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やっぱり馬が好き(第8回)  旋丸 巴

競馬ファンの財産

 落語家なんかが良く言うセリフに、「名人の芸を生で見たことが私にとっての財産です」というのがあるけれど、競馬ファンも同じような感慨を抱くんじゃないだろうか。「ナリタブライアンのレースをライブで見たのが、自分の財産だ」なんてね。

 実質的財産皆無の私も、そういう「財産」なら、馬齢を重ねた分だけ、たくさん持っていて、様々な名勝負を生で観戦し、多くの名種牡馬にも会ったことがある。

 ただし、ばんえい競馬となると、平地競馬ほどの「財産」はないから、残念無念なのだけど、それでも、最近は色々な幸運に恵まれて「財産」が増えつつある。中でも、最大の「財産」と言えば、それは、もう、何たってスーパーペガサス様に謁見できたことである。

pegasus  昨冬の某日、取材を許されて帯広競馬場にでかけた。開催日ではない平日の昼前。大方の馬は調教を終えていたから、調教コースは閑散して、冬の青空を二羽の白鳥が横切っていた。と、厩舎の方向から一頭の雄大な栗毛が現れて、それが正しくスーパーペガサス!

 パドックでは至近距離で見たことがあるけれど、調教の姿を見るのは、また別の感慨があって、それで、感動にうち震える手でカメラのシャッターを押しまくった。

 と、それだけでも嬉しかったのに、ここで私を案内してくれていた知人が、ペガサス様の厩務員さんを呼び止めてくれて、それで私は、ペガサス様のお近くに寄り、何と首筋を撫でさせてもらうという極めつけの僥倖(ぎょうこう)に恵まれたのである。

 それにしても、である。この時のペガサスの態度は、実に実に凄かった。立ち止った彼は、私が近づいても泰然自若。すっくりと背を張ったまま、私なんぞ見向きもしないのだ。さすがは、王者の中の王者。彼の戦歴に畏敬の念を抱いていた私は、威風堂々たる彼の風格にも完全に魅了されてしまった。

 後になって、「あの名馬に会ったことがあるんだぜ」と「財産」をひけらかすのもいいけれど、名馬と同時代を生きている「今」こそが幸せなんじゃないか。と、柄にもなく真面目に考えさせられたのも、この時に感じたペガサス様の偉大さ故なんである。

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