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やっぱり馬が好き(第57回) 旋丸 巴

2009年8月 7日(金)

JRAジョッキーDAY & ばんえいマスターズ

 年に1度のお楽しみ「JRAジョッキーDAY」が、今年も8月3日に行われました。今年の参加騎手さんは何と9名。元騎手の細江純子さんを合わせれば実に10名もの騎手さんが帯広競馬場に集結して……。

 でもね、本当は、もうお一方、ビッグなビッグな元騎手さんがいらしてた、ということは、案外知られていませんのよ。

 その大騎手さんとは……加賀武見騎手! ばんえい関係の紙面ゆえ詳しくは説明しませんが、昭和40年代から50年代に一世を風靡した名手中の名手。そんな方が「札幌に来たから、ちょっと寄ってみた」と自前で遊びにいらしたのですから、私はのけぞってビックリ。JRA騎手諸氏も最敬礼でお迎えされていましたが……。ここは帯広競馬場、スタンドに出た加賀さんに観客は誰一人気がつかず、いや、それでも、さすがは大騎手、ニコニコと楽しげに、ばんえい競馬を堪能されていました。

 さてさて、そんな賑やかなJRAジョッキーDAYの、しかし、一番の見ものは実は騎手さんの練習風景。日頃、凛々しい騎乗姿を見せるJRA騎手さん達が、馬の大きさ、ソリの不安定さに驚愕し、騒ぎまくる練習風景。「何とか観客の皆さんにも見せて上げられないかしら」と思うほど、本当に面白い。

 今年は、初参加となった中舘騎手、岩田騎手、そして今をときめく三浦皇成騎手がソリ練習に臨んだのだが、案の定、バランスの取り方や馬の動きの違いに各騎手とも右往左往。岩田騎手は奇声をあげ、それを皇成君が冷やかして、練習場は爆笑の渦。

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ソリ練習に励む岩田・三浦両騎手。なぜかモンキー乗り?

 それでも、何だかんだという内に、いつの間にかコツをつかむところは、さすがアスリート。指導に当たった安部憲二騎手や藤本匠騎手の「手綱は長めに」なんていうアドバイスにも、ふんふん、なるほど、と、すぐに納得しておられましたよ。やるなぁ。

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練習の後は記念写真。左から岩田騎手、藤本騎手、三浦騎手、中舘騎手

 こんな調子なので、本番のエキシビションレースも無事に、というか大いに盛り上がって、例年以上に迫力のレースが繰り広げられて、良かった、良かった。

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エキシビションレース第一戦を制した安藤勝己騎手と、サポート役の大口騎手

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エンシビションレースを終えて、全員で記念写真

 という訳で、楽しいJRAジョッキーDAYだったのですが、しかし!! それ以上に楽しいレースが、実は来たる16日、ばんえいグランプリの当日に行われる! ということを読者各位は、ご存知でしょうか?

 その名も「ばんえいマスターズカップ」。そう、往年の名騎手が打ち揃ってレースを繰り広げる、あのレースを、ばんえい競馬でも行うのですよ。

 出場される元騎手(現調教師さん)は…… 金山明彦、久田守、皆川公二、三浦孝幸、服部義幸、田上忠夫、岩本利春、中島敏博、金田勇、西康幸。以上10名の調教師さん。

 3,299勝、リーディング13回という伝説的記録を残した名手・金山明彦と、その好敵手で2,103勝騎手の久田守。この二大騎手の対決だけでも一見の価値があるけれど、2,085勝の戦績を残す名騎手・岩本利春の手綱さばき、1,000勝騎手・皆川公二の「皆川ダンス」を見るのも楽しみ。他にも、調教師として1,000勝をあげた三浦孝幸、リーディングトレーナーの服部義幸などなど。日頃は表に出てこない先生方が自らの勝負服に身を固めて勢ぞろいするのだから、当時を知るオールドファンは勿論、先生たちの現役時代を知らない新しいファンだってワクワクする、でしょ?

 聞くところによると、現役騎手さんに「おい、ズボン貸せ」と依頼したり、マスターズに向けて調教に励んだり、と既に臨戦態勢に入った調教師もいるとのこと。ここら辺の勝負への執着は、さすが勝負師。JRAの若い騎手さん達にも負けていない。

 という訳で、今年のお盆は、ばんえいグランプリとマスターズ、夢の対決2レースが繰り広げられる帯広競馬場に、注目!

