ながら相当なもので、両者互角と考えて検討するのが、馬券的には正解でしょうね。

 もう一頭はニッショウウララを挙げてみたいところ。前走のオウシュウクラウン撃破も見事でしたが、なにより今年のこの馬は大きく変わりました。デビュー戦で水沢ダート850mのレコード(当時)を出したようにスピード馬のイメージが強かったのですが、年と共に落ち着きを増し、距離や戦法のレパートリーを増やしてきました。2000mは久々、単騎逃げも簡単には望みがたいメンバーですが、今年のこの馬の変わりように敬意を表して1票。

 以下、もう一頭の3歳馬テンショウボスと、メンバー中最年長・9歳のゲイリーエクシード。まずテンショウボスですが、水沢よりは盛岡の方が合うタイプという点がありますし、馬体がなかなか絞れず、ここのところずっと太めで出走しているという点も気になりますが、対オウシュウクラウンとの成績からすれば好走しておかしくないはず。もし520kg台前半まで絞れていたら勝負。
 ゲイリーエクシードは9歳の冬ながら安定した成績をキープ。有力どころが先行するし、ペースが速くなる、この馬向きの展開になる、というチャンスもあるでしょう。

 買い目はフォーメーションで、1着・2着にサイレントエクセルとオウシュウクラウンを並べ、3着に1、4、8。強気に行くならサイレントエクセル1着・オウシュウクラウン2着固定で。


●出走各馬短評
1 ゲイリーエクシード:年齢的に上積み期待薄も末脚堅実。連下までありうる
2 ミサキノハンター:距離不問・水沢得意も、水の浮くコースは苦手。当日注意
3 オウシュウクラウン:ここ通用の力。極端なコース悪化なければなお良し
4 ニッショウウララ:前走ほど楽はできそうにないが、逃げれば粘る
5 サイレントエクセル:中間順調。地元で前走の雪辱狙う
6 チュードサンデー:堅実さ評価できるが、重賞では少し及ばず。距離も長い
7 ブラーボウッズ:典型的な穴馬。距離も合い、人気にかかわらず穴党は押さえるべし
8 テンショウボス:距離好都合も小回り水沢はやや苦手。馬体重マイナス体重が前提
9 マツリダパレス:ここに来て復調気配も、昨年ほどの勢いはなく
10 マツリダブロッコ:さすがに連戦の疲れ出たかの前走。掲示板圏内までか


◇お奨めこの一頭/9R:メタモルキング
 ここ2戦は強力な同型がいて楽なレースができず。しかし今回は単騎逃げ可能ですし、1800mという距離、その4枠という点も後押し。

2006/12/30
レース展望

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