馬券おやじは今日も行く(第54回) 古林英一

2009年7月 2日(木)

福引きの帝王誕生 〜Aiba札幌中央でばんえい競馬発売開始〜

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 6月9日(火)Aiba札幌中央が開設され、13日(土)にはばんえいも発売!となるはずだったのが……。帯広の大雨でなんと開催中止。なんともしまらないばんえい発売初日になってしまいました。

 この日、OPBM(オッズパークばんえいマネジメント)から大番頭Nさんとかわいい新人と評判のSさんの2人がイベント開催のため、札幌へきておりました。福引きや小生の場立ち予想が予定されておりました。NPOとかち馬文化を支える会札幌支部の面々もお手伝いに集結。ところがばんえいが開催中止になってみんながっくり。

 とりあえず、せっかく用意したのだからと、OPBMによる福引きは実施されました。当日併売していた水沢競馬の馬券1000円買えば1回福引きという仕組み。考えてみれば、Aiba札幌中央はホッカイドウ競馬の場外発売所。売ってる馬券は水沢競馬。売れてもばんえいにはびた一文入らないんですが、心の広いOPBMさん、ちゃんと福引きやってくれました。場立ち予想は中止なので小生は失業。

 しかし、転んでもただでは起きない小生。ホッカイドウ競馬の応援も兼ね、ちょっとでも場を盛り上げようと(といいつつ、当然もちろん馬券で儲けようという下心も多いにありですが)、水沢の馬券を購入して福引きに参加。4つのレースを購入して4回福引きしました。

 福引きの神が小生に降臨したのであります。1回目、くるりと取っ手を回すところりと黄色玉。豚丼のタレをゲット。いつも福引きでは参加賞のティッシュしかあたらない小生がちゃんとした景品をゲット。こりゃあすてき。2回目です。上から3番目に鎮座ましますのが十勝名産の長芋であります。「長芋ほし〜い!」と皆に宣言したら、ころりと出たのは赤い玉。ありゃま〜、何と長芋的中っ! 3回目、今度は「お茶とお菓子でええわ」と宣言したら予定通り「お茶とお菓子」の白玉。そして最後の4回目が極めつけ。「こうなったら2等のばんえいクリスタルグラスセットでももらって帰りますわ」と周囲に吹いて福引き機の取っ手を回すと、ころりと出たのが銀の玉。見事2等のクリスタルグラスをゲットです。こんなこと、あるんですね〜。

 小生、これからは福引きの帝王を名乗らせていただきます。

 馬券の方も、馬単4頭ボックスで買い続けたら、8800円なんていう高配当まで引き当てました。いやあ、至福のひとときでした。

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 このAiba札幌中央は、札幌市中央区南6条西1丁目、地下鉄東豊線豊水すすきの駅東南の出口から徒歩1分にある競輪の場外発売所サテライト札幌の2階にあります。実はこの場外、小生の勤務先から地下鉄で1駅。小生の研究室は地下鉄東豊線学園前駅の真上にあります。ということで研究室のドアを出てサテライト札幌までは10分ほどあれば行けます。車券を買うのによく利用しております。そこで馬券も購入可能となったわけで、小生のために開設してくれたようなもんですな。ちなみに6月13日は久留米開設記念中野カップレースの3日目準決勝。こっちの方もとらせていただきました。

 あれから数週間、Aiba札幌中央でばんえいの馬券を買い続けております。この際、はっきりいいますが、豚丼のタレ、長芋、お茶&お菓子、そしてクリスタルグラス、全部まとめて定価で購入する以上に負け続けております。取り返されちまったぜ(T_T)

 さて、告知です。7月12日、サテライト石狩の開設5周年記念イベントが開催されます。サテライト石狩内には昨年Aiba石狩が併設され、もちろんばんえいも発売しております。NPOとかち馬文化を支える会も店出しする予定です。リッキーorミルキーも応援に来る予定です。みなさん、ぜひおいで下さいまし!

やっぱり馬が好き(第56回) 旋丸 巴

2009年6月 5日(金)

本当のばんえい再生を目指して

 前回、我らが古林博士大先生も記されていたように、5月17日、ばんえい応援団「NPOとかち馬文化を支える会」の総会がございました。で、不肖、私が専務理事に就任いたしましたの。専務理事と言えば、会の真ん中に立って舵取りを致すのでございますが、いいえ、実際のところは、会員さんの使いっ走り。理事長代理兼雑務係兼トイレ掃除のオバサン(本当に事務所のトイレ掃除もやってるも〜ん)なんである。

 ただし、である。そんな私ではあるけれど、馬が好き、競馬が好き、ばんえいが好き、ということでは人後に落ちないと、これだけは自負する(キッパリ)。だから、今までよりも、更にパワフルに、更に実質的に、ばんえい応援をして行く所存なんである(再びキッパリ)。

 とは言っても、ばんえい応援にしても、馬文化啓蒙普及にしても、私一人では、到底、出来るものではないから、役員をパワーアップ。当コラムの古林先生、ジョッキーファイルの斎藤友香さんには、引き続き理事=中心メンバーとして活躍してもらう。

 加えて、これまた本ブログでお馴染みのカリスマ・アナ矢野吉彦さんには、顧問から理事に移籍してもらって、実質的な活動にも参画してもらうことに。

 更に更に、当ブログの編集長である斎藤修さんに顧問になっていただき、ブレーンとして様々な御指導を乞うことにもした。

 つまりね、当ブログの仲間、ほぼオールスターで「とかち馬文化を支える会」を支えてもらうことにしちゃった訳で、ははは。

 はてさて、この布陣については、勿論、私なりの目論見があって、それが「支部構想」。

 札幌在住の古林先生と友香さんは、既に馬学セミナー開催など、札幌での活動で獅子奮迅の大活躍をされている。つまり、事実上「札幌支部」が機能している訳で、これを強化すべく、今回は、この御両人の他にも、ばんえい血統研究の第一人者氏に当会の役員に加わっていただいたりしている。

 こうして札幌に進出した本会であるから、次なるターゲットは……と考えたら、やっぱり日本の中心=首都圏をおいて他にない、でしょ?

 そこに、泣く子も黙る、矢野アナ、斎藤編集長という競馬界の大物二氏を配して、東京支部を作るのじゃ〜、どわっはっはっ〜。と算盤を弾いて、一人越に入って……いやいや、しかし、こういうお二人が参画してくれた今年度からは、是非にも首都圏で、なにがしかの「ばんえいイベント」を行いたいと、これは冗談ではなく、真面目に真摯に考えているのですよ。イベントと言っても、場立ち予想でも、オフ会、抽選会でも何でもいいのである。存外、首都圏には、ばんえいファンが多いから、そういう人々が集える、そんな催しが出来たら、いいな、そして、いずれは「とかち馬文化を支える会・東京支部」が出来ればいいな、と限りなく広がりまくる私の妄想。

     *     *     *

 はてさて、そんな「新生・とかち馬文化を支える会」であるけれど、地元・十勝では既に先般5月29日に事業第1弾を展開!

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藤本匠騎手会長も率先してゴミ拾い

 帯広競馬場に隣接する西町公園なる公園のゴミ拾いを敢行したのである。

 「なーんだ、ゴミ拾いか」と言うなかれ。当会が呼びかけた、このゴミ拾いに参加した、その総勢、何と80名。予想人数を大幅に上回る参加者にも仰天したけれど、その大半が厩舎関係者であったことに、驚き、かつ、大感動。

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掃除に精を出す大口騎手(手前)とゴミ拾い隊の安部騎手(後姿)

 その影には、西邑調教師の「各厩舎1名は参加してね」という呼びかけと、騎手会の全面的協力があったのだけれど、厩舎が一丸となって「日頃お世話になっている地元の人への恩返し」と、ゴミ拾いに精出してくれたことの意義は大きいのである。

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厩舎に呼びかけてくださった西邑調教師は、草刈部隊として大活躍

 いやいや、しかし、頑張ったのは厩舎関係者だけじゃない。Gパンをドロだらけにして不法投棄された大型ゴミを拾ってくれた当会の会員さん、差し入れの缶ジュースをドッサリ持参してくれた役員さん。

 オッズパークの職員さんも仕事の合間に駆けつけてくれたし、帯広市の清掃局も迅速にゴミ回収に協力してくれて、これぞ本当の「全員参加型」。

 この模様はNHKのニュースとして北海道全域に報道されたから、ばんえいのイメージアップに寄与できた、と自画自賛して大喜びした次第である。

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支える会の活動ではいつも大活躍の大河原騎手(右)

     *     *     *

  「馬文化とか言って、結局、ばんえいなんてギャンブルじゃん」といった批判が、あちこちから聞こえるのである。聞こえるけれど、そういう時は泰然自若として、こうお答えするのである。

 「ばんえい無くして馬文化なし。馬文化無くして、ばんえいなし。」と。

 つまりね、馬を中心にした人の営みがあれば、それは総て「馬文化」。だから、教育も、福祉も、競馬も、私の中では矛盾無く、馬文化として保存し、発展させるべきものなのである。

 だから、ゴミ拾いも、東京でのオフ会も、福祉乗馬も、みーんな、それぞれが出来ることを、楽しみながら実行して行けば、それでOK。難しいゴチャゴチャなしで、みんなで楽しく、馬を中心に楽しもうよ、と、そう考えているから、読者諸氏世、是非にも、とかち馬文化を支える会に参加しておくれやす。ばんえい競馬って、馬はパワフルだし、騎手さんは気さくだし、関係者は個性的だし……。そういう楽しい競馬に関われるというのも当会イチオシの「ウリ」。

 ばんばショップから簡単に入会できるので、繰り返すけど、是非、あなたも、当会に参加して、ばんえい競馬を、そして馬文化を100倍楽しんでくださいませ〜♪

馬券おやじは今日も行く(第53回) 古林英一

2009年5月23日(土)

名人・中西関松のはなし

 皆様、ご無沙汰しております。

 まず、北海道内限定のおしらせです。TVH(テレビ北海道)で毎週土曜日の朝やっている経済ナビという番組がございます。6月20日(土)にばんえいが放送される予定です。13日(土)だったかな? ともかく6月です(ちゃんと聞いたのですが何せボケ気味の小生なんで忘れてしまったのです)。道内在住の皆様、新聞のテレビ欄をちゃんと見て下さいね〜。といっても肝心要の帯広では映らないのが寂しいところなのですが…。

 どういう番組になるのかはよく知りませんが、先日、5月17日に開かれたNPOとかち馬文化を支える会2009年度総会の模様などもしっかり収録しておりました。わがとかち馬文化を支える会も発足3年目をむかえ、役員・事務局体制もちょびっとリニューアルし、さらなる発展をめざそうというところであります。入会は随時受付中でございます。ぜひ今すぐ申し込んで下さいまし。

 総会終了後、小生は急いで帯広競馬場へ…ではなく、故中西関松調教師夫人のトシエさんのご自宅にお邪魔いたしました。TVHの取材陣も同行しました。中西関松、オールドファンなら懐かしい名前でしょう。ばんえい競馬草創期の大スターです。当コラムでも一度紹介したことがあります(神様・中西関松の時代)。

 中西関松は1919(大正8)年、新十津川の開拓農家に生まれました。北海道にはかような新××という地名がちょいちょいあります。入植者が自分の故郷をしのんでつけた地名です。まあ、ニューヨークとかニューハンプシャーと同じ発想ですわな。十津川郷というのは山のなかの地域です。1889(明治22)年8月、この奈良県の十津川村で大水害が発生し、数多くの人が家や農地を失ってしまいます。そこで北海道に新天地を求め入植して拓いたのが新十津川村です。中西関松の両親も十津川からの入植者だったようです。

 奈良県の山間部といえば林業の盛んなところ。関松の父もおそらく山仕事の経験があったろうと思われます。関松は長らく山仕事を本業としますが、もしかすると子供の頃から父たちと山仕事をやっていたのではないでしょうか。

 明治も30年代になると、新十津川に北陸からの入植者がはいってきて稲作が本格的に広がります。関松の実家も水田をやっていたようです。

 1931(昭和6)年の満州事変から1945(昭和20)年まで、わが国は15年戦争の時代にはいります。関松も徴兵され中国大陸に送られます。戦地で戦闘中に関松は銃弾を腹に受けます。銃弾が左腹から右腹に貫通するという大怪我だったそうです。弾がちょっとそれていたら後年の名人中西関松はいなかったことになります。九死に一生を得て1944年北海道に戻ります。

 当時の関松は両親を新十津川に残し、滝川で馬と共に山仕事を本業としていました。出征前から近隣でおこなわれている輓馬大会には必ず出場し、その道ではすでにそれなりに名を知られる存在になっていたようです。

 1946(昭和21)年秋、新たに制定された地方競馬法に基づき、旭川と岩見沢で馬匹組合連合会主催によるばんえい競馬が各2日間ずつ開催されました。関松ももちろん参加します。

 試行錯誤で始まったばんえい競馬は順調に売上高を伸ばし、開催日数も徐々に増えてはいきますが、それでも昭和40年代前半までは年間66日しか開催していません。賞金や手当も安く、大部分の人は地元開催のときだけアルバイト程度の感覚で自分の馬をつれて参加していました。馬を貨車で輸送していた時代です。旭川、岩見沢、北見、帯広の4場を回っていた人や馬はわずかです。そのなかの一人が中西関松でした。

 すでに名手といわれていた関松には騎乗依頼も多く、また馬を中西に預ける馬主もいました。「若い衆」を雇い厩舎経営的なことも、ばんえい競馬では関松が最初の方だったようです。とはいえ、まだ、ばんえい競馬だけでは食えませんから、山仕事が本業でした。「若い衆」は山仕事もいっしょにやっていたといういいます。

 昭和40年代も後半になると、賞金・手当も増え、その一方、馬搬による山仕事は衰退していきます。結果的に関松もばんえい競馬が本業となっていったのです。

 昭和30年代の終わりか40年代のはじめ頃、ばんえい競馬で活躍する中西関松にあこがれた一人の小学生が関松のところに遊びにくるようになります。この少年は中学を卒業するのをまって中西厩舎にはいり、騎手試験に合格し、1969(昭和44)年6月14日騎手デビューします。この日から数えて19,712回騎乗3,299勝をあげ、ミスターばんえいと讃えられた金山明彦現調教師でした。

 関松は何よりも騎乗するのが好きでした。58歳まで現役の騎手として活躍します。さすがに引退する頃はレースが終わると息があがって顔面蒼白だったといいます。それでも本人はいつまでも騎手をやっていたかったようですが、周囲のすすめで騎手を引退します。実は、中西関松の騎手引退によって、ばんえい競馬では騎手と調教師の分離が実現したのです。

 70歳で調教師を引退し、中西関松は競馬場を去ります。しかしながら、馬にかける情熱はまったく衰えなかったようです。トシエ夫人によると、常々80歳まで馬を育てると口にしており、馬の育成をやっていました。しかしながら、その願いもむなしく、1990(平成2年)1月9日急性心不全で急逝してしまいます。亡くなった当日も自らトラックに乗って馬の飼料を運搬したりしていたといいます。

 1990年といえば、世はバブルまっただ中。ばんえい競馬も空前の活況にわいていた時代です。こうして考えてみると、中西関松という人はばんえい競馬の発展のなかでその生涯を全うしたといえそうです。

やっぱり馬が好き(第55回) 旋丸 巴

2009年5月 1日(金)

ばんえい界のニュースター

 いや〜、昨年度末のばんえい記念、凄かったですね。重量戦でのトモエパワーの強さもさることながら、私が胸熱くしたのはミサイルテンリュウ。今年こそは、の願いは叶わなかったものの、しかし、あの第2障害での勇姿といったら……。山に食らい付き、はいつくばってでもソリを引き揚げようとする、あの根性。

 ばんえい競馬は虐待だ、という人々には、是非にも、あの一生懸命なミサイルの姿を見ていただきたい。あれぞ人馬一体。騎手の心が通じてこそのパフォーマンスなのである。

 と鼻息荒く語ってしまう「ばんえい記念」だけど、鼻息荒いついでに、先月、当コラムで古林先生が告知していた「ばんえい前夜祭」についても、鼻息荒くご報告を。

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ばんえい記念前夜祭で「ばんえい記念」について語ってくださった金山調教師。さすがミスターばんえいだけあって、オーラが……(写真提供・斎藤友香氏)

 だってね、大盛況だったんだもん! 立見が出るほどの超満員。ミスターばんえい金山調教師の、ばんえい記念にまつわるお話も、とっても興味深かったし、予想会では我らが古林先生が精緻な回帰分析による予想を披露。「その結果、1番数値が良かったのは……」と観衆に固唾を飲ませ、「イケダガッツでした」と爆笑の渦に叩き込むあたりなんざぁ、さすが元落研。並みの学者さんじゃあ、ございませんぜ。

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予想コーナーでは古林先生(右から2番目)が精緻な予想と見事な話術を披露。(写真提供・斎藤友香氏)

 さて、そんな楽しい前夜祭のトリは「お楽しみ抽選会」。ばんえい記念出場騎手さんのサイン入りグッズなどを用意したのだけど、ここに強力な協力者が現れて、それが他ならぬ大河原騎手。

 「俺の家に置いとくよりファンが喜んでくれた方がナンボいいか」と提供して下さったのが、何と何とリーディングジョッキーに輝いた時のトロフィーや貴重な写真の数々。

 「そんなもの提供してもらっていいの?」と観客の皆さんも恐縮されるほど。勿論、当選した方は大喜びで持ち帰られました。

 古林先生や斎藤友香さんと、「やろうか」「やろうよ」と軽い気持ちで企画した前夜祭。だけれど、これほどまでに盛況ならば今年度もやらなければ……いやいや、どうせのことなら、ばんえい記念と言わず、夏、グランプリの時にでもやろうよ、と仲間内で既に大盛り上がり。

 という訳で、読者諸氏よ、夏には是非、帯広競馬場にいらっしゃいませ〜。

     *    *    *

 さてさて、そんな楽しいばんえい記念も終って、気が付けば、もう新年度開催。今年は、どんな馬が活躍するのかしら、とご期待の面々に不肖・旋丸が新馬情報をお伝えするのですよ。

 4月12日に行われた第1回能力検定で、40年間培った我が相馬眼に一際、輝かしく映ったのは……。

 じゃじゃーん! ノーフェイト。3着入線だったし、時計も凄く早いってわけじゃなかったから、当日、あまり話題になっていないようだけど、坂を降りてからの豪快な脚は「素敵」以外の何物でもなかった。骨太の栗毛で、馬っぷりもよく見えて、将来が楽しみ〜♪

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坂を降りてからの爆発的末脚が「素敵」だったノーフェイト

 もう1頭、エビスオニワカ、アオノレクサスの全弟キングマサライも、これまた凄い脚を見せてくれて大満足。

 私の兄貴分であるSさんの生産馬であり当歳から見知っていた同馬だけに大いに期待して見守っていたけれど、レースのほとんどをキャンターで駆け抜ける豪快な走りを見せてくれたから、満足、満足、大満足。亡き父エビスタイショウの闘魂を発揮してくれれば、兄以上の活躍も期待できるはず。

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スタートからゴールまで、ほとんどをギャロップで駆け抜けたキングマサライ

 因みに、このキングマサライ、能検の後、馬名を一般公募。5月2日には新馬名が発表されるから、今後は新しい馬名で活躍してくれるでしょう。

 以上2頭が私の今年の注目馬……と思っていたら、谷調教師から新情報が入りましたぞ。27日に行われた第2回の能力検定で「凄い馬」が現れた、と。

 その名もミントヒッパルゾー。3人引きという超VIP待遇で登場。本馬場入場でスタート地点に向かったところまでは良かったけれど、谷さん曰く、「勢い余って、3人の厩務員を引きずったまま逃走し始め、 スタート地点近くまで来てUターン、いきなりスタンド側の柵を障害飛越。数十mエキサイティングゾーンでエキサイティングな走りを見せ、もう一度柵を斜めに障害飛越!で、本馬場に戻ってきました」

 こんな派手派手パフォーマンスを見せたにも関わらず、ヒッパルゾー君、蛇行しまくりながらも見事合格!

 残念ながら、私のこの模様を見られなかったけれど、名前といい、この暴れ方といい、早くデビュー戦で遭いたい!

     *    *    *

 という訳で、楽しみな新スター候補生を紹介したけれど、最後にオマケとして最近話題の「ばんえい界のスター」をばご紹介。

 某人気テレビ番組で全国的に紹介された新スターは馬ならぬ犬=ダルメシアンのティアラちゃん。皆川厩舎所属の彼女は、前述番組で同厩舎の活躍馬オレワスゴイの背に乗っている勇姿を披露し話題となった。そんなワンコだから、早速、皆川厩舎に行って彼女の写真を撮らせてもらった。

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全国放送で紹介された「ばんえい界の新スター」=ティアラちゃん

 意外に小柄で、とってもシャイなティアラちゃん。華麗な乗馬姿は見られなかったけど、馬たちに負けず、新スターとして、ばんえい界を盛り上げてくれるよう切にお願いして帰って来た。

 馬もワンコも、勿論、関係者は言うに及ばず、全員参加で頑張る「ばんえい競馬」を、皆さん、今年度も宜しくお引き立ちのほど、お願い申し上げますっ!

